年末調整の続柄はどう書くべき?書き方や記入方法・訂正方法を解説
続柄の書き方は年末調整の手続きの中でも混乱を招きやすい箇所です。適切な控除を受けるためには正確な記載が必要ですが、書き方を誤ると適用されない恐れがあります。年末調整における続柄の書き方について理解し、どのような点に注意すべきか把握しましょう。
目次
年末調整における続柄とは?
年末調整における「続柄(つづきがら)」とは、親族間の関係性や婚姻関係を表す言葉です。
年末調整では、住民票や扶養控除申告書などの公的文書にある「続柄」の欄において、申請者と親族などとの関係性を記入する必要があります。
続柄の書き方は手続きや書類などによって異なりますが、年末調整の場合は「あなたから見た相手の立場」を記載します。
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年末調整で記入する続柄の書き方
年末調整で「続柄」を記入する際は、申告者自身を中心とした視点で記載します。ここでは、視点別に続柄の書き方を解説します。
本人との関係
本人から見た続柄の記載方法は、親族との関係性によって異なります。
関係性 | 記載方法 |
父 | 父 |
母 | 母 |
夫 | 夫 |
妻 | 妻 |
子ども | 子 |
兄弟姉妹 | 兄・弟・姉・妹 |
夫の親族
夫の親族に対する続柄の記載は、次の通りです。
関係性 | 記載方法 |
夫の父 | 夫の父 |
夫の母 | 夫の母 |
夫の兄弟 | 夫の兄・夫の弟 |
夫の姉妹 | 夫の姉・夫の妹 |
妻の親族
妻の親族に対する続柄の記載は、次の通りです。
関係性 | 記載方法 |
妻の父 | 妻の父 |
妻の母 | 妻の母 |
妻の兄弟 | 妻の兄・妻の弟 |
妻の姉妹 | 妻の姉・妻の妹 |
上記以外の続柄
上記の表に当てはまらない続柄は、状況に応じて以下のように異なります。
関係性 | 記載方法 |
内縁の夫 | 夫(未届) |
内縁の妻 | 妻(未届) |
夫の連れ子 | 夫の子 |
妻の連れ子 | 妻の子 |
一般的な続柄の記入方法
一般的な続柄の記入方法は、書類や提出先によって異なりますが、基本的には「申請者」や「世帯主」を中心に、彼らとの関係性を記載します。
申請者から見た関係を記載する「年末調整」
年末調整では、申請者自身を中心とした続柄を記入するのが一般的です。
例えば、申請者の扶養親族が配偶者であれば「妻」や「夫」、子供であれば「子」と記入します。
世帯主から見た関係を記載する「確定申告・住民票」
一方、確定申告や住民票の書類では、世帯主を中心とした続柄を記入します。
例えば、世帯主が申告者の親であれば、続柄欄には「子」と記入します。確定申告の場合も同様で、世帯主から見た関係性を記入します。
確定申告や住民票のような公的書類では世帯主が中心となり、申請者が中心となる年末調整とは異なるため注意が必要です。
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【ケース別】年末調整に必要な続柄の記入例
ここからは、ケース別に年末調整における続柄の記入例を紹介します。
自分が世帯主の場合
自分が世帯主の場合、続柄欄には「本人」と記入します。単身者で一人暮らしをしている場合も続柄は「本人」です。
なお、一人暮らしの場合は住民票を現住所に移しているかどうかが判断基準であり、社会的地位は関係ありません。本人の住民票を現住所に移していれば、年齢・収入・職業などは関係なく、経済的に自立していない学生であっても世帯主に設定できます。
世帯主が父母の場合
世帯主が父親や母親の場合、続柄欄には「父」「母」と記載します。
具体的には、申告者自身が父母の扶養に入っている場合や、実家で親と同居している場合などが該当します。
同棲や事実婚の場合
彼氏・彼女などの関係性で同棲している場合は「同居人」、事実婚や内縁関係の場合は「夫(未届)」または「妻(未届)」と記入するのが一般的です。
正式な婚姻届が提出されていない場合でも、住民票や年末調整の際は同居している事実に基づいて続柄を記入します。
なお、同性婚やパートナーシップなど、夫や妻という立場ではない場合は「同居人」と記入するのが一般的です。
配偶者が世帯主の場合
配偶者が世帯主の場合、世帯主が夫で妻が年末調整をする場合は「夫」、世帯主が妻で夫が年末調整をする場合は「妻」と記入します。
年末調整では「あなたとの続柄」を記入するため、あなたから見た世帯主の関係性を記入します。
娘・息子・孫の場合
娘・息子が世帯主の場合は、性別や生まれた順番に関係なく「子」と記入するのが一般的です。また、孫の場合も考え方は同様で、「子の子」と記入します。
世帯主が義父母の場合
世帯主が義父母の場合、どちらの父母かによって記入の仕方が異なります。
世帯主が夫の父親の場合は「夫の父」、妻の母親の場合は「妻の母」と記入します。
祖父母やおじ・おば・いとこの場合
世帯主が祖父母の場合も、関係性によって記入の仕方が異なります。
夫側の祖父の場合は「夫の父」、妻側の祖母の場合は「妻の母」となります。また、おじ・おばの場合は「父の兄」「父の姉」「母の弟」「母の妹」のように記入します。
どの場合も特別な呼び名があるわけではなく、「あなたから見たその人の立場」をそのまま記入するのが一般的です。
年末調整の続柄を書き間違えた際の注意点
年末調整の続柄を書き間違えてしまった場合は、以下の2点に注意しましょう。
訂正しないと控除が適用されない
続柄を間違えて記入したまま年末調整を提出してしまうと、控除が正しく適用されません。適用されるべき控除が正しく処理されないと、結果的に納税額が増加する可能性があります。
特に扶養控除や配偶者控除など、続柄に基づいて控除が適用される項目は直接的に影響を受けるため注意が必要です。
書き間違いに気づいた場合は、速やかに関係部署や提出先に報告しましょう。その後、正しい情報を記載した書類を再提出すれば問題ありません。
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訂正対応には期限があるので注意
年末調整には、会社や税務署が定めた期限が設けられています。訂正がこの期限に間に合わなかった場合は、翌年に確定申告を要する可能性があります。
通常、年末調整の訂正は翌年の1月末までに行う必要がありますが、場合によってはそれよりも早い段階で期限を設けているケースもあるため、事前にしっかり確認しておきましょう。
年末調整の続柄は中心となる人物の理解が必要
年末調整において「続柄」を記入する際は、中心となる人物が誰であるかを正確に理解しておくことが重要です。
自分が世帯主の場合は「本人」、父母が世帯主の場合は「子」、配偶者が世帯主の場合は「妻」や「夫」と記入します。
誤って記載すると控除が正しく適用されず、税金の負担が増える恐れがあります。記入時に注意するとともに、誤った情報を記入してしまった際はできるだけ早く訂正対応を行いましょう。
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