内部統制には文書管理が重要|重要性や要件を満たすポイント

最終更新日時:2023/07/13

文書管理システム

内部統制と文書管理

内部統制を整備するうえで、重要な役割を果たす文書管理。社内の不正や損害を防ぐために、内部統制を強化したいと考える方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、内部統制における文書管理の重要性や、運用のための要件などを解説します。

内部統制とはどのような仕組み?

内部統制とは、企業が健全で効率的な事業活動を行うために必要な仕組みを整備し、正しく運用していくことを指します。また、金融庁が公表している「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」では、以下のように定められています。

内部統制とは、基本的に、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守並びに資産の保全の4つの目的が達成されているとの合理的な保証を得るために、業務に組み込まれ、組織内の全ての者によって遂行されるプロセスをいい、統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング(監視活動)及びIT(情報技術)への対応の6つの基本的要素から構成される。

[引用:金融庁「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」]

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内部統制における文書管理の重要性

内部統制において、文書管理にはどのような意味があるのでしょうか。ここでは、内部統制における文書管理の重要性について解説します。

業務の効率化

内部統制において文書管理を行うことは、日々の業務の効率化に繋がります。企業活動では「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の4つの経営資源を有効活用することが重要です。

適切な文書管理によって、これらの情報を整理して管理でき、情報共有を円滑に行えます。その結果、業務の効率化に繋がるのです。

財務報告の信頼性向上

内部統制において文書管理を行うことは、財務報告の信頼性が高まることになります。

財務報告は、投資家や金融機関、取引先などが企業の経営状況を把握する上で欠かせません。粉飾決算や虚偽申告、申告漏れなどが発覚した場合、多くの利害関係者に損害を与えてしまうこともあるでしょう。その結果、企業への信頼も失ってしまいます。

内部統制が適切であれば、財務報告に関する不正を防ぎ、透明性を確保できます。さらに、申告ミスの防止にも繋がるでしょう。

法令等の遵守

事業活動を行う上で、法令は遵守しなければなりません。目先の利益を求めた結果、法令に違反してしまうと企業の社会的信用に傷が付きます。最悪の場合、事業を存続できなくなる恐れもあるでしょう。

このような不正を起こさないためにも、内部統制で文書管理を行うことが重要です。コンプライアンスを強化し、文書の改ざんなどの不正が起こらない環境を作る必要があります。

資産の保全

事業活動を行う上で、資産はなくてはならないものです。そのため、資産を適切に管理し、活用していく必要があります。

資産には、資本金などの有形資産だけではなく、知的資産や人的資産などの無形資産も含まれます。内部統制を行い、これらの資産を管理することで、安定した企業経営が可能になるでしょう。

内部統制において文書管理を行う方法

内部統制において、文書管理はどのように行えば良いのでしょうか。ここでは、具体的な文書管理の方法について解説します。

文書管理規程を作成する

文書管理規程とは、企業が社内の文書を管理するために定めたルールのことです。文書の登録・保存・改訂・廃棄に関する取り扱い方法とルールを破った際の罰則を決め、社員が社内の文書を適切に扱えるようにします。

また、文書管理規程を運用するために、文書管理マニュアルも併せて作成しましょう。ファイリング方法や、法律などをもとに定めた書類の保管期間などを記載し、円滑に文書管理ができる環境を整えます。

文書管理規程を作成することは、社内規程や業務ルールを社内に周知する上でも重要です。重要文書を社員がいつでも閲覧できる環境を整えられるため、内部統制の強化にも繋がります。

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文書を区分ごとにファイリングする

作成した規程やマニュアルをもとに、文書を区分ごとに分けてファイリングしましょう。ファイリングしたファイルの表紙や背表紙にはラベルを貼り、書類の内容がわかるようにします。さらに、背表紙にファイルの作成日・資料の保管期限なども記載するとより管理しやすくなるでしょう。

作成したファイルの置き場にもルールを決めることが大切です。インデックスやボックスなども活用し、必要な書類をすぐに取り出せる環境を整えましょう。また、決まった置き場は文書管理台帳に記載しておくと、検索の際に便利です。

