中途採用した人材が期待外れになる原因|能力を引き出す育成方法や活躍する人材の採用方法

最終更新日時:2024/02/13

採用管理システム

中途採用での期待外れ

社会人経験のある人材を対象とする「中途採用」。労働人口減少の影響により導入企業が増えていますが、期待外れと感じている企業も多いようです。本記事では、中途採用した人材が期待外れになる原因を、能力を引き出す育成方法や活躍する人材の採用方法とあわせて解説します。

中途採用人材に対して期待外れだと感じてしまう原因

中途採用の人材に対し、なぜ期待外れだと感じる企業が多いのでしょうか。ここでは、その具体的な理由について紹介します。

給料に見合った働きをしてくれない

給料と実力のバランスが取れていないと、企業側は中途採用に対して失望感を抱きがちです。とくに経験豊富な中途採用者からは、採用時の給料に見合った成果や即戦力としての活躍を期待されます。

しかし、実際には新しい職場環境への適応や業務内容の習得に時間がかかることもあり、期待したパフォーマンスがすぐには見られない場合があるでしょう。これが「給料に見合わない」という印象を与える原因の一つとなります。

前職での成功体験を引きずっている

中途採用者が前職での成功体験に固執しすぎると、新しい職場での柔軟な対応が難しくなることがあります。過去の成功が自信につながるのはよいことですが、新しい環境では異なるアプローチが必要な場合も多くあります。

このような状況下で前職の方法に固執すると、チームとの協調性が欠けたり、現場のニーズに合わせた対応ができないことがあるでしょう。採用の段階で柔軟に対応できる人材であるかを見極める必要があります。

入社後の教育体制が整っていない

新たに中途採用された人材が期待通りの成果を上げるためには、企業側のサポートも欠かせません。即戦力になることを期待するばかりで入社後の教育体制が不十分だと、中途採用者も職場の文化や業務プロセスを理解したり適応するのに苦労します。

経験者だからといって適切な研修やサポートが提供されなければ、能力を十分に発揮できません。その結果、期待外れという評価につながることもあるでしょう。

常に受け身で自発的な発言や行動が少ない

中途採用者の中には、受け身の姿勢で自発的な行動を取らない人もいます。経験が豊富な人であっても現場で能力を発揮できなければ採用した意味がありません。

このような人がいるとチームの進捗やイノベーションに影響を及ぼす可能性もあるため、選考を行う際は積極的な発言や行動ができそうな人を選ぶことが大切です。

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期待外れな人材を採用してしまう原因

中途採用で期待はずれな人材を採用してしまう原因として、自社の採用プロセスに課題がある場合も少なくありません。ここでは、どのような原因が考えられるのかを紹介します。

選考フローで見抜くことができなかった

採用過程では、応募者のスキルや性格を適切に評価することが重要です。しかし、選考フローの段階で見抜けないこともよくあります。

面接を受ける人の中には、内定の欲しさから大げさに自分のスキルや経験を大げさに話す人も存在します。このような話を真に受けてしまうと、採用側の認識と実力に差を感じてしまい、期待はずれと感じることがあるでしょう。

欲しい人材の人物像が十分共有されていない

社内で採用すべき人材の具体的な人物像が明確に共有されていない場合、期待外れの採用につながりやすくなります。採用チームや部門間で求めるスキルや経験、価値観が一致していないと、適切な候補者を選べないでしょう。

とくに人柄や価値観といった要素は履歴書で判断できるようなものではありません。採用したいポジションで成果を上げるために必要な人物像を明確にし、社内全体で共有しておきましょう。

採用基準が面接官任せになっている

採用基準が明確になっていないと、面接官個人の判断に頼りすぎた採用になってしまいます。面接官の主観や感覚に依存することで、組織全体のニーズとは異なる基準で人材が選ばれることがあるため注意が必要です。たとえば、高学歴な応募者や前職で優れた実績を上げている応募者がいたとしましょう。

面接官がこのような特徴的な点ばかりに引っ張られてしまうと、すべてにおいて優れていると思い込んでしまい、見極めが甘くなってしまうことがあります。その結果、採用後に期待はずれと感じてしまうことがあるでしょう。

スキルセットだけで採用してしまう

応募者の技術的なスキルや経験に注目しすぎると、職場文化やチームとの相性を見落とすことがあります。スキルセットは重要ですが、応募者の仕事に対する姿勢や人柄も同様に大切な要素です。

スキルばかりを重視して採用を決定すると、結果として職場環境に適応できなかったり、実力を発揮できずに仕事へのモチベーションを失ってしまうことも考えられます。全体のバランスを考慮し、チームへのフィット感や企業文化への適応力も評価することが大切です。

中途採用者を期待外れにしないための育成方法

ここからは、採用した中途人材が期待外れにならないようにするための育成方法を紹介します。

自社のルールを明確に教える

中途採用者が早期に成果を出すためには、企業文化やルールを理解してもらうことが重要です。中途採用者が培ってきた経験を活かすには、自社での仕事の進め方やルールを覚えてもらう必要があります。

また、レポートラインやキーパーソンを伝えることも大切です。業務を円滑に進められるよう情報伝達に関するルールを教えたり、業務上接することの多いキーパーソンを紹介する機会を設けましょう。

自社のビジョン・理念を共有する

中途採用者が会社になじみ、長期的に貢献できるよう企業のビジョンと理念を共有することも重要なポイントです。企業が目指す未来や、その実現のために大切にしている価値観を理解することで、自身の仕事が目標にどう貢献するかを見出し、モチベーションを高めることができます。

また、中途社員の育成を行う際は、自社のロールモデルや成功例を伝えるのも有効です。目指すべき方向性を具体的に示すことで、現状のやるべきことが整理しやすくなるでしょう。

