ビジネスフォンの主装置とは?価格は?役割や耐用年数・選び方
ビジネスフォンにおける主装置とは交換機のことです。主装置の種類は3種類でそれぞれ特徴があります。本記事では、ビジネスフォンにおける主装置の役割、種類、耐用年数、価格や選び方など詳しく解説していきます。主装置について知りたい人は、参考にしてみてください。
目次
ビジネスフォンの主装置とは
ビジネスフォンの主装置とは、複数の外線と内線を共有して制御する交換機のことです。主装置内に「ユニット」と呼ばれる基盤を設置することで、ビジネスフォンの主装置としての役割を果たせます。
主装置の仕組み・役割
主装置の仕組みは、基板となる「ユニット」を主装置のなかに設置しているところにあります。ユニットがあって初めて「転送」「内線」「電話番号表示」など、ビジネスフォンに必要な役割を発揮します。
主装置に不具合が生じた場合、ビジネスフォンは利用できなくなるので、定期的なメンテナンスは欠かせません。また、主装置ごとに外線数や接続台数の上限が設けられているため、上限を超えて利用する際は主装置の入れ替えや増設が必要になるので注意しましょう。
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主装置に組み込める機能
主装置に組み込める機能は下記のとおりです。
- 留守番電話
- 転送
- 自動音声
- 保留応答機能
- モニター機能
- 共通電話帳機能
モニター機能は電話で話している内容を社内の別の電話機で聞ける機能です。研修中のスタッフがどのような応対をしているか確認できたり、クレーム対応のチェックのために利用できます。
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ビジネスフォンの主装置は3種類
ビジネスフォンの主装置は3種類です。
- Sクラス
- Mクラス
- Lクラス
それぞれの種類の特徴について解説します。
通常タイプ
通常タイプの主装置は、ビジネスフォン発売元のメーカーが機種ごとに発売しているため、種類が豊富です。また、同じ機種の主装置であっても、違うサイズを出しているのが一般的です。
クラスごとにチャンネル数、電話機の設置可能数が異なります。通常タイプで重要なのは、何台のビジネスフォンが接続できるのか、どのような機能が使えるのかという点です。
※ここで説明しているクラスはNTTでの分類となります。
Sクラス
Sクラスは、ビジネスフォンを10台まで設置できます。外線は4チャンネル利用できるため、4台まで同時通話可能です。
Mクラス
Mクラスは、ビジネスフォンが30台まで設置が可能です。12チャンネルの外線が利用できるため、12台までは同時に通話できます。
Lクラス
Lクラスは、ビジネスフォンの設置可能数が572台と、外線は192チャンネルまで利用可能です。設置可能数もチャンネル数も非常に多く、規模の大きい企業向けといえるでしょう。
主装置内蔵型タイプ
主装置内蔵型タイプは、小規模事業所向けの電話機に内蔵しているタイプもあります。主装置はビジネスフォンと別々になっており、電話回線で配線するのが一般的です。
一方、主装置内蔵型タイプは、複雑な配線が必要なくビジネスフォンを設置できるため、初期費用が抑えられます。自宅と仕事場は同じ場所だが、費用は抑えつつ電話は別々にしたいなどの用途に向いているでしょう。
クラウド型タイプ
クラウドPBXの特徴は、主装置としての機能の大半がインターネット上にある点です。仮想のクラウドに接続して利用するクラウドPBXは、機械としての主装置は不要なので費用が抑えられます。
また、スマートフォンやPCなどのデバイスもビジネスフォンとして使えるのもメリットです。
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ビジネスフォン主装置の価格について
ビジネスフォン主装置の価格の相場を紹介します。ビジネスフォンの主装置は多機能であるため、価格がどれくらいするか気になるのではないでしょうか。
- 新品で購入する場合
- リース契約する場合
以上の視点から、限られた予算でどれを選べばいいのか分からない方は、参考にしてください。
新品で購入する場合
新品で購入する場合、Sクラスのものだとおよそ20万円からが目安です。
当然ながらMクラス、Lクラスとサイズが大きくなれば、価格も上がっていきます。こちらは機種や販売店による価格差が大きいため、あくまで目安として考えてください。
また、機能を追加した場合は別途、ユニットの費用がプラスされる場合があります。
リース契約する場合
リース契約の場合は購入と違い、利用期間ごとの契約となりますが、多くの企業が5〜7年の契約を選択しています。
リース契約の手数料の料率は下記が目安です。
- 5年リース:約2%
- 6年リース:約1.7%
- 7年リース:約1.5%
上記はあくまで目安であり、実際はこれより多い場合もありますので注意してください。リース契約は先行投資を抑えたい場合におすすめですが、まずは利用したい年数を決めて、支払い金額をシミュレーションしてみましょう。
