労災保険とは?加入条件と労災保険料の給与計算方法

記事更新日:2022/05/12

給与計算システム

労災と労災保険とは

労災保険は従業員を一人でも雇えば強制加入となります。保険料は会社が負担し、正社員ばかりでなくパート社員やアルバイトなども対象ですとなります。今回の記事では、労災保険において給与計算で注意すべき点、加入条件、保険料の支払方法などをお伝えします。

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給与計算における労災保険の加入条件と手続きについて

労災保険には加入条件が労災保険法に規定されており、その条件を満たせば強制加入します。また、加入手続きも労災保険法で規定されているので、加入条件を正しく理解し必要書類や加入手続きに滞りがないようにしましょう

労災保険の加入条件と必要書類

労災保険は従業員を一人でも雇えば原則として強制加入となります。ただし官公庁で非現業のもの、国の直営事業所、船員保険被保険者などは、労災法以外の法律が適用されるため労災保険の加入対象とはなりません。さらに代表権や業務執行権のある役員も加入対象とはなりません。

労災保険の加入に必要な書類には、加入当初に「保険関係成立届」「概算保険料申告書」、そして「履歴事項全部証明書」などがあります。「保険関係成立届」と「概算保険料申告書」は提出期限が異なりますが、一度にまとめて提出し保険料を納付することが一般的です。

労災保険の加入手続き

まず、労災保険の適用事業所になった場合は、所轄の労働基準監督署または公共職業安定所などに「保険関係成立届」を提出します。提出期限は、保険関係の成立した日より10日以内です。

また、加入手続きの際は、その年度分の労働保険料を概算保険料として申告し納付します。労働保険料は、労災保険の成立した日から当該年度の末日までに会社が従業員に支払う給料などの見込み額に一定の保険料率を掛けて計算します。

労災保険を含めた給与計算方法

労働保険は労災保険と雇用保険から構成されます。労災保険は国が労災の適用となる事業所から徴収する保険料を意味します。労災保険料は会社が保険料を全額負担するため、会社と従業員で保険料を負担する雇用保険との違いとなっています。

また、労働保険料の計算期間は、毎年4月1日から3月31日までの1年間です。この1年間の給料の見込み額から労災保険料を計算します。

3年に1度保険料の見直しがある

労働保険料では、労災保険料率と雇用保険料率が異なっています。労災保険料は3年に一度の見直しがあり、会社の労災状況により保険料が変わるため、会社の予算計上には注意が必要です。

実務では、業態に応じてベースとなる労災保険料があり、会社の労災が多ければ労災保険料も割り増しとなり、労災が少なければメリットとして労災保険料が安くなることもあります。労災が多いと国の税金の負担も増えるため、労災保険料が上がり会社の費用負担も増えてしまいます。

複数事業の場合、事業ごとの保険率で給与計算をする

会社では一つだけでなく複数事業を展開しているケースがあります。その際は、事業の内容に応じて労災保険料を計算しなければなりません。労災保険料の率は、労災の多い業界と少ない業界で異なっている場合があるため、どのような業種にあてはまるのか事業の区分には注意が必要です。

給与計算項目を正しく把握して賃金総額を出す

労災保険の対象者の給料には、労災保険の賃金として含まれるものと含まれないものがあります。労災保険の賃金に含まれるものとして、基本給、賞与、通勤手当(定期券や回数券など含む)、残業手当や各種手当、社会保険料や雇用保険料で会社が負担した場合の料金、前払い退職金などがあります。

また、労災保険の賃金に含まれないものとして、役員報酬、慶弔金や退職金などの一時的に支払われるもの、出張費、休業補償や傷病手当金、会社が負担する生命保険料などがあります。

労災保険料を計算する際は、その対象となる賃金と対象とならない金額の一年分の総額を計算する必要があるので注意が必要です。従業員に支払う賃金を全て労災保険料の対象として計算すると労災保険料が割高になってしまうケースがあります。また、労災保険料の対象となる賃金を対象としていなかった場合、本来納めるべき労災保険料より少なくなってしまいます。

労災保険料の納付の過不足は、行政により検査を受けることがあり、その際納付に不備がみつかれば追徴や還付となります。いずれにしても給与計算項目をよく理解し、正確に賃金総額を計算することが求められます。

出向社員、派遣社員の給与計算に注意する

子会社に出向している社員や、人材派遣により派遣社員を受け入れている場合は、労災保険料の対象となるか注意が必要です。労災保険料は事業場で負担することが原則ですので、子会社に出向している社員の労災保険料は子会社で負担します。

しかし、派遣社員の場合は、派遣元が労災保険料を負担するので給与計算に注意が必要です。労働安全の指揮は派遣先に従いますが、労災保険料は派遣社員の給料計算している派遣元が負担します。このように出向社員と派遣社員では労災保険料の負担先が異なっています。

保険料の納付は前年度の概算保険料と確定保険料の差額を精算

労災保険料を納付する際は、前年度の概算保険料と実際の保険料を比較し、その差額を納付し毎年精算します。ただし、労災保険料は次年度に同額になるとして、0円とすることは認められていません。0円とすると労災保険が継続できず、会社が廃止の扱いとなってしまいます。

まとめ

労災保険は従業員を一人でも雇えば強制加入となるのが特徴です。労災保険料を納付する際には、給与の支給項目によって対象となるものと対象とならないものがあります。給与計算の際、一年分の総額を支給項目により集計できるようにしましょう。

労災保険には対象者と、例外で非対象者が発生する場合があります。そのため、給与計算では対象者、非対象者と区別して集計できることも必要です。

そして労災保険料は一年分を概算額と実際額で差し引きし、その差額を1年単位で精算します。健康保険や厚生年金は保険料を毎月納付しますが、労災保険料は毎年精算するのが特徴です。労災保険の加入条件をよく理解し、正確な保険料を計算するため給与計算をしっかり行う必要があります。

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