ウェビナーの開催方法まとめ|やり方や手順・成功のポイント、必要なアイテムを紹介
欧米を中心に多く開催されている「ウェビナー」。ビジネス環境の変化などから近年日本でも取り入れる企業が増えています。本記事では、ウェビナーの開催方法について、成功のポイントや必要なアイテムと併せて紹介します。
目次
ウェビナーとは?
ウェビナーは、オンライン上で実施されるセミナーのことで、「ウェブ」と「セミナー」を合わせた造語です。
インターネットにつながっていれば参加者は場所を問わずにアクセスできるというのがウェビナーのメリットです。また開催者側にとっても、オフラインで開催するセミナーと比べ、会場費や人件費などのコスト面を抑えられるというメリットがあります。
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ウェビナーとWebミーティングの違い
Webミーティングは、インターネットを介して行われるオンライン会議のことをいいます。検討すべき議題があり、双方向で情報や意見の交換をして結論を導く目的があります。
これに対してウェビナーは、セミナーの開催方法の1つであるため、基本的には開催者側が情報提供を行い、多数の参加者を対象に行われます。
ウェビナー | Webミーティング | |
目的 | 教育や情報提供、リード獲得が中心 | 情報共有や意見交換 |
利用シーン | 講演やセミナー、研修会など | 社内ミーティングや商談など |
コミュニケーション | 一方的な情報提供 | 双方向の情報交換 |
連絡方法 | 主に講演者からの情報提供 | 参加者全員が情報を共有 |
このように、ウェビナーとWebミーティングは目的や利用シーンなどが異なることを覚えておきましょう。
ウェビナーの配信方法
ウェビナーの配信には、「リアルタイム配信」と「録画配信(擬似ライブ配信)」の2つの方法があります。ここではそれぞれの配信方法の特徴やメリットを詳しく見ていきましょう。
リアルタイム配信
リアルタイム配信は、ウェビナーを生放送で配信する方法です。コメントやアンケート機能などを通じて講演者と参加者が直接コミュニケーションを取れるため、臨機応変な対応ができる点が大きなメリットだといえます。
ただし、リアルタイムで配信するという性質上、ウェビナー開催中に音声や映像などにトラブルが発生するリスクがあります。リハーサルをしっかり行い、万が一の場合にも慌てることがないよう、トラブル発生時の対応についてあらかじめ考えておくとよいでしょう。
録画配信(擬似ライブ配信)
録画配信(擬似ライブ配信)は、事前に録画したコンテンツを特定の時間に配信する方法です。字幕をつけたり効果音を加えたりといった編集を事前に行うことで、ウェビナーの内容が参加者により伝わりやすいよう工夫することができます。
また、参加者が自分の都合の良いタイミングで聴講できることも録画配信のメリットです。ただし、内容が事前に準備される形式のため、リアルタイム配信のようにウェビナー進行中に講演者と参加者がコミュニケーションを取ることはできません。
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ウェビナーのやり方・開催手順
ウェビナーを開催する場合、どのように準備を進めたらよいのでしょうか。事前準備から開催後のフォロー、振り返りまで、ステップごとに具体的に見ていきましょう。
ウェビナーの目的を決める
まずはウェビナーを開催する目的を決めましょう。目的をはっきりさせておかないと、伝えるべきことが曖昧になり、期待する効果を得られずに終わってしまいます。
たとえば「業界の最新トレンドについて紹介し、最終的に自社の商品やサービスの購入につなげる」や「今後の業務遂行上、必要な知識を身につけてもらう」など、目的を具体的に設定し、関係者で共有しましょう。
ターゲット・配信内容を決める
目的を明確にしたら、次にターゲットとなる層と配信内容を決めます。
自社の商品やサービスを購入してもらうという目的が同じでも、該当分野について詳しくない一般人をターゲットするのか、すでに知識がある業界関係者をターゲットとするのかでは、配信する内容が異なります。
ターゲットを絞り込み、それに合った配信内容を考えるようにしましょう。
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集客方法を決める
目的やターゲット、配信内容が決まったら、次に行うのが集客方法の検討です。集客の成功がウェビナーの成功にもつながるため、ここは重要なステップだといえます。
既存の顧客にリーチしやすいメール配信、新規顧客を獲得できる可能性があるリスティング広告、広く周知できるポータルサイトやSNS、各メディアの活用など、ウェビナーのターゲットや予算、目的に合わせて最適な方法を選びましょう。
台本・スタッフの割り当てを決める
ここからは当日の具体的な段取りに入ります。
まずは講演者の選定から始めましょう。社外の著名人や専門家を招く場合は、スケジュールの調整が必要となるため早めの依頼が必須です。この際、当日までの間に打ち合わせの時間を確保してもらえるよう併せて伝えましょう。
また、開催当日に滞りなくウェビナーを運営できるように、台本を用意しておくとよいでしょう。たとえば、開始から終了までのタイムスケジュール、各セクションの目的、技術サポート、参加者管理、質問対応など、各スタッフの役割分担を台本にまとめて共有します。