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主装置の収容ユニット
主装置の収容ユニットは以下のとおりです。
- 電源ユニット
- コントロールユニット
- 交換ユニット
- 外線接続ユニット(アナログ局線、ISDN、VoIPなど)
- 内線接続ユニット(標準電話機、多機能電話機、IP電話機など)
- 拡張ユニット(留守番電話、ボイスメール、インターホンなど)
主装置と一言でいっても、内部にはさまざまなユニットが搭載されています。主装置は外線と内線、内線どうしをつなぐ交換機ですので、主装置の内部にあるユニットが欠かせません。
ユニットによって主装置に接続できる電話機の台数は変わってくるので、将来的に電話機を増やす予定があるのなら、ユニットを考慮して主装置を選ぶ必要があります。
ビジネスフォンの耐用年数・寿命について
ビジネスフォンの耐用年数・寿命についてですが、ビジネスフォンの主装置は、耐用年数が6年と法的に定められています。
耐用年数と主装置の寿命は必ずしも一致するわけではなく、耐用年数を経過してもさらに何年も使われているケースもあります。
ただし、耐用年数が過ぎた主装置は、故障する可能性が高くなるため注意が必要です。また、どの機械もそうですが、内部に含まれている部品の供給が製造終了となる場合があります。その場合、修理や部品の交換ができないことが多いため、耐用年数が近づいてきたら今後どうするか、事前に業者と相談しておきましょう。
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主装置の配線について
主装置の配線についてですが、ビジネスフォンの主装置の配線は2種類あります。
- スター配線
- バス配線
スター配線
スター配線は、主装置からそれぞれの電話機に1本ずつ配線する方式です。主装置でスター配線を採用しているメーカーは、NTT・saxa・日立・岩崎通信などがあります。現在の主装置の配列方式の主流はスター配線です。
スター配線のメリットは、配線にトラブルが発生しても、その配線につながっているビジネスフォンにしか影響しないため、その他のビジネスフォンは問題なく使える点にあります。
バス配線
バス配線は、主装置から1本の配線が途中で分岐しビジネスフォンまで接続する方式です。
NTTのビジネスフォンのうち、αRXやαIXなどのαシリーズに採用されています。バス配線は、1本の配線ですむため、配線がわかりやすい点がメリットと言えます。
主装置を選ぶ3つのポイント
主装置を選ぶ3つのポイントを紹介します。
- 規模に合わせた台数を設定する
- 外線の数を決めておく
- 業務に必要な機能を選択する
1.規模に合わせた台数を設定する
規模に合わせた台数を設定することが大切です。主装置には3つのクラスがあり、接続できるビジネスフォンの台数が違ってきます。
まずはどれくらいの電話機を利用するのか、見積もっておきましょう。Sクラスは10台、Mクラスは30台、Lクラスは576台の電話機が接続できるので、企業規模に当てはめて決めるのが適切です。
将来的にクラスの最大数を超える電話機を接続することを想定するとします。その場合は、途中で主装置の買い替えと配線し直しで余計な費用がかからないよう、電話機の数を少し多めに見積もって導入した方がよいでしょう。
2.外線の数を決めておく
外線の数を決めておくことが大切です。主装置の3つのクラスは同時に利用できる外線の数も違います。
Sクラスは4回線まで、Mクラスは12回線まで、Lクラスは192回線までです。回線数も企業規模を踏まえたうえで、将来的に拡張する可能性があるなら、少し多く見積もって主装置を決めるとよいでしょう。
3.業務に必要な機能を選択する
業務に必要な機能を選択するのも重要です。主装置は「ユニット」と呼ばれる基盤がついており、必要となる機能に応じてユニットは変わってきます。
主なユニットは、電源ユニットや内線ユニット、外線ユニットなどです。業務に必要な機能を確認し、その機能のユニットが搭載されている主装置から比較検討しましょう。内線通話機能や保留機能、ナンバーディスプレイ機能などを必要とする企業は多いはずです。主装置によっては、追加料金を支払わないとオプション機能が使えない場合があるので注意してください。
主装置の仕組みと役割を理解しよう
ここまで主装置の特徴や価格、役割などについて紹介してきました。
ビジネスフォンの主装置がどういったものか把握しておくことは、ビジネスを立ち上げるときや、企業規模の拡大によりビジネスフォンの拡張を検討する際にとても重要です。
主装置とは何かがわかっていれば、選定を間違えることもないでしょう。ビジネスフォンの主装置についてよく理解し、導入や切り替えなどに役立ててください。
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