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SaaSとは?基礎知識やPaaS・IaaSとの違いをわかりやすく解説!

2023/07/10 2023/07/11

SaaS

saasとは

近年注目されているSaaS。PaaSやIaaSなど似ている用語がいくつもあり、よく理解していない人も多いのではないでしょうか。この記事では、SaaSの基礎知識やPaaS・IaaSとの違いを解説します。また、それぞれの具体的なサービスも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

SaaSとは?注目される背景

SaaSとは、インターネットを通じて提供されるソフトウェアサービスのことです。たとえば、メールアプリやチャットツール、ビデオ会議ソフトなどが挙げられます。

SaaSが注目される背景のひとつに、サブスクリプション型ビジネスの普及があります。サブスクリプション型ビジネスとは、月額課金など一定の料金を支払ってる間だけサービスを利用できるビジネスモデルのことです。

SaaSは、クラウド上にあるソフトウェアを提供するサービスのため、売り切りの商品提供はできません。そのため、サブスクリプションとして料金が発生するのが一般的で、SaaSの普及をきっかけにサブスクリプション型ビジネスの利用も増えてきています。

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SaaSの特徴やPaaS・IaaSとの違いを説明

クラウドサービスは、大きく分けて「SaaS」「PaaS」「IaaS」の3つの提供形態があります。この3つは、利用する際の責任範囲に違いがあります。

それぞれの定義やメリット・デメリットについて紹介していきます。

(1)SaaSの定義・特徴

SaaSとは「Software as a Service」の略称で、インターネット経由でソフトウェアやアプリケーションを利用できるサービスを指します。パッケージ型とは異なり、デバイスへのインストールや、ライセンスを付与せず利用できるのが特徴です。また、専門的な知識がなくてもすぐに導入できます。

利用の際にはログインIDやパスワードなどを入力し、インターネットを通じてソフトウェアにアクセスします。インターネット環境さえあれば、普段使用するデバイス以外からでも利用が可能です。

サービスによっては「パソコンのみ」「スマートフォンのみ」と制限が設けられている場合もあります。ただし、特定のデバイスにライセンスを付与するわけではありません。そのため、状況に応じて利用するデバイスの変更が行えます。

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SaaSのメリット

SaaSのメリットは、主に以下の4つが挙げられます。

  • 導入工事やソフトウェア開発、保守管理が不要
  • 低コストではじめられる
  • 利用者数の増減が簡単に行える
  • 時間や場所を問わず、さまざまな端末で利用できる

SaaSでは開発済みのサービスを利用するので、設備投資や工事をせずにソフトウェアを導入できます。また、保守・管理についてもベンダーが行うことから、自社でのセキュリティ対策は不要です。セキュリティ対策が整った環境で、常に最新のソフトウェアを利用できます。

利用の際には、ベンダーが定めた料金の支払いだけで済む点もメリットです。IT人材を確保する必要もないため、人的コストも抑えることができます。また、利用者数についてもベンダーとの契約内容を変更するだけで自由に増減可能です。

SaaSのデメリット

SaaSのデメリットは、主に以下の4つです。

  • カスタマイズ性が低い
  • トラブル発生時やメンテナンス中に、サービスを利用できないことがある
  • 長期的に見るとコストが高くなる
  • セキュリティ上のリスクがある

SaaSは、個々に合わせた細かいカスタマイズはほとんどできないため、自社の利用要件に近いサービスを選ぶ必要があります。また、トラブル発生時やメンテナンス中には、サービスが利用不可になる場合もあるでしょう。このような場合でも自社では対応できず、復旧作業の完了を待つしかありません。

メンテナンスはベンダーの都合で行われ、その都度サービスが利用できないのは不便に感じるでしょう。また、長期的に契約するとコストが高くなったり、ログイン情報の流出によるセキュリティリスクがあるのもデメリットといえます。

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(2)PaaSの定義・特徴

PaaSとは「Platform as a Service」の略称で、開発や運用に必要なプラットフォームをインターネット経由で提供するクラウドサービスのことを指します。具体的には、アプリケーション開発に必要なサーバーや、ミドルウェアなどを提供するのが特徴です。開発環境の構築や運用管理をベンダーに任せられるので、アプリケーションの開発・実行に専念できます。