配信場所を確保する
配信場所の確保もなるべく早く行っておきたいステップです。特に外部のレンタルスタジオを利用したい場合などは、開催日が迫ってから予約を取ろうとしたところ、希望日時に空きがなかったという事態になりかねません。
ライブ配信や撮影に使いたい場所については、余裕を持って予約を行うようにしましょう。また、単純に場所を確保するだけでなく、環境のチェックをすることも重要です。余計なものが映り込んでいないかや、特にリアルタイム配信の場合はインターネット接続に問題がないかなどを確認しましょう。
ウェビナーツールを決める
ウェビナー開催にあたっては、ツールの選定も重要な要素だといえます。なぜなら、開催の目的によって必要な機能が異なるためです。
たとえば講演者と参加者のコミュニケーションが必要な場合は、チャットやアンケート収集機能があるツールがおすすめです。社内向けの研修であれば、録画を繰り返し見直せるようにアーカイブ機能があるものを選ぶとよいでしょう。
使いやすさや予算、サポート体制なども考慮に入れ、事前にテストをしたうえで最適なツールを選ぶのがおすすめです。
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開催前に参加者へリマインドメールを送信する
ウェビナー開催前に、必ず参加者に対してリマインドメールを送信しましょう。特に申し込みから開催当日までの期間が長い場合、参加者が申し込んでいたことを忘れて欠席してしまう可能性があります。
リマインドメールには、開催日時、セミナーのタイトルと内容、参加URL、問い合わせ先などを明記し、開催日の2週間前・1週間前・3日前・前日といったタイミングでこまめに送るとよいでしょう。
ウェビナーを開催する
ウェビナー当日は、開始30分前までに準備と最終チェックを完了しておき、トラブルへの対処方法についても、再度スタッフ間で確認・共有しましょう。
参加者がログインし始めると、不具合や不明点などを含めたさまざまな問い合わせが寄せられることも考えられるため、落ち着いて対応できるようにしておくことが大切です。
オープニングで話をするスタッフは参加者に歓迎の気持ちを伝えると親近感を持ってもらえます。その後はタイムスケジュールに沿ってウェビナーを進行させていきましょう。
ウェビナー後のフォローをする
ウェビナーの開催は参加者との関係構築の第一歩に過ぎません。参加者は貴重な見込み客と捉え、フォローアップを欠かさないようにすることが重要です。
メールや電話で参加者に感謝の意を伝えてフィードバックを求めつつ、案件化・商談化につなげましょう。
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ウェビナーの振返り・改善をする
参加者へのフォローだけでなく、ウェビナーそのものを振り返ることも、以降のウェビナーをさらに良いものにするために欠かせません。案件化・商談化につなげるためにも、結果をしっかりと分析する必要があります。
分析のためのポイントや指標としては、たとえば、次のようなものが挙げられます。
- メールの開封率
- ウェビナー当日の参加率
- 参加者の滞在時間
- アンケートの回答率と結果
こうしたポイントのほかにも、当日の参加者の熱量や雰囲気など、気づいたことを共有して次回に向けた改善点を整理しましょう。
ウェビナー開催に必要なアイテム
ウェビナー開催にあたっては、さまざまなアイテムを使用します。それらのアイテムは必須のものと、あったほうがよいものに分けられるため、ここではその両方を紹介します。
必須アイテム
- 十分なスペックのPC
- ウェブカメラとマイク(内蔵のPCも多い)
- 安定したインターネット環境
- Zoomなどのウェビナープラットフォーム
- PowerPointやGoogleスライドなどのプレゼンテーションソフト
あったほうがよいアイテム
- 外部カメラとマイク
- バックアップ用デバイス
- 配信用の照明機器
- グリーンバック
- 参加者とのインタラクションツール
自社のウェビナーに適したアイテムを用意することで、高品質な映像や音声で届けることができます。参加者に良い印象を持ってもらうためにも、不足なく揃えるようにしましょう。
ウェビナーを成功させるためのポイント
ウェビナーはただのオンラインセミナーではありません。価値ある時間を提供して参加者の心をつかむには、事前の準備と戦略が不可欠です。
ここでは、ウェビナーを成功させるためのポイントを解説します。
ターゲット・目的を明確にする
開催手順の部分でも述べましたが、ウェビナーを開催するにあたっては、目的とターゲットを明確にすることが重要です。
目的は何か、ターゲットは誰なのかをはっきり決めておかなければ、誰に対して案内すべきか判然とせず、十分な集客ができません。参加者が集まらない状態では、期待した効果を得ることは困難でしょう。
目的とターゲットを具体的に設定することが、ウェビナーを成功させるための最初のポイントなのです。
リハーサルをする
充実したウェビナーにするためには、準備が非常に重要な要素であるため、必ずリハーサルを行っておきましょう。
リハーサルなしでウェビナーの本番に臨んでしまうと、思うように進まないといった事態に陥りかねません。プレゼンテーターだけでなく、機材や運営スタッフなども含め、できる限り本番の環境に近づけた形でリハーサルをしておくようにしましょう。
