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個人事業主・自営業でも年末調整は必要?必要になるケースややり方・時期を解説

2024/09/25 2024/09/26

年末調整ソフト

個人事業主の年末調整

主に会社員を対象に行われる「年末調整」。働き方の変化によって昨今は個人事業主や自営業者が増えていますが、個人事業主・自営業も年末調整は必要なのでしょうか。本記事では、個人事業主・自営業でも年末調整は必要なのか、必要になるケースや時期、やり方について詳しく解説します。

年末調整とは?

年末調整とは、毎年11月から12月にかけて、企業が従業員に代わって行う税金の精算手続きです。給与から前もって源泉徴収された所得税を、その年の実際の収入に基づいて正しい金額に調整し、多く支払った分は還付され、不足している場合は追加徴収されます。

年末調整では扶養控除や社会保険料控除といった控除の適用が行われるため、従業員は必要書類を不足なく提出する必要があります。年末調整を行うことで、一人ひとりの従業員が正確な税額で納税できるようになるのです。

個人事業主・自営業でも年末調整は必要?

個人事業主や自営業者は、自分で確定申告を行うため、雇用されている従業員とは異なり、基本的に年末調整は不要です。

年末調整は企業が従業員に代わって行う税金の調整手続きであり、雇用されていない個人事業主は年間の収入や経費を自ら申告することで税金を確定します。そのため、年末調整の手続きは不要なのです。

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個人事業主・自営業でも年末調整が必要になるケース

個人事業主や自営業でも、特定の条件下では年末調整が必要になります。具体的なケースについて詳しく解説しましょう。

副業の給与所得があり、かつ個人事業の所得が20万円以下の場合

副業で給与所得があり、かつ個人事業の所得が20万円以下の場合、年末調整が必要です。これは、給与所得を得ているほうが副業であっても、給与を支払っている企業が年末調整を行うためです。

ただし、個人事業の所得が20万円を超えると、年末調整だけでは不十分となり、別途確定申告も必要になります。給与所得がメインであれば税金の精算は年末調整で完了しますが、個人事業の所得が一定額を超えると追加の手続きが必要だと覚えておきましょう。

年の途中で会社員になった場合

その年の途中で個人事業主から会社員になった場合、年末調整と確定申告の両方が必要になります。会社員としての給与は年末調整で精算されますが、個人事業の所得がある場合、確定申告でその所得を申告する必要があるのです。

具体的には、個人事業で20万円を超える収入がある場合は、その分の確定申告を行います。

アルバイトなどの従業員を雇用している場合

アルバイトなどの従業員を雇用している場合、雇用主として従業員の年末調整を行う必要があります。配偶者や親族を青色事業専従者として雇用している場合も、給与を支払っているため年末調整が必要です。

青色事業専従者給与は経費として扱われるため、年末調整を行うことで税務処理が適切に行われます。

個人事業主・自営業が年末調整を行う時期

ここでは、個人事業主や自営業者が年末調整を行う時期について説明します。

11月:従業員に書類の配布・証明書の提出依頼をする

まず11月に従業員に年末調整のための書類を配布し、必要な証明書の提出を依頼します。具体的には、「扶養控除等(異動)申告書」や「保険料控除申告書」を配布し、従業員には生命保険料や地震保険料の控除証明書、住宅ローン控除に関する書類などを提出してもらいましょう。

各証明書は適切な税額計算のために必要であり、従業員の税負担の軽減にもつながります。

12月:書類の回収・所得税の計算をする

12月には従業員に配布した書類を回収し、それらを基に所得税の計算を行います。具体的には、扶養控除や保険料控除などの適用額を確認し、年初からの源泉徴収額と比較して精算する流れです。

書類回収時には、控除証明書が不足していないか、内容が正確に記入されているかを確認することが重要です。不足や記入ミスがあると後々訂正の手間が発生してしまうため、複数人で確認するようにするとよいでしょう。

1月:所得税の納税・従業員に源泉徴収票を交付する

1月になったら年末調整で確定した所得税を管轄の税務署に納税し、従業員には源泉徴収票を交付します。この際、税務署には「給与支払報告書」や「源泉徴収票」も提出が必要です。

これらの書類は、各従業員の正確な所得税の報告と納税手続きを完了させるために用いられます。さらに、各市町村には住民税の計算のための「給与支払報告書」を提出しましょう。

