5つのPとは?SDGsにおける重要な考え方や実現に向けた取り組み

記事更新日:2022/07/31

SDGs

5つのP

SDGsは17項目の目標と達成基準を具体的に示した169のターゲットから構成される取り組みです。原型となる「5つのP」と呼ばれる考え方を知れば、SDGsについて理解を深めることができます。本記事では、SDGsのベースとなる「5つのP」の詳細と、実現するための取り組みを解説します。

SDGsの基本とも言える「5つのP」

SDGsにおける「5つのP」は、次の5項目を指します。

  • People(人間)
  • Prosperity(豊かさ)
  • Planet(地球)
  • Pleace(平和)
  • Partnership(パートナーシップ)

SDGsにおける17の目標は、上記の5つのPのいずれかに分類できます。つまり、この5つのキーワードがSDGsの基本概念ともいえるのです。

まずは、5つのPの詳細について解説していきます。

People|人間

人々が健康に、かつ平等に暮らせる世界をつくることが目標です。貧しさは、飢えや差別、教育を受けられないことなどにつながるでしょう。

また、人口が増えると、同時に食糧難や飢えも加速する可能性があります。こうした社会課題を解決しながら、すべての人が健康に過ごすための制度やサービスが必要になります。

さらに、すべての人権が尊重されるために、ジェンダーの平等も実現させなければなりません。

Prosperity|豊かさ

国や地域の格差を是正するためには、豊かさが重要といえます。すべての人が、心も体も豊かでなければなりません。そのためには、経済を成長させていきつつ、環境保護にも努めることが大切です。つまり、経済と自然を調和させる必要があるのです。

そして、すべての人が豊かで充実した生活を送るためには、テクノロジーの有効活用が重要になり、企業は働き手に充実した職場環境や労働条件を提供することも大切です。

Planet|地球

未来のために、豊かな自然を守ることが大切です。一部の地域や国だけで取り組むのではなく、世界全体で取り組む必要があります。地球環境の問題は、経済だけでなく、人々の日常生活にも大きく影響します。

また、自然は無限ではありません。そのため、絶滅危機にある動物や植物、地球温暖化や砂漠化などの問題を、世界共通の課題として捉えて、解決に向けて努力しなければならないのです。天然資源を保護するだけでなく、生産や消費にも責任を持つことが重要といえます。

Pleace|平和

争いのない世界を実現させるためには、戦争や紛争に興味を持つことが大事です。また、暴力や迫害のない世界を実現させなければなりません。

戦争や紛争について学び、身近な行動へと移していく必要があるのです。個々の小さな行動から、すべての人が差別されずに受け入れられる世界を実現させましょう。

Partnership|パートナーシップ

より良い未来のため、SDGsの課題を解決させるには協力が不可欠です。SDGsの実現には国内にとどまらず、世界中の人が協力し合わなければなりません。つまり、グローバルなパートナーシップが必要なのです。

国や企業、地域や家族など、関係性や協力できる場面はさまざまです。SDGsにおいて自分にできること、協力できることを探しながら行動に移すことが重要です。

SDGsについて

SDGs(Sustainable Development Goals)は、2015年9月に国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」のことで、2030年までの達成を目指しています。よりよい世界を継続していくためには、SDGsの実現が必要となるのです。

SDGsは17の目標と169のターゲットから構成されています。

17個の目標

SDGsにある17項目の目標は、人権や経済、地球環境などさまざまな側面から考えられています。SDGsの実現には、この17項目の目標を達成しなければなりません。

17の目標は以下の通りです。

  1. 貧困をなくそう
  2. 飢餓をゼロに
  3. すべての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトイレを世界中に
  7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  8. 働きがいも経済成長も
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくりを
  12. つくる責任、つかう責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. 海の豊かさを守ろう
  15. 陸の豊かさも守ろう
  16. 平和と公正をすべての人に
  17. パートナーシップで目標を達成しよう

[引用:外務省「JAPAN SDGs Action Platform SDGグローバル指標(SDG Indicators)」より]