機材・配信のトラブルを想定しておく
ウェビナーはオンラインでの開催という性質上、どうしても通信環境や機材のトラブルに直面しがちです。そのため、トラブルが起きた場合に備えることが重要です。リハーサルをしていても、本番で予期せぬトラブルが発生することもあるでしょう。
インターネット接続は有線を選んで安定性を高め、予備のカメラやマイクも用意したほうが安心です。
また、ネットへの接続や映像・音声などにトラブルがあった場合に、配信側と参加者側のどちらに問題があるのか把握できるよう、当日は開催者側でも参加者と同様の環境でログインしておくことをおすすめします。
アンケートやチャットで参加者の声を取り入れる
ウェビナーは一対多となる構造上、参加者は視聴するのみになることも多いものです。そこで、参加者の満足度を上げるために、何らかの形で参加者の声を聞けるような工夫をするとよいでしょう。
参加者から直接質問を受けたり、感想を述べてもらったりする以外にも、アンケートやチャット機能を活用することで、リアルタイムでフィードバックを収集することができます。こうしたオンラインならではの方法を活用して、より満足感の高いウェビナーにしましょう。
ウェビナーを開催するうえでのセキュリティリスクについて
ウェビナーは場所を問わずに開催・参加できることから、開催者・参加者双方にとって便利なものです。ただし、セキュリティリスクが伴うことは覚えておく必要があります。
ここでは、どのようなリスクが存在し、どう対処すればよいのかを見てみましょう。
配布資料の流出
セキュリティ対策が不十分だと、ウェビナーでの配布資料を不正にダウンロードされてしまう危険があります。アクセス制御や暗号化などの対策をして、配布資料が参加者のみに行きわたるよう注意しましょう。
不正アクセスなどでのウェビナーの妨害
不正アクセスによってウェビナーが妨害され、プレゼンテーションの中断、情報の漏洩など深刻な問題が発生するリスクも否定できません。このようなリスクを避けるためには、次のような対策をしておく必要があります。
- ウェビナーツールに適切なセキュリティ設定を施す
- 参加者の認証プロセスを強化する
- 不審なアクセスを検知するためのモニタリング体制を整え、問題が発生した場合に迅速に対処できるように準備する
ウェビナーツールの選び方
ウェビナーを成功させるには、適切なツール選びが欠かせません。ここでは、ツール選定の際にどのような点に着目したらよいのかを見ていきましょう。
ウェビナーの開催目的で選ぶ
ウェビナーを開催する目的はさまざまです。たとえば教育が目的のセミナーであれば、参加者の理解度を測る機能があると便利でしょう。大規模なプロモーションの場合は、多数の参加者を受け入れられるツールでなければなりません。
開催の目的が明らかになればおよその参加人数を見積もることができるため、開催規模からツール選定を行うのもおすすめです。
ウェビナーツールは、少人数向けのものから数百人規模の参加者に対応できるものまで、さまざまな種類があります。目的と開催規模を考慮して絞り込んでいくとよいでしょう。
セキュリティ機能で選ぶ
参加者の個人情報保護はもちろん、不正アクセスや情報漏えいを防ぐためにも、ウェビナーツールのセキュリティは重要です。パスワード保護やエンドツーエンドの暗号化機能などが備わっているツールを選びましょう。
無料ツールに比べ、有料ツールのほうがセキュリティ対策が充実していることが多いため、まずは有料ツールを中心に検討することをおすすめします。無料ツールを使う場合には、有料オプションを付けて対策ができないかを確認しましょう。
操作性・利便性で選ぶ
操作性や利便性も、ツール選びの際の重要なチェックポイントです。操作しやすいツールであれば、開催者も参加者もストレスなく使用できます。
具体的には、セットアップが簡単なツールやインターフェースが直感的なツールであれば操作性が高いといえるでしょう。
さらに、自動録画機能やリアルタイムの質問応答機能などがあるツールであれば、ウェビナーの充実度が高まります。トライアルがある場合は事前に使用感を試し、操作性や利便性の面を確認するようにしましょう。
国産ツール・海外ツールで選ぶ
国産ツールは日本語でのサポートが充実している点や、操作や機能の説明などが翻訳されたものではなくネイティブな日本語である点が強みです。
一方、海外ツールは先進的な機能を持っていたり大規模な参加者に対応できたりするものもあります。ただし、言語やサポート面で不便を感じることがあるかもしれません。
特に理由がない限りは国産を選んだほうが無難ですが、海外向けのウェビナーの場合は海外ツールを選んだほうがよい場合もあるため、状況次第で最適なものを検討しましょう。
サポート体制の充実度で選ぶ
ウェビナーでは、いつトラブルが起きるかわかりません。そのため、問題発生時に迅速に対応してくれる充実したサポート体制があるツールを選ぶと安心です。ヘルプデスクの対応時間や問い合わせのしやすさを事前に確認しておきましょう。
ウェビナー開催の成功ポイントを理解しておこう
ウェビナーを成功させるためには、目的とターゲットの設定に始まり、セキュリティ対策、ツールの選択、入念なリハーサルなど、多くのポイントがあります。参加者の声を取り入れることもその1つです。トラブルへの備えも万全に整え、実り多いウェビナーを実現しましょう。
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