【個人事業主向け】おすすめの会計ソフトを比較|必要性や無料製品、初心者でも使えるソフト
確定申告や会計処理を効率化することができる会計ソフト。会計ソフトの導入は、個人事業主にとってもさまざまなメリットがあります。本記事では、個人事業主が会計ソフトを利用する必要性や選び方について解説します。おすすめの会計ソフトも紹介するので、会計ソフトの導入で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
目次
個人事業主に会計ソフトは必要?導入の判断基準について
個人事業主やフリーランスとして働いている人たちの中には、会計ソフトを導入するべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。ここでは、会計ソフト導入の判断基準について解説します。
白色申告ではなく青色申告をする場合
確定申告で青色申告を行う方は、会計ソフトの導入をおすすめします。青色申告では、取引を原因と結果の2つの面で記録する「複式簿記」による帳簿付けが必要となり、簿記の知識がない人が会計ソフトを使わずに記帳するのは簡単ではありません。
青色申告であっても、白色申告のように単式簿記を選択することは可能です。しかし、青色申告特別控除の最大65万円を受けるには、複式簿記での帳簿付けとe-Taxでの電子申告を行う必要があります。
会計ソフトを導入すれば、複式簿記の帳簿付けが簡単に行えるほか、e-Taxでの電子申告にも対応しているため、青色申告のメリットを最大限享受できます。
▷青色申告におすすめの会計ソフト7選|ソフトを活用するメリットや選び方
会計の知識がない場合
会計に関する知識がない場合も、会計ソフトを導入した方が良いでしょう。会計ソフトは自動で計算や資料作成を行ってくれるため、簿記に関する知識がない方や会計業務に慣れていない方でもスムーズに確定申告を進めることができます。
▷初心者でも使いやすい会計ソフトおすすめ11選|選び方やスムーズに活用する秘訣
個人事業主が会計ソフトを利用するメリット
ここからは、個人事業主が会計ソフトを利用するメリットについて見ていきましょう。
法改正に対応できる
個人事業主が会計ソフトを利用するメリットとして、法改正に対応できることが挙げられます。税務に関連する法律は不定期に改定されるため、常に最新の情報を確認しつつ対応しなければなりません。
その点、会計ソフトを導入すれば最新の税制に合わせた記録や計算が行えます。法改正に対応する手間を軽減できることは、個人事業主にとって大きなメリットと言えるでしょう。
簿記の知識が不要で会計業務ができる
会計ソフトを導入することで、簿記の知識がない方でも会計業務を行えるようになります。会計ソフトには、よくある仕訳があらかじめ登録されていたり、ガイドに従うだけで入力できるように設計されていたりするものもあります。また、ソフトによっては銀行口座やクレジットカードとの連携が可能なものもあり、税務処理の手間を大幅に軽減することが可能です。
初心者向けにサポートを提供しているものもあるため、本業が忙しく簿記について勉強する時間が取れない個人事業主でも安心して利用できるでしょう。
会計業務のミスを防げる
会計業務のミスを防げる点も、会計ソフトを導入するメリットです。会計業務は細かい計算や複雑な作業が多く、集中力が求められます。一人でさまざまな業務をこなさなければならない個人事業主は、本業の傍らで会計業務を行わなければなりません。
そのため、入力ミスや計算間違い、仕訳の誤りといったミスが発生しやすい状況とも言えるでしょう。会計ソフトを利用すれば、このようなミスを大幅に軽減することができます。
個人事業主が会計ソフトを比較する際のポイント
会計処理を最大限効率化させるためには、自身に合った会計ソフトを選ぶことが大切です。ここでは、個人事業主が会計ソフトを選ぶ際のポイントを紹介します。
有料か無料か
会計ソフトは無料で利用することも可能です。ただし、無料の会計ソフトには、完全に無料で利用できるものと、有料ソフトのトライアル期間として無料で利用できるものの2種類があります。
完全無料で利用できる会計ソフトは、永年無料で利用できるため、コストを削減したい方に適しています。ただし、利用できる機能が限定的であったり、操作性が低かったりすることもあるのがデメリットです。
一方、有料ソフトのトライアル期間を利用する場合は、基本的には有料ソフトと同じような機能を利用できます。また、そのまま利用し続けたいと思えば、料金を支払うだけでデータを引継ぎできるため便利です。なお、無料で利用できる期間は1カ月~1年程度に設定されているものが多く、その期間を過ぎると自動的に有料プランに移行するものもあるため注意が必要です。
▷無料で使えるおすすめの会計ソフト11選|主な機能や比較ポイント
スマートフォンに対応しているか
会計ソフトには、スマートフォンに対応しているものもあります。スマートフォンで収支の管理や記帳などができるほか、レシート・領収書をカメラで読み取るだけで自動的に仕訳を行うといった便利機能が搭載されたものもあります。
パソコンと比べるとスマートフォンは持ち運びやすく、普段使っているアプリを開く感覚で操作できるため、すき間時間を活用して手軽にデータ登録することが可能です。これにより、登録漏れや登録忘れなどの発生防止にもつながるでしょう。
▷スマホ対応のおすすめ会計アプリ7選|iPhone・Androidで使える無料のアプリとは?