また、自社の開発環境とは異なるプラットフォームのシステムの導入や、開発を行う場合もあるでしょう。PaaSを活用すれば、安価かつスピーディーに目的のプラットフォームを調達できます。

PaaSのメリット

PaaSを活用するメリットは、主に以下の2つです。

  • コストを削減できる
  • すぐに開発に取り掛かれる

自社でサーバやミドルウェアなどの開発に必要な設備を構築する場合には多額のコストが発生するものの、PaaSを活用すれば、初期投資を抑えることが可能です。また、運用や保守もベンダーが行うため、トラブル対応や保守にかける時間・コストも削減できます。

PaaSはすでにインフラ環境が構築されているため、すぐに開発に取り掛かれます。アプリケーション開発に集中できるのは、大きなメリットといえるでしょう。

PaaSのデメリット

PaaSのデメリットは、SaaSと共通しています。インフラ環境はベンダーが構築したものであるため、CPUやストレージ、希望の言語やミドルウェアなどを自由に選べない場合があるでしょう。クラウド上にある開発環境を借りている状態のため、どうしても自由度が低くなります。あらかじめ希望の言語や設備が利用できるかについて、確認してからPaaSを導入することが重要です。

また、PaaSにもセキュリティリスクがあります。セキュリティの高さはベンダー次第のため、サービス契約時には通信の暗号化などのセキュリティ対策や、第三者認証があるかをチェックして選びましょう。

(3)IaaSの定義・特徴

IaaSとは「Infrastructure as a Service」の略称で、仮想サーバ・ストレージ・コンテナ・ネットワークなどのITインフラがインターネット経由で提供されます。企業や個人は、自分のニーズに応じてリソース構成を自由に選択して利用できるのが特徴です。SaaSやPaaSでは対応が難しいシステムを構築するときに利用されます。

 IaaSのメリット

IaaSのメリットは、主に以下の3つです。

  • 自社にサーバーを設置する必要がない
  • コストを削減できる
  • 自由に環境を構築できる

SaaSやPaaSと異なるメリットとしては、環境の構築を自由に行える点です。IaaSでは、ITインフラのみ提供されるため、データベースやプログラム言語、アプリケーションなどは好きなものを選んで構成できます。それにより、自社の理想に近いシステムの実現が可能です。

カスタマイズ性が低いことが難点とされるクラウドサービスが多い中で、自由な環境構築ができるのはメリットといえるでしょう。

IaaSのデメリット

IaaSのデメリットは、主に以下の2つです。

  • 専門的なスキルが必要
  • SaaSやIaaSに比べて保守・管理する範囲が広い
  • セキュリティメンテナンスが必要

IaaSは自由な環境構築ができる反面、プラットフォームやプログラミング環境の構築などについては自社での対応が必要です。専門的な知識や、スキルがなければ構築できない点はデメリットといえます。ただし、ベンダーによっては設計・構築のアドバイスを受けられるので、サービスを選ぶ際にはサポート体制も確認してみましょう。

また、自由度が高い分、自社で保守・管理する範囲が広くなります。たとえば、OSのリソースやデータベースの管理、プログラミング言語のバージョンチェックなどです。セキュリティについても、インフラ周り以外は自社でメンテナンスする必要があり、運用負荷が高くなります。

SaaSの代表的なサービス

SaaSの代表的なサービスは、以下の3つです。

  1. Dropbox
  2. Google Workspace
  3. Salesforce

Dropbox

Dropboxは、データをインターネット経由で保存・共有・同期することができるオンラインストレージサービスです。パソコンやスマートフォンなど、デバイスにインストールしたアプリを介して、ファイルやフォルダをアップロードできます。

また、Webブラウザから直接ファイルにアクセスすることも可能です。バックアップも自動的に行われるため、データの紛失リスクも下げられるでしょう。さまざまなファイルを1カ所にまとめて管理・作業できるので、個人利用だけでなくビジネスでも幅広く活用されています。