169個のターゲット

169のターゲットは、17項目を具体的にしたものです。目標に対して、より細かい達成目標や達成手段を示しています。

目標1を例に、ターゲットをみてみましょう。1-1など、数字で表されているものが達成目標、1-aなど、アルファベットで表されているものが達成手段です。

「1.貧困をなくそう」のターゲット
1-1 2030年までに、世界中で「極度に貧しい」暮らしをしている人をなくす。
1-2 2030年までに、それぞれの国の基準でいろいろな面で「貧しい」とされる男性、女性、子どもの割合を少なくとも半分減らす。
1-3 それぞれの国で、人びとの生活を守るためのきちんとした仕組みづくりや対策をおこない、2030年までに、貧しい人や特に弱い立場にいる人たちが十分に守られるようにする。
1-4 2030年までに、貧しい人たちや特に弱い立場にいる人たちをはじめとしたすべての人が、平等に、生活に欠かせない基礎的サービスを使えて、土地や財産の所有や利用ができて、新しい技術や金融サービスなどを使えるようにする。
1-5 2030年までに、貧しい人たちや特に弱い立場の人たちが、自然災害や経済ショックなどの被害にあうことをなるべく減らし、被害にあっても生活をたて直せるような力をつける。
1-a 開発途上国、特に最も開発が遅れている国で、「貧しさ」をなくすための計画や政策を実行していけるよう、いろいろな方法で資金をたくさん集める。
1-b それぞれの国や世界で、貧しい人たちのことや男女の違いなどをよく考えて政策をつくり、「貧しさ」をなくすためのとりくみにもっと資金などを増やして取り組めるようにする。

[引用:公益財団法人 日本ユニセフ協会「1.貧困をなくそう | SDGsクラブ」より]

17の目標のうちの「1.貧困をなくそう」に対し、どのようにすれば貧困をなくせるかについて検討したものがターゲットです。

ただ、「極度に」「なるべく」など抽象的な内容もあるため、169のターゲットはさらに247(重複を除くと231)の指標に分類されています。

[出典:総務省「政策統括官(統計制度担当)|持続可能な開発目標(SDGs)」]

SDGsの目標と5つのPの関係

「5つのP」をより具体的にしたものが、SDGsにある17項目の目標です。具体的には、5つのPと17の目標は下記に対応しています。

<People (人間)>

1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に

<Prosperity(豊かさ)>

7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを

<Planet(地球)>

12.つくる責任、つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう

<Pleace(平和)>

16.平和と公正をすべての人に

<Partnership(パートナーシップ)>

17.パートナーシップで目標を達成しよう

また、日本では8つの優先課題を掲げており、この優先課題は5つのPに基づいています。日本が掲げる8つの優先課題は以下の通りです。

People (人間)

  1. あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現
  2. 健康・長寿の達成

Prosperity (繁栄)

  1. 成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
  2. 持続可能で強靭な国土と質の高いインフラの整備

Planet (地球)

  1. 省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会
  2. 生物多様性、森林、海洋等の環境の保全

Peace (平和)

  1. 平和と安全・安心の社会の実現

Partnership (パートナーシップ)

  1. SDGs実施推進の体制と手段

上記は、日本ならではの戦略として2016年に策定された「SDGs実施指針」を2019年に改定したものです。

[引用:首相官邸公式サイト「SDGs 実施指針改定版」より]

SDGsが注目を集めている理由

SDGsが注目されている背景には、世界的に地球環境の保全や資源不足への意識が高まっている点や、日本経済団体連合会(経団連)の行動憲章改定による企業の姿勢の変化などがあります。

地球環境は、以下の通りさまざまな課題を抱えています。

  • 地球温暖化
  • 異常気象
  • 自然災害の増加
  • 砂漠化
  • 水不足

そのため、環境負荷を低減させる必要があるのです。加えて、貧富の格差拡大といった社会問題も深刻化しており、世界的に取り組むべき課題となっています。

国内においては、2017年に経団連が企業行動憲章についてSDGsの達成を軸とした改定をおこないました。つまり、企業にも「SDGsに取り組まなければならない」という意識が芽生えたのです。