ファイリングのやり方とは?実践すべきコツやおすすめの保管方法

文書管理システムを取り入れる

文書管理システムとは、電子化した文書を管理できるシステムのことです。システムを導入することでペーパーレス化の推進にも繋がり、より効率的に文書管理が行えます。

文書管理システムの導入により、所属部署や役職に応じたアクセス権限の設定や、アクセスログの記録など、セキュリティ面を強化することも可能です。書類が多すぎて管理が煩雑だと感じている企業にとっては、文書管理システムの導入により大きなメリットを享受できるでしょう。

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内部統制の要件を満たす6つのポイント

内部統制は、以下6つの基本的要素によって構成されています。

  1. 統制環境
  2. 統制活動
  3. 情報と伝達
  4. モニタリング
  5. ITへの対応
  6. リスクの評価と対応

ここでは、内部統制の目的を達成するために重要な、6つのポイントについてみていきましょう。

1.統制環境

統制環境とは、内部統制を適切に運用するため、基盤となる環境を整えることを指します。これは、ほかの5つの要素にも影響を与える重要な要素です。

統制環境を整えるには、企業理念や経営者の意向および姿勢、経営方針、経営戦略など、企業の気風や方向性を定める要素を整備する必要があります。

また、取締役会や監査役、組織の構造、各役職に対する権限・職責の設定など、企業運営に必要な構造を組み立てることも大切です。

2.統制活動

統制活動とは、経営者による決定や判断が適切に実行されるための仕組みを整えることを指します。具体的には、職務権限の付与や職責の明確化、職務分掌、社内規定の整備などが挙げられます。

3.情報と伝達

情報と伝達とは、必要な情報を適切に管理し、社内外の情報伝達をスムーズに行うためのプロセスを確保することです。

内部統制を運用するためには、必要な情報が適切なタイミングで伝達される必要があります。そのため、ほかの要素にも大きな影響を与える要素です。

4.モニタリング

モニタリングとは、内部統制が有効に機能しているかどうか評価するためのプロセスのことです。モニタリングには、日常の業務に組み込まれて行われる「日常的モニタリング」と、経営者や取締役会、監査役、内部監査部門などの業務から独立した組織が行う「独立評価」の2種類があります。

モニタリングで得られた評価をもとに改善を重ねることで、内部統制の有効性をさらに高められるでしょう。

5.ITへの対応

ITへの対応とは、業務を遂行する上で必要なIT環境を整えて利用することを指します。ITを適切に導入することで、効率的かつ有効な情報処理を行えるでしょう。

また、内部統制におけるほかの5つの要素をより有効に機能させるためにも、ITへの対応は欠かせません。

6.リスクの評価と対応

リスクの評価と対応とは、内部統制を実現する上でリスクになる要素を発見し、適切な対応を行うリスクマネジメントのことです。リスクには、外的なものと内的なものの2種類があります。

発生するリスクの頻度や可能性、自社のどの部門におけるものなのかなどを分析し、その評価に応じてリスク回避に向けた行動をとることが必要です。

文書管理を効率化させる方法とは?複雑化する原因と改善の秘訣

内部統制の文書管理に役立つシステム

ここからは、内部統制における文書管理をサポートするシステムを5つ紹介します。

NotePM

NotePMは、社内のマニュアル作成やナレッジ共有を円滑に進められるシステムです。変更履歴や誰が更新したかを自動で記録するため、資料の更新状況をすぐに確認できます。

アクセス権限の柔軟な設定が可能で、社外のメンバーに共有する際に使えるゲスト権限も便利です。さらに、フォルダとタグで情報を整理できるので、書類の検索性も向上します。

提供元株式会社プロジェクト・モード
初期費用無料
料金プラン
  • プラン8:4,800円(税込)/月
  • プラン15:9,000円(税込)/月
  • プラン25:15,000円(税込)/月
  • プラン50:30,000円(税込)/月
  • プラン100:60,000円(税込)/月

