BPaaS(ビーパース)とは?BPOとの違いや市場規模・メリットを解説

2023/06/29 2023/07/04

SaaS

Bpaasとは

ビジネスのクラウド化が進む昨今、大手企業を中心に利用が広がっている「BPaaS」。次世代型BPOとも呼ばれており、高い導入効果を得ている企業も多いようです。本記事では、BPaaSについて、BPOとの違いや市場規模、メリットなどとあわせて解説します。

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BPaaS(ビーパース)とは?

BPaaS(Business Process as a Service)とは、業務プロセスをクラウド上でアウトソーシングできるサービスです。業務プロセスのアウトソーシングを指す「BPO」と、クラウド上で使用できるソフトウェアを指す「SaaS」を組み合わせた言葉で、次世代型BPOとも呼ばれます。

BPaaSでは作業する人間の労働力と、クラウドやAI、RPAなどの最新のテクノロジーを組み合わせて業務を行うため、従来のBPOより幅広い領域の業務に対応できるのが特徴です。

DX推進の一環として業務プロセス改善に取り組む企業が増えている現在、BPaaSは企業のDXを支援するサービスとして大きな注目を集めています。

BPaaSとBPOの違いとは?

BPaaSとBPOの最大の違いは、「SaaSによる最新テクノロジーの活用」です。

BPO(Business Process Outsourcing)とは、業務プロセスを外部企業に委託し、人間の労働力やスキルを使って遂行することを指します。主にバックオフィス部門などのノンコア業務で活用されており、人手不足解消やコスト削減、業務効率改善といった効果が期待できるのがメリットです。

一方BPaaSでは、SaaSとして提供されるテクノロジーと人間の労働力やスキルを組み合わせて、業務プロセスの自動化・最適化を図ります。そのため、ノンコア業務以外の幅広い業務に対応できるほか、人件費などのコストが抑えられることで、より低コストでサービスを受けることが可能です。

また、BPOでは業務プロセス全体をアウトソーシングするのが一般的ですが、BPaaSではクラウド上で委託する業務を細かく調整できます。BPOと比較して、より柔軟性が高いという点も大きな違いといえるでしょう。

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BPaaSの市場規模

SDKI Inc. が2021年7月8日に発刊した「サービスとしてのビジネスプロセス(BPaaS)市場世界的な予測2030年」新レポートによれば、BPaaSの市場規模は、2022年の687.6億米ドルの市場価値から、2030年までに1,454.8億米ドルに達すると予想されています。

特にアジア太平洋地域は、BPaaS市場の急速な成長が見込まれており、日本国内でも大手SIerや人材派遣会社、コンサルティング会社などの企業が続々参入しています。

現在、BPaaSは主に経理や人事・労務、調達・購買などのバックオフィス業務で取り入れられています。その手法が評価されれば、今後はカスタマーサービスやコールセンター、販売・マーケティングなど、幅広い分野で利用が広がっていくでしょう。

[出典:SDKI Inc. プレスリリース(PR TIMES)「BPaaS市場ービジネスプロセス別(HRM、会計と財務、販売とマーケティング、顧客サービスとサポートなど)、組織の規模別、業種別、および地域別ー世界的な予測2030年」]

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BPaaSのメリット

アウトソーシングを利用する企業にとって、BPaaSは以下のようなメリットがあります。

  • 従来のBPOと比べ委託費用を抑えられる
  • 業務データの蓄積・共有ができる
  • 業務プロセスの集約・標準化ができる

ここでは、BPaaSのメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。

従来のBPOと比べ委託費用を抑えられる

BPaaSでは人間の労働力やスキルに加えて、AIやRPAなどのテクノロジーを活用して業務の自動化・効率化を図ります。それにより人件費が削減されるため、従来のBPOと比較して委託費用を抑えることが可能です。

さらにBPaaSでは、業務の繁閑や状況に合わせて、クラウド上で委託する業務量や内容を細かく調整できます。「今回はこの業務を依頼する」「この業務は自社のリソースで対応できるので依頼しない」といった調整が簡単に行えるため、無駄なコストがかかりません。

またBPOの委託費用には、人件費以外にも要件定義やマニュアル作成、設備管理などにかかるコストが含まれています。BPaaSでは、それらの業務プロセスが標準化されているシステムを利用するため、コスト管理がしやすくなるのもメリットです。

業務データの蓄積・共有ができる

従来のBPOでは、業務にかかわるデータやナレッジ、ノウハウを自社に蓄積しづらいというデメリットがありました。アウトソーシング先から定期的なデータの提供や業務報告があったとしても、業務過程におけるデータや業務上で獲得したナレッジ、ノウハウは提供されません。

一方、BPaaSではクラウドサービス上で業務プロセスが行われるため、業務データやナレッジ、ノウハウなどはすべてクラウドに蓄積されます。クラウド上でデータを管理することで、検索や整理、共有が容易となることから、蓄積された情報の有効活用にも役立つでしょう。

