【解説】AWSのSaaSとは?特徴や7つの代表的サービスを紹介

最終更新日時:2023/05/22

SaaS

AWSのSaasとは

さまざまな種類のサービスが提供されているAWSのSaaS。活用してみたいと思うものの、具体的な使い方や特徴がわからないという方もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、AWSのSaaSについて、特徴や代表的なサービスについて解説していきます。

SaaSのサービス一覧

AWSのSaaSとは?

AWSのSaaSは、AWS(Amazon Web Service)が提供するクラウドサービスのひとつです。ただ、PaaSやIaaSなど似た名称のサービスもあり、「違いがわからない」という声も聞かれます。まずは、SaaS、PaaS、IaaSの概要をおさえておきましょう。

SaaSとは?

SaaSとは「Software as a Service」の略で、クラウド上に提供されているソフトウェアのことです。「サーズ」または「サース」と読みます。

従来のソフトウェアは、パソコンにインストールして使用するのが一般的でした。しかしSaaSはインストールが不要、サービス提供者のクラウドにアクセスするだけで利用可能です。

AWS以外にもSaaSを提供しているベンダーは多々あり、例えば、GmailやGoogleドキュメント、スプレッドシートなどを含むGoogle Workspace、Zoom、Skypeなどが広く知られています。

PaaSとは?

PaaSは「Platform as a Service」の略で「パース」と読みます。サーバーやOS、データベースなど、いわゆるプラットフォームをクラウド上で提供するサービスです。

自社でこれらを設置するには、手間や費用がかかるだけでなく、メンテナンスや管理にも人を充てなければなりません。しかし、PaaSを利用すれば、社内リソースは、アプリケーション開発や実行など本来の業務に専念できます。結果的に業務の効率化が図れ、経費削減も実現できることから、利用企業が増えているサービスです。

IaaSとは?

IaaSは「Infrastructure as a Service」の略で、読み方は「イアース」です。Infrastructureは「インフラ」と同義の「基盤となる設備」を意味し、アプリケーションを動かす基盤設備一式をクラウド上で提供するサービスをいいます。

PaaSと似ていますが、PaaSはベンダーが設計や設定をして提供してくれるのに対し、IaaSは基本的に設備を借りるだけで設計や設定は自社で行う点が違いです。

【解説】IaaS・PaaS・SaaSとは?各定義や違いをわかりやすく解説!

AWSのSaaSのメリット

AWSのSaaSには、いくつものメリットがありますが、おもなメリットとして次のことが挙げられます。

  • さまざまな端末からアクセスできる
  • あらゆるデータをインターネットで管理できる
  • 複数人でのデータ共有や編集ができる
  • 初期投資費用を軽減につながる

さまざまな端末からアクセスできる

AWSのSaaSは、インターネットを通じて提供されるサービスで、通信環境さえあればさまざまな端末で利用できます。例えば勤務先ではパソコンから、出張先ではスマートフォンやタブレットからアクセスしての利用が可能です。気になるのはセキュリティですが、管理者側でアクセス制限の設定ができるようにするなど、対策も講じられています。

あらゆるデータをインターネットで管理できる

AWSのSaaSにはストレージサービスがあり、あらゆるデータをインターネット上で保存、管理することが可能です。保存容量、セキュリティの度合いなどは、自社のニーズに合わせて選択できます。

複数人でのデータの共有・編集できる

ストレージサービスを利用して保存したデータは、保存した個人に限らず、複数人で共有、編集することも可能です。時間も場所を選ばずにアクセスして作業できるので、業務を効率的に進めることができます。

初期投資費用の軽減につながる

AWSのSaaSは、AWSが提供するサーバーやネットワーク設備を利用します。自社でのインフラ整備や管理を必要としないため、初期投資はほぼ必要ありません。

その後の利用には費用がかかるものの、従量課金制のサービスを上手に利用すれば、コストを抑えることができます。

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AWSのSaaSのデメリット

AWSのSaaSは、業務効率につながるメリットの多いサービスですが、次のようなデメリットもあるので把握しておきましょう。

  • 障害発生時にはサービスの利用が不可能
  • ある程度のIT知識が必要

障害発生時にはサービスの利用が不可能

AWSはインターネットを通じたクラウドサービスである以上、通信障害やシステム障害が発生したときには、利用できなくなります。場合によっては、会社全体の業務や業績に影響することもあるでしょう。この点は、デメリットとしてしっかり認識しておきたいところです。

データのバックアップ環境を整備するなど、トラブル時の対策は考えておくべきかもしれません。

ある程度のIT知識が必要

AWSのSaaSは、基本的に誰にでも利用できるソフトウェアサービスですが、中にはIT知識がないと使いこなせないものもあります。AWSでもサポート体制を整えているとはいえ、利用にあたっては、IT部門との連携やコンサルタントの協力も検討しておくと安心です。

