中小企業・零細企業向けの文書管理システム6選|選び方や導入事例

最終更新日時:2023/03/07

文書管理システム

中小企業向けの文書管理システム

文書管理の効率化を叶える文書管理システム。システムの誕生以降、大企業を中心に普及が進んできましたが、昨今は中小企業においても導入が促進され、幅広い分野で活用されています。本記事では、中小企業・零細企業向けの文書管理システム6選を導入事例等とあわせて紹介します。

文書管理システムとは?

文書管理システムとは文書の作成〜管理まで、一連の作業をオンライン上で完結できるシステムです。用途別にテンプレートが搭載されており、社内外に提出する文書を効率的に作成できます。

作成した文書はシステム上で回覧するため、紙書類として発行する必要はありません。作成した文書は電子データとして保存し、必要な時にいつでも検索できます。スキャナや他システムから文書を取り込み、電子データへ変換する機能も搭載しています。

また、文書管理システムとよく比較されるものとして、ECMがあげられます。データの保管や共有など、搭載している機能に共通点はありますが、データを保管する管理対象が異なります。

ECM(Enterprise Contents Management)は、画像や動画などのデジタルコンテンツを保管するシステムです。文書データも保管できますが、メインは画像や動画になります。一方、文書管理システムは、WordやExcel、PDFなどの文書データが保管対象です。

文書管理システムとECMでは、管理対象が異なる点を覚えておきましょう。

【2023年最新】文書管理システムおすすめ12選比較!失敗しない選び方のポイント

文書管理システムのタイプ

文書管理システムは以下3つのタイプに分けられます。

  • 社内文書に特化したタイプ
  • 契約書に特化したタイプ
  • 社外とのファイル共有に特化したタイプ

各タイプの特徴をみていきましょう。

社内文書に特化した文書管理システム

社内文書全般の保管や作成に関する機能が充実したタイプです。プロジェクトの報告書や備品購入書など、過去に作成した社内文書全般を保管できます。セキュリティ対策が充実したシステムを選ぶと、機密情報を多く含む仕様書や設計書などの管理も可能です。

作成した文書をデータとしてシステム上に保存できるため、オフィスに保管スペースを用意する必要はありません。また、クラウド型のシステムが多く、オフィス外からもシステムへのアクセスが可能です。

就業場所を問わず、共同作業をスムーズに進められる体制を整備できるため、テレワークの導入を検討している企業におすすめです。

契約書に特化した文書管理システム

契約書の作成や保管機能が充実しているタイプです。契約書の作成〜提出まで、一連の作業をシステム上で完結できます。テンプレートがシステムに搭載されており、必要な記入事項を入力していけば自然と契約書が完成します。

承認の進捗状況はシステム上で一目で把握できるため、承認者に何度も確認を取る必要はありません。誤記や記入漏れがあったとしても、システム上で素早く修正ができます。作成した契約書はシステム上に保管するため、必要な時にいつでも閲覧できます。

システムによっては見積書や発注書など、関連文書を紐づけての管理も可能です。また、契約書の更新期限や台帳管理をシステムへ一任できる点も魅力です。契約書作成にかかる工数や管理コスト削減を目指す企業におすすめです。

社外とのファイル共有に特化した文書管理システム

取引先と文書を共有したい場合に選択すべきシステムです。多くがクラウド型ファイル共有サービスであり、作成した文書をオンラインストレージで保存・共有します。オンラインストレージの活用によって、場所や時間を問わず必要な文書を確認できます。

オンラインストレージは拡張性に優れており、保存容量を気にせず利用できる点も魅力です。また、画像や動画、アプリケーションなどの共同利用もできます。ただし、情報漏洩を招かないよう、運用体制の整備やルール遵守の徹底が求められます。

