SaaSのメリット・デメリットを徹底解説!IaaS・PaaSとの違いや比較も

最終更新日時:2023/02/02

SaaS

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クラウドサービスの一種であるSaaS。インターネット環境があれば簡単に導入することができるSaaSですが、果たして導入する必要性はあるのでしょうか。本記事では、そんなSaaSのメリットやデメリットについて詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

SaaSとは?

SaaSは「Software as a Service」の略で、ソフトウェアを個人のパソコンにダウンロードするのではなく、クラウド上にあるソフトウェアにアクセスして利用するサービスのことです。

従来はソフトウェアを購入して自社で管理していましたが、SaaSの場合、ユーザーはクラウド上のソフトウェアから自分が必要な機能のみ利用できるなどのメリットがあります。

SaaSの特徴

SaaSの特徴はインターネット環境があれば、端末や場所に関係なくいつでも利用できるという点です。

クラウド上にソフトウェアがあるため、インターネット環境と端末があれば、オフィス以外の場所からでもソフトウェアを使用できます。

リモートワークによる働き方が急速に広がっている中で、SaaSはリモートワークにも適しているといえるでしょう。

自分のノートパソコンにファイルがある場合、他のメンバーは同じファイルにアクセスすることができませんが、SaaSは複数のメンバーが同時に編集することもできるため、チームで作業する場合にパッケージソフトよりも効率的に進められます。

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SaaSで有名な企業やサービス

SaaSで最も有名な企業が「Google」です。

Gmailだけでなく、ドキュメントやスプレッドシート、ドライブなどを企業や個人で利用している方も多いでしょう。

他にもオンライン会議ツールの「Zoom」はパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットでも遠く離れた相手と会議ができます。

会議以外でも商談やテレワークの打ち合わせ、オンラインイベントなどで使われており、使い勝手の良さが魅力です。

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SaaSを導入する8つのメリット

ここからはSaaSを導入するメリットについて解説します。

SaaSは従来のパッケージソフトとは異なる特徴をもっていますので、SaaS導入の際の参考にしてください。

1.簡単に導入できてベンダーからのサポートを受けられる

SaaSは導入が非常に簡単で、ベンダーからのサポートも受けられるというメリットがあります。

パッケージソフトの場合、それぞれのパソコンにソフトウェアをインストールするという作業が発生しますが、クラウド上で動くSaaSは面倒な設定作業がありません。

インターネット環境さえあれば、どの端末からでもすぐに利用できるので、導入がとてもスムーズです。

また、SaaSの多くはベンダーに問い合わせすることで、サポートが受けられます。

2.導入コストを安く抑えられる

SaaSは自社でソフトを開発するので、パッケージソフトを入れるよりも導入コストを安く抑えられます。

SaaSはクラウド上から必要な機能だけを利用できるモデルになっており、開発コストは低く、導入コストを抑えることが可能です。

また、SaaSは使用する人数で費用が変わる従量課金制が多く、使わない機能を含んでいるパッケージソフトよりも無駄なコストがかかりません。

3.システム運用の負担を軽減できる

SaaSを利用すると、システム運用の負担を軽減できます。

システムを自社で管理しようとすると、システム部門がセキュリティ対策を万全にしなければならないなど、負担がかかることが少なくありません。

しかしSaaSの場合、管理するベンダーがソフトのバージョンアップでセキュリティ対策をおこなっているため、自社での運用、管理の負担を軽くすることができます。

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4.場所や時間を問わずアクセスできる

SaaSは利用する場所も時間も関係なく、いつでもアクセスできます。

SaaSはユーザーアカウントごとに管理されているので、例えばオフィスと自宅で使用するパソコンが違っても、インターネット環境がありアカウントが同じであればいつでもアクセス可能です。

時間の制限もないので、24時間好きな時間に利用できます。

5.高度なIT技術を利用することができる

SaaSはベンダーが作り込んだ高度なIT技術が利用できます。

SaaSを提供している企業の多くは、高度なIT技術を持っています。

そのため、SaaSを利用すれば自社でシステムを開発するよりも、低コストで高品質なソフトを手軽に使用できるのです。

6.常に最新のサービスが利用できる

SaaSはアップデートを頻繁におこなっているため、常に最新のサービスが利用できます。

パッケージソフトの多くは、ユーザーが自ら最新版にアップデートしなければなりません。

一方、SaaSはクラウド上のソフトなので、管理しているベンダーが必要に応じて機能追加やセキュリティ強化のアップデートをしているので、ユーザーはいつでも最新のソフトを利用できます。

7.サブスクリプション方式で利用できる

SaaSはサブスクリプション方式での利用が可能です。

サブスクリプションとは一定の料金を支払うことで、指定の期間内はサービスをいくらでも使えるというものです。

サブスクリプション方式なら期間中、さまざま機能を好きなだけ試すことができます。

サブスクリプション方式は企業に継続して使ってもらいやすいので、ベンダーにとってもメリットがあるといえるでしょう。

8.デバイスのストレージを気にする必要がなくなる

SaaSはデバイスのストレージを気にする必要がありません。

パッケージソフトの場合、パソコンにインストールすると、ある程度のストレージを必要とし、最新版にアップデートしてさらにストレージの空きが減るということも少なくありません。

