SDGsネイティブとは?世代の特徴や企業に必要なキャリア戦略について

記事更新日:2022/10/18

SDGs

SDGsネイティブ世代の若者

ミレニアル世代やZ世代など最近の若者と呼ばれる年代は、昔に比べて日々の生活でSDGsに自然と関わる機会があります。このような世代がSDGsネイティブの対象です。本記事では、SDGsネイティブについて特徴や企業に必要となるキャリア戦略を解説します。

SDGsネイティブとはどのような言葉?

SDGsネイティブとは、貧困問題や環境汚染など、様々な社会問題の解決に高い関心を抱く人々を指します。日常生活や学校教育でSDGsについて学ぶ機会が多く、社会問題を他人事ではなく、自分たちの問題と認識している点が特徴です。

SDGsへの関心が高いことから、社会貢献に向けた取り組みを企業にも求めています。また、SDGsネイティブは、ミレニアル世代やZ世代を総称する言葉として使用されることもあります。

SDGsが身近にある世代

諸説ありますが、2022年に16〜25歳を迎える人を「Z世代」、26〜35歳を「ミレニアル世代」と呼ぶことがあります。

SDGsネイティブの対象となっているのが、これらZ世代とミレニアル世代の若者です。彼らの世代は、アメリカの同時多発テロ・東日本大震災・リーマンショックなど、様々な出来事に若くして直面してきた世代でもあります。

SDGsに関しての情報や知識を、学校教育や就職先の企業研修などを通じて早くから吸収してきたのが、これらの世代の若者たちです。実際にデータからも、SDGsへの認知率の高さが確認されています。

「電通 Team SDGs」が2021年1月に実施した調査によると、SDGsの認知率が平均以上であった世代に、Z世代やミレニアル世代が含まれています。特にミレニアル世代に該当する10代のSDGs認知率は7割を超えており、全年代の中でもトップです。

このように、若くして世界的な社会問題や環境問題に直面し、SDGsの教育を受けてきた世代の人たちの中に「SDGsネイティブ」が多く見受けられます。

[出典:電通 Team SDGs「最新調査リポート」]

ミレニアル世代とZ世代の総称

SDGsネイティブは、ミレニアル世代とZ世代の総称としても使用されます。ミレニアル世代の対象は諸説ありますが、株式会社電通が運営するサイト「電通報」によると、1987〜1996年生まれの人たちが「ミレニアル世代」です。

一方、Z世代は1997〜2006年生まれで、2022年に16〜25歳を迎える人が対象と言われています。SDGsを早くから知り、社会問題や環境問題への意識が高い層にミレニアル世代、Z世代の若者たちが多いことから、両者の世代を指して「SDGsネイティブ」と呼ぶことがあります。

[出典:電通報「Z世代を、ミレニアル世代、Y世代と比較してみた~そのメディア意識とメンタリティ~」]

SDGsネイティブの世代が持つ特徴

ミレニアル世代とZ世代は共通点が多い一方で、承認欲求の強さや個人主義など、異なる点もあります。ここからは、2つの世代の特徴をみていきましょう。

ミレニアル世代の特徴

ミレニアル世代は、生まれた時からスマートフォンやノートPCが身近にあるため、従来の世代よりもオンライン上での交流に抵抗がありません。また、柔軟性・経験欲の強さ・社会問題への意識の高さも、従来の世代とは異なる点です。

ミレニアル世代の特徴をまとめた表は、次のとおりです。

表:ミレニアル世代の特徴

項目 特徴 主な事例
デジタルネイティブ
  • 従来の世代よりもITリテラシーに優れる
  • デジタル機器が生活の一部に定着している
  • オンライン上での交流が当たり前になっている
  • 子どもの時からノートPCやスマートフォンを使用
  • クラウドサービスの積極的な利用
柔軟性
  • 自由と自己成長を常に意識している
  • 上記を実現するために、環境の変化を躊躇しない
  • 自分の価値観や感性を大事にしている
  • 性別や年齢から連想される固定意識を嫌う
  • 転職への前向きな姿勢
  • 独立も視野
  • 晩婚化
  • ジェンダーフリー
社会問題への意識
  • 東日本大震災やリーマンショックなど、多くの災害や事件を経験している
  • 環境問題、ジェンダー、貧困問題など、様々な問題への関心が高い
  • 戦争反対運動
  • 人種差別反対運動
経験欲の強さ
  • 新しい体験を常に求めている
  • 所有物は最小限に抑える意識が強い
  • 必要なモノは他者とシェアする意識を持つ
・シェアリングエコノミー