【2023年最新】アプリ対応のおすすめ文書管理システム12選

中小企業における文書管理システム導入のメリット

中小企業が文書管理システムを導入すると、文書作成〜管理までシステム上で完結できる体制が整い、様々なメリットを得られます。

主なメリットとしては以下の4つがあげられます。

  • 業務の効率化
  • 費用の削減
  • 業務プロセスの改善
  • リスクヘッジツールとしての活用

各メリットについて一つずつ解説していきます。

業務の効率化

文書管理システムには、用途に応じたテンプレートが豊富に搭載されています。テンプレートの活用によって、文書作成を効率的に進められます。

また、検索性が大幅に向上することも中小企業が文書管理システムのメリットの一つです。紙書類では知りたい情報や閲覧したい文書を探すのに手間や時間がかかりますが、文書管理システムを活用すれば、キーワードなどで検索すればすぐにアクセスできます。

クラウド型の場合、インターネット環境さえ整っていれば、場所を問わずシステムへアクセスできます。情報共有が容易となるうえ、システム上で文書の作成や回覧、承認などを行えるため、在宅勤務やサテライトオフィスワークなど自由度の高い働き方を導入できるでしょう。

費用の削減

文書管理システムを導入すると文書の作成〜提出まで、一連の作業をシステム上で完結できます。ペーパーレス化の実現により紙書類を印刷する必要がなくなり、法人経費としての印刷費や消耗品費などを削減できます。

作成した文書はシステム上に保管できるため、オフィスに保管スペースを確保しておく必要もありません。社内外向けの文書を一元管理でき、管理コストを大幅に削減できます。

また、クラウド型の場合はアップデートやメンテナンスをベンダーに一任できるため、自社で対応する必要がなく、ランニングコストを大幅に削減できます。

業務プロセスの改善

文書管理システムの導入によって、作業が滞る可能性を最小化できます。文書の作成から承認までシステム上で行えるため、紙文書の印刷や回覧も不要です。外出先からでも文書ファイルにアクセスできるため、承認者がテレワークや長期出張でオフィスに不在の状況でも、申請や承認後の処理などの業務をスムーズに進められます。

また、文書管理システムを活用すれば、文書の保管期限や更新日の管理も容易となります。たとえば契約書管理に特化したシステムであれば、契約書の更新期限や契約書管理台帳の管理をシステムへ一任できるなど、従業員の管理負担を軽減できます。

エクセルでの文書管理は無理?限界がある?システム導入のすすめ

リスクヘッジツールとしての活用

作成した過去の文書は電子データとしてシステムに保存されます。紙書類と異なり、劣化や紛失を気にする必要はありません。過去に作成した文書はシステム上ですぐに検索でき、トラブル時の素早い対応につなげられます。

また、高水準のセキュリティレベルを実現しているシステムが多く、情報漏洩のリスクを最小化できます。保存したデータは自動バックアップされており、仮にサイバー攻撃や自然災害の被害を受けても、最短での復元が可能です。

BCPを確保し、取引先や顧客へ安心感を与えられます。

中小企業における文書管理システム導入のデメリット

文書管理システムを導入すると、業務効率化や費用削減などが期待できます。しかし、メリットばかりではありません。文書管理システムの導入を検討している中小企業は、以下3点について意識しておく必要があります。

  • 取引先へのアナウンスが必要
  • 導入・運用にはコストがかかる
  • 移行には時間・労力が必要

中小企業における文書管理システム導入のデメリットについて、一つずつ解説していきます。

取引先へのアナウンスが必要

契約書や見積書など、各種帳票のやりとりをシステム上でおこなう場合、取引先へのアナウンスが必要です。事前の通知もせずに業務上のやりとりを勝手に変更すると、相手に不信感を与えてしまい、最悪の場合は取引量減少や取引停止など、莫大な利益損失につながります。

各企業を担当する営業担当者へフォローを依頼するなど、計画的な導入が必要です。紙書類でのやりとりを希望する顧客とは、従来通りの方法を継続しましょう。

また、クラウド型ファイル共有サービスで文書を共有する場合は、取引先とのルール作りが重要です。社内文書や契約書の管理に特化したシステムと比較すると、クラウド型ファイル共有サービスは、細かいアクセス制限やセキュリティ設定が行えないこともあります。