個人事業主・自営業が年末調整を行う際に必要な書類

個人事業主や自営業が年末調整を行う際に必要な書類には、以下のようなものがあります。

  • 扶養控除等(異動)申告書
  • 基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 保険料控除申告書
  • 生命保険料や地震保険料の控除証明書
  • 住宅ローン控除に関する書類
  • 源泉徴収票(副業や給与所得がある場合)

これらの書類に加え、税務署に提出する支払調書と法定調書合計表、市区町村に提出する給与支払調書を作成する必要があります。

アルバイトなどの従業員を雇用している場合の年末調整のやり方

アルバイトなどの従業員を雇用している場合、年末調整の方法には特別な注意が必要です。ここでは具体的な方法を見ていきましょう。

「給与支払事務所等の開設届出書」を提出する

「給与支払事務所等の開設届出書」とは、従業員に給与を支払う事業者が税務署に提出する書類です。この届出書を行うことで、税務署は源泉徴収した所得税を納付するために必要な書類を事業者に送付することができます。

この書類は税務署に源泉徴収を行うことを知らせるものであるともいえ、届け出ないと適切な税務処理ができなくなる可能性があります。源泉徴収税額の計算や納税に影響を与えないためにも、必ず提出が必要です。従業員を雇った場合には早めに届出を行いましょう。

従業員の給与から所得税を天引きする

従業員の給与から所得税を天引きすることは、事業者が行う重要な義務です。所得税の天引きとは、従業員が納めるべき所得税を事業者があらかじめ代わりに徴収し、税務署に納付する仕組みです。

天引きされる金額は、従業員の給与額や扶養控除の状況によって異なります。正確な天引き処理を行うことで、従業員の納税がスムーズに進みます。

年末調整を行う

年末調整には、従来の紙で行う方法と電子申請で行う方法の2つがあります。それぞれの詳細な手続きについて見ていきましょう。

年末調整を紙で行う場合

年末調整を紙で行う場合、まず従業員に「扶養控除等(異動)申告書」や「保険料控除申告書」などの必要書類を配布し、記入してもらいます。その後、従業員から提出された書類を基に、事業者側が所得税の再計算を行います。

この際、書類の不備や提出の遅れがあると、正確な税額計算ができなくなるかやり直しの手間が発生するため、書類を早めに回収し、内容をしっかり確認することが重要です。紙での手続きは管理が複雑になりやすいことにも注意しましょう。

年末調整を電子申請で行う場合

近年、従来の紙での年末調整に代わり、電子申請を取り入れている事業者や企業が増えています。

電子申請では、従業員がシステム経由で必要な申告書を提出し、事業者側が提出されたデータを管理・処理します。電子化すると紙での手続きに比べてミスが減り、作業効率が向上する点がメリットです。ただし、システムの使い方や従業員への説明をしっかり行う必要があります。

源泉徴収票を発行する

年末調整後に行うのが源泉徴収票の発行です。

従業員の年間所得や控除内容を基に正確な所得税額を計算し、それを源泉徴収票に反映させます。次に、税務署や各自治体に報告する書類を整え、従業員には源泉徴収票を発行するのです。

この源泉徴収票は、従業員が翌年の確定申告や各種手続きに用いる重要な書類であるため、ミスなく発行しましょう。

年末調整で間違えたらどうなる?訂正方法や期限・訂正が必要なケース

年末調整を行わなかった場合のリスク

個人事業主や自営業であっても、副業所得がある場合や従業員を雇用している場合は年末調整を行う必要があります。年末調整を行い、税務署に適切な報告を行わないと、罰金や追徴課税が発生する可能性があるのです。

また、従業員の税務処理が適切でないと、従業員本人にも不利益を与えてしまいます。期限内に正確に年末調整を行うことで、こうしたリスクを回避しなければなりません。

年末調整をしないとどうなる?デメリットや対処法・簡単に済ませる方法を解説

個人事業主・自営業でも年末調整が必要な場合はある

個人事業主や自営業者であっても、副業で給与所得がある場合や従業員を雇用している場合には年末調整が必要です。年末調整を適切に行うことで、税金の過不足を正確に精算し、従業員や自身の税務処理をスムーズに進めましょう。

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ビズクロ編集部
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