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AWSのおもなSaaS

AWAのSaaSを大別すると、CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)、Eメールマーケティングソフトウェア、会計ソフトウェア、人事ソフトウェア、セキュリティソフトウェアなどのカテゴリーに分類できます。数多くのSaaSが提供されていますが、その中から、おもな7点を紹介します。

APIGateway

APIGatewayは、APIの作成や管理、実行を容易にするフルマネージドサービスです。APIの基本的な機能を提供するだけでなく、セキュリティや制限、トラッキング、モニタリングなどのオプションも提供しています。さらに、システム同士がインターネットを通して情報交換するRESTful API、サーバーとブラウザが双方で通信を行うWebSocket APIの作成も可能です。

Cognito

Cognitoは、Webアプリやモバイルアプリのユーザー認証と承認、アクセス管理を支援するサービスです。AWS以外のサービスとの連携もスムーズにできます。

また、ユーザー名やパスワードによるログインだけでなく、FacebookやGoogleなど第三者のサービスを通じたログイン、多要素認証も可能です。

CloudFront

CloudFrontは、AWSが提供するコンテンツデリバリーネットワーク(CDN)サービスです。画像、動画、データ、アプリケーションなど、静的コンテンツはもちろん、動的コンテンツやストリーミングコンテンツの安全かつ高速配信を実現します。

DynamoDB

DynamoDBは、フルマネージド型のNoSQLデータベースで、構造の定義をせずにデータの保存や取得ができるというものです。データ処理は高速かつスケーラブルで、モバイルアプリやWebアプリなど、多種多様なアプリケーションに適しています。

柔軟なデータモデルを備えており、パーティションキーとソートキーによるクエリや、条件に基づいたスキャンが実行できることも特徴です。

Lambda

Lambdaは、サーバーレスのコンピューティングを可能にするイベント駆動型のサービスです。サーバーレスとは、利用者側がサーバーなどのインフラを整備する必要がないということ。さらに、実質的にあらゆるアプリケーションやバックエンドサービスに対応し、コード実行が可能となっています。

STS

STSは「Security Token Service」の略で、AWSアカウントを持たないユーザーに、AWSの認証情報やアクセス権限を提供するサービスです。

さらに、2つ以上のアカウントを連携するクロスアカウントアクセスに対応していることも、特徴として挙げられます。

S3

S3は、AWSが提供するオブジェクトストレージサービスです。大量のデータを安全に格納・保管でき、迅速なアクセスを可能にします。高い耐久性を誇り、業界標準のセキュリティ機能を備えていることも特筆すべきポイントです。

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AWSのSaaSの代表的なサービス7選

AWSでは、提供しているSaaSやシステムを連携したサービスも提供しています。その中から、代表的な7点をピックアップしました。

1.Amazon EventBridge

Amazon EventBridgeは、サーバーレスで利用できるアプリケーション統合サービスです。AWSが提供するサービスのうち、先ほど紹介したLambdaをはじめとした90種類以上を統合しています。イベント駆動型アーキテクチャを構築して新しい機能がすぐに使用できるほか、セキュリティ機能にも優れ、高い信頼性を得ている点もポイントです。

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導入実績や事例-
機能・特徴
  • SaaS統合で機能の拡張が可能
  • モニタリングおよび監査により脆弱性に対応
  • デベロッパーの手間を省き操作の俊敏性を向上
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2.Amazon AppStream 2.0

Amazon AppStream 2.0は、SaaSのストリーミング、デスクトップアプリケーションの速やかなSaaS変換など、仮想デスクトップの利用に対応したサービスです。場所を選ばずにアプリケーションにもデスクトップにもアクセスできるため、どのような状況にあってもスピーディーな処理、対応ができます。

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導入実績や事例Siemens社…顧客への高パフォーマンスアクセスの提供を実現し、顧客満足度がアップ
機能・特徴
  • デスクトップアプリケーションの容易なSaaS化
  • アプリケーション配信の簡素化
  • CAD、CAM、CAEアプリケーションへのアクセス可
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3.Amazon AppFlow

Amazon AppFlowは、AWS以外のSaaSアプリケーションを統合し、AWSが提供するストレージに安全に転送するサービスです。データフローをわずか数分でセットアップできる点、デフォルトで設定された機能によりコーディングや管理が不要になる点がメリットとして挙げられます。ユーザーインターフェースが直観的で、使いやすいこともポイントです。

