役員報酬とは?給与計算との違いや種類・決め方まで解説

2022/5/7 2022/11/16

給与計算システム

役員とビジネス・報酬

役員報酬は従業員の給与と異なり金額が大きく、むやみに変更すると脱税につながる可能性もあるため、法律の規制があります。ここでは役員報酬が通常の給与計算と異なる点や報酬の決定の仕方、そして税務上の役員報酬の注意点などをお伝えします。

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会社役員とは

日本における会社役員は会社法に定めがあり、取締役、会計参与、監査役をいいます。会社の事業などは株主総会で決定し、その運営や実行などを取締役会で決定します。

取締役は会社の意思決定機関で、会社を代表する取締役が代表取締役です。会計参与は会社の計算書類を作成する人をいい、監査役は取締役が不正をしていないか監査をする人をいいます。会社役員は会社と雇用関係になく、労働基準法では使用者としての規定があるため、会社での位置づけが従業員とは異なるのが特徴です。

なお、執行役員は取締役会に出席せず、会社では従業員の立場となります。また、みなし役員も役員と同様の扱いとなります。みなし役員とは、会社の従業員ではあるものの、実際は会社の経営に関与している従業員をいいます。この場合登記をしていなくても役員としてみなされます。

役員報酬の給与計算方法

役員報酬とは、取締役、執行役、会計参与、監査役など会社役員に対して支払う報酬をいいます。通常会社の従業員に毎月支払う給料とは会計では異なる扱いとなるため注意が必要です。役員報酬は支払条件などを設定し株主総会の決議により支給します。

また役員報酬は本俸、その他諸手当など、従業員の給与のように項目を細かく分けて支給することはあまりありません。また、みなし役員の給与は役員報酬として税務上取り扱う必要があります。

給与との違い

従業員の給与は損金経理が可能ですが、役員報酬は税務上の規制により、条件を満たさないと給与と同様の損金経理ができません。

役員報酬は一般的な社員の給与より高額であることが多く、株主総会を経ずに金額を決定したり、役員報酬の支給時期を利益が確定した段階で自由に決定したりすると、利益操作となり脱税にも繋がるため、税法により規制されています。

また役員報酬には最低賃金の考え方がなく、会社の収益性が芳しくない場合、理論上ゼロにすることも可能です。

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給与計算における役員報酬の勘定科目

役員報酬の勘定科目は、役員報酬を使います。役員報酬は、販売費及び一般管理費の区分となり、締め日に発生主義で計上し支払日に未払金を取り崩す経理処理をします。

役員報酬の相手科目には、未払金のほか、健康保険料と厚生年金保険料、源泉所得税、住民税などがあります。ただし、会社の役員は雇用保険に加入できませんので、雇用保険料は役員報酬の相手科目になりません。

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給与計算で知っておくべき役員報酬の種類

役員報酬を損金経理するには、税法で認められた方法で経理処理する必要があります。もし予定より利益が出て役員報酬を期中で変更したい場合などは、税法に触れ損金経理できない可能性があるので、必ず顧問税理士に相談したうえで実施するか決めることをおすすめします。

ここでは税法で損金経理の認められた役員報酬を3つお伝えします。

定期同額給与

役員報酬は定期で同額を支給しなければなりません。その金額は事業年度の開始する日から3ヶ月以内に株主総会で承認されている必要があります。株主総会で承認した後、株主総会議事録を作成し保管することとなっています。

その処理が終わった後、年度内に毎月定額を支給することで損金経理が認められ、法人税を少なくすることができます。

なお定期同額給与とは、会社の実績が予定より悪くなった場合、減額することも認められず定額を支払い続けなければなりません。

事前確定届出給与

役員報酬には、一般的な賞与の概念がありません。一時金として役員に報酬を支給する際は、税務署にあらかじめ支給の時期と金額を申告している必要があります。これを事前確定届出といい、この手続きを行った後に届出の金額を支給すれば損金経理することができます。なお役員に賞与を支給する際、役員賞与の勘定科目を使うことがあります。

役員賞与は、原則として損金経理できませんが、事前確定届出給与にかかる場合のみ損金経理が可能となります。届出の期限は、株主総会での決議日から1ヶ月を経過する日、もしくは期首から4ヶ月を経過した日のうち早い日となるので注意が必要です。

利益連動給与

日本国内の法人で同族会社とならない場合、その事業年度内の利益と連動した指標に基づき支給する役員報酬を利益連動給与といいます。利益連動給与には、2つの条件を満たし、さらに計算方法を開示する必要があります。

まず、当該事業年度で有価証券報告書に記載された利益に関する指標により、客観的に計算されていることです。次に、当該事業年度の利益確定後、1ヶ月以内に支給されていることです。

これらの2つの条件を満たせば、利益連動給与として損金経理が可能になります。なお利益連動給与はこのような特徴を持つため、非上場会社や、同族形態をとることの多い中小企業では実施が難しいです。

給与計算が難しい?役員報酬の決め方

役員報酬を決定するにはいくつかのルールがあります。そのルールに沿っていれば支給自体は難しくありません。役員報酬で難しいのは、当該年度での利益を予想し報酬の金額を算出することです。