・ミニマリスト

共感と多様性
  • SNSでの情報収集や発信に強い関心を持つ
  • 流行を追い求める
  • 発信した情報を他者と共有し、共感を得ることに喜びを感じる
  • 異なる価値観を持つ他者を認め合う意識も持つ
  • Twitter
  • Instagram
  • Facebook

Z世代の特徴

Z世代は承認欲求が強く、他者からの評価を意識して行動している点が特徴です。自分の意見やライフスタイルに共感してもらいたい意識が強く、SNS上で他者からの共感を積極的に求めます。

反面、他者からの評価を気にしすぎるあまり、個性や積極性が消える側面も持ち合わせています。特徴をまとめた表は以下のとおりです。

表:Z世代の特徴

項目 主な内容や特徴 具体的な事例
多様性
  • 異なる価値観を持つ人と接する機会が多く、互いの価値観を認め合う姿勢が自然と身につく
  • 心地良さや価値観を重視している
  • ブランドやステータスにこだわらない
  • SNS上での交流
  • ダイバーシティ
  • インクルーシブ
個人主義
  • 自分の持つ感覚や価値観を重視している
  • 他人への関心が薄い
  • ステータスの獲得を無理に追いかけていない
  • 自己成長と自由を常に求めている
  • 同じ趣味を持つ人が集うコミュニティへの所属
  • 近所付き合いや職場の人間関係の希薄化
  • おひとりさまサービス
  • キャリアアップや自由な働き方への意欲的な姿勢
承認欲求の強さ
  • 他者からの評価や印象を気にしている
  • 心が動いた出来事を他者と共有したい気持ちが強い
  • 自身の考えや意見に共感してほしい気持ちが強い
  • 保守的な姿勢も目立つ
  • 指摘や注意に慣れていない
  • SNSでのいいねやシェア
  • 競争の排除
  • 他人優先の行動
  • 仲間意識
スマホネイティブ
  • スマートフォン上で、買い物やネットサーフィンなど、様々なことを済ませる
  • 情報収集は検索エンジンやSNSで行う
  • ネットショッピング
  • Google
  • Yahoo!
社会問題への関心の高さ
  • 東日本大震災やリーマンショックなど、多くの災害や事件を経験している
  • 環境問題、ジェンダー、貧困問題など、様々な問題への関心が高い
  • SDGs
  • フードロス問題
  • ジェンダーレス

SDGsネイティブの世代が持つ価値観

ミレニアル世代とZ世代は、いずれも仕事とプライベートの充実を重視しているものの、考え方が異なります。一方、キャリアアップやスキル習得への意識が高い点は、両世代の共通点です。

ここからは、各世代の価値観について詳しくみていきましょう。

ミレニアル世代の価値観

ミレニアル世代は、自由な働き方の実現やワークライフバランスの充実を求める傾向にあります。転職や独立を意識しており、様々なスキルの吸収に意欲的です。

また、仕事だけでなく、家族と過ごす時間や趣味に没頭する時間の確保も重視しています。ミレニアル世代の価値観をまとめた表は次のとおりです。

表:ミレニアル世代が抱く価値観

価値観 内容 事例や特徴
自由な働き方の実現
  • 複数の仕事をこなし、多方面で活躍することを重視
  • 収入面や将来の展望に不安
  • 副業
  • ギグエコノミー
  • シェアリングエコノミー
  • スラッシュキャリア
ワークライフバランスの充実
  • 仕事とプライベートを明確に区別する考え
  • 仕事では効率性を重視
  • 残業や休日出勤のある職場は敬遠
  • サービス残業や終業後の飲み会はストレス
  • 労働環境や福利厚生を重視
  • 有給休暇の計画的な取得
  • 職場の人間関係は表面的な関係
キャリアアップ
  • 長期的な視点でのキャリア形成を意識
  • 仕事を通じて得られる経験を重視
  • 転職や独立を意識
  • 終身雇用や年功序列制の崩壊を理解
  • 会社への帰属意識や忠誠心の希薄化
  • 転職への積極的な姿勢
  • フリーランスへの転向
  • 出世意欲の低下