クラウド型かインストール型か
会計ソフトにはクラウド型・インストール型の2種類の提供形態があります。クラウド型は、インターネットのクラウド上にデータが保存されるシステムになっており、ダウンロードせずに使用できるため、使用端末が限定されません。また、税制改正やソフトのアップデートなどがあった際にも、特別な設定をすることなく利用し続けられます。
ただし、クラウド型の場合はコストが割高になる点に注意が必要です。初期費用が抑えられるものの、月額制・年額制で料金が発生するため、利用する期間が長くなればなるほど、インストール型に比べて割高になります。
一方、インストール型は、会計ソフトを購入し自身のパソコンなどにダウンロードして利用する商品です。オフラインでも作業できるため、ネット環境が整っていない場所でも会計処理を行えるほか、動作環境が安定しているという特徴があります。ただし、法改正などでバージョンアップが必要となった場合、手動で行わなければならない点はデメリットと言えるでしょう。
クラウド型とインストール型それぞれのメリット・デメリットを考慮し、自身に最適な提供形態のものを選ぶことが大切です。
▷おすすめのクラウド会計ソフト12選|料金や特徴を徹底比較!
サポートが充実しているか
会計ソフトのサポート体制も、個人事業主が会計ソフトを選ぶ際に確認しておきたいポイントです。サポートは有料の会計ソフトに付帯されていることが多く、以下のようなサービスを利用できます。
- サービスの使用方法に関する相談
- 税理士による税務相談
- 書類の郵送代行
- データやレポートの作成
- 領収書の写真スキャニング など
また、利用するプランによってサービスの内容が異なるため、有料ソフトであってもすべてのプランに同じサービスが付帯されるとは限りません。高額なプランであればあるほど、付帯サービスも充実するのが特徴です。
簿記の知識がない、事業規模が大きいといった場合は、サポートが充実している会計ソフトを選ぶと安心して利用できます。
必要としている機能が搭載されているか
必要としている機能が搭載されているかも重要なポイントです。AIが勘定科目を自動仕訳するものや、銀行口座・クレジット―カードの入出金を連携できるものなど、会計ソフトによって搭載されている機能は異なります。
また、プランによって利用できる機能が異なる場合もあるため、料金の安さだけで決めてしまうと必要な機能が使えない可能性もあります。自分に必要な機能を整理したうえで、会計ソフトを比較検討するようにしましょう。
【無料あり】個人事業主におすすめの会計ソフト
個人事業主におすすめの会計ソフトを紹介します。完全無料で利用できる製品もあるので、ぜひチェックしてみてください。
マネーフォワードクラウド確定申告
マネーフォワードクラウド確定申告は、業界トップクラスの人気を持つクラウド型の会計ソフトです。連携できるサービスが多く、さまざまなツールを使用して業務をこなしている個人事業主に適しています。
売上や経費を入力するだけで確定申告に必要な書類を簡単に作成可能です。e-Taxに対応していてスマートフォンでの申告も行えるため、手軽に青色申告を完結できます。
提供元 | 株式会社マネーフォワード |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | ■月額プラン
■年額プラン
|
機能・特徴 | 他社確定申告ソフトから乗り換え簡単、取引明細は自動で取得、仕訳の勘定科目を自動提案、仕訳ルールの学習機能、レポート共有機能など |
URL | 公式サイト |
freee会計
freee会計は、個人事業主はもちろん、中小企業や大企業まであらゆるニーズに対応できる、豊富な機能を備えている会計ソフトです。
会計知識がなくても利用しやすい独自フォーマットを導入しているうえ、シンプルな作りになっているため初心者でも簡単に操作できます。また、スマホのアプリもあるため、いつでもどこでも気軽に会計処理を行うことが可能です。
提供元 | フリー株式会社 |
初期費用 |
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料金プラン | ■新設法人・小規模法人向け
※従量課金代別途 ■中堅・大企業向け
■エンタープライズ企業向け
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導入実績 | 有料課金ユーザー企業数54万(※2024年3月末時点) |
機能・特徴 | 法改正に完全対応、自動入力・自動仕訳、決算書作成はボタン1つ、レポート自動作成、強固で柔軟な認証機能、金融機関同等のチェック、堅牢なバックアップ管理など |
URL | 公式サイト |
フリーウェイ経理Lite
フリーウェイ経理Liteは、無料で利用できるインストール型の会計ソフトで、会計処理で必要な機能を永久的に無料で利用することができます。また、インストールやアップデートの際にも費用は発生しません。
会計に関する知識が学べる学習コンテンツの提供も行っているため、会計業務に慣れていない方でも安心して利用できます。
