自治体で導入すべき文書管理システム|導入が進まない課題と解決策

最終更新日時:2023/04/12

文書管理システム

自治体の文書管理システム

自治体でも導入の重要性が高まってきている文書管理システム。しかし、システムの導入が思ったように進まないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、そんな自治体での文書管理システムの導入について、進まない理由や解決策などを徹底解説していきます。

自治体に文書管理システムの導入が必要な理由

日本では2011年に「公文書等の管理に関する法律(以下、公文書管理法)」が施行されました。公文書管理法では、公文書の管理ルールを統一したり、歴史的に重要な公文書の保存および利用ルールを規定したりなどの内容が定められています。

公文書は、国や独立行政法人が行った活動や事実の記録であるとともに、国民で共有すべき知的財産でもあります。その内容を後世に伝えていくためにも、公文書の適切な管理が必要であると公文書管理法が定められました。

これによって、政府をはじめとする地方自治体においても公文書管理に取り組む団体が増えた結果、文書管理を適切かつ効率的におこなうため「文書管理システム」が注目されたのです。

文書管理システムを導入することで、過去の情報でも鮮明に管理し、情報の検索や確認が容易になると期待されています。

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自治体の公文書管理における現状の問題点

自治体の公文書管理における現状の問題点には以下の2つが挙げられます。この現状の問題点をしっかりと把握し、文書管理システムの導入の際には注意するようにしましょう。

  • データ改ざんのリスク
  • 属人化しやすい管理体制

データ改ざんのリスク

公文書は、国民から情報開示を求められた際の必要不可欠な情報源ですが、公文書をただ管理するだけでは、データを改ざんされてしまうリスクがあります。

公文書には、政策が決まる過程・経緯・根拠などが記載されており、データが改ざんされると事実関係は不明瞭になってしまい、国民への説明責任は果たせないということになるでしょう。そのため、データ改ざんを防ぐ管理体制や対策など、適切な公文書管理が各自治体に求められています。

属人化しやすい管理体制

日々、多くの公文書が作成されているため、作成担当者に情報が属人化してしまうという課題が挙げられます。公文書が属人化すると、担当者不在時や退職後に情報開示を求められた際、公文書や管理に関する情報が見つからないという問題が起こるかもしれません。

このように、現在の管理体制では公文書の情報が属人化しやすいという課題を抱えています。そのため、情報の属人化が起こらないような管理体制や、誰もが情報にアクセスできる環境の構築などが求められています。

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自治体で文書管理システムの導入が進まない理由

自治体で文書管理システムの導入が進まない理由は以下の通りです。自社の導入目的と照らし合わせながらチェックしてみてください。

  • デジタル化への抵抗がある
  • 紙運用から抜けられない
  • 庁外環境からアクセスできない
  • 既存ツールとの連携が難しい

デジタル化への抵抗がある

各自治体にはデジタル化へ抵抗のある職員もいるでしょう。これまで公文書を紙で管理してきた職員にとっては、「急にデジタル化すると言われても」と文書管理システム導入に消極的なケースも少なくありません。

とくに地方自治体ではアナログ文化が根付いており、ITツールに触れる機会も少ない傾向があります。その結果、文書管理システム導入に理解を得られず、導入が進まない原因のひとつとなっています。

したがって、文書管理システムを導入する際は、導入目的やマニュアルを共有するなど、導入前の準備が不可欠です。また、ITツールに不慣れな職員でも使いこなせるような文書管理システムを見極めることも大切です。

紙運用から抜けられない

現在、各自治体では文書管理システムの活用が進みつつあります。しかし、紙の文書を電子データ化する作業に手間を感じたり、電子データとして送ったデータの視認性が悪く、紙での提出を求められたりと紙運用から抜けられないのが現状です。

その結果、文書管理システムが徐々に活用されなくなり、結局紙での管理になってしまったというケースも少なくないようです。ただ、紙での文書管理は検索性や改ざんリスクといった面で最適とはいえません。

そのため、文書管理システムの活用を定着させられるよう、デジタル化する目的の共有や職員がシステムを活用できる体制づくりなどの取り組みが必要となります。

庁外環境からアクセスできない

文書管理システムを導入していても、庁外環境からアクセスできないとなると、システム活用の定着が遅れる可能性があります。

近年、日本では働き方改革やコロナの影響によりテレワークの導入が進んでいます。しかし、文書管理システムにアクセスできる場所が庁内に限定されてしまうと、「テレワークが進まない」「テレワーク下ではシステムを利用できない」などの課題が生じるでしょう。