そのため、共有する文書や情報の種類、共有範囲、保管期間などについて取引先と話し合い、明確にルール化しておくことをおすすめします。

導入・運用にはコストがかかる

文書管理システムを導入する際、一定のコストがかかります。

特にオンプレミス型のシステムを選択する場合は、多額の初期費用が必要です。ネットワーク機器やサーバーを自社で調達しなければならないため、初期費用が数百万規模に発展する可能性があります。

一方、クラウド型を選択した場合は、システムを導入する際のインフラ環境構築が不要なため、初期費用を抑えることが可能です。導入後は選択したプランの料金を毎月または年間で支払う形になるため、ランニングコストがかかります。

クラウド型であればスモールスタートが可能なため、予算の確保が厳しい中小企業でも十分導入を検討できるでしょう。ただし、従業員規模に合った料金体系を選択しないと、必要以上に費用を支払うことになります。従量課金制と月額固定制、どちらが自社に合っているかを慎重に見極めることが重要です。

無料プランがある文書管理システム|完全フリーで使えるおすすめシステム

移行には時間・労力が必要

業務で使用する文書の作成や管理を電子化するには、一定の時間が必要です。紙書類での運用時とは異なる点も多く、従業員が慣れるまでに時間がかかります。また、システム運用のルールやマニュアルを明確にしておくことも重要です。

ルールや手順が曖昧だと、やり方や文書のフォーマットにバラつきが生まれ、かえって業務効率が悪化します。運用状況を見ながら改善点を可視化し、定期的に運用体制を見直すことが必要です。

IT理解が進んでいない中小企業の場合はIT人材の不足・社内での協力体制が整っていないケースも考えられるので、さらなる時間や労力がかかるリスクがあることを理解しておきましょう。

【法人向け】中小企業・零細企業向けの文書管理システム6選

中小企業や零細企業におすすめの文書管理システムを6つ紹介します。

  1. NotePM
  2. 楽々Document Plus
  3. QuickBinder
  4. My Quick
  5. CLOUD CABINET
  6. Confluence

ぜひシステム選定の参考としてご活用ください。

1.NotePM

NotePMは、株式会社プロジェクト・モードが提供する文書管理システムです。文書作成機能が充実している点が特徴です。高機能エディタを搭載しており、画像や矢印、吹き出しなど、視覚情報を多く文書に盛り込めます。

人事評価やシステム開発、業務報告など、様々な用途向けのテンプレートが搭載されており、効率的に書類作成を進められます。テンプレートを活用するため、フォーマットにバラつきが生じる心配はいりません。

また、スマートフォンで撮影した動画のアップロードも可能です。業務手順の紹介や顧客商談の解説など、言語化が難しい用途で活用することで、知識を素早く習得できます。

提供元株式会社プロジェクト・モード
初期費用無料
料金プラン
  • プラン8:4,800円(税込)/月 ※ユーザー数8人まで
  • プラン15:9,000円(税込)/月 ※ユーザー数15人まで
  • プラン25:15,000円(税込)/月 ※ユーザー数25人まで
  • プラン50:30,000円(税込)/月 ※ユーザー数50人まで
  • プラン100:60,000円(税込)/月 ※ユーザー数100人まで
  • プラン200:120,000円(税込)/月 ※ユーザー数200人まで
導入実績7,000社以上
機能・特徴
  • マニュアル作成
  • 高機能エディタを搭載
  • 文書作成用テンプレートの選択肢が豊富
  • 動画共有
  • 変更履歴の自動記録
  • レポート機能
  • ファイル共有
  • ビジネスチャットと連携
  • マルチデバイス対応
URL公式サイト

2.楽々Document Plus

楽々Document Plusは、住友電工情報システム株式会社が提供する文書管理システムです。社内文書と契約書管理、双方の機能を搭載している点が特徴です。業務マニュアルや営業用資料など、過去に作成した社内向け文書をシステム上へ一元管理できます。

WordやPowerPoint、PDFなどで作成した文書は、ドラッグ&ドロップで簡単に保存できます。スキャナや他システムから文書を取り込む場合、自動で電子データへ変換されるため、追加で作業をおこなう必要はありません。

一方、契約書管理では、書面と電子契約で締結した契約書の更新期限を管理できます。更新期限が近づくとアラートを発し、対応漏れを未然に防ぎます。更新期日を設定しておけば、有効期限の延長と契約書の破棄を自動化でき、管理コストの大幅な削減が可能です。