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導入実績や事例Trantor社…SaaS データを Amazon RDS と同期することで、顧客のデータ同期頻度を 10 倍増、サードパーティーツールにかかる運用オーバーヘッドとコストを 30% 削減
機能・特徴
  • 外部SaaSサービスのデータを統合
  • イベントベースのワークフロー作成
  • Salesforceのデータ保存や分析
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4.Amazon Simple Notification Service (SNS)

Amazon Simple Notification Service(SNS)は、テキストメッセージや電子メール、プッシュ通知など、さまざまなメディアやデバイスに対応した通知サービスです。例えば、荷物の配達が完了したことを知らせるメールは、このサービスを利用して配信することができます。A2P(企業から顧客へのメッセージ)やA2A(回答リクエスト)に対応していることも特徴です。

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導入実績や事例-
機能・特徴
  • アーキテクチャを簡素化
  • アーカイブ、配信再試行などの機能あり・ワールドワイドSMSの使用
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5.AWS AppSync

AWS AppSyncは、APIの開発および管理に使用されるフルマネージド型サービスです。GraphQLを利用して、モバイルアプリ、Webアプリケーション、IoTデバイスなど多種多様なデータを取得できます。データのリアルタイム同期やオフライン利用も可能で、AWSのほかのサービスとも連携しやすい点が特徴です。

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導入実績や事例QsrSoft社…AWS AppSyncにいくつかのサービスを組み合わせて製品の再構築を実施、主要なパフォーマンス領域の改善につなげる
機能・特徴
  • 複数のデータソースからのデータ取得や変更
  • リアルタイムのデータアクセスと更新
  • IoTデータの管理
URL公式サイト

6.Amazon Managed Workflows for Apache Airflow

Amazon Managed Workflows for Apache Airflow(Amazon MWAA)は、Python(高水準インタプリタ型汎用プログラミング言語)記述のDAG( Directed Acyclic Graphsの略でグラフの一種 )を使ったフルマネージドなサービスです。ワークフローの自動化が容易になるほか、Airflow(ワークフローツール)の管理や拡張、保守からも解放されます。

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導入実績や事例-
機能・特徴
  • インフラ管理の運用負荷を軽減
  • 抽出や変換、ロードのジョブを調整
  • 機械学習システムによるデータ取り込み
URL公式サイト

7.AWS Step Functions

AWS Step Functionsは、サーバーレスアプリケーションの開発に利用できるビジュアルワークフローのサービスです。複数のLambda関数を組み合わせ、複雑なワークフローを簡単に管理できるほか、220以上のAWSサービスにおいて、コードのメンテナンス不要でワークフローを自動化することができます。

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導入実績や事例CyberGRX社…処理に 8 日以上かかっていた全データ処理が 1 時間以内で完了、人件費などのコストを大幅に削減
機能・特徴
  • 分散型アプリケーションの構築と自動化
  • 耐障害性ワークフローの可視化と開発
  • 複雑なビジネスロジックもドラッグ&ドロップで迅速に構築
URL公式サイト

AWSのSaaSの活用例

AWSのSaaSについて、概要やメリット・デメリット、おもな製品やサービスを紹介しました。しかし、具体的に何に使うかは、なかなか思い浮かばないかもしれません。そこで活用法を2例、紹介します。イメージをふくらませる参考にしてください。

バックエンドなしでのSPA作成

AWSを活用すると、バックエンドなしでSPA(Single Page Application)の作成が可能です。SPAとは、単一のWebページで画面が切り替えられるアプリケーション、Webページそのものや技術のこと。ページの遷移や切り替わりなく操作できるため、ユーザー体験が格段に向上することがメリットです。

このSPAが、AWSで提供されているRoute53、CloudFront、S3、Cognito、STS、DynamoDBを組み合わせて作成できます。

サーバを立てずに行うユーザー統合

個々でユーザー管理していたサービスを統合する場合、通常であればユーザー管理用として、新しくサーバーを立てなければなりません。しかし、AWSが提供するCognito、Lambda、API Gatewayを組み合わせて活用すれば、サーバーを立てずに認証APIを作成し、ユーザー統合をすることが可能です。

SaaSのメリット・デメリットを徹底解説!IaaS・PaaSとの違いや比較も

AWSのSaaSを導入して業務の効率化を図ろう

AWSのSaaSは、業務の効率化につながるさまざまなソフトウェアやアプリケーションを、AWSのクラウド上に提供するサービスです。インターネット環境を通して利用しますが、自社で専用設備を用意したり、インフラ管理をしたりという必要はありません。

使いたいソフトウェアや稼働環境を、すぐに入手できます。自社のニーズに適したサービスを導入すれば、業務効率の向上が図れるでしょう。ぜひ導入を検討してみてください。

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