そのため、特定の場所や利用端末に限らず利用できる文書管理システムを選定することが大切です。

既存ツールとの連携が難しい

各自治体では、文書管理システム以外にもさまざまなITツールが活用されていますが、既存ツールと文書管理システムが連携できなければ、業務が二度手間になってしまう可能性があります。

たとえば、補助金の申請が届いた際、申請書を管理するシステムに情報を入力し、承認をもらうために別システムにも同じ情報を入力するといったことが挙げられます。そのため、文書管理システムを選定する際は、既存ツールと連携が可能なものを見極めることが大切です。

自治体での文書管理システムの導入を進める方法・メリット

自治体で文書管理システムを導入した場合に得られるメリットは以下の3つです。

  • 紙文書の保管コスト削減
  • 文書の紛失防止
  • 利用履歴による改ざん・不正廃棄防止

公文書を文書管理システム内に保管することで、物理的に紙文書を保管する場所が不要となり、万一の紛失や不正防止にもつながります。

ただ、文書管理システムにはさまざまな種類が挙げられるため、各自治体に適したシステムを選ぶことが大切です。ITツールの利用に不慣れな職員でも、直感的に操作できるようなものを見極め、上記のようなメリットを踏まえたうえで導入・活用を進めていきましょう。

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自治体に文書管理システムを導入するまでの流れ

自治体に文書管理システムを導入するまでの流れは以下の通りです。文書管理システムの導入を決めたはいいものの、具体的にはどのような手順を踏むのか分からない方は、ぜひ参考にしてみてください。

  1. 導入目的の明確化
  2. 文書管理システムの比較
  3. 文書管理システムの決定
  4. 文書管理システムの構築
  5. 文書管理システムの導入・運用
  6. 費用対効果の測定

導入目的の明確化

まずは、文書管理システムの導入目的を明確化しましょう。目的を明確化する際は、現在抱えている課題をもとに検討することがおすすめです。たとえば、テレワークで文書管理が難しいという課題がある場合、場所を問わず利用できるクラウド型のシステムやセキュリティ性の高いシステムが求められます。

このように、導入目的を明確にすることで、必要な機能や割ける予算など、文書管理システムに求める具体的な内容がイメージしやすくなるでしょう。

文書管理システムの比較

目的に合った文書管理システムを複数抽出し、比較をおこないます。具体的には、搭載機能・利用料金・提供形態・サポート体制などを比較します。ベンダーによっては、無料プランや無料トライアルを提供しているため、実際に利用して操作感を確かめるなど、積極的な活用がおすすめです。

システムによっては無料のトライアル期間が実施されているので、トライアル期間で使用感や機能を試してから本格的に導入するとミスマッチが少なくなります。

文書管理システムの決定

複数の文書管理システムを比較検討したら、実際に導入するシステムを決定しましょう。その後、ベンダーに問い合わせや申し込みをおこない、プランの決定やオプション機能の追加などに進んでいきます。

ベンダーによっては固定のプランがなく、企業の希望に合わせてカスタマイズしてくれるため、導入までに時間がかかる可能性があります。そのため、導入する文書管理システムが決まったら、できる限り早い段階での問い合わせ・申し込みがおすすめです。

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文書管理システムの構築

申し込みが完了したら、ベンダーによるヒアリングがおこなわれ、文書管理システムの構築に移っていきます。具体的な構築の作業はベンダーがしてくれますが、設計や構築の段階で「どのような文書管理システムを求めているか」というイメージを伝えましょう。

ベンダーに丸投げすることも可能ですが、「実際に導入してみたらイメージと違った」「必要な機能が搭載されていない」といった問題を回避するためにも、設計・構築には積極的に参加することが大切です。

文書管理システムの導入・運用

文書管理システムの構築が終わったら、実際に導入・運用していきます。ただ、導入といっても、まずは一部の部署などで試験的な運用からはじめましょう。スモールスタートを心がけることで、本格導入後のトラブルを最小限に抑えられます。

また、試験的な運用の段階でエラーや不具合が生じれば、都度修正をおこない、運用に問題がなくなったら本格的な導入・運用へと進めていきましょう。

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費用対効果の測定

文書管理システムは導入・運用で終わりではありません。運用を進めつつ、「文書管理システムの効果が出ているか」「改善は必要ないか」など、費用対効果の測定をおこなうことが大切です。効果が出ていないのであれば、そもそもの文書管理方法や文書管理システム自体に課題があると考えられます。

