新卒採用スケジュールを策定する際のポイント|事前準備や早期選考のメリット

2024/04/16 2024/04/17

採用管理システム

新卒の採用スケジュール

新卒採用は中途採用とは異なり、スケジュールの大枠が決まっています。ただし、採用難の現代において優秀な人材を獲得するためには、早期選考など戦略的な採用スケジュールを立てることが必要です。そこで本記事では、新卒採用スケジュールを策定する際のポイント等を詳しく解説します。

新卒採用スケジュールの変化

新卒採用のスケジュールは時代とともに大きく変化してきました。その理由は、学生の学業への専念や企業の求める人材像の変化などさまざまです。それでは、具体的にどのように変わってきたのでしょうか。

2016年卒までのスケジュール

かつては大学3年生次の10月から新卒採用活動の広報解禁が認められていました。しかし、この時期は学業に専念すべき重要な時期でもあり、就職活動に時間を費やすことで学業に支障が出るのではないかと指摘されていました。

そこで、学生が学業に集中できる環境を整備する目的から、2016年卒以降の広報解禁が大学4年次の8月に後ろ倒しされました。

2024年卒までのスケジュール

選考開始時期の後ろ倒しによる影響から、大手企業に比べて知名度が低い中小企業を中心に、より早期の採用活動が求められるようになりました。そこで重要視されるようになったのが、インターンシップです。

インターンシップによって実際の業務を体験することで、学生と企業の相互理解を深める機会となっているのです。

2025年卒以降のスケジュール

最新の動向として、インターンシップに参加した学生の情報を後の採用選考時に活用することが、産学協議会によって認められました。これはインターンシップから採用選考への直結を意味します。つまり、学生にとってはインターンシップでのパフォーマンスが将来の就職活動に直接影響を与えることになるということです。

この変更は、学生と企業の双方に新たな展開をもたらすでしょう。

新卒採用の目的とは?メリット・デメリットやフロー、中途採用との違いを解説

【2026年卒】新卒採用のスケジュール

新卒採用活動は、厚生労働省が定めたルールに従って進められます。具体的には、

  • 広報活動開始は卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
  • 採用選考活動開始は卒業・修了年度の6月1日以降
  • 正式な内定日は卒業・修了年度の10月1日以降

と定められています。

[参照:厚生労働省「大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動時期について」]

このように一定のルールの下で新卒採用は行われますが、実際の動きは企業や学生それぞれの事情によって前後することがあります。以下、年間の動きをご紹介しましょう。

6~9月|採用広報・説明会の設計・夏インターンシップの開催

6月から9月にかけては、企業が翌年度の採用広報や説明会の設計、夏季インターンシップの開催準備に取り掛かる時期です。

一方の学生は、3年生の夏季休暇を利用してのインターンシップへの参加を視野に入れ始めます。具体的には就職情報サイトへの登録や、自己分析に着手する頃合いでしょう。

学生の動き:就職情報サイトへの登録・自己分析

長い夏季休暇を控え、就職活動への意識を強める学生が増えてきます。就職情報サイトへの登録や、自己分析に着手する学生が増えてくるのもこの頃です。希望する業界や企業への関心が高まり、インターンシップへの参加意欲も湧いてくるでしょう。

企業の動き:インターンや採用広報の準備

企業側も前年度の採用活動を振り返り、今年度の活動に向けた準備に取り掛かります。採用広報の設計や夏季インターンシップの企画など、新卒採用活動のスタートを切る重要な時期です。

10~12月|説明会・座談会の開催など学生へのアプローチ

夏季インターンが終了すると、企業は本格的に学生へのアプローチを開始します。具体的には、説明会や座談会を開催するなど、交流の場を積極的に設けていくことになるでしょう。学生たちも、翌年3月の就職活動開始に向けて、企業研究を本格化させます。

学生の動き:業界研究・志望企業の絞り込み

4年生になる直前、就職活動解禁が目前に迫ると、学生たちは真剣な企業研究のモードに入ります。これまでのインターンでの体験や、就職情報サイトの情報を活用しながら、自身の志望業界や企業を少しずつ絞り込んでいくのです。

企業説明会にも積極的に参加し、実際の社員から会社の雰囲気を肌で感じ取ろうと努力します。自分に合った企業を見つけるため、さまざまな角度から情報収集に努めることになるでしょう。

企業の動き:オープンカンパニーの開催・秋冬インターンシップ

企業側も学生への積極的なアプローチを展開します。オープンカンパニーなどのイベントを通じて、会社の魅力や働き方、先輩社員の生の声などを直接伝えることができるでしょう。

また、夏だけでなく秋冬にもインターンシップの機会を設け、OJTを体験してもらいます。実際の業務を経験してもらうことで学生と企業の相互理解につながるため、選考に向けた重要な機会となるのです。