業務プロセスの集約・標準化ができる

従来のBPOや業務システムのみの導入では、業務内容ごとに異なるサービスやシステムを利用する必要がありました。しかしBPaaSでは、業務プロセスとシステム導入をセットでアウトソーシングするため、BPaaS単体で多岐にわたる業務課題を解決できます。

また、これまで企業の各部門・各工程に分散していた業務をアウトソーシング先に集約させることで、業務の標準化・最適化を図ることが可能です。さらに、アウトソーシング先が保有する最新のテクノロジーやシステム、ノウハウを活用できるため、業務プロセスの抜本的な改革を実現できるのも、BPaaSの大きなメリットといえるでしょう。

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BPaaSの導入事例

BPaaSは業種を問わず、さまざまな企業・分野で活用されています。どのような活用事例があるのかを知ることで、自社で導入した場合の業務の流れや効果をイメージしやすいでしょう。

ここでは、BPaaSの導入事例を5つ紹介します。

【事例1】日東電工株式会社

両面テープや表面保護フィルムなどの製造販売を行う日東電工では、BPaaSを活用してコア事業に経営資源を再配置し、ビジネス基盤の強化に取り組んでいます。

具体的には、経理や人事総務、調達、ロジスティクスの業務システムをクラウド化し、それに関連する業務プロセス全体をアウトソーシングすることで、業務の集中管理と整流化を実現しました。

BPaaSを導入し、業務システムの統一や業務プロセスの標準化を図ったことにより、コスト削減や生産性向上などの業務改革に成功した事例といえます。

【事例2】飛島建設株式会社

飛島建設では、業務負荷軽減を目的にデジタル化を推進していましたが、各作業所でのITツール活用方法の差異や従来の業務プロセスとの食い違いが問題となり、限定的な効果にとどまっていました。

そこで、施工計画と現場進捗に連動した施工管理システムの導入および関連する情報の一元化を目的として、施工管理に特化したBPaaSを活用。品質・原価・工程・安全・環境の各管理項目において、デジタル技術とオペレーションを組み合わせた最適なワークフローと安定した運用体制を構築しました。

あわせて、作業所によって異なっていた帳票やツール、処理方法を統一することで効率化を実現するなど、さらなる生産性向上を目指しています。

【事例3】花王株式会社

花王株式会社は、備品や消耗品などの間接材の購買プロセスにおいて、コストの見える化と購買部門のガバナンス強化を図ることを目的として、クラウド型購買システムを導入。しかし、電子カタログ化できない品目や見積調達品は年間11万件にも上り、業務処理に人手を必要とすることから、新たな業務プロセスの構築・運用による業務負荷の増大が懸念されました。

そこで、同社はクラウド型購買システムへの安定的な移管と見積調達プロセス構築のため、BPaaSを活用。業務の集中処理によって見積調達プロセスを集約させたほか、受付プロセスにRPAツールを導入して業務効率化に成功しています。また、ヘルプデスクもあわせてアウトソーシングすることで、スムーズな新システムへの移管を実現しました。

【事例4】株式会社築地すし好

株式会社築地すし好では、新型コロナウイルスの影響で営業制限を余儀なくされる状況の中、複数の外部デリバリーシステムの利用を開始しました。しかし、従来の紙台帳等のアナログ管理から使い慣れないシステムに移行したことで、注文のとりこぼしなどが発生していました。

そこで同社ではBPaaSを活用して、外部デリバリーシステムと連携し、テイクアウト・デリバリー予約を一元管理できるシステムを導入。デジタル化への不安を持つ社員もいましたが、徹底的な導入サポートによりスムーズなシステム移行を実現しました。

その結果、注文ミスが削減されたほか、大幅な売上拡大にも成功しています。

【事例5】全国労働者共済生活協同組合連合会

全国労働者共済生活協同組合連合会は、BPaaSの導入により、事務処理と受架電業務の効率化とサービス品質向上を実現しています。

具体的には、事務処理の効率化にワークフローシステムを導入し、書類をイメージデータ化することで、紛失・混在リスクを解消。また、受架電業務にはクラウド型コンタクトセンタープラットフォームを導入し、顧客対応履歴の一元管理を行っています。

さらにそれらのシステムを連携することで、書類や登録データなどの情報を通話中に把握できるようになったため、顧客とのやりとりがスムーズになり、通話時間の短縮にも成功しています。

【解説】FaaSとは?利用するメリットやCaaS・PaaS・IaaSとの違い

BPOの新しい形「BPaaS」を活用し企業を成長させよう

BPaaSはBPOの新しい形であり、クラウド上で業務プロセスを提供するサービスです。クラウドやAI、RPAなどの最新テクノロジーを活用して業務プロセスの自動化・効率化を行います。

またBPaaSは、従来のBPOよりも委託費用を抑えられることから、資金力に乏しい中小企業でも導入しやすいのが特徴です。業務データの蓄積や共有、業務プロセスの集約や標準化が実現でき、業務の効率化や品質向上も促進できます。

BPaaSは、企業が業務プロセスの最適化を行い、競争力を高めるために有効な方法の1つです。今後さらなる進化が期待されているBPaaSを活用し、ビジネスをより一層発展させていきましょう。

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