病院・医療機関向けのグループウェア!役立つ機能や利用するメリット
昨今さまざまな業界で利用されている「グループウェア」。日々多忙を極める病院等の医療現場においても、グループウェアの普及が進んでいます。本記事では、病院・医療機関向けのグループウェアについて、現場に役立つ機能や利用するメリットとあわせて詳しく紹介します。
目次
グループウェアとは?
グループウェアは、組織内のコミュニケーションや情報共有を効率的に行うためのソフトウェアです。スケジュール管理、掲示板、ドキュメント共有など、多岐にわたる機能を持ちます。これにより、業務プロセスの最適化や生産性の向上を図ることができるのです。
医療現場をはじめとする多くの組織では、業務の連携を図るためにグループウェアの導入を推進しています。情報の共有や管理の一元化を促し、業務を効率よく進めるうえで重宝されているのです。
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病院におけるグループウェア導入のメリット
病院は多くの情報を取り扱い、多岐にわたる職種のスタッフが連携して業務を進めています。グループウェアの導入により、業務効率や情報共有などの点で多くのメリットが期待できるのです。
病院内の情報共有を迅速にできる
グループウェアの導入によって、患者の治療履歴や診断結果、薬の処方情報などがリアルタイムで共有され、医師や看護師、薬剤師間の連携がよりスムーズになります。
複数の診療科目がある病院では、異なる科同士の情報伝達が滞るケースもあるでしょう。グループウェアは病院全体の連携を実現するため、診療科間における伝達のタイムロスを減らすことができるのです。患者情報の提供や共有が円滑になり、診療へも即座に反映できます。
院内職員のコミュニケーションを活性化できる
グループウェア導入により、院内のコミュニケーションを活性化できます。掲示板やチャット機能を活用し、日常業務の相談から臨床ケースのディスカッションまで、幅広い情報交換が望めるでしょう。
医療業務は多忙を極めることが多く、社員同士のコミュニケーションにも悪影響を及ぼします。ツールの手を借りることで交流を促せば、業務の連携向上や対人関係のトラブル防止にも寄与するのです。効果的なコミュニケーションは、チームワークの強化と高品質な医療の実現につながります。
業務全般を効率化できる
グループウェア導入により、スケジュールの共有やタスクの割り当て、文書の一元管理などがデジタル化され、手間や時間を大幅に削減可能です。デジタル化した情報はアクセスが容易になり、共有や検索が的確に行えます。
例えば、病床の空き情報にアクセスすることで、緊急入院などの手配が合理化します。会議スケジュールを共有すれば、予定の調整や変更もスピーディーになるでしょう。グループウェアの持つさまざまな機能を活用することで、各部門の業務がシームレスに連携でき、医療業務全般の効率化が期待できます。
患者情報・機密情報の漏洩を未然に防げる
グループウェア導入により、これらの情報は高度なセキュリティ機能に守られることとなります。二段階認証によるログインやデータの暗号化技術により、不正アクセスなどのリスクを軽減可能です。
情報のアクセス権も細かく設定可能であり、必要なスタッフのみが該当の情報にアクセスできるよう制御します。これにより、内部・外部の情報漏洩リスクを大幅に低減でき、患者との信頼関係を維持するための強固な基盤を築けるでしょう。
迅速な対応による患者の満足度向上が期待できる
グループウェアを活用することで、病院内の情報流通が迅速化します。患者への対応もスムーズになり、満足度の向上が期待できるでしょう。例えば、予約システムと連携することで患者の待ち時間を削減することが可能です。医師や看護師間のコミュニケーションが円滑になるため、治療方針の共有や変更がリアルタイムで行われ、患者への対応も速やかになります。
迅速なサービスは高く評価され、患者の満足度向上に寄与するでしょう。的確かつ迅速な情報共有による医療サービスの向上は、病院の信頼性や評価を高める要因となります。
病院・医療機関に役立つグループウェアの機能
医療機関における業務効率化や情報の一元管理を実現するには、グループウェアの機能が必要不可欠です。病院・医療機関で特に役立つグループウェアの機能について、詳しく説明します。
予約状況を把握できる設備予約機能
医療機関における設備の効率的な運用は、業務のスムーズな進行を保障する重要な要素です。設備予約機能を有するグループウェアは、円滑な業務進行に欠かせないツールとなります。
設備予約機能を活用すると、MRI、CTスキャン、超音波装置、手術室などの医療機器や施設の利用予約状況をリアルタイムで一覧表示できます。さらに、各設備の空き時間や稼働状況を瞬時に把握できるため、迅速かつ適切な予約調整が可能です。
また、不必要なダブルブッキングのリスクを排除し、機器の過剰な待機時間を減少させることで、機器の効率的な利用と患者サービスの向上を実現します。設備予約機能の活用により、待ち時間の削減や患者の満足度向上などのポジティブな影響をもたらすことが期待されます。
スタッフの勤務状況を把握できるスケジュール管理機能
医療スタッフのスケジュール管理は、日常業務の円滑な実施や患者対応の最適化に不可欠です。スケジュール管理機能を装備したグループウェアなら、勤務状況を円滑に管理できます。
スケジュール管理機能を使用することで、医師や看護師といった全スタッフの勤務スケジュールを制御可能です。出張、休暇、会議、研修などの予定の調整も効き、ツール上で一元管理できます。各スタッフの稼働時間はもちろん、欠勤や業務内容などを可視化することで、緊急時にも臨機応変な対応ができるでしょう