ポテンシャル採用とは?メリット・デメリットや年齢制限、見極めるポイント

最終更新日時:2024/03/11

採用管理システム

ポテンシャル採用とは

近年注目されている「ポテンシャル採用」。労働力減少や採用難の深刻化から大手企業でも取り入れられていますが、ポテンシャル採用とはどのような採用方法なのでしょうか。本記事では、ポテンシャル採用の概要や、メリット・デメリット、年齢制限の有無や見極めのポイントを解説します。

この記事の要約

・ポテンシャル採用とは、求職者のスキルや経験よりも将来性などの潜在能力を重視して採用する手法のこと
・新卒採用とは対象となる人材の範囲、中途採用とは採用基準に違いがある
・ポテンシャル採用に具体的な年齢制限は設けられていないものの、中長期的な視点で採用するため、20代〜30代の若手人材となるケースが多い

ポテンシャル採用とは?

ポテンシャル採用とは、求職者の現在のスキルや経験よりも、将来性や成長可能性などの潜在能力を重視して採用する手法です。

具体的には、個人の学習意欲や適応力、問題解決能力など、将来にわたって価値を発揮できるポテンシャルを評価します。特に、人材不足であり長期的な人材育成が基本となるIT系の業種で活用されていることが特徴です。

新卒採用との違い

ポテンシャル採用と新卒採用の主な違いは、採用対象となる人材の範囲にあります。

新卒採用は、主に高校や大学などを卒業したばかりの若手を対象とします。一方、ポテンシャル採用は年齢や経験にかかわらず、応募者の将来性や成長可能性などの潜在能力を見て採用するため、より幅広い層からの採用が可能です。

そのため、多様な背景を持つ人材の獲得が期待できます。

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中途採用との違い

中途採用とポテンシャル採用の違いは、採用基準にあります。

中途採用は、主に特定の職種や業務に対して即戦力となる経験やスキルを持った人材を求めるのに対し、ポテンシャル採用は応募者の現在の能力よりも、将来的に企業に貢献できる成長性や潜在能力を重視します。

これにより、経験年数や直接的な職務経験が少ない人でも、ポテンシャルによって評価され、採用される可能性があることが特徴です。

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ポテンシャル採用が注目されている理由

数ある採用手法の中で、なぜポテンシャル採用が注目されているのでしょうか。

ここからは、ポテンシャル採用が注目されている理由を紹介します。

既存の採用枠では母集団の形成が難しい

従来の採用方法では、特定のスキルや経験を持つ限られた人材に焦点を当てがちです。しかし、市場や技術の変化に伴って新しいスキルが求められるようになり、これまでの採用枠では十分な応募者を集めることが難しくなっています。

ポテンシャル採用であれば、これまで採用対象にはならなかった人材も対象となるため、母集団を形成しやすくなります。これにより採用の間口が広がり、長期的に見て優秀な人材を確保できる可能性が高まるのです。

即戦力人材の確保がより激化している

即戦力となる人材の確保競争は、各業界で激しさを増しています。多くの企業が、特定のスキルセットを持つ経験豊富な人材を求めており、即戦力人材への需要が高まっているのです。

しかし、このような人材は市場に限りがあり、採用が困難になるケースも少なくありません。そのため、素質のある人材を採用し、中長期的に自社で教育して優秀な人材に育て上げるポテンシャル採用が注目されているのです。

ポテンシャル採用は何歳まで?

基本的に、ポテンシャル採用に年齢制限はありません。企業は応募者の現在のスキルや経歴よりも、将来的な成長性や潜在能力を評価するため、年齢は採用基準として重視されないためです。

しかし、中長期的な視点で成長見込みのある人材を採用するため、第二新卒や既卒などの20代〜30代の若手人材が対象になるケースが多い傾向があります。

ポテンシャル採用を導入するメリット

ポテンシャル採用を実施することによって、企業はさまざまなメリットが得られます。

ここからは、ポテンシャル採用を導入するメリットを3つ紹介します。

企業の今後を担う優秀な人材を確保できる

ポテンシャル採用を通じて、企業は単に現在のスキルセットだけではなく、将来的に企業成長に貢献できる潜在能力を持つ人材を見つけ出すことができます。

これにより、企業は変化に柔軟に対応し、長期的に会社を支えることができる優秀な人材を確保することが可能です。成長が期待できる優秀な人材の確保は、組織の持続可能な成長と競争力の向上に直結します。

また、現在の日本企業は年功序列制が一般的ですが、年功序列では勤続年数が長くなり組織の活性化が起こりづらくなり、成長が止まるリスクもあるでしょう。しかし、ポテンシャル採用はダイバーシティーを考慮して採用するため、イノベーションや組織の活性化も期待できる点が魅力です。