Z世代の価値観

Z世代の特徴は、ワークライフ・インテグレーションを重視している点です。ワークライフ・インテグレーションは、仕事とプライベートの一体化を図る考え方で、双方の充実を目的としています。

ミレニアル世代と異なる点は、仕事とプライベートを切り離さず、どちらにも価値を見出している点です。次の表を確認して特徴を理解していきましょう。

表:Z世代の価値観

項目 主な特徴 重視する要素や具体例
安定志向
  • 就職先や転職先には、安定を求める
  • 自身にとって働きやすい環境を求めている
  • 社内の雰囲気
  • 職場の人間関係
  • 年収
  • 離職率
  • 福利厚生
パラレルキャリアへの関心
  • スキルや経験の習得に意欲的な姿勢を持つ
  • 柔軟な働き方を求めている
  • 不況を長期間経験しており、企業への期待や帰属意識は低い
  • 副業
  • 転職
  • フリーランスへの転向
ワークライフ・インテグレーション
  • 仕事とプライベート、どちらにも価値を見出す
  • 仕事での成果とプライベートの充実が相互にリンクする
  • どちらも充実すると、モチベーションや充実感が高まる
・男性の育児や家事への積極的な関与

・家族やパートナーと過ごす時間の確保

・仕事での好成績

社会貢献活動への関心
  • 社会貢献ができる行動を常に意識している
  • 企業にも環境問題や社会問題に貢献する取り組みを求める
  • ボランティア活動への参加
  • CSRやESGの内容を事前に調査

SDGsネイティブ世代の採用にSDGsの取り組みは重要

SDGsネイティブ世代を採用するためには、SDGsに関する自社の取り組み内容を積極的に発信する必要があります。SDGsネイティブ世代は、社会貢献の高さを企業選びで重視しているからです。

株式会社ディスコが2022年8月に実施した「就活生の企業選びとSDGsに関する調査」によると、「企業のSDGsへの取り組みが就職志望度に影響を与える」と回答した学生は、全体の4割でした。また、同調査によると、就職活動中に企業のSDGsへの取り組み内容を見聞きした学生は、全体の9割に及んでいます。

つまり、SDGsネイティブ世代が就職先を決める判断基準のひとつに「SDGsへの取り組み」が存在することに加え、すでに多くの企業が自社の取り組みを学生にアピールしている状況ということです。

このように、人材採用の観点から考えても、SDGsへの積極的な取り組みが企業には求められています。

[出典:株式会社ディスコ「就活生の企業選びと SDGs に関する調査」]

採用のために企業が行うべきキャリア戦略

優秀な人材を獲得するために実施しておきたいキャリア戦略は、以下の3点です。

  • ESG
  • ダイバーシティ経営
  • 健康経営

それぞれの内容を確認していきましょう。

ESG

ESGは、「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス(Governance)」の3つの単語を組み合わせた言葉です。2006年に国連総長を務めていたコフィー・アナン氏がPRI(責任投資原則)の中で、ESGの概念を紹介したのがきっかけです。

ESGの「環境」は、温暖化防止・生物多様性の確保・水資源の確保など、地球環境保護に向けての取り組みです。プラスチックごみの削減や資源の再利用などが、具体的な取り組みに該当します。

「社会」は、性別や雇用形態を理由にした格差是正など、誰もが安心して暮らせる社会の実現に向けた取り組みを指します。最後の「ガバナンス」は、健全な企業経営を実現するため、管理体制を強化することです。

ESGは、投資先を評価する判断基準のひとつとして用いられています。さらに最近では、就職先を選ぶ際の判断材料としても注目が高まっています。ESGへの積極的な取り組みは、就活生を惹き付けるアピールポイントのひとつとなり得るということです。

ダイバーシティ経営

ダイバーシティ経営とは、多様性に富んだ人材を雇用し、イノベーション創出や組織力強化に繋げる経営スタイルのことです。一人ひとりの能力が最大限発揮できる環境を整備し、新たなビジネスモデルの創出や、従業員のパフォーマンスアップを図ります。

労働者不足や企業のグローバル化などによって、ダイバーシティ経営への注目が高まりました。多様性に富んだ組織を作るためには、女性管理職の比率向上、外国人労働者の積極的な雇用、障害者の雇用創出など、多岐にわたる取り組みが必要です。

