文書管理システムのメリット・デメリット|主な機能や目的を解説!

最終更新日時:2023/02/07

文書管理システム

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書類の管理に役立つ文書管理システム。業務上日々作成される文書は、営業資料から契約書、マニュアルまで幅広く、保管ルールも異なるため管理業務の負担の一因となっています。本記事では、文書管理システムの主な機能や目的を、メリット・デメリットとあわせて詳しく解説します。

文書管理システムとは?

文書管理システムとは、文書を電子化してデジタルでの保管や修正、廃棄が出来るように一元管理することです。

デジタルで資料管理をおこなうので、更新や共有が容易です。

文書管理システムの似た機能に、ファイルサーバーでの文書管理があります。ファイルサーバーの目的はあくまでも文書の保存ですが、文書管理システムは文書の保存だけでなく更新や共有もスムーズにできるという点に違いがあります。

文書管理システムの主な機能

文書管理システムにはどのような機能があるのでしょうか。ここからは、主な機能を解説します。

文書の検索・登録

文書管理システムでは検索や登録ができます。

文書の登録は、あらかじめ設定されているフォーマットに沿って項目を入力していくと簡単におこなうことが可能です。

必要項目に記入漏れやエラーのチェックがあったり、文書番号が自動付与されたりと、登録時の記入ミスを防ぐ機能が備わっています。

また、登録した文書は条件を指定することで簡単に検索可能です。

文書の登録時にタグや属性情報を設定していることで絞り込めるほか、文書全体の直接検索もできるため、すぐに目的の文書を見つけることができます。

バージョン管理

文書管理システムはバージョン管理機能があるため、文書が変更された場合に更新前と更新後の文書を個別に管理できます。

バージョン管理機能を活用することで、いつ、だれが、どこを変更したかがわかるので、問題が発生したときでもスムーズに原因を探すことができます。

文書を閲覧するときは最新の文書にアクセスするようになっているので、間違えて更新前の文書を参照してしまうこともありません。

安全対策

紙で保管している文書は誰でも見ることができますが、文書管理システムを使うと閲覧の制限やアクセス管理が可能です。

必要に応じてダウンロードや印刷を禁止したり、透かし文字を入れる機能を活用したりすれば、文書の不正持ち出しを防ぐことができます。

保管・更新管理

文書を電子化すれば、保管や更新の管理が簡単にできます。

紙で文書を保管している場合、破棄に長時間がかかったり業者を手配したりと手間がかかります。

しかし文書管理システムで文書を電子化するとペーパーレスで運用できるため、文書の保管や更新の管理が楽です。

申請・承認

文書を電子化すると、申請や承認がスムーズに行えます。

紙の文書で報告書や稟議書を提出する場合、関係者に直接渡す必要があるので、、決裁までに時間がかかります。

しかし、文書管理システムはシステム上で申請や承認ができるので、相手が離れた場所や、出張や会議で直接渡すことができない時でも問題ありません。

紙の文書より大幅に承認時間を短縮できます。

文書管理システム導入のメリット

文書管理システムを自社で活用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

ここからは、文書管理システムを導入するメリットについて解説します。

文書検索・管理の負担軽減

文書管理システムを使えば、検索や管理の負担が軽くなります。

紙で管理する場合、文書を探すのに時間がかかったり、文書の内容が更新されるとどれが最新かわからなくなってしまったりすることがあります。

しかし電子化された文書は、全文検索だけでなく、完全一致検索やあいまい検索で調べられるので素早く検索が可能です。

バージョン管理機能があることで変更履歴が残るため、以前作成した古いデータも参照できます。

場所を選ばず検索可能

電子化した文書はクラウド上やメールで共有できるため、場所を選ばず検索できます。

ワークフローの電子化を活用すると、承認者が近くにいなくても、どこからでも対応してもらえるため、決裁を素早く進めることが可能です。

リモートワークの導入が進んでいる今の時代において、文書管理システムの重要性はますます高まることでしょう。

費用・スペースの削減

紙で文書を保管していると、廃棄費用や保管スペースが必要です。

しかし文書がデジタル化されていれば、保管場所はサーバーやクラウド上にあるため、物理的なスペースは必要ありません。

廃棄もあらかじめシステムで設定しておけば、手間なく完了します。

承認フローの効率化

文書管理システムを導入すると、承認フローを効率化できます。

システムにはワークフロー機能が搭載されているため、文書を手渡しする必要がなく、文書の確認、共有、承認が可能です。

場所や時間に関係なく承認できるため、申請者と決済者の双方にとって、メリットが大きいといえるでしょう。

ペーパーレス化の促進

文書管理システムはペーパーレス化を促進します。

紙の文書は印刷する用紙代やインク代、プリンターの設置費用、保管場所の確保など、多くのところでコストがかかるため、多くの企業で負担となっています。

しかし文書管理システムを活用すると、紙の文書はなくなるので、保管場所だけでなく、書類の印刷にかかるコストが軽減可能です。

文書管理システムの導入と運用に費用はかかるものの、費用対効果は高まります。

業務効率・生産性アップ

文書管理システムは業務効率と生産性をアップできます。

紙の文書の場合、印刷にも保管にも人の手が必要なので、本来やるべき仕事とは別で対応しなければなりません。

しかし文書管理システムで文書を電子化すれば、印刷も保管も必要なくなるので、無駄な人件費を抑えることが期待できます。

業務効率と生産性がアップすると、サービスの品質と顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

業務の属人化防止

紙の文書は、特定の社員だけが有益な情報を持っているという事態になる可能性があります。