また、費用対効果の測定をスムーズにおこなうためには、あらかじめ設定する目標に具体的な数値を用いておくとよいでしょう。たとえば、導入前後の文書管理にかかる時間を比較することで、「文書管理システム導入によって○時間短縮した」など具体的な効果を把握できます。

自治体での文書管理システムの導入事例

自治体での文書管理システムの導入事例を紹介します。実際に文書管理システムを導入した事例を知ることで、それぞれの問題点がどのように解決したのかを把握でき、自社の導入にも役立つでしょう。

事例1:神奈川県庁

神奈川県庁では、2011年3月の大震災の際、紙で保管していた文書が破損・損失したことを背景に、文書管理の電子化に踏み切りました。文書管理システムを活用した公文書の電子化に取り組み、庁内でおこなわれる会議や打ち合わせにおける資料も紙を廃止し電子化につながっています。

このように、文書管理システムの導入によって、業務管理の適正化や事務業務の効率化にもつながったうえ、ペーパーレス化も進んだため、紙文書の保管コスト削減にも成功しています。

事例2:東京都豊島区

東京都豊島区では、適正な文書管理や改ざん防止の強化を実現するべく、公文書管理機能や電子決定機能を搭載した文書管理システムの導入に踏み切りました。また、文書管理システムには部門を問わず、全職員が1つのポータルサイトを利用するような仕組みを採用したのです。

その結果、部門を横断した文書管理や情報の把握が実現し、文書検索も容易化したといいます。豊島区では、このような横断的な情報共有の仕組みを、今後も応用・進化させようと考えているそうです。

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自治体におすすめの文書管理システム

自治体におすすめの文書管理システムを紹介します。文書管理システムによって、それぞれ特徴が違うため、自社の導入目的に合わせて検討してみてください。

e-自治体 文書管理システム

e-自治体 文書管理システムは、公文書管理法に準拠し、行政文書管理に特化したシステムです。文書管理はもちろん、電子決裁機能もオールインワンで提供されているため、決裁業務の効率化にも役立ちます。

また、基本的にはパッケージ製品として提供されていますが、クラウド導入も選択可能です。そのため、テレワークを推進する企業などでも、状況に応じて最適な導入方法を選択できるといったメリットがあります。

提供元富士電機株式会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
機能・特徴収受・受付機能、起案機能、決裁(電子・紙)機能、施行機能、公印機能、供覧機能、保存機能、ファイル管理機能、引継ぎ機能、廃棄・移管機能、検索機能、原本管理機能など
URL公式サイト

ADWORLD 文書管理システム

ADWORLD 文書管理システムは、事務処理の効率化にくわえ、ナレッジや情報の活用促進を実現するシステムです。文書の収受・保存・廃棄など、文書業務をトータルサポートしてくれます。

さらに、検索機能も充実しているため、莫大なデータ量から特定の文書を抽出したり、過去の文書を正確に把握することも容易化するでしょう。自治体をはじめとする地方公共団体・独立行政法人・国公立大学などで利用できます。

提供元株式会社日立システムズ
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
機能・特徴文書業務機能、文書保存管理機能、収受・起案文書の登録・管理機能、決裁機能、文書の自動振り分け、一覧表示、簡単検索など
URL公式サイト

IPKNOWLEDGE 文書管理

IPKNOWLEDGE 文書管理は、行政文書の取扱の適正化を実現するシステムです。公文書管理法を順守しており、住民や企業への情報公開をはじめ、行政の透明性の確保、住民への確実な説明などを支援してくれます。

また、電子決裁・電子メール・複合機などと連携可能なため、ペーパーレス化の促進や保管コスト削減にも役立つでしょう。

提供元富士通株式会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
機能・特徴日常業務、資料管理、全文検索、所管替え、統計業務、原本保管、引継、効果・分析、連携機能(情報公開・複合機・電子メール・歴史的文書管理)、廃棄、ファイル管理、書庫管理など
URL公式サイト

自治体にも文書管理システムの導入を進めていこう

現在、政府だけでなく各自治体においても適切な文書管理が求められています。そのため、文書管理システムを導入する自治体も増えつつあります。
しかし、デジタル化への抵抗や根強い紙運用などを原因として、文書管理システムの活用が進んでいないのが現状です。したがって、システム導入の意図や活用マニュアルを共有するなど、職員の理解を得ながら文書管理システムの導入を進めていきましょう。

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