スノッブ効果とは?マーケティングの具体例や注意点・違いを解説

最終更新日時:2023/08/21

業務効率化・業務改善

スノッブ効果とは

人間の行動心理の一つである「スノッブ効果」は、購買行動における心理的要因に関係することからマーケティングにも頻繁に活用されています。スノッブ効果とは具体的にどのような心理現象なのか。スノッブ効果とバンドワゴン効果、ヴェブレン効果との違い、マーケティングにおける具体的な活用例など詳しくみていきましょう。

スノッブ効果とは?

スノッブ効果とは、ごく少数だけが享受する商品やサービスを好む消費者心理を指す用語として、経済学やマーケティングの領域で用いられています。

一般的に、希少性の高い商品やサービスを享受することによって個性や独自性、特別感を追求する欲求が満たされることを意味していますが、レアやプレミアといった商品がつい魅力的に見えてしまうのは、多くの人において思い当たる経験があるのではないでしょうか。

この効果は、ブランド戦略や価格設定、商品開発等の多岐にわたるビジネスシーンで利用されます。特に高級ブランドの製品や限定商品、特別なサービス等はこのスノッブ効果を最大限に利用し、消費者の購買意欲を喚起します。そのため、この効果を理解し適切に活用することで、ビジネスの成果を向上させることも可能になるのです。

スノッブ効果と関連した2つの心理効果との違い

消費者の行動は多様で、スノッブ効果のみならず、他の心理効果も大いに関与しています。特にバンドワゴン効果とヴェブレン効果は、スノッブ効果と並び語られることが多い心理現象です。

これらの効果は、商品やサービスへの消費者の反応を理解し、マーケティング戦略を考える上で極めて重要です。

バンドワゴン効果とは

購買行動におけるバンドワゴン効果は、他人が何かを購入していると自分もそれに乗り遅れないように同じものを購入したくなる心理効果を指します。

他人が購入していることが、その商品やサービスの価値を証明するという考え方が基礎にあります。流行やトレンドを追う消費行動や、行列店に自分も並びたくなる心理は、このバンドワゴン効果の一例と言えます。

ヴェブレン効果とは

ヴェブレン効果は、商品の価格の高さを、その商品の価値の高さやステータスとして認識される心理効果を指します。

高価な商品を購入することで社会的な地位や豊かさをアピールする消費行動がこのヴェブレン効果の一例と言えます。高級ブランド品やラグジュアリーグッズの「自慢したくなる」、「他人にみせたくなる」欲求を満たす消費のほか、同じ用途の商品のうち、高い価格の商品を購入してしまうのは、「高いもの=良いもの」と感じるヴェブレン効果が働いた結果といえます。

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スノッブ効果のマーケティングにおける具体例

スノッブ効果は、消費者の独自性や特別感を満たす商品やサービスの設計に対する強力な動機付けとなります。スノッブ効果がうまく活用されている具体例をみていきましょう。

地域限定の商品

特定の地域でのみ購入できる地域限定の商品は、「そこでしか買えない」というスノッブ効果を利用したマーケティングの一例です。

地元の特産品や土産物、特定の店舗限定の商品などが該当します。これらの商品は他の地域で手に入れることが難しく、所有することが一種のステータスとなるため、スノッブ効果を引き出します。

数量限定・期間限定の商品

数量限定や期間限定の商品もスノッブ効果による購買行動を誘発します。

数量が限られている商品や、特定の期間だけ販売される商品は、手に入れること自体が困難であるため、所有することがステータスとなります。

オーダーメイドの商品

オーダーメイドのスーツや家具、ジュエリーなどの商品は、消費者の好みやニーズに合わせて一から製作される商品で「オンリーワン」の特別感を味わえることから、スノッブ効果による購買を促進できます。

「自慢したくなる」「他人に見せたくなる」ヴェブレン効果と組み合わせてマーケティングに活用することで、アップセルやクロスセルによる売上拡大も狙えるでしょう。

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クレジットカード

クレジットカードのランク設定は、最も典型的なスノッブ効果を活用したマーケティング手法です。

クレジットカードには、スタンダード、ゴールド、プラチナ、ブラックといったランクが設定され、それぞれに年会費などが異なります。その一方で、カードの所有者だけが受けられる特別なサービスや優待があり、特に、プラチナやブラックなどのカードは、持てる人が限られていることから「特権を享受する」といったスノッブ効果を最大限に引き立てます。

マーケティングの成果を上げるためのスノッブ効果の利用方法

スノッブ効果は、単体で使用するだけでなく、そのほかの心理現象や効果と組み合わせることで、より効果的なマーケティング戦略を構築することができます。

スノッブ効果とバンドワゴン効果、そして、ヴェブレン効果と組み合わせた使用例を紹介します。

スノッブ効果とバンドワゴン効果を組み合わせる

バンドワゴン効果は、多くの人が行っている行動に価値を感じ、自分も行いたくなる心理的効果を指します。

希少性に魅力を感じるスノッブ効果と、他人の行動に触発されるバンドワゴン効果は、一見して相反する心理に見えますが、たとえば、人気商品の限定復刻販売は、「人気商品」を買いたいと感じるバンドワゴン効果を刺激し、さらに、数量限定とすることでスノッブ効果による購買を促すことができます。

スノッブ効果とヴェブレン効果を組み合わせる

ヴェブレン効果は、価格が高いほど商品の価値が高く、品質が良いと認識される心理的効果を指します。

スノッブ効果と組み合わせることで、一部の限られた人にしか購入できない高価な製品により独自性を満たし(スノッブ効果)、同時に高価な製品が品質の保証となる(ヴェブレン効果)という二重のメリットを得ることができます。

スノッブ効果とバンドワゴン効果・ヴェブレン効果3つを組み合わせる

3つの心理効果を組み合わせると、より強力なマーケティング効果を発揮することが可能となります。

一部の限られた人にしか購入できない高価な製品はスノッブ効果の欲求とヴェブレン効果による顕示欲を満たし、そしてその製品のステータスが一般の人々にも広がり認知されることで、バンドワゴン効果を引き起こします。

これにより短期間での広範囲の普及、高い売上を達成する可能性が高まっていくのです。

スノッブ効果をマーケティングに利用しよう

スノッブ効果は、消費者の心理をうまく利用したマーケティング戦略として有効です。

商品やサービスの希少性を強調することで消費者の購買意欲を高め、ブランド価値を向上させることが可能となるでしょう。しかしこの効果を活用する際には、偽の希少性を演出することなく、真実の裏付けを持つ情報を提供することが重要であり、綿密なマーケティング計画とその適切な実行も求められます。

これらの要素を踏まえ、スノッブ効果を活用したマーケティング戦略を立案し、成功を手に入れましょう。

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