Google Workspace

Google Workspaceとは、Google LLCが提供するクラウドベースの統合型コラボレーションツールです。GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシート、Gmailなどのアプリケーションが含まれていて、ビジネスでのコミュニケーションやデータ管理をサポートします。

また、ファイルの共有・編集だけでなく、複数人での作業を行うことも可能です。アクセス権限の設定もできるので、セキュリティリスクを下げられます。

Salesforce

Salesforceとは、Salesforce, Inc.が提供する世界最大規模のクラウドベースSFA・CRMシステムです。営業、カスタマーサポート、マーケティングなど、部門横断的に顧客情報を一元管理し、業務の効率化をサポートします。

AppExchangeにアクセスすることで、ほかのアプリやツールと連携してカスタマイズすることも可能です。SaaS形式で提供され、システム運用や保守を自社で行う必要がないため、さまざま企業で利用されています。

PaaSの代表的なサービス

PaaSの代表的なサービスは、以下の3つです。

  1. Amazon Web Services(AWS)
  2. Microsoft Azure
  3. Google Cloud Platform(GCP)

Amazon Web Services(AWS)

Amazon Web Services(以下、AWS)とは、世界的企業であるAmazon Web Services, Inc.が提供するクラウドサービスです。PaaSは「AWS Elastic Beanstalk」や「AWS Lambda」「AmazonS3」があり、それぞれ特徴が異なります。

「AWS Elastic Beanstalk」はJavaやPHP、Pythonなど、さまざまなプラットフォームに対応していて、アプリケーションをデプロイ・スケーリングする機能が備わっています。「AWS Lambda」はサーバーレスのPaaSで、プログラム開発に専念できるのが特徴です。「AmazonS3」はオブジェクトストレージサービスで、大容量のデータ保存や静的ホスティングサービスを利用できます。

Microsoft Azure

Microsoft Corporationが提供するMicrosoft Azureの代表的なPaaSサービスは、「Azure Cloud Services」「Azure App Service」「Azure Functions」の3つです。

「Azure Cloud Services」は開発者がアプリケーションやサービスを容易に開発・デプロイ・管理できるクラウド環境を提供しています。「Azure App Service」は1日あたり600億件を超える処理が可能なプラットフォームです。JavaやPython、PHP、.NET Coreなどの操作を行えます。「Azure Functions」は、サーバレスの実行環境を提供しているのが特徴です。

Google Cloud Platform(GCP)

Google Cloud Platform(以下、GCP)は、Googleが提供するクラウドのサービスの総称です。PaaSの代表例は「Google App Engine」、サーバレスPaaSは「Cloud Functions」があります。

「Google App Engine」は、アプリケーションの構築・デプロイする仮想環境を提供するサービスです。自動スケールや豊富なプログラミング言語に対応していて、使い勝手がよいのが特徴です。

「Cloud Functions」は、サーバレスのランタイム環境で、クラウド上でコードを実行できます。スケーリングやメンテナンスなどの管理をベンダーに任せられるので、アプリケーションの開発・実行に集中できるのが利点です。

IaaSの代表的なサービス

IaaSの代表的なサービスは、以下の3つです。

  1. Oracle IaaS
  2. SmartConnect Cloud Platform
  3. Alibaba Cloud

Oracle IaaS

Oracle Corporationが提供するOracle IaaSは、企業が求める拡張性や可用性、安全性、柔軟なコンピュートなど、インフラ機能やクラウドで実行できる機能を提供するIaaSです。

オンプレミスでOracle製品を使用している場合、利用環境をクラウド上に容易に移行できます。また、ストレージサービスが豊富なので、ニーズにあったプランを選びやすいでしょう。障害の影響を受けにくい可用性ドメインや、ベアメタル環境などを利用できるのが特徴です。

SmartConnect Cloud Platform

SmartConnect Cloud Platformは、エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト株式会社が提供する国産プライベートクラウドです。VMware製品を利用している場合、オンプレミス環境からクラウドへの移行がスムーズに行えます。