また、新たに作成した契約書は取引先へ提出する前に、ベンダー側のリーガルチェックが入ります。契約内容に問題がないかを可視化し、未然にトラブルを防げる点が魅力です。

提供元住友電工情報システム株式会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
導入実績800社以上(2023年2月現在)
機能・特徴
  • 社内文書と契約書管理の機能を搭載
  • 複数の電子データを一つのフォルダに集約
  • 他システムの文書データを自動取り込み
  • スキャナによって紙文書を電子データ化
  • 文書のバージョン管理
  • 契約書の作成と審査
  • 契約期限の管理
  • 電子契約サービスとの連携
  • 多言語対応
  • マルチデバイス対応
  • ISO9001/14001に基づいた文書管理に対応
URL公式サイト

3.QuickBinder Beginning

QuickBinder Beginningは、株式会社クレオが提供する文書管理システムです。Windowsサーバー上で動作するシンプルなWebベースのシステムで、小規模・部門単位での運用に適しています。

企業・組織における様々な業務文書を一元管理することにより、組織をまたがっての情報共有が可能となるため、営業活動の効率化やナレッジ共有など様々な用途で活用できます。

アクセス権管理で権限に応じた閲覧、操作制限を行うことができるほか、ログ機能で活用状況の把握や安全性の確保ができるなど、セキュリティ対策も万全です。

提供元株式会社クレオ
初期費用要問い合わせ
料金プラン【パッケージ価格】

合計 定価:800,000円/年間保守費:120,000円

(内訳)

  • Beginningサーバ 定価:400,000円/年間保守費:60,000円
  • Beginning利用ライセンス 定価:400,000円/年間保守費:60,000円

※利用ライセンス上限はサーバスペック、利用環境により変動
※年間保守料は必須
※バックアップサーバ用ライセンスは定価の50%

【オプション価格】

  • CL登録ツールオプション 定価:400,000円/年間保守費:60,000円
  • フォルダ登録オプション 定価:400,000円/年間保守費:60,000円
  • 全文検索オプション 定価:400,000円/年間保守費:60,000円
  • WebAPIオプション 定価:400,000円/年間保守費:60,000円
機能・特徴
  • 文書操作(文書登録、文書更新、文書改版など)
  • 文書検索(フォルダ検索、属性検索、全文検索など)
  • 文書参照(検索結果一覧、改版履歴一覧など)
  • 運用保守(ログ参照、保管庫設定、マスタ設定など)
  • セキュリティ(フォルダ参照権限、フォルダアクセス権限など)
  • ライフサイクル管理 など
URL公式サイト

4.My Quick

My Quickは、インフォコム株式会社が提供する文書管理システムで、クラウド版とオンプレミス版があります。コストパフォーマンスに優れている点が特徴であり、My Quickクラウドのスタータープランであれば、月額22,000円でペーパーレス化を始められます。

契約書や作業指示書、業務マニュアルなど、様々な書類を電子データとして保存できます。また、システムの設計書や新商品の研究報告書など、機密情報を多数含んだ重要書類の保存も可能です。

My QuickクラウドはSSLによる通信暗号化やWAFの搭載などによって、高度なセキュリティ対策を実現しているため、情報漏洩の発生を過度に心配する必要はありません。システムのアップデートやサーバーメンテナンスも、ベンダー側へ一任できます。

常に最新の状態を保てるだけでなく、ランニングコストを大幅に削減できます。

提供元インフォコム株式会社
初期費用【MyQuickクラウド】
  • スタータープラン:無料
  • スタンダードプラン:330,000円(税込)/月
  • プレミアムプラン:要い問合わせ

 【MyQuickオンプレミス版サブスクリプション】

  • オンプレミス:要問い合わせ
料金プラン【MyQuickクラウド】
  • スタータープラン:22,000円(税込)/月
  • スタンダードプラン:77,000円(税込)/月
  • プレミアムプラン:要問い合わせ