ここでは役員報酬の金額が算出してある場合で、実際に支給する際のルールをお伝えします。

会社設立後 3ヶ月以内に決める

役員報酬は会社設立後、3ヶ月以内に決定しなければなりません。会社の設立当初では、当該年度の利益の見通しが立ちづらく、金額をいくらにするか難しいことが多いです。

しかし役員報酬の金額によっては、社会保険料や所得税などの金額に大きな変動を及ぼすため、金額の算出は慎重に行う必要があります。

毎月同額であること

役員報酬は毎月同じ金額で支給しなければなりません。役員報酬が支給の度に変動すると、損金経理ができない場合があるからです。当該年度の利益が予想以上に出た場合、役員報酬を毎月定額分より多く支払うとその分は損金として認められません。

もし役員報酬を定額より多く支給した場合は、その分の損金経理ができないばかりか、役員の所得税にも影響が及びます。

変更可能な期間

役員報酬は原則として税法上変更できませんが、例外として変更可能な期間が定められています。会社設立時か、当該事業年度開始から3ヶ月以内であれば一度だけ役員報酬を変更しても損金経理が可能です。

しかし外部より役員を迎え入れ、従業員が新たに役員となった場合に役員報酬を増額しても損金経理が可能です。さらに役員の格付けが上がった場合でも役員報酬の変更は可能です。

また役員報酬は減額の際にも、増額と同様の変更可能な期間が定められています。役員報酬を減額する際は、業績が悪化していることと会社以外の債権者や債務者に影響を及ぼすなどの条件が揃っていることが必要です。

株主総会で決議を行う

会社法では役員報酬を決定するには、定款に定めがない場合、株主総会で決議を行うことという定めがあります。ただし株主総会では役員報酬の総額を決定しておき、各取締役への配分額は取締役会の決議によって決定することも可能です。

また取締役会を設置していない会社では、代表取締役が役員報酬の配分額を決定します。また税務調査では議事録の提出を求められるため、必ず議事録を作成し記録を残し保管します。

給与計算における役員報酬を決める際の注意点

役員報酬は給与と異なり、金額が大きくなることが特徴です。役員報酬を支給することで、法人税の額や取締役の社会保険料や所得税など、さらに会社の資金繰りにも影響が及びます。ここでは役員報酬を決める際の注意点をお伝えします。

役員報酬の適正額とは

役員報酬は会社の利益を予測したうえで、節税の観点からも適正な額を支給する必要があります。役員報酬は税法で、不当に高額な部分の金額は損金経理できない規定があるからです。

役員報酬が適正であるかの指標として、役員の実態や職務、会社の収益性との兼ね合い、従業員の給料と比べて高額すぎないか、同業社と比べて高額でないかなどがあります。税務調査ではそれらを加味したうえで適正か検証しますので、役員報酬を決める際は注意が必要です。

役員報酬の決め方

役員報酬額の基本的な考え方と決め方などを2つお伝えします。まず役員の生活費をベースに役員報酬額を決定する方法です。報酬額をいくらにするかイメージがわかない場合は、まず生活費を役員報酬額とすることをおすすめします。

次に会社の事業収益から逆算して役員報酬の額を決定する方法です。いずれにしても税金の額と税務調査を念頭に置いて報酬額を決める必要があります。

経済的な利益供与も役員報酬となる

役員報酬は金銭だけとは限りません。会社からの資産贈与、債権放棄の金額、会社の所有する不動産を無償もしくは低額で利用した際の料金なども経済的な利益供与とみなされ役員報酬となります。毎月定額の役員報酬にそれらの金額は加算され、株主総会で決定した役員報酬を超えた部分は損金経理できず、法人税の対象となります。

役員報酬が少ないと法人税が増える

役員報酬を決める際は、役員の手元に資金を移すのか、会社に資金を残すのかを検討し決定します。役員報酬が少ないと、会社の資金は残りやすくなりますが、法人税が多くなります。

役員個人あたりの所得税は少なくなりますが、法人税率は所得税より高いことが多く、法人税の金額が大きくなることも考えられます。また金融機関からの融資を受けやすくするには、会社に資金を残す必要があり、その場合は役員報酬を少なめに決定します。

役員報酬が多いと社会保険料が増える

役員報酬が増えると、それだけ役員の負担する社会保険料が増えます。社会保険料は会社と個人で折半ですので、会社の負担する社会保険料も役員報酬を多くした分だけ増加します。会社の利益に直接影響しますし、資金繰りも修正が必要となるため、注意が必要です。

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まとめ

給与計算における役員報酬には、税法上での規制があるため慎重に決定しなければなりません。役員報酬を決定する際は株主総会の決議が必要なこと、会社設立時、または事業開始から3ヶ月以内であれば役員報酬の変更が可能なこと、そして株主総会の議事録もきちんと整理されていることが必要です。

また、役員報酬の額を決定する際は、会社に資金を残すのか、役員の手元に資金を移すのかをよく検討しなければなりません。役員報酬は社員の給料と異なり金額が大きく、法人税や資金繰りにも影響を及ぼすため、慎重に決定しましょう。

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