一方、文書管理システムでナレッジの共有ができると、社員全体が有益な情報を閲覧でき属人化の防止にもつながります。

内部統制の強化

文書管理システムは内部統制の強化にも役立ちます。

紙の文書は情報が各部署でしか共有されなかったり、管理方法が煩雑になったりと、正しいアカウンタビリティを果たすことができません。

しかし文書管理システムを活用すると文書の一元管理ができるので、アカウンタビリティの確保につながり、内部統制が強化できます。

文書管理システム導入のデメリット

文書管理システムは非常に便利ですが、メリットばかりではありません。

文書管理システム導入のデメリットも把握しておきましょう。

費用がかかる

文書管理システムは導入費用だけでなく、毎月のランニングコストがかかります。

導入時にそれまでの紙の文書をデータ化する必要があるので、、外部に委託する場合はその費用も必要です。

業務負担となる可能性がある

文書管理システム導入そのものが業務負担となる可能性も考えられます。

紙の文書を文書管理システムに切り替えていくためには、文書の電子化作業が必要です。

さらに社員が使いこなせるように、教育も行っていかなければなりません。

文書管理システムをスムーズに運用していくには、手間と時間がかかるといえるでしょう。

運用ルールを策定する必要がある

文書管理システムの導入には運用ルールの策定が必要です。

システムの導入には社内ルールの策定や、ルールの周知徹底、教育が必要です。

またルールや運用フローがわかりにくかったり、システムが使いにくかったりすると、本来期待していた導入効果が期待できない可能性もあります。

文書管理システムの導入や運用に不安な点があるなら、導入を検討しているベンダーに相談することをおすすめします。

文書管理システムの選び方

文書管理システムはさまざまな製品が出ているので、多くのベンダーから自社に合う製品を選ばなければなりません。

そこで、文書管理システムの選び方について解説します。

目的にあった機能が備わっているか

文書管理システムは、自社の目的にあった機能が備わっているものを選びましょう。

文書の管理方法は企業によって違うので、導入する際は、自社の文書管理方法を洗い出し、導入の目的とゴールを明確にすることが重要です。

安全対策は十分であるか

文書が外部に漏れることがないよう、安全対策が十分か確認する必要があります。

ベンダーのホームページや担当者へのヒアリングを行い、セキュリティ機能の高いものを選ぶようにしましょう。

バックアップ体制や、文書の安全性、サポート体制の充実や、障害発生時の対応も確認してください。

提供形態は企業に適しているか

提供形態が自社に適しているものを選びましょう。

文書管理システムにはクラウド型とオンプレミス型があります。秘匿性が高い文書の扱いはオンプレミス型が向いていますし、運用フローを簡略化したいならクラウド型がおすすめです。

マルチデバイスに対応しているか

マルチデバイスに対応していると、使用する端末に関係なく文書管理システムを利用できます。

外出や出張が多く、外からアクセスすることが多い場合、スマホやタブレットに対応している方が便利です。

外国語対応しているシステムもあるので、海外にも拠点があるなら確認してみてください。

文書管理システムの導入フロー

文書管理システムを導入するにはどのような手順で進めていけばいいのでしょうか。

ここからは、文書管理システムの導入フローについて解説します。

1.現状の把握・目的設定

文書管理システムがなぜ必要なのか考え、現状を把握して目的を設定していきます。

2.業務の洗い出し

現状を把握し、目的を設定した上で、目的を達成するために必要な業務を洗い出します。

3.システム・機能の選定

洗い出した業務を行っていくために必要なシステムと機能の選定をおこないます。

4.ルールの策定・周知

システムと機能が選定できたら、システムを運用していくためのルールを策定し、ルールを徹底できるよう、社員全体に周知します。

5.導入・検証

文書管理システムは導入で終わりではありません。

導入後も策定したルール通りに運用されているか、期待していた効果が出ているかを検証します。

6.運用・管理

文書管理システムは正しく運用、管理していくことが必要です。

運用や管理が疎かになると、紙の文書と同じく煩雑になってしまいますので注意しましょう。

文書管理システムとファイルサーバーの違い

文書管理システムとファイルサーバーは同じと考えている方もいますが、実ははっきりとした違いがあります。

文書管理システムとファイルサーバーは、文書を電子化して保管するという点においては同じです。

しかしファイルサーバーにできるのはファイルの保管と共有のみで、問題点も多数あります。

  • フォルダ名の付け方に統一性がなく、検索しづらい
  • 最新版がどれかわからない
  • 機密文書に誰でもアクセスできる
  • 社外からアクセスできない

一方、文書管理システムはファイルの保管と共有、保管ルールの策定やファイルのバージョン管理、ワークフロー機能、廃棄に関する制御などのさまざまな機能が搭載されており、セキュリティ面でも安全です。

文書管理システムは文書の活用から廃棄まで、幅広く管理できます。

文書管理システムはすべての書類を電子化できるわけではない

文書管理システムを導入しても、法律により電子保存が認められておらず、紙で保管する書類もあるため、すべての書類を電子化できるわけではありません。

しかし働き方改革を推進する国の方針により、法改正も進んでいるので、今後は紙の保管義務がある文書も減っていくと考えられます。

文書管理システムのメリットを活かし職場環境を改善しよう

文書管理システムを導入することで、紙の文書が電子化されてデジタル上で保管でき、必要な文書を必要なときにいつでもすぐに取り出せるようになります。

会社全体で文書管理システムのメリットを活かすと、職場環境が大きく改善することが期待できますので、本記事を参考にしてぜひ自社に合う文書管理システムの導入を検討してみてください。

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