 【MyQuickオンプレミス版サブスクリプション】

  • オンプレミス:165,000円(税込)/月~
導入実績900社
機能・特徴
  • 社内文書全般を管理
  • 電子契約と連携
  • 複数の外部システムと連携
  • 契約書入力代行サービスも利用可能
  • 充実のセキュリティ対策
  • メンテナンスやアップデートの自動化(MyQuickクラウド)
  • SSLによる通信暗号化(MyQuickクラウド)
  • WAFの搭載(MyQuickクラウド)
URL公式サイト

5.CLOUD CABINET

CLOUD CABINETは、寺田倉庫が提供する文書管理システムです。紙書類と電子契約で取り交わした契約書を同じシステムで管理できます。画面上には契約方法が表示されるため、どちらの方法で契約を締結したかをすぐに判別可能です。

また、見積書や発注書など、関連書類と紐づけて契約書を管理できる点も魅力です。プロジェクトや顧客別にフォルダ単位で文書を管理するため、必要な書類をすぐに発見できます。

そして、契約更新期限が近づいたら自動で通知されるため、対応漏れが起きる心配はいりません。保管期限が過ぎた書類は倉庫機能によって、安全面に十分配慮しつつ破棄されます。

提供元寺田倉庫株式会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
導入実績2,500社
機能・特徴
  • 紙書類と電子契約書の管理
  • リモートスキャン
  • ステータス管理
  • フォルダ管理
  • 関連書類との紐づけ
  • 契約更新期限の自動通知
  • ログ管理
  • 書類の入出庫管理
  • バージョン管理
URL公式サイト

6.Confluence

Confluenceは、ATLASSIANが提供する文書管理システムです。豊富なテンプレートを搭載している点が特徴です。プロジェクト管理やマーケティング戦略、営業計画の立案など、様々な作業を効率化できます。

システムには常にリアルタイムの編集状況が反映されており、複数人での文書作成もスムーズに進められます。文書には画像やGIF、絵文字など、視覚情報の掲載も可能です。業務効率化を図りつつ、完成度の高い文書を作成できます。

提供元ATLASSIAN
初期費用無料
料金プラン

【Cloud版】

月額払い

  • Free:無料 ※10名まで
  • Standard:690円/月 1ユーザーあたり ※1〜100名の場合
  • Premium:1,310円/月 1ユーザーあたり ※1〜100名の場合
  • Enterprise:年間払いのみ

 年間払い

  • Free:無料 ※10名まで
  • Standard:68,900円/年 1ユーザーあたり ※1~10名の場合
  • Premium:年間131,000円/年 1ユーザーあたり ※1~10名の場合 
  • Enterprise:要問い合わせ
導入実績75,000社以上
機能・特徴
  • 最大2GBまで文書を保存
  • プロジェクトや戦略計画用など豊富なテンプレートを搭載
  • ページ機能で文書の作成や編集を実施
  • 複数人での作業をスムーズ化
  • 用途別のユースケースを掲載
URL公式サイト

文書管理システムの選び方

文書管理システムは、サービスによって強みや機能が異なります。しかし、初めて文書管理システムを導入する場合、どのような点に注意して選定するべきか、わからない方もいるでしょう。

文書管理システムを選定する際は、以下の6つのポイントを意識しましょう。

  • ITリテラシーに関わらず操作できるか
  • 目的にあった機能が備わっているか
  • 情報共有が円滑にできるか
  • 既存のワークフローに影響はないか
  • 安全性は高いか
  • 法令・制度に対応しているか

各ポイントの内容について、一つずつみていきましょう。

ITリテラシーに関わらず操作できるか

文書管理システムを導入する際は、ITリテラシーの高さを問わず利用できるかどうかが重要です。ユーザビリティに乏しいシステムを選ぶと、かえって業務効率が低下したり、一部の方だけしか活用できず業務が属人化しかねません。

特に中小企業は一人ひとりがこなすべき業務量が多いため、効率低下や教育コストの増大は、業務に大きな支障をきたします。

自社の業務に適した、使い勝手のよいシステムを導入するためには、事前に操作のしやすさを確かめておくことが大切です。無料トライアルやデモを活用するなどして、機能性や操作性、ユーザーインターフェースなどを確かめておきましょう。

