IP-PBXとは?仕組みやクラウドPBX・ビジネスフォンとの違いを比較

最終更新日時:2023/02/02

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多くの企業が導入するPBXにはいくつか種類があります。本記事では、インターネット回線を利用した「IP-PBX」の仕組みやクラウドPBX・ビジネスフォンとの違い、特徴的な機能と導入するメリットについて解説していきます。導入をお考えの方は参考にしてください。

IP-PBXとは

IP-PBXとは、Internet Protocol Private Branch eXchangeの略で、インターネット回線を使った電話交換機のことです。

ビジネスフォンで内線や外線で使用する場合、PBXが必要です。しかし、会社内のネットワーク上にIP電話機を繋げれば、電話が可能になりコスト面も押さえることが可能になりました。

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IP-PBXの仕組み

IP-PBXでは電話線ではなくLANケーブルを利用して通話を行います。

会社の規模で従業員が増減しても電話機の増設が簡単に行えます。さらにパソコンやスマートフォンでも通話ができるため非常に便利です。

IP-PBXは2種類に分類される

IP-PBXはハードウェアタイプ・ソフトウェアタイプの2種類があります。

それぞれの特徴について紹介していきます。

ハードウェアタイプ

ハードウェアタイプは、従来から提供されているオフィス内にIP-PBXを設置し利用する方法です。多くの企業で提供されており、会社の規模に合わせて製品を選ぶことができます。ハードウェアタイプの特徴は、オフィス内にIP-PBXを設置するためセキュリティが万全で安定している点です。

工事も比較的短時間で済むので、導入までの時間が短いです。

ソフトウェアタイプ

ソフトウェアタイプは、ソフトウェアを自社のサーバーにインストールして利用する方法です。サーバーにインストールするだけなので、工事が不要でコストが安く抑えられるを点も魅力といえます。

ソフトウェアをアップデートし最新の状態に保てれば、メンテナンス費用も安くすみます。

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IP-PBXの特徴的な7つの機能

IP-PBXの特徴について紹介していきます。

1.拠点間接続

通常、電話は各拠点ごとに設置されておりそれぞれで電話代がかかっていました。

しかし、IP-PBXは離れた拠点間でも内線になるので無料通話が可能です。拠点間で電話をする機会が多い場合には、コストを抑えることができます。

2.Click to Call

電話をかける場合に電話番号を直接入力する必要がありますが、IP-PBXを活用するとパソコンの画面上で電話番号が選択できるので間違いを減らすことができます。

また、電話がかかってきた場合にもパソコンの画面上に発信者の情報が表示されるためスムーズな会話が可能です。

3.メールとの連携

メールと連携すれば、不在時に着信があった場合でもメールで情報が伝えられるため安心です。また、ボイスメール機能を用いれば、より正確な情報の把握に役に立つといえるでしょう。

4.ビデオ通話

ビデオ通話も可能なので、IP-PBXを活用してテレビ会議を行えます。またスマートフォンに転送すれば、場所に捉われる心配もありません。

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5.録音機能

電波状況や周辺の環境により聞きづらいなどの問題が発生した時に使えるのが録音機能です。録音機能が備わっていれば、内容が理解できるまで何回もくり返し聞き返せるため相手との認知の違いが起こりにくくなるでしょう。

6.ペーパーレスFAX

受信したFAXをクラウドに保存すれば、ペーパーレスにもつながり経費の削減につながります。また、FAXが近くになくてもパソコンで確認できるので便利です。

7.ツールの連携

各種ツールの連携も可能です。例えばドアフォンと連携すれば、来客時に自席の電話で応対ができます。また、ネットワークカメラと連携すれば、外出先でもスマートフォンからリアルタイムで会社の状況が把握可能です。

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IP-PBXを導入するメリット

IP-PBXにはさまざまな特徴が備わっており、利用するメリットも非常に多いです。ここからはIP-PBXを導入するメリットについて紹介していきます。

1.導入の手間がかからない

設置工事が必要ないため、導入の手間がかかりません。

従来は、拠点ごとに主装置の設置をしなければなりませんでした。しかしIP-PBXは、ネット回線を用いるため設置工事が必要ありません。

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2.運用コストを抑えることができる

次に運用にかかるコストが少なくできる点です。IP-PBXはIP電話であるため、通話料金は全国どこにかけても一律です。また、IP-PBXはスマートフォンで内線化も可能なので運用コストを低くできます。

