CTIの導入に失敗しない選び方!失敗事例や成功させるポイント

オフィス現場への導入・普及が進む「CTIシステム」。さまざまな製品が開発されていますが、CTIシステムの導入を失敗させないためにはどのような基準で選定すればよいのでしょうか。本記事では、導入に失敗しないCTIの選び方について、失敗事例や成功させるポイントと併せて解説します。
目次
CTIシステムとは
CTIシステムとは、コンピューターと電話を統合する技術のことで、企業のコールセンターやカスタマーサポートで広く活用されています。
CTIの機能としては、例えば、顧客からの電話を受けた際に、担当者のパソコン画面に自動でその顧客の情報が表示されるものなどがあります。この機能は、スムーズで効率的な顧客応対の助けとなります。
また、CTIシステムは通話記録の管理や、顧客とのコミュニケーション履歴の保存にも役立ちます。CTIシステムを導入することで、顧客満足度の向上と業務効率の改善が期待できるのです。
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CTIシステムの機能
CTIシステムには、顧客対応をサポートする便利な機能が多くあります。主要な機能を下表にまとめました。
機能 | 概要 |
通話ポップアップ | 顧客からの電話がかかってくると、担当者の画面に顧客情報が自動表示される。 |
通話録音 | 通話内容を録音し、内容確認やトレーニングに利用することができる。 |
顧客情報管理 | 顧客の個人情報やのやり取りの履歴が一元管理されるため、迅速かつ的確な対応に役立つ。 |
自動応答システム | よくある質問に自動で回答するシステムを導入することで、対応時間を短縮する。 |
通話履歴の保存 | 過去の通話履歴を保存し、必要な場合にすぐに確認できるようにする。 |
これらの機能によって、CTIシステムは企業の顧客対応の質やスピードを大幅に向上させることができます。
CTIシステム導入の失敗事例
CTIシステムの導入には多くのメリットがありますが、失敗事例も少なくありません。ここでは具体的な失敗事例をご紹介します。
自社の課題・ニーズに合っていなかった
CTIシステム導入の失敗事例としてよく見られるのが、自社の課題やニーズに合わないシステムを選んでしまったというケースです。
例えば、ある企業では、コールセンターの業務効率化を図るためにCTIシステムを導入しましたが、実際にはそのシステムが自社の業務フローに適合せず、逆に業務が混乱しました。適切な事前調査や十分なシステム選定が不足していたために、導入後に多くの問題が発生し、結果的に導入費用や時間が無駄になってしまったのです。
このような失敗を避けるためには、システム導入前に自社の具体的な課題やニーズを十分に把握し、最適なシステムを吟味することが重要です。
自社の規模に合っていなかった
CTIシステム導入の失敗事例としては、自社の規模に合わないシステムを選定してしまったケースも多く見られます。
例えば、小規模な企業が大企業向けの高度なCTIシステムを導入した場合、その複雑さとコストの高さによって運用が立ち行かなくなる可能性があります。
ある中小企業では、大規模コールセンター用のシステムを導入しましたが、機能過多でうまく使いこなせず、メンテナンス費用も予算を超過してしまいました。結果として、システム導入による効果を十分に得られず、導入の目的を達成することができなかったのです。
CTIシステムを選ぶ際には、自社の規模に適しているかという判断基準も忘れないようにしましょう。
サポート体制が不十分なシステムを導入した
サポート体制が不十分なCTIシステムを選んでしまったことによる失敗事例もあります。ある企業では、コストを重視して安価なCTIシステムを導入しましたが、トラブルが発生した際に十分なサポートを受けられず、問題解決までに時間がかかりました。
また、システムの設定変更や不具合対応において、ベンダーからのサポートが遅れ、業務に大きな支障をきたした事例もあります。
こうした事態を防ぐためには、導入前にベンダーのサポート体制をしっかり確認し、いざという時に迅速なサポートを受けられるシステムを選定することが重要です。
社内への周知不足により想定していた効果が得られなかった
CTIシステム導入の失敗事例の一つとして、社内への周知不足が原因で期待していた効果が得られなかったケースも挙げられます。