5つのPを実現するための取り組み

SDGsにおける5つのPを実現するために、個人や企業はどのような行動を起こせば良いのでしょうか。ここではすぐに実践できる5つの取り組みを紹介します。

食材を無駄にしない

日本では1年間で約612万トン(東京ドーム約5杯分)の食品ロスが発生しています。日本は食料自給率が低く輸入量が多いのに対し、廃棄している量も多いということです。

SDGsの考え方を実践するうえでは、食べられる食材が飢餓で苦しむ人々に届くように工夫しなければなりません。具体的な行動としては、「食事を残さない」「食材を無駄に使わない」などが考えられます。

食べることは、人々の健康にもつながります。必要な量を必要なときに購入し、無駄なく消費することが大切です。

[出典:農林水産省「食品ロスの現状を知る:農林水産省」]

<この取り組みが関わるSDGsの目標>

2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を

節電や節水を意識する

電気や水は使うときだけでなく、生産される際にも多くのエネルギーが消費されており、CO₂排出の原因ともなっています。エネルギーは無限ではありません。資源保護や不要な資源消費を回避するため、節電・節水を意識しましょう。

具体的な行動には、「使われていない部屋の電気を消す」「水道はこまめにとめる」などがあります。

<この取り組みが関わるSDGsの目標>

7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに

リサイクルや再利用を行う

生活するなかで発生するごみは、処分する際に多くのCO₂を排出しています。CO₂排出は環境に悪影響をおよぼしているため、できる限りリサイクルや再利用でごみが発生しないような工夫をしなければなりません。

また、プラスチックごみは海洋汚染にもつながっています。海洋生物がプラスチックごみを餌と間違えて食べたり、プラスチックストローがウミガメの鼻に詰まるといった事例がニュースなどでも報じられています。

したがって、「ごみはきちんと分別する」「レジ袋ではなく再利用可能なエコバッグを使う」などの取り組みからはじめていきましょう。

<この取り組みが関わるSDGsの目標>

13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう

募金活動に関わる

SDGsを達成するために、各方面で支援活動がおこなわれています。ただ、支援活動を継続させるためには、そのための資金が必要です。

そこで、「募金をする」や「募金を募る活動をする」など、募金活動に関わってみましょう。この取り組みが支援団体の活動資金となり、貧困や紛争・内戦などの問題に直面している国や地域、人々への支援にもつながります。

また、寄付されたお金は感染症のワクチンや、教育のための鉛筆やノートなど、支援物資の購入にも使われています。このように、募金活動は現地で苦しむ人の健康を守り、教育の機会を与えることにもつながっているのです。

<この取り組みが関わるSDGsの目標>

16.平和と公正をすべての人に

SDGsについて理解する

SDGsは、一部の人・企業・国だけの取り組みでは実現できません。そのため、すべての人がSDGsに関心を持たなければならないのです。SDGsを理解し、自分にできること、自社ができることを検討し、行動に移してみましょう。

SDGsを理解することは、SDGsを推進するだけでなく、パートナーシップの活性化も期待できます。SDGsへの理解が深まったら、周りの人にも発信してみるとよいでしょう。

<この取り組みが関わるSDGsの目標>

17.パートナーシップで目標を達成しよう

SDGsの理解を深めるために5つのPは重要なキーワード

SDGsにおける5つのPとは、「People(人間)」「Prosperity(豊かさ)」「Planet(地球)」「Pleace(平和)」「Partnership(パートナーシップ)」のことであり、17の目標や日本における8つの優先課題へと連なる、SDGsの重要なキーワードです。

SDGsは今や企業が事業活動を進めていく上では無視できない重要な考え方となっています。また個人にとっても、世界的な共通課題として意識し、日々の生活の中でできる限りの行動を起こすことが求められています。

ここで解説した5つのPをもとにSDGsをより深く理解し、自分や自社が実践できる具体的なアクションにつなげていきましょう。

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