ベンチャー企業の採用活動は難しい?人材確保に成功する採用戦略を解説

最終更新日時:2024/03/06

採用管理システム

べンチャー企業の採用活動

ベンチャー企業の採用活動は、大手企業に比べて応募が集まりにくく、難しい傾向にあります。思うように採用が進まず、悩んでいる担当者も多いのではないでしょうか。当記事では、ベンチャー企業の採用活動について、課題や成功させるポイントを解説します。

ベンチャー企業の採用活動が難しい理由

少子高齢化による労働人口の減少をはじめ、売り手市場の状況やベンチャー企業に対するネガティブなイメージなど、ベンチャー企業が採用活動に苦労する要因は複数あります。

ここでは、3つの理由を詳しく見てみましょう。

少子高齢化による労働者の減少

少子高齢化社会といわれて久しい日本では、労働人口の減少も留まるところを知りません。このような状況にあって、特にベンチャー企業は知名度が高くないながら、限られた人材をめぐって大企業に負けずに採用活動を行っていかなければならないのです。

そもそもの母数となる労働人口が減り続けているために、採用市場はベンチャー企業にとって厳しさを増しているといえるでしょう。

求職者優位の売り手市場

現在、日本の労働市場は求職者優位の売り手市場が続いています。地域差はあるものの、令和5年の平均の有効求人倍率は1.31倍で、令和4年の平均を0.03ポイント上回りました。コロナ禍以前の水準までは回復していませんが、有効求人倍率は増加傾向にあります。

有効求人倍率が1を超える状況では、求職者はより良い条件を求めて職を選ぶことができます。そのため、ベンチャー企業にとっては、大企業との間で人材を確保するための競争がさらに激しくなるといえるのです。

ベンチャー企業に対するネガティブイメージ

安定した職場に勤めたいという求職者は多く、実績や福利厚生、待遇面から、大企業のほうが好まれる傾向にあります。一方で、ベンチャー企業は休みが少ない、研修が充実していないなどのネガティブなイメージによって、敬遠されてしまう傾向があります。

このネガティブイメージも採用を難しくする大きな原因の1つとなっているため、ベンチャー企業はこのようなイメージを払拭し、魅力的な職場であるとアピールする必要があるでしょう。

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ベンチャー企業の採用活動でよくある課題

ベンチャー企業が採用活動において直面する課題は多岐にわたります。特に大企業に対しては、知名度やリソース、教育環境の面でどうしても劣ってしまう部分があるでしょう。

ここでは、これら3つの課題について解説します。

知名度の低さから苦戦してしまう

大手企業や有名企業に比べ、ベンチャー企業の知名度は低いことが多く、これが求人情報の露出度低下にもつながり、結果として応募が集まりにくい状況を招く可能性があります。

名前を知っている企業や聞いたことがある企業は魅力的に感じやすく、仕事もイメージしやすいといったこともあり、知名度が低いベンチャー企業は、そもそも求職者に選んでもらうまでのハードルが高いのです。

採用に割けるリソースが少ない

資金力や人的資源の面で大手企業に追いつくことが難しいベンチャー企業は、採用活動においても割けるリソースが限られがちです。そのため、広告やイベントへの投資、効果的な採用プロセスの運用、候補者との綿密なコミュニケーションなど、多方面にわたる採用活動を十分に行えないことがあります。

限られたリソースの中で、どのようにして効率的かつ効果的に採用活動を進めるかが、ベンチャー企業にとっての大きな課題なのです。

教育環境が整っていない

リソースの課題にも通じるところがありますが、ベンチャー企業はしばしば人材を教育・育成するための体制が整っていないことがあります。それが原因で、新入社員がなかなか仕事に適応できず、結果として早期離職してしまう恐れがあります。

成長のために新鮮なアイデアと情熱を持った人材を必要とするベンチャー企業ですが、人材育成に必要な環境や体制が整っていないと、人材を長期的に確保しておくことができないのです。

採用力を強化する方法!高い企業・低い企業の違いや優秀な人材を確保するポイント

ベンチャー企業の採用活動を成功させる採用戦略

ベンチャー企業が採用活動を成功させるには、独自の採用戦略を立て、実行する必要があります。ここでは、ベンチャー企業が実践できる採用戦略を6つ紹介します。

採用基準を明確にし、入社後のミスマッチを防ぐ

企業と求職者双方の期待を一致させ、入社後のミスマッチを減らすために、採用基準を明確にすることは、まず初めに行うべきでしょう。基準が明確になれば、企業側はそれに沿って効率的に採用活動を進めることができ、求職者側も求められている人材像に自身が当てはまるかを検討することができます。