ダイバーシティ経営を推進すると、共感と多様性を重視する傾向にあるSDGsネイティブ層を獲得できる確率が高まります。

健康経営

健康経営とは、企業経営と従業員の健康維持をワンセットで考え、業績拡大を目指していく経営手法を意味します。体調が万全な従業員が多いほど、業務の正確性とスピードを高いレベルで維持できるという考え方です。従来、健康管理は従業員の自己責任で、企業経営との関連性は低いと考えられてきました。

しかし、少子高齢化にともなう労働人口の減少により、優秀な人材の確保は困難な状態です。また、体調不良や病気になる従業員が増えると、生産性が低下してしまいます。

離職率低下や組織全体のパフォーマンスアップに向け、健康経営への注目が高まっています。健康経営の取り組みは企業によって様々です。一例として、特別休暇の導入、禁煙サポート、残業時間の削減などが該当します。

仕事とプライベートの両立や統合を重視するSDGsネイティブ世代に対して、健康経営を推進する企業は魅力的に映ることでしょう。

企業が行うSDGsの取り組み事例

ここでは、SDGsに取り組んでいる企業事例を3社紹介します。

株式会社メルカリ

株式会社メルカリは、フリマアプリを運営する企業です。同社のSDGsに関する取り組みは、洋服の再利用を促すプロジェクトです。SDGsの目標のひとつである「持続可能な消費」の達成に向け、プロジェクトが企画されました。

メルカリで購入した洋服や不要となった洋服を使い、人気スタイリストがコーディネートを披露します。新しい洋服が1つも登場しない点がポイントです。洗練されたコーディネートの実現に、必ずしも新しい洋服が必要でないことをアピールしています。

2021年の実施時には、アプリユーザーや人気モデルの私物を同社初の実店舗で販売し、持続可能な消費体験を多くの人へ提供しました。売上金は、メルカリに洋服を寄付した団体や自治体に寄付されています。

象印マホービン株式会社

象印マホービン株式会社は、炊飯器や水筒など、家庭向けの電化製品を販売する企業です。同社のSDGsに関する取り組みは、プラスチックごみの削減です。日本は年間900万トンのプラスチックごみを排出しており、世界で2番目に多い量と言われています。

プラスチックごみが増えると、生態系の変化や海洋環境の破壊に大きな影響を及ぼします。そこで同社は、2006年から給茶スポットの取り組みを始めました。カフェや茶葉専門店などで飲み物を注文すると、マイボトルに飲み物を入れてもらえるサービスです。

地道な取り組みによって、給茶スポット導入の動きは全国に拡がりました。2011年には、日本最大級の音楽イベント「FUJI ROCK FESTIVAL」でも、給茶スポットが設置されています。

また、限りある海洋資源の保護に向け、2019年6月から社内のペットボトル使用を禁止しています。代わりに給水器を設置し、持続可能な消費への意識を高めている状態です。

Allbirds合同会社

Allbirds合同会社は、スニーカーやスポーツウェアの販売会社です。同社のSDGsに関する取り組みは、ダイバーシティ経営の推進です。

サステナビリティに関する部署は、ミレニアル世代の女性がトップを務めています。製造工程・広告・マーケティングなど、様々な工程で女性視点の意見が反映されている点が特徴です。

他社とは異なる視点を通じた提案によって、市場での優位性獲得や顧客ロイヤリティ向上を図っています。また、素材や流通など、すべての分野でサステナビリティにこだわり、温室効果ガスの削減に努めている企業です。

SDGsネイティブ世代は社会課題や環境問題への関心が高い

SDGsネイティブ世代は、SDGsへの認知度や関心が他の世代と比べて高い傾向にあります。環境・貧困・ジェンダー問題に関する学習を幼少期から重ねており、他人事と思っていない世代です。

課題解決への意欲が高く、社会貢献を意識した行動を取る傾向にあります。そのため、就職先の企業にも社会貢献に関する取り組みを求めており、中でも重視しているのが、SDGsに関する取り組みです。

優秀な人材を獲得するためにも、今回の記事で紹介したキャリア戦略や企業事例を参考に、SDGsへの取り組みを強化していきましょう。

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