提供元 | 株式会社フリーウェイジャパン |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
|
機能・特徴 | データ入力、マスタ、帳票印刷、グラフ、決算書、ユーティリティ、シリーズ製品との連携、仕訳形式・出納帳形式での入力、決算書など各種帳票の出力など |
URL | 公式サイト |
かんたんクラウド会計
かんたんクラウド会計は、小規模事業者向けのクラウド会計サービスで、「かんたん入力」機能を活用すれば、5つのステップで簡単に入力が完了します。
標準で3人まで利用可能なため、会計事務所とのデータ共有もスムーズに行えるでしょう。
提供元 | 株式会社ミロク情報サービス |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | ■月額プラン
■年額プラン
|
導入実績 | 56万社 |
機能・特徴 | 銀行明細やクレジットカードの利用明細は自動で取込、初めてでもわかりやすい「かんたん入力」、会計事務所と同じデータを共有、電子帳簿保存法に対応など |
URL | 公式サイト |
やよいの青色申告オンライン
やよいの青色申告オンラインは、1年間無料で使える青色申告ソフトです。初心者にも使いやすいシンプルな機能と画面が特徴で、日付や金額などを入力していくだけで青色申告に必要な複式簿記の帳簿を作成できます。
e-Taxにも対応しているため、インターネットを利用して24時間いつでも書類を提出することが可能です。
提供元 | 弥生株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
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導入実績 | 弥生シリーズ登録ユーザー数310万以上(※2023年9月時点) |
機能・特徴 | 確定申告書の作成・e-Tax、自動取込・自動仕訳、経営状況の見える化、税理士・会計事務所連携、POSレジ連携、スマホで取引入力など |
URL | 公式サイト |
円簿会計
円簿会計は、無料で使えるクラウド型の会計ソフトで、基本的な機能をすべて無料で利用できるほか、法改正の際のバージョンアップの費用もかかりません。
レシートを撮影して画像データを保存することもでき、領収書管理の手間を軽減できます。また、弥生会計のデータをインポートして使えるため、弥生会計から無料のソフトに乗り換えを検討している場合にもおすすめです。
提供元 | 株式会社円簿インターネットサービス |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 無料 |
機能・特徴 | 仕訳帳、出納帳、合計残高試算表、総勘定元帳、補助元帳、年次決算、決算報告書、年次繰越、データは2重に保管など |
URL | 公式サイト |
みんなの青色申告
みんなの青色申告は、クラウド型の利便性とインストール型の操作性が両立した会計ソフトです。業種を選ぶだけで簡単に導入でき、業務に合わせたカスタマイズも行えます。
銀行やクレジットカード、電子マネーなどを設定しておけば、自動で明細を取り込んで仕訳を作成します。また電話によるサポートや法改正対応保証など、サポートが充実している点も魅力です。
提供元 | ソリマチ株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 10,780円(税込) |
機能・特徴 | 業種別テンプレート、らくらくエスコート、他社製品データ取り込み、ダイレクトメニュー、消費税情報のかんたん設定、専用クラウドでデータ管理など |
URL | 公式サイト |
個人事業主が会計ソフトを利用する際の注意点
ここでは、個人事業主が会計ソフトを利用する際の注意点について解説します。
ソフトやプランによってはランニングコストが発生する
利用するソフトやプランによっては、月額費用などのランニングコストが発生することがあります。インストール型であれば、基本的に購入した後に費用が発生することはありません。しかし、クラウド型の場合は月額制または年額制で料金が発生します。
どちらが安く利用できるかはケースバイケースとなるため、それぞれのメリット・デメリットを比較して費用対効果の高い方を選びましょう。
OSによっては利用できない場合がある
会計ソフトの中には、Windowsのみに対応している製品も存在するため、Macを使用している場合には注意が必要です。クラウド型はOSやデバイスに関係なく利用できますが、インストール型を検討している場合には必ず確認する必要があります。
Macに対応しているインストール型の会計ソフトは少ないため、Macを利用している場合は選択肢の多いクラウド型を候補にするも良いでしょう。
会計ソフトの導入を検討しよう
個人事業主にとって、会計ソフトの導入は必須と言っても過言ではありません。会計ソフトを導入することによって、帳簿への記入や確定申告の作成などに伴う業務を効率化できます。費用や提供形態などを確認し、必要な機能が揃った製品を導入しましょう。
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