ある企業では、CTIシステムを導入する際に社員への十分な説明やトレーニングを実施しなかったために、現場のスタッフがシステムを使いこなせない状態でした。その結果、せっかくの機能が十分に活かされず、業務効率の向上や顧客対応の改善といった導入目的を達成できなかったのです。
システムを十分に活用するためには、導入前に十分な準備と社員教育を行い、全員がシステムの使い方を理解しておく必要があるでしょう。
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CTIシステムの導入に失敗しない選び方
ここでは、CTIシステムの導入に失敗しないためのポイントを詳しく紹介します。
インバウンド型かアウトバウンド型か
CTIシステムには、インバウンド型とアウトバウンド型の2種類があります。
インバウンド型CTIシステムは、主に顧客からの問い合わせやサポート窓口で電話を受けるためのものです。顧客情報を瞬時にモニターに表示するなど、迅速かつ正確な対応に役立つ機能が搭載されています。
一方のアウトバウンド型CTIシステムは、企業側から顧客に電話をかけるためのもので、営業活動やアンケート調査に活用されます。発信リストの管理や通話履歴の記録が容易にできるため、効率的なコミュニケーションが可能です。
自社のニーズに応じて、適切なCTIシステムを選びましょう。
オンプレミス型かクラウド型か
CTIシステムを導入する際には、オンプレミス型にするかクラウド型にするかも大きな検討事項です。
オンプレミス型は、自社のサーバーにシステムを設置する方法で、セキュリティ性能が高く、カスタマイズ性に優れているのが特徴です。ただし、初期費用やメンテナンスコストが高くなる傾向があります。
一方のクラウド型は、インターネット経由でシステムを利用する方法で、物理サーバーの設置が不要なため導入コストが低く、スケーラビリティに優れています。更新や保守も容易ですが、インターネット環境に依存するため、セキュリティ対策が重要です。
企業の規模や予算、セキュリティレベルなどについて検討し、どちらが適切かを吟味しましょう。
専用の電話機が必要か
専用の電話機が必要かどうかも、CTIシステム導入を進めるうえで検討が必要です。
専用電話機が必要なシステムの場合、高度な機能や連携をスムーズに行える一方で、初期費用が高くなることがあります。また、既存の電話機が使えない場合、すべての電話機を交換する必要があるため、コストと手間がかかります。
反対に、専用電話機が不要なCTIシステムは、既存の電話機やソフトフォンを利用でき、導入が比較的容易です。
高度な機能を必要としているのか、既存の電話機を使うことを求めているのか、企業によってニーズは異なるため、自社の目指す形をしっかりとイメージして選択することが重要です。
セキュリティ対策・サポート体制は十分か
セキュリティ対策やサポート体制を確認することは、CTIシステムを選ぶうえで極めて重要です。
想定されるトラブルやセキュリティリスクを未然に防ぐためには、しっかりとした対策が施されているシステムを選ぶ必要があります。例えば、データの暗号化や不正アクセス防止機能が搭載されていることが望ましいでしょう。
また、トラブル発生時に迅速に対応してもらえるサポート体制も重要です。24時間対応のカスタマーサポートや、定期的なシステム更新を提供しているベンダーを選ぶことで、安心してシステムを利用することができます。
他システムと連携できるか
CTIシステムを導入する際には、ほかの業務システムと連携できるかどうかも確認しておきましょう。特に顧客関係管理(CRM)システムや営業支援システム(SFA)との連携が可能かは重要です。
これらのシステムと連携することで、顧客情報や通話履歴を一元管理し、効率的な顧客対応が可能になるためです。また、経理システムや在庫管理システムとの連携も考慮することで、業務全体の効率化につながるでしょう。
他システムとの連携機能をチェック項目に入れて選定することで、CTIシステムの導入効果を最大限に引き出すことができます。
企業規模に合っているか
CTIシステムは企業規模に合っていることが重要です。企業の規模に応じて必要な機能や容量、サポート体制は異なるため、規模感に合ったシステムを選定することで、効率的な運用が可能となります。