基本的なビジネススキル・マナーを備えた人材を確保できる

ポテンシャル採用で獲得する人材は基本的に就業経験があるため、すでに社会人としてのビジネススキルやコミュニケーションにおけるマナーが備わっています。

ビジネススキル・マナーの研修がある新卒採用と比べて育成コストがかからず、早期に自社の戦力としての活躍が期待できます。

中途採用のように即戦力となる人材ではないため一定の育成期間は必要ですが、教育を通して将来的なリーダーとしての資質を育むこともできるでしょう。

従来とは異なるタイプの人材を確保できる

従来の採用方法では、同業種での経験やスキルを重視することが基本であるため、類似性が高い人材が集まりがちです。そのため、新しいアイデアも生まれづらいことが課題になる場合もあります。

しかし、ポテンシャル採用を活用することで、企業は従来の採用プロセスでは見過ごされがちな、多様なバックグラウンドやスキルセットを持つ人材を確保できます。このアプローチにより、異なる視点や新しいアイデアをもたらす人材が組織に加わり、創造性や革新性を促進します。

結果として、企業は固定観念にとらわれず、柔軟で多角的な問題解決能力を有するチームを構築できるようになるのです。これは、絶えず変化するビジネス環境において、競争優位性を維持するうえで重要な要素となります。

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ポテンシャル採用を導入するデメリット

さまざまなメリットのあるポテンシャル採用ですが、一方でデメリットがあるのも事実です。

ここからは、ポテンシャル採用を導入するデメリットを2つ紹介します。

人材の教育に時間・コストがかかる

ポテンシャル採用は潜在能力を重視するため、採用した人材が即戦力となるまでに、教育や研修に相当な時間とコストを要する場合があります。特に、未経験者で基礎からスキルを身に付けさせる必要がある場合、企業にとっては初期投資として大きな負担になることもあるでしょう。

そのため、短期間で成果を求める企業にとっては、人材の教育に時間・コストがかかる点がデメリットとなります。結果を出すまでの辛抱強さと、教育体制への投資意欲が必要です。

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ミスマッチを起こす可能性がある

ポテンシャル採用は求職者の将来の成長性を重視するため、現時点でのスキルセットや経験と職務のミスマッチが生じる可能性があります。特に、企業文化や仕事内容に対する理解不足から、期待した成果が得られないケースも考えられます。

また、求職者にとっても未経験であることから入社後の業務にギャップが生じ、早期退職してしまう恐れもあるのです。

インターンシップ制度であらかじめ自社について知ってもらったり、面接でグループワークやディスカッションを取り入れたりするなど、ミスマッチを防止する対策を行いましょう。また、採用前に外部のリファレンスチェックサービスを利用するのもおすすめです。

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ポテンシャル採用を導入している大手企業の事例一覧

ポテンシャル採用は主要な採用手法であり、数多くの企業で導入されています。

ここでは、大手企業に絞った導入事例を紹介します。

ヤフー株式会社

広告事業やイーコマース事業などを展開するヤフー株式会社では、2016年10月から新卒一括採用を廃止して、ポテンシャル採用を取り入れました。

同社のポテンシャル採用は、新卒・既卒・就業者など対象者は幅広く、応募時に30歳以下かつ入社時18歳以上であれば応募できます。新卒研修も行っており、たとえ新卒者であってもビジネススキル・マナーを身に付けられる環境です。

通年で選考を行っているため、選考時期は固定されていないことも特徴の一つです。

参照元:ヤフー株式会社「ポテンシャル採用

エイベックス株式会社

音楽事業やマネジメント事業などを展開するエイベックス株式会社では、「学歴不問で誰でも何度でもチャレンジ可能なオープンポジション」としてポテンシャル採用を導入しています。

応募資格はエントリー時点で社会人歴4年未満の方で、同社の職種・ポジションのニーズにマッチする人材であれば選考を受けられます。

希望と適性をもとに職種・配属分野が決定され、キャリアデザインのサポートが受けられることが特徴です。

参照元:エイベックス株式会社「“志”ポテンシャル採用

ソフトバンク株式会社

携帯電話の販売や固定通信サービスを提供するソフトバンク株式会社では、入社時に30歳未満の新卒・既卒・就業者を対象としたポテンシャル採用を導入しています。

誰にも負けないNo.1の実績がある人材を採用する「No.1採用」や、就労体験型のインターンシップなどを用意し、求職者が最適なアピール方法で選考に臨める環境を提供。入社時期は4月・10月で、プロフェッショナル、またはプロフェッショナルを目指す人材を積極的に採用しています。