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業務・職場に慣れるためのフォローをする

中途採用者は、新卒とは異なりすでに人間関係が出来上がっている職場に入っていかなくてはなりません。そのため、ストレスを感じる人が多く、職場になじむまで大きな負担がかかります。

中途採用者が早く業務に慣れて安心して働けるようにするには、積極的なフォローが必要です。メンター制度を導入したり、定期的な1対1のミーティングを行うことで、不明点の解消やフィードバックを行い、職場に適応するためのサポートを実施しましょう。

求める役割を伝える

中途採用者の育成においては、具体的な役割と責任範囲を明確に伝えることが不可欠です。中途採用者の役割を明確にすることで、自分がチームや組織にどのように貢献できるかを理解し、自信を持って業務に取り組むことができます。

また、成長意欲を持つように促すことも大切です。状況の変化に対応できる人材になってもらうためにも、新しいことにも向上心を持ってチャレンジするよう伝えておきましょう。

中途採用者の育成計画・体制を確立する

新卒採用とは異なり、中途採用の場合のマニュアルが用意されていないこともあります。このようなケースでは、現場の社員が混乱するだけでなく、中途採用者の対応のために部署全体のコストが割かれるリスクが考えられます。

このような事態を防ぐには、業務を覚えるまでの時間やこなしてもらいたい仕事量などを明確に記した育成計画が必要です。また、入社後の状況を見ながら適正を再考していくことも求められます。実際に業務を進めてみると採用時には気が付かなかった適正を発見することがあります。採用時点でのイメージにこだわるのではなく、入社後の活躍を見ながら判断していく姿勢も大切です。

コミュニケーションを心がける

中途採用者が新しい環境に溶け込み、チームの一員として機能するためには、コミュニケーションの機会を設けることも欠かせません。

定期的なミーティングや個別のフィードバックセッションを通じて、期待や課題をオープンに話し合うことで、不安や誤解を解消し、信頼関係を築くことができます。積極的なコミュニケーションを心がけることにより、早期に会社に貢献できるようになるでしょう。

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中途採用における期待外れ人材を見分けるポイント

ここからは、中途採用を行う際に人材を見分けるポイントを紹介します。

素直で成長意欲が高い

素直さや成長への強い意欲を持っている人は、新しい環境にもすぐになじめるでしょう。面接時には、応募者がフィードバックを受け入れる態度があるか、新しい環境や技術に対する学習意欲を示すかどうかを注意深く観察してください。

素直で学ぶことに熱心な人材は、組織内での挑戦や変化にも柔軟に対応し、持続的な成長を遂げる可能性が高いと考えられます。

明確なキャリアビジョンがある

成功を収める中途採用者は、自分のキャリアに明確なビジョンを持っています。面接過程で応募者の長期的な目標やキャリアプランを理解することで、その人材が自社のビジョンや目指す方向性に合致しているかを見極めることが可能です。

明確なキャリアビジョンを持つ人材は、自己の目標達成に向けて自発的に動き、組織の成長に貢献する可能性が高いといえます。中途採用者のビジョンが会社の将来像と一致する場合、長期的な関係を築きながら共に成長していけるでしょう。

コミュニケーション能力が高い

コミュニケーション能力は、中途採用者がチーム内で成功するために重要なポイントです。コミュニケーション能力に長けた人材は、組織にも早くなじむことができ、わからないことがある場合にも気軽に質問できます。

これにより、効率的なチームワークやプロジェクトの進行が促進され、職場の雰囲気も良好に保たれるでしょう。面接や選考の段階で、候補者がどれだけ明瞭に自分を表現し、他者との交流に積極的かを見極めることで、チームにプラスの影響を与える人材を見分けることができます。

業務環境や範囲などが前職に近い

業務環境や範囲が前職と近ければ、早期の戦力化が期待できます。前職と似たような業務内容や働き方は、彼らが持っているスキルや知識を活かしやすくし、新しい職場での適応をスムーズにします。

面接の際は、同じ業界や職種であるかということを確認するだけでなく、働き方の共通点や違いについても確認しておきましょう。

活躍する中途人材を採用するための具体策

ここでは、自社で活躍できる中途人材を採用するための具体的な方法を紹介します。

カジュアル面談・懇親会を導入する

カジュアル面談や懇親会の実施は、中途採用者の人間性やチームとの相性を見極める上で有効です。このような場では、候補者がリラックスして本来の自分を表現しやすくなります。

既存のチームメンバーとの自然な交流を通じて、仕事の内容や進め方、価値観などを共有しておきましょう。実施する際は、趣味や休日の過ごし方などプライベートについても気軽に話せるような雰囲気にしておくことが大切です。

リファレンスチェックを導入する

リファレンスチェックは、中途採用者の過去の業務実績や人間性といった情報を前職の関係者に確認することです。前職の同僚や上司からの意見を聞くことで、応募者の職務遂行能力やチームでの協調性、リーダーシップなど履歴書や面接だけではつかみにくい側面を深く理解できます。

リファレンスチェックを行うことで、候補者が過去にどのような成果を上げ、職場でどのように評価されていたかを把握し、より適切な採用決定を下すことが可能になるでしょう。

採用基準を整備して中途採用のミスマッチをなくそう

中途採用で成功を収めるためには、明確な採用基準の設定が欠かせません。採用プロセスにおいては、カジュアル面談やリファレンスチェックのような手法を取り入れ、応募者の人間性やチームとの相性を深く探ることが重要です。

候補者とのコミュニケーションを重視し、企業文化や職場環境に合った人材を見極めることで、中途採用におけるミスマッチを防ぎ、双方にとって有益な結果をもたらすでしょう。

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