※以降、ユーザー100人ごとに60,000円(税込)/月加算

導入実績登録企業7,000社突破(※2023年6月時点)
機能・特徴
  • マニュアル作成
  • 変更履歴を自動記録
  • 柔軟なアクセス制限
  • フォルダとタグで情報整理
  • チャット連携・API対応
URL公式サイト

invoiceAgent

invoiceAgentは、文書のライフサイクルに応じた管理ができる文書管理システムです。電子帳簿保存法などで保存期間の定められている書類や、登記・訴訟関係書類など永久保存の必要がある書類の記録管理が行えます。

電子書類やスキャンで電子化した書類を自動で仕分けするので、効率的な文書管理が可能です。さらに、文書内に記載されたマイナンバーなどの個人情報は、表示されないよう保護することもできます。

提供元ウイングアーク1st株式会社
初期費用無料
料金プラン10ユーザー33,000円(税込)/月〜
※利用規模に応じて5つの料金プランから選択可能
機能・特徴
  • 文書の自動仕分け・保管
  • 電子帳簿保存法・インボイス制度に対応
  • 文書のライフサイクルに応じた管理が可能
  • ⽂書内の個⼈情報を保護
URL公式サイト

Confluence

Confluenceは、社内の情報共有を円滑にするためのシステムです。75以上のカスタマイズ可能なテンプレートを活用して、簡単にページの作成が行えます。また、コンテンツを階層ごとに管理できるページツリーを使用することで、関連する情報の整理を行うことも可能です。

ページごとにアクセス制限を柔軟に設定できるため、部署や役職に応じた権限設定や、個人利用のページも作成できます。

提供元Atlassian Corp Ltd
初期費用無料
料金プラン
  • Free:無料
  • Standard:690円/月(1ユーザーあたり)
  • Premium:1,310円/月(1ユーザーあたり)
  • Enterprise:要問い合わせ
機能・特徴
  • 直感的な操作が可能
  • アクセス権限の柔軟な設定
  • コンテンツツリーの作成
  • 75以上のカスタマイズ可能なテンプレート
  • モバイル端末対応
URL公式サイト

Fleekdrive

Fleekdriveは、オンラインで文書管理ができるシステムです。使われていないファイルの自動アーカイブ機能や、古いファイルの自動削除機能などにより、効率的に文書管理が行えます。

アップロードしたファイルは、ローカルのOfficeソフトで編集可能です。また、更新したファイルは自動で反映されます。さらに、1つのファイルをリアルタイムで共同編集することも可能です。

提供元株式会社Fleekdrive
初期費用無料
料金プラン
  • Team:550円(税込)/月(1ユーザーあたり)
  • Business:1,650円(税込)/月(1ユーザーあたり)
  • Enterprise:4,400円(税込)/月(1ユーザーあたり)
導入実績700社以上で導入(※2023年6月時点)
機能・特徴
  • クラウド上のファイルをシームレスにOffice編集
  • 使われていないファイルの自動アーカイブ
  • 古いファイルの自動削除
  • モバイル端末対応
  • 外部サービス連携
URL公式サイト

Documal SaaS

Documal SaaSは、文書のライフサイクルを自動化できる文書管理システムです。あらかじめ文書の有効期限を設定することで、作成・承認から廃棄までのライフサイクルを自動で管理します。

部署や役職に応じて、柔軟なアクセス権限の設定が可能です。さらに、すべての操作履歴を記憶するため、いつ・誰が・どのような操作を行ったのか把握できます。

提供元株式会社富士通四国インフォテック
初期費用導入基本サービス:330,000円
料金プラン
  • 運用基本サービス100アカウント:110,000円
  • 運用基本サービス50アカウント:66,000円
  • 運用基本サービス10アカウント:22,000円
機能・特徴
  • 文書のライフサイクルを自動化
  • 安全性・信頼性の高いデータセンター
  • 柔軟なアクセス権設定
  • すべての操作履歴を記録
  • JIIMA認証取得済
URL公式サイト

内部統制には適切な文書管理が重要になる

内部統制は、企業が健全で効率的な事業活動を行うために必要な取り組みです。内部統制を適切に運用することで、社内の不正や損害を防ぎ、社会的な信頼を得ることにもつながります。

内部統制を実現するには、適切な文書管理が欠かせません。必要に応じて文書管理システムなどを活用し、内部統制をより効果的に運用しましょう。

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