このように、明確な基準を設けることで早期退職のリスクを減らすことができ、結果的に長期的な人材の確保につながるのです。

採用基準とは?決め方や人材を見極める上でのポイント・3つの要素を解説

採用ターゲットの幅を広げる

採用ターゲットの幅を広げると、より多くの人材にアプローチするチャンスが生まれます。たとえば、テレワークを積極的に導入することで地理的な制約をなくしたり、副業・兼業を認めることで、新たなスキルを持つ人材を惹きつけたりすることができます。

柔軟な働き方は昨今関心の高いテーマでもあるため、これを提案することで、関心を持つ応募者の範囲を広げ、多様な才能を確保することができます。

全社で一丸となって採用活動に取り組む

ベンチャー企業が採用活動を成功させるためには、採用担当者だけではなく、社員全員が一丸となって取り組む必要があります。これを「スクラム採用」と呼び、各部門の担当者が採用プロセスに参加することで、応募者を多角的に評価し、企業文化に合った人材を見つけやすくなります。

このスクラム採用は、特にリソースが限られているベンチャー企業にとって有効な戦略です。

【事例あり】スクラム採用とは?メリット・デメリットや実現に向けたポイント

ベンチャー企業ならではの魅力を伝える

ベンチャー企業は、大企業にはない独自の魅力を持っています。これを最大限に活かし、自社の強みとして積極的にアピールすることが欠かせません。

たとえば、柔軟な働き方や革新的な事業内容、成長過程での大きな挑戦機会など、ベンチャーならではの特色を前面に出し、求職者の興味を引くようにしましょう。

オンライン採用を積極的に活用する

オンライン採用を積極的に活用すると応募のハードルが下がるため、より多くの求職者にアプローチすることができます。オンライン面接やバーチャルキャリアフェアなどを利用して応募しやすい環境を整えることで、地理的な制約にとらわれず、幅広い人材からの応募を促すことができます。

採用代行サービスを活用する

採用活動に必要な人員やリソースが不足している場合は、採用代行サービスを活用することも検討の余地があるでしょう。専門のサービスを利用することで、求人広告の作成、応募者管理、初期選考の実施など、採用プロセスの多くの部分を外部委託することができ、ベンチャー企業は少ない人員での採用活動をより効率的に行うことができます。

採用代行サービスおすすめ16選を比較!特徴やメリット・デメリット

ベンチャー企業の採用活動に用いられる採用手法

ベンチャー企業では、限られたリソースを最大限活用するために、多様な採用手法が採り入れられています。ここでは具体的に6つの方法を紹介します。

リファラル採用

リファラル採用は、すでに自社で働いている社員が、自分の知り合いの中から優秀な人材を推薦する手法です。この方法には、信頼できる人材を効率的に採用できるというメリットがあります。紹介される人材は、紹介者である社員との間に良好な関係を築いているため、企業文化にマッチする可能性も高く、入社後の定着率も向上にもつながるでしょう。

スクラム採用

スクラム採用は、採用活動を各部門の担当者同士で協力して行う手法です。異なる視点から応募者を評価でき、より適切な人材を見つけ出すことができる点がこの方法のメリットです。

ベンチャー企業では柔軟性とスピードが求められるため、このようなアジャイルな採用手法が非常に有効です。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、企業が直接、潜在的な候補者にアプローチする手法です。つまり、求人広告を通じてではなく、直接的なコミュニケーションを取るのです。これにより求職者の関心を引き、企業に対する理解を深めてもらうことができます。

この手法は、特に特定のスキルセットを持つ人材を探している場合に有効です。

オウンドメディアリクルーティング

オウンドメディアリクルーティングは、企業が自ら運営するウェブサイトやSNSを通じて、企業情報や求人情報を発信する手法です。企業の魅力を直接求職者に伝えることができるため、ブランドイメージを高める効果もあります。

特にベンチャー企業では、自社の革新性や成長ポテンシャルを伝えることで、求職者の関心を引くことができるでしょう。

人材紹介会社

人材紹介会社を利用するメリットは、専門家によるサポートを受けながら、必要な人材を見つけることができることにあります。時間とコストを効率的に使うことにもつながるでしょう。

ただし、サービスには利用のための費用がかかるため、コスト対効果を考慮する必要があります。

採用広報

採用広報は、自社のウェブサイトやSNSを通じて、企業の魅力や求人情報を積極的に発信する手法です。採用広報を行うことで、企業は多くの求職者にリーチすることができ、特に若年層やデジタルネイティブ層からの関心を引きやすくなります。

また、採用広報を通じて、企業の知名度やブランドイメージを高めることもできます。

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ベンチャー企業の強みを活かして難しい採用活動を成功させよう

ベンチャー企業は知名度やリソースなど、採用活動においてさまざまな課題に直面します。それらは、ベンチャー企業ならではの革新性や成長機会といった強みを活かすことで乗り越えることができるでしょう。多様な採用戦略を組み合わせることで、人材確保の難しさを克服し、成長へとつなげることができるのです。

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