L2接続であれば、IPアドレスを引き継ぐことも可能です。また、24時間365日体制の監視により、万が一トラブルが起きたときにも迅速に対応してくれるでしょう。NTTグループが提供するサービスで、信頼性の高さも特徴です。

Alibaba Cloud

Alibaba Cloudは、アリババグループで事業を展開する企業や政府機関など、世界中で利用されているクラウドコンピューティングサービスです。国際基準に準拠するクラウドセキュリティを兼ね備えています。

その安全性や信頼性の高さから、オリンピックのクラウドサービスプロバイダーに採用されているようです。また、世界中に63のアベイラビリティゾーンを展開していて、日本では2か所のデータセンターによる顧客サポートを行っています。

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○aaSの種類について

SaaS・PaaS・IaaSのほかにも「○aaS」と呼ばれるサービスが存在するのをご存じでしょうか。ここからは、よく耳にする「○aaS」について簡単に解説します。

(1)BaaS (Backend as a service)

BaaS(Banking as a Service)とは、銀行の機能をクラウドサービスとして提供するものです。ほかの企業や開発者により、独自の金融サービスやアプリケーションを構築・展開できるようになります。近年では、キャッシュレス決済の普及促進や、フィンテック市場の拡大などによって、BaaSの注目度が高まっているようです。

(2)MaaS (Mobility as a service)

MaaS(Mobility as a Service)とは、バスやタクシー、電車などの交通手段を効率的かつ便利に利用するためのサービスを指します。さまざまな移動手段を一元的に管理し、目的地までたどり着くのに最適なルートや手段を提案してくれるのが特徴です。また、専用アプリから予約や支払いも行えます。

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(3)XaaS (X as a service)

XaaS(X as a service)とは、サブスクリプション型ビジネスモデルで提供されるサービスのことです。「X」には、任意の製品や機能を表す言葉が当てはめられます。たとえば「Software」なら「Software as a Service(SaaS)」、「Platform」なら「Platform as a Service(PaaS)」です。

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(4)IDaaS (Identity as a service)

IDaaS(Identity as a Service)とは、クラウド上で利用するサービスのID管理を行うサービスです。通常、クラウドサービスにアクセスする際には、ユーザー認証が必要になります。

IDaaSにログインすることで、登録・連携済みのサービスの認証作業を自動で行えるのが特徴です。そのため、利用者は必要なサービスを迅速に利用できるというメリットがあります。

(5)DaaS (Desktop as a service)

DaaS(Desktop as a Service) とは、クラウドサービス上で仮想デスクトップ環境を提供するサービスです。DaaSを利用すると、新たにパソコンを購入せずに機能性の高いデスクトップ環境を準備できます。

インフラやメンテナンス、セキュリティなどの管理はベンダーによって行われるため、企業や個人はITリソースにかかるコストの削減が可能です。また、システムの効率化や柔軟性の向上にもつながります。

(6)BPaaS (Business Process as a Service)

BPaaS(Business Process as a Service)とは、業務プロセスのアウトソーシングを指す「BPO」・クラウド上で使用するソフトウェアを指す「SaaS」を組み合わせた用語で、次世代型BPOと呼ばれています。

AIやクラウドなどのテクノロジーと人の手による労働力を組み合わせて業務をおこなうため、特定の領域に限定されず幅広い領域の業務への対応が可能です。

BPaaS(ビーパース)とは?BPOとの違いや市場規模・メリットを解説

SaaSとはクラウドにあるソフトウェアを利用できるサービス

SaaSとは、クラウド上にあるソフトウェアやアプリケーションを利用できるサービスです。ソフトウェアを開発する必要がないため、迅速な導入が可能で、コストも抑えられます。ただし、カスタマイズ性が低く、メンテナンス時にはサービスを利用できない点がデメリットです。

SaaSでは対応が難しいことも、PaaSやIaaSなどのサービスで対応できる場合があります。それぞれのサービスの特徴やメリット・デメリットを理解したうえで、上手にクラウドサービスを取り入れましょう。

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