しかしSaaSはすべてクラウド上で使用するため、デバイスのストレージを圧迫することなく、安心して利用できます。

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SaaSを導入する8つのデメリット

SaaSは非常に使いやすく、便利なサービスですが、メリットだけでなくデメリットもあります。

ここからはSaaSを導入するデメリットについて解説します。

1.社内のセキュリティ整備が必要になる

SaaSは社内のセキュリティ整備が必要になってきます。

SaaSはクラウド上で利用しますが、社内のインターネット環境だとアクセスに制限がかかっている場合があります。

そのため、SaaSの利用にあたっては社内のセキュリティガイドラインを見直さなければなりません。

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2.カスタマイズ性が低い

SaaSは自社で開発したソフトではないため、カスタマイズはほぼできません。

ベンダーが提供している機能を使うのが基本なので、自社に合わせてカスタマイズすることが難しいです。

SaaSを活用するにはソフトの特性をよく理解し、自社がSaaSの仕様に合わせることが必要です。

3.メンテナンスにより利用制限がかかることがある

SaaSはメンテナンスによる利用制限がかかることがよくあります。

ソフトの改修やバージョンアップは自社の都合で調整できず、ベンダーの都合でおこなわれます。

メンテナンス中は基本的にソフトの使用が制限または不可となりますので、メンテナンス実施のアナウンスに注意しなければなりません。

4.データ移行をスムーズにおこなうことが難しい

SaaSのデータ移行はスムーズにおこなうことが難しいため、注意しましょう。

利用しているSaaSのサービスを別のものに切り替える場合、今のデータを次に使うSaaSに移行しなければなりません。

しかし仕様が違う場合がほとんどのため、サービスを移行しにくかったり時間がかかったりというデメリットがあります。

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5.ランニングコストが課題になる可能性がある

有料のSaaSを利用している場合、ランニングコストが課題になるかもしれません。

サブスクリプションと同じく、SaaSの有料コンテンツは月額使用料などのランニングコストが発生します。

つまり、有料のSaaSを利用し続けている間は費用負担が必要になるため、自社の利益を圧迫する可能性があります。

6.サービスが停止してしまうと利用できなくなる

ベンダー都合でSaaSのサービスが停止し、利用できなくなることがあります。

パッケージソフトであればパソコンにインストールされている間はずっと同じソフトを使えますが、SaaSはクラウド上での利用となるため、ベンダーがサービスを停止するとその時点から利用できなくなるのです。

ベンダーからのお知らせなど、利用しているSaaSに関する情報には気をつけておきましょう。

7.アップデートを続けなければならない

SaaSはサービス向上のためにアップデートを続けなければなりません。

SaaSはユーザーの使いやすさをアップさせたり、機能を追加させたりといったアップデートが必要です。

サービスが動いている間はコンテンツの作成も継続しなければならないため、ベンダーにとっての負担であるといえるでしょう。

8.キャッシュアウトが大きくなりやすい

ベンダーにとってキャッシュアウトが大きくなりやすいというデメリットがあります。

サービスをスタートしてもしばらくは収益化が難しく、ベンダーには先行投資としてのキャッシュアウトが続くことになります。

キャッシュアウトの拡大はサービスが利益を生むまで負担となることでしょう。

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SaaSとIaaS・PaaS・ASPそれぞれとの違い

SaaSと似たようなサービスに、IaaS・Paas・ASPがあります。

それぞれの言葉は聞いたことがあっても、一体どのような違いがあるかわからない方も多いのではないでしょうか。

ここからはSaaSとIaaS、PaaS、ASPそれぞれの違いについて解説します。

SaaSとIaaSの違い

IaaSは「Infrastructure as a Service」の略で、ネットワークやサーバシステムが利用可能なサービスです。

IaaSは企業に対してシステム稼働に必要なネットワークやサーバシステムを提供しています。

つまり、IaaSを利用すると企業は自社でネットワークやサーバを持たなくてもよくなるのです。

SaaSがソフトウェアを提供するのに対し、IaaSはインフラのみを提供している点が異なります。

SaaSとPaaSの違い

PaaSは「Platform as a Service」の略で、開発に必要となるプラットフォームを提供しているサービスです。

企業はPaaSが提供しているOSやプラットフォームを利用することで、開発環境構築の手間が省けて、システム開発をスムーズに進められます。

SaaSはユーザーが利用するソフトウェアを提供するのに対し、PaaSは開発環境に必要なサービスを提供しているという点が違いです。

SaaSとASPの違い

ASPは「Application Service Provider」の略で、ソフトウェアやソフトウェアが動く環境を提供するサービスです。

ASPには当初、インターネット上でソフトウェアが動く環境を提供している事業者という意味がありましたが、今は環境だけでなくサービスも含めてASPと呼ばれています。

SaaSはクラウド上で提供されるソフトウェアを指す言葉であるのに対し、ASPはサービス提供事業者そのものを指すという点が違います。

ただし、SaaSとASPを同じ言葉としてとらえられる場合もあるので確認するときには注意してください。

SaaS・クラウド・ASPの違いとは?正しい定義やPaaS・IaaSとの比較

SaaSのメリット・デメリットを理解して導入しよう

本記事では、SaaSのメリットとデメリットを紹介しました。

SaaSは企業が必要としているソフトウェアを、インターネット環境さえあれば場所も時間も関係なく利用できるサービスです。

企業にとってはシステムを管理する必要がないため、システム部門の負担を軽減できます。

またパッケージソフトと違って費用も抑えられるため、どの業界でも活用できるサービスといえるのではないでしょうか。

今回紹介してきたSaaSの特徴やメリットとデメリットを参考にして、ぜひSaaS導入を検討してみてください。

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