例えば、大企業では多機能かつ高度なサポートが必要となる一方、中小企業ではコストパフォーマンスや使いやすさが重要となるでしょう。適切な規模のシステムを選ばなければ、機能過多や想定外のコスト増といった問題が発生し、業務がかえって非効率になることもあります。
企業の規模やニーズに応じたCTIシステムを選ぶことで、業務効率の向上やコスト削減を実現しましょう。
通話の品質・安定して稼働するか
CTIシステムにおいては、通話の品質やシステムの稼働安定性が非常に重要だといえます。特に、顧客対応を行うコールセンターやカスタマーサポート業務では、高品質な通話とシステムの安定稼働が必須です。
通話品質が低いと、顧客とのコミュニケーションに支障が生じ、顧客満足度が低下する恐れがあります。また、システムが頻繁にダウンするようでは、業務に大きな影響が出てしまうでしょう。
CTIシステムを選定する際には、信頼性の高い通信技術を使用しているか、また、24時間体制のサポートがあるかなどを確認することが大切です。
▷CTIの仕組みについて|機能や種類・できることについて解説
CTIシステムの導入を成功させるポイント
ここでは、CTIシステムの導入を成功させるための重要なポイントを紹介します。
自社の課題を明確にする
CTIシステムの導入を成功させるためには、まず自社の課題を明確にすることから始めましょう。課題を把握することで、適切なシステムを選定し、効果的に活用することができるためです。
例えば、顧客対応のスピードを向上させたい、顧客情報を一元管理したい、通話品質を改善したいなど、具体的なニーズを洗い出します。ニーズを軸にシステム選定を行うことで、必要な機能やサービスを明確に判断でき、無駄のない導入が可能となるのです。
また、事前に社員からのフィードバックを得ておくことで、現場のニーズを正確に反映させることができます。自社の課題をしっかりと把握してシステム選定を行うことで、CTIシステムの導入効果を最大限に引き出すことができるでしょう。
必要な機能が搭載されているか確認する
自社にとって必要な機能が搭載されていることは、CTIシステムを導入する際の前提事項となります。
例えば、顧客情報の自動表示や通話録音、通話履歴の管理など、業務効率を上げるための基本機能が一通り備わっているかを確認します。また、特定の業務に必要なカスタマイズ機能や、ほかの業務システムとの連携機能も重要です。
システムが自社の業務フローに合致しているかのチェックも、導入後の運用をスムーズに行うために欠かせません。事前にベンダーに相談し、デモや無料体験期間を利用して実際の操作感を確かめることで、より確実な選定が可能になるでしょう。
ベンダーのサポート体制を確認する
トラブルが発生しても素早く通常業務に戻れるよう、ベンダーのサポート体制についてもしっかり確認しておきましょう。
システム導入後には、予期しないトラブルや疑問が発生することが避けられません。そのため、いざという時に迅速かつ適切なサポートを受けられるかどうかが、業務の継続性にも大きく影響します。
例えば、24時間体制のサポートや、緊急時の迅速な対応が可能なベンダーを選ぶことで、業務の中断を最小限に抑えることができます。また、トレーニングや定期的なシステムアップデートを提供するベンダーも安心です。
システムの操作性を確認する
CTIシステムには操作性の良さも求められます。システムが使いにくければ、社員がスムーズに使いこなせず、業務効率の向上を達成できないためです。
そこで、直感的なインターフェースや操作手順が簡単なシステムであれば、導入後のトレーニング時間を短縮し、現場でのストレスを軽減できるでしょう。
導入を決定する前に、実際の運用をイメージしながらデモや無料体験期間で試し、日常業務での使い勝手を評価するようにしましょう。
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ポイントをおさえCTIの導入を成功させよう
CTIシステムの導入を成功させるためには、自社の課題を明確にし、必要な機能や操作性をしっかりと確認することが重要です。また、システムのセキュリティ対策やサポート体制も忘れずにチェックしましょう。適切なCTIシステムを選定することで、業務効率の向上や顧客満足度の向上が期待できます。
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