目的にあった機能が備わっているか

文書管理システムは、タイプやサービスによって搭載している機能が異なります。そのため、自社にあったシステムを選ぶためには、導入目的を明確化することが重要です。

たとえば、業務マニュアルなどの社内での共有を目的とした文書の作成を効率化したい場合は、作成機能が備わったシステムを選ぶとよいでしょう。テンプレートやエディや機能が充実したシステムであれば、より効率的に文書作成業務を進められます。

一方、契約書の更新期限の管理にかかる負担を軽減したい場合や、Excelの管理台帳では管理しきれないという場合は、契約書管理に特化したシステムがおすすめです。契約書の検索が容易となるうえ、更新期限を自動通知してくれるなど、さまざまな機能が備わっています。

まずは、自社の業務や抱えている課題を洗い出すところから始めましょう。課題が明らかになることで導入目的が明確になり、自然とシステムに求める機能も絞り込めます。

情報共有が円滑にできるか

リアルタイムでの情報共有が可能かどうかも重要なポイントです。

文書管理システムに保存する書類は、書類によって内容の更新頻度が異なります。更新頻度の高さを問わず、常に最新の情報を把握できる体制の確立が重要です。

なぜなら、文書を更新したことを通知しないと、従業員同士で認識にずれが生じてしまい、業務が思うように進まなくなるおそれがあるからです。特にテレワークでは直接顔を合わせて情報を共有できないため、正しい情報に素早くアクセスできることが業務効率化を図るうえで必要不可欠となります。

文書更新の通知機能が搭載されているシステムであれば、通知にかかる手間を減らし、通知漏れも防げます。ビジネスチャットと連携すれば、複数のメンバーへより効率的に情報を発信できるでしょう。

また、編集履歴の保存機能が搭載されていれば、「誰がどのような作業をしたか」を一目で把握できます。不正行為の防止が期待できる点もプラスです。

既存のワークフローに影響はないか

従業員への負担を最小限に抑えるためにも、既存のワークフローを再現できるシステムを選びましょう。既存のワークフローが一新される場合、従業員が慣れるまでに時間がかかることから、業務効率低下や承認者の選択ミスなど様々なトラブルの発生が予想されます。

特に、多機能なシステムであるほど、既存のワークフローから大幅に変えなければ運用できない可能性が高まります。システムを選定する際は、機能面だけでなく、既存のワークフローへの影響についても確認しておきましょう。

安全性は高いか

システムに保存する文書には、多くの機密情報が含まれているため、高いセキュリティレベルを実現しているベンダーを選択することが重要です。セキュリティレベルの低いシステムを選んでしまうと、情報漏洩の発生により自社に莫大な損害を与えかねません。

特にクラウド型の場合は、社外からのアクセスが可能であることから、不正アクセスや外部への流出などのリスクが高まります。文書管理システムを導入する際は、ベンダー側でSSL暗号化やWAFといったセキュリティ対策が講じられているか、事前に確認しておきましょう。さらに、フォルダや文書単位で細かくアクセス権限を設定できたり、ログ管理機能が搭載されていたりすると、より安全性が高いといえます。

また、自動バックアップ機能も重要です。保存したデータがバックアップされていれば、サイバー攻撃やシステムの不具合で文書が喪失したとしても、最短での復元が可能です。

法令・制度に対応しているか

文書管理システムの導入において、電子帳簿保存法(電帳法)への対応は必須といえるでしょう。

2022年に改正電帳法が施行され、要件緩和により各種帳票を電子データとして保存しやすくなった一方で、規制や罰則も強化されています。また、2024年からはメールやEDIなど、オンライン上での取引に使用した書類は、電子データでの保存が義務化されます。

電帳法の保存要件を満たす機能を備えているシステムであれば、スキャナ保存したデータへのタイムスタンプ付与や、詳細な検索項目の追加などが可能であるため、業務効率向上も期待できます。

今後も定期的な法改正が予想されますが、クラウド型であればベンダーでシステムアップデートを行うため対応しやすいでしょう。

文書管理システムのメリット・デメリット|主な機能や目的を解説!