3.パソコンと連携できる

IP-PBXとパソコンと連携すれば効率的に仕事を行えます。例えば、音声データをパソコンに保存していつでも確認ができたり、電話番号をパソコン上に表示すれば顧客対応をスムーズに行ったりできるでしょう。

4.便利機能が備わっている

IP-PBXは会社に合わせて機能のカスタマイズが可能です。着信の振り分けや外出中の営業担当者への取次ぎなどもあり便利です。提供する企業ごとに機能が違うため、自社にあった機能を活用すれば効率化できます。

5.拠点が一ヶ所で済む

拠点が複数あっても、IP電話の環境にあれば新たにPBX装置を設置する必要はありません。そのため、工事にかかる費用を削減したり短期間で導入できたりという点がメリットです。

新たな拠点を作る場合にも、工事はほとんど必要ありません。

IP-PBXとクラウドPBX・ビジネスフォンの違い

IP-PBXと間違われるものに、クラウドPBXとビジネスフォンがあります。

それぞれの違いを、以下の表にまとめ詳しく解説します。

 IP-PBXクラウドPBXビジネスフォン
導入手間が少ない手間が少ない大がかりな工事が必要
初期費用約15万円前後約1~5万円(無料の場合もあり)約20~30万円
運用コストネット回線料+プロバイダー料約1,000~3,000円毎月の外線使用料
運用形態自社内サーバークラウド上サーバー自社内に設置
セキュリティ対策として定期的なパスワードの変更や国際電話利用に関する規制が必要基本的にメーカーが行う国際電話利用に関する規制、ソフトウェアの更新が必要

1.導入

IP-PBXはハードウェア型やソフトウェア型で異なりますが、導入のための大がかりな工事は必要ありません。

クラウドPBXは、クラウド上でほとんどの設定ができるので導入の手間も少ないです。

一方でビジネスフォンは、設置工事や回線工事が必要です。

2.初期費用

初期費用の相場は、IP-PBXで15万円前後です。

またクラウドPBXは依頼する会社によって無料の場合もありますが、1〜5万円が相場です。

ビジネスフォンは台数などにより異なりますが、小規模な事務所や店舗で利用する場合は20~30万円かかります。

あくまでも相場なので、導入する際は事前に確認することをおすすめします。

3.運用コスト

気になる運用コストですが、IP-PBXはネット回線とプロバイダー通話の料金が必要です。

クラウドPBXは、1回線でおよそ1,000円~3,000円必要です。

ビジネスフォンは、社内保守点検料と毎月の外線使用料がかかります。

4.運用形態

運用形態は、それぞれ若干ですが異なります。IP-PBXは自社内にサーバーを設置しなければなりません。しかし、PBXはクラウド上にサーバーを設置します。

そして、ビジネスフォンはPBX端末を自社内に設置する必要があります。

5.セキュリティ

IP-PBXは、IDとパスワードさえ分かれば容易にアクセスができます。不正アクセスを防止するには、パスワードを定期的に変更する必要があります。

また、不正アクセスを行い勝手に国際電話をかける被害も出ているため、国際電話に一定の制限を行った方がよいでしょう。

クラウドPBXは、メーカー自体がセキュリティ対策をしているため絶対とは言い切れませんがセキュリティ面も万全です。

ビジネスフォンは、IP-PBXと同様に国際電話の利用制限を設けるほかにソフトウェアの更新が必要になります。

IP-PBXのシステムを理解して最適なシステムを導入しよう

IP-PBXの分類や機能、メリットなどを解説しました。

IP-PBXは、1ヶ所に主装置を設置するだけで各拠点に機械の設置や工事が必要ありません。

また、拠点間の通話が内線になるので費用を抑えることも可能です。

また、似たようなサービスにクラウドPBXとビジネスフォンがあります。自社の状況や必要な機能を把握して最適なシステムを導入することで業務を効率化していきましょう。

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