参照元:ソフトバンク株式会社「ユニバーサル採用

応募者のポテンシャルを見極めるポイント

ポテンシャル採用では、応募者に大きく成長するポテンシャルがあるかを見極めるのが非常に重要です。

ここからは、応募者のポテンシャルを見極める3つのポイントを紹介します。

自ら学ぶ姿勢があるか

応募者が自発的に新しい知識やスキルを学ぶ意欲があるかどうかは、ポテンシャル採用における重要なポイントです。

自ら学ぶ姿勢は、変化に対応し成長し続ける能力の象徴であり、これがある人材は、未知の課題に直面しても解決策を見出し、自己発展させることができます。また、常に変化するビジネス関連の最新情報をキャッチアップできているかどうかも重要なポイントです。

面接や履歴書を通じて、応募者が過去にどのような自主学習をしてきたか、新しい挑戦をどのように乗り越えてきたかを見極めることが大切です。

目的意識があるか

求職者が明確な目的意識を持っているかどうかは、その人のポテンシャルを判断するうえで重要です。

目的意識がある人は、自分が達成したい目標がはっきりしており、目標に向かって努力し続けることができます。これは、職場での課題に積極的に取り組み、組織の目標達成に貢献する意欲と直結します。

面接などで、求職者が自分のキャリアや人生で何を成し遂げたいかについて聞くことで、その人の目的意識の有無や意欲を見極めることが可能です。

企業風土にあっているか

求職者が企業の風土や価値観に合っているかどうかを見極めることは、ポテンシャル採用において極めて重要です。潜在能力を有していても、自社の企業風土に合わない場合はギャップが生じ、早期退職されてしまう恐れがあります。

そのため、面接などの機会を通じて、応募者の価値観、働き方への考え方、対人関係のスタイルなどを評価し、企業風土への適合性を判断しましょう。

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ポテンシャル採用を失敗させないためのポイント

ポテンシャル採用をするうえで、失敗につながってしまうケースも多くあります。ここでは、ポテンシャル採用を失敗させないためのポイントを4つ紹介します。

ポテンシャルの基準を明確にする

ポテンシャル採用を成功させるためには、何をもってポテンシャルと判断するかの基準を事前に明確に設定することが必須です。

例えば、自主学習能力、問題解決能力、チームワーク、リーダーシップなど、企業が重視する能力や特性を具体的に定義しましょう。採用プロセスにおいて、これらの基準に沿って応募者を評価することで、企業のニーズに最も適した人材を見極めることができます。

明確な基準の設定は、選考過程の一貫性を保ち、ミスマッチのリスクを最小限に抑えられます。

求人媒体・情報発信の方法を適正化する

ポテンシャルの高い人材が利用する求人サイト、SNS、業界専門のイベントやセミナーなど、ターゲットとする人材が集まる求人媒体に焦点を当てて求人活動を行うことが重要です。

また、企業のビジョンや成長可能性を強調し、候補者が自分のポテンシャルを最大限に発揮できる環境であることを伝える情報発信も欠かせません。これにより、自身の成長意欲と企業の目指す方向性が一致する人材を惹きつけることが可能です。

キャリアプランを把握する

求職者は、応募先の企業でどのような経験を積み、どのようなスキルを身に付けられるかを熟考して応募している場合が多いです。たとえ給与や福利厚生などが充実していても、自身のキャリアプランとズレが生じていれば、内定辞退や早期退職につながる恐れがあります。

面接で求職者が将来どのような役割を担いたいか、どのようなスキルを磨きたいか、どんなキャリアを築きたいかを理解し、それを企業の成長計画や人材育成の機会と照らし合わせることが必要です。

これにより、応募者が企業でのキャリアを通じて自己実現できる道筋を示すことができ、長期的なエンゲージメントと成功への道を築けます。

入社後のサポート体制を充実させる

ポテンシャル採用を成功させるためには、入社後のサポート体制を充実させることが不可欠です。新入社員が自身の能力を最大限に発揮し、企業文化にスムーズに適応できるよう、オリエンテーションプログラム、メンターシップ制度、継続的なスキルアップのための研修などを整える必要があります。

また、定期的なフィードバックやキャリア相談を通じて成長をサポートし、モチベーションを維持することも重要です。これにより、新入社員が早期に職場に溶け込み、早期退職を防止して長期的に企業への貢献が期待できます。

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ポテンシャル採用を成功させ優柔な人材を獲得しよう

ポテンシャル採用は、将来にわたって企業を支える優秀な人材を獲得する有効な手段です。この採用戦略を成功させるには、応募者の成長可能性を見極める明確な基準を設け、適切な求人媒体を通じて情報を発信することが重要です。

また、求職者のキャリアプランを把握し、入社後はサポート体制を充実させることで、新しい環境での成長を促進できます。これらのポイントに注意を払うことで、企業は多様な才能を持つ人材を確保し、組織全体の持続可能な成長を実現することが可能です。

ポテンシャル採用は、即効性よりも長期的な視野で人材を育成し、企業価値を高める戦略として、ますます重要性を増していくでしょう。

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