文書管理システムの導入事例

文書管理システムの導入によって、長年の課題解決に成功した事例を6つ紹介します。

  • ダイニチ工業株式会社
  • 浅田鉄工株式会社
  • 貝印株式会社
  • 株式会社イシダ
  • AbemaTV
  • 日本ハイドロシステム工業株式会社

文書管理システム導入による効果をイメージしやすくなります。

ダイニチ工業株式会社

ダイニチ工業株式会社は、業務用の大型石油ストーブや家庭用石油ファンヒーターを製造する企業です。同社は、紙文書をExcelやファイルサーバーで長年保管してきました。

しかし、リンク先の削除やハイパーリンクの無効化などによって、機密情報の消失リスクが高まっていました。また、アクセス権を持つ従業員がバラバラの方法で文書を保存していたため、担当者の管理負担増大も課題となっていました。

同社はこれらの課題を解決するために楽々Document Plusを導入しました。導入後はアクセス権の個別付与が徹底され、文書消失事故が激減。あわせて部門別に文書運用ルールを明確化することで、常に最新の内容を掲載した文書が保存されるようになりました。

浅田鉄工株式会社

浅田鉄工株式会社は、機械設備の製造やプラントの生産ラインの設計を手掛ける企業です。同社は膨大な図面データの処理に悩まされていました。あわせて旧システムが技術部の専用機として利用されており、他部署の従業員はコピー室まで足を運ばなければなりません。

長年の稼働によって不具合も定期的に発生しており、新システムの導入に迫られていました。同社は生産管理部にNTTデータ関西が提供する基幹システムを採用していたこともあり、QuickBinderを導入しました。

導入後は多数の図面データをシステム上で一元管理できる体制が整ったことにより、管理負担が大幅に軽減。また、バスケット機能によって、データ検索〜印刷までを従業員一人ひとりのノートPCからおこなえる体制が整いました。

コピー室に足を運ぶ必要性がなくなり、利便性や業務効率が高まっています。

貝印株式会社

貝印株式会社は、包丁や剃刀、爪切りなどの刃物製品を製造・販売している企業です。同社は3,000を超える契約書をExcelで管理しており、該当する契約書を見つけるのに多くの時間がかかっていました。契約件数は年々増加し、サーバーのフォルダ管理では対応できない状態に。

同社は契約書管理を効率化するべく、文書管理システムの導入を決断しました。

同社ではシステムを選定する際、2つの条件を明確化していました。

1つは、契約書の期限管理と通知機能を搭載しているかどうかです。同社はキャラクターデザイン入りの製品を販売しており、取引先とはライセンス契約書を締結していました。対応漏れを防ぐため、有効期限を都度確認する必要がありました。

2つめの条件は、契約書と覚書を紐づけて保存する機能です。特定の契約書を探す際、契約に関連する書類も必要になるため、関連文書をツリー表示できる機能が必要でした。

複数の文書管理システムを比較した結果、最終的に上記2つの条件を満たし、コストパフォーマンスに優れたMyQuickを導入しました。導入後は、契約書管理の負担軽減やコスト削減に成功しています。

株式会社イシダ

株式会社イシダは、食品メーカー向けの計量機器やX線検査装置、包装機などを製造・販売している企業です。同社は、楽々Document Plusの前身モデルを約20年利用していました。

原本管理や最新版の差し込みなど、ISO文書管理を徹底する同社の方針もあり、情報管理の強化に努めてきました。しかし、年々保存する紙書類は増加します。旧モデルは検索機能が少なかったこともあり、必要な書類を見つけ出すために多くの時間を要していました。

書類管理の効率化を実現するため、楽々Document Plusへのリプレイスを決断します。楽々Document Plusは、あいまい検索と完全一致検索の2通りの検索機能を搭載しているため、必ずしも文書番号を覚える必要がなくなりました。

また、作成者やタイトル、所属グループといった様々な条件で検索できるなど、検索機能の充実によって、必要な時に必要な書類を見つけられる環境が整いました。現在は約78,000件の文書をシステム上で管理しており、大幅な業務効率改善やコスト削減に成功しています。