1~2月|採用体制の整備・インターンシップ参加者へのフォロー

この時期は企業が採用体制の整備を行う一方、学生は後期試験の真っ只中です。企業側は採用スケジュールを確定し、採用手法の確認を行います。後期試験期間が終わると、インターンシップ参加者に対するフォローアップを本格化させる時期です。

学生の動き:後期試験シーズン

ほとんどの大学で後期試験期間に入るため、学生は試験勉強が最優先となります。就職活動は一旦脇に置かれがちですが、3月に備えての準備は着々と進められているでしょう。

企業の動き:採用スケジュールの確定・採用手法の確認

新年度の採用活動に向けて、具体的なスケジュールを確定させる重要な時期です。選考方法を再確認し、インターンシップ参加者へのフォローアップ体制を整えます。後期試験期間が終われば、いよいよ新卒採用活動の開始です。

3~5月|採用情報の公開

3月になると、企業は採用サイトや入社案内を公開し、本格的に学生へのアプローチを始めます。企業の魅力を伝え、優秀な人材を確保することが目標です。

学生の動き:エントリーシート提出・説明会の参加

4年生になり、就職活動解禁を迎え、学生たちはいよいよ実際のスタートを切ります。エントリーシートの提出や、会社説明会への参加など、本格的な就職活動のモードに入るのです。さまざまな企業を比較検討しながら、内定獲得に向けて動き出します。

企業の動き:会社説明会の実施

企業側も自社の魅力をアピールするため、会社説明会を精力的に開催します。学生に企業理念や業務内容、将来性などを直接伝えることで、志望度を高めてもらうことができるでしょう。

6~9月|採用選考・内定

採用活動が佳境を迎え、採用選考が進み内定が本格化する時期です。

学生の動き:内定の取得

面接や適性検査などの選考を経て、複数の内定を獲得する学生も出てくる頃です。そうなると、自身に最も合った企業を選ぶ重要な判断を迫られることになります。就職情報サイトやインターンの経験を振り返りながら熟考する時期となるでしょう。

企業の動き:面接・適性検査などの選考活動

企業側は面接や適性検査、グループディスカッションなど、さまざまな選考活動を実施します。学生の人物像や能力を多角的に見極め、自社に合った人材を見出すことが重要です。

10~2月|内定式・入社前研修の実施

10月以降は内定式や入社前研修の実施へとシフトしていきます。企業と内定者との最終確認の機会であるともいえるでしょう。

学生の動き:就職活動の終息

内定が決まれば、学生の就職活動は終了です。その後は内定式や入社前研修に参加し、来春の社会人デビューに備えます。

企業の動き:必要に応じて追加採用

一方の企業側では、内定者数が採用目標に満たない場合は追加採用を行います。また、内定辞退者が出た場合にも欠員を補う必要があります。内定者フォローにも注力し、新入社員の受け入れ体制を着実に整えていく段階です。

新卒採用の早期選考のメリット

早期から新卒採用の選考活動を行うことにはさまざまなメリットがあります。以下、その主なポイントを紹介します。

自社に合った優秀な人材を確保できる

早期先行は自社に合った優秀な人材確保のチャンスです。早期選考に臨む学生は、将来を見据えたうえで慎重に企業選びを行う傾向があります。つまり、自社の理念や雰囲気に共感し、長く活躍してくれる人材を確保しやすくなるのです。インターンシップなどに参加してもらうと、双方がさらに深く理解し合えるでしょう。

新卒採用でよくある課題とは?課題を解決する方法について解説

早期に採用目標を達成できる

早期に選考活動に着手すれば、その分早く内定者を決定できます。つまり、採用目標の人数に達するまでの期間が短縮され、無事に人員確保ができるかどうかという不安から解放されるのです。また、余裕を持って次の採用活動に取り組めるという点もメリットでしょう。

多くの学生と接触できる

多くの学生と接触できるのも早期先行のメリットです。学生の大半は内定が決まれば就職活動を終了するため、早期に選考を行えば、相対的に接触できる学生の数が増えるのです。幅広い層から優秀な人材を見つけられる可能性が高まるといえるでしょう。

採用活動の質を高めるチャンスがある

早期選考の実施は、採用活動自体の質を高めるチャンスにもつながります。早期から採用活動を始めることで、その過程でさまざまな知見を得られます。例えば学生へのアプローチ方法や、より効果的な選考プロセスなど、次年度の改善点が見えてくるでしょう。

新卒採用の手法について|トレンドやメリット・デメリット、適した手法を選ぶポイント

早期選考も視野に入れた新卒採用スケジュールがおすすめ

早期選考は、優秀な人材の確保、採用目標の早期達成、学生との接触機会の増加、採用活動の質の向上という点で大きなメリットをもたらします。これらの利点を踏まえ、早期選考を取り入れた新卒採用スケジュールを検討するとよいでしょう。

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