AbemaTV

AbemaTV株式会社はアニメやスポーツ、ドラマなど、様々なジャンルのTV番組を24時間365日体制で放送している企業です。同社はアプリケーションの画面仕様書を管理するため、Confluenceを導入しました。

画面の仕様や動きを説明する際、画像やGIFなどの視覚情報を盛り込めるため、コミュニケーションの質が高まりました。

日本ハイドロシステム工業株式会社

日本ハイドロシステム工業株式会社は、レーシングカー向けの特殊ホースやアクチュエーターなどを製造・販売する企業です。同社は仕様書や設計書をファイルサーバーで管理していました。

しかし、フォルダ階層の複雑化により、必要な文書を見つけるのに多くの時間を要していました。文書管理や作成の煩雑化によりドキュメントの作成を躊躇する従業員もいたため、情報の一元管理を実現するべくNotePMの導入を決断しました。

導入後は必要な情報をすぐに検索できる体制が整い、無駄な時間やストレスの大幅な削減に成功します。また、設計方法や不具合の改善など、技術的な内容をスムーズに共有できる体制も整いました。

システム導入を機に中小企業の文書管理のあり方を見直そう

文書管理システムを導入すると業務効率の改善が期待でき、文書の作成〜管理まで、一連の作業をシステム上で完結できる体制が整います。システム導入を機に文書の保管方法や情報の共有方法、承認ワークフローなど、従来の文書管理のあり方について見直す機会にもなるでしょう。

作成した文書はシステム上に保存され、必要な時にいつでも検索できます。ペーパーレス化を促進し、管理コストや無駄な時間を削減できます。ただし、文書管理システムは、タイプによって特徴や機能が異なるため、慎重な見極めが必要です。

今回の記事で挙げた文書管理システムの選び方やおすすめのシステムを参考にして、自社の目的や運用にあったものを選んでください。。

文書管理システムの記事をもっと読む

文書管理システムの記事一覧

ビズクロ編集部
「ビズクロ」は、経営改善を実現する総合支援メディアです。ユーザーの皆さまにとって有意義なビジネスの情報やコンテンツの発信を継続的におこなっていきます。

おすすめ関連記事

はじめてのCMS構築完全ガイド|構築方法や進め方・費用相場などを簡単に解説

最終更新日時:2024/04/26

CMS

最終更新日時:2024/04/26

CMS

CMS移行を成功させる秘訣!移行を検討すべきタイミングや手順・費用を解説

最終更新日時:2024/04/26

CMS

最終更新日時:2024/04/26

CMS

採用サイトに社員インタビューを載せるメリット|作成方法や事例・デザインのポイント

最終更新日時:2024/04/26

採用サイト作成

最終更新日時:2024/04/26

採用サイト作成

福利厚生の家賃補助とは?相場や支給条件・住宅手当との違いについて解説

最終更新日時:2024/04/26

福利厚生サービス

最終更新日時:2024/04/26

福利厚生サービス

人事評価コメントの書き方と例文|職種・評価項目別に解説

最終更新日時:2024/04/26

人事評価システム

最終更新日時:2024/04/26

人事評価システム

シフト管理システムとは?種類や搭載機能、導入形態・利用に適した企業を紹介

最終更新日時:2024/04/26

シフト管理システム

最終更新日時:2024/04/26

シフト管理システム

クラウドCMSとは?特徴やメリット・選び方やおすすめの製品を比較!

最終更新日時:2024/04/24

CMS

最終更新日時:2024/04/24

CMS

魅力的な採用サイトにするために掲載したいコンテンツ|作成のポイントや事例を解説

最終更新日時:2024/04/24

採用サイト作成

最終更新日時:2024/04/24

採用サイト作成

ウェビナーの背景はどうすべき?設定するメリットや決める時のポイント

最終更新日時:2024/04/25

ウェビナーツール

最終更新日時:2024/04/25

ウェビナーツール

ウェビナー導入の成功事例を紹介!事例からわかる導入成功のポイントについて

最終更新日時:2024/04/24

ウェビナーツール

最終更新日時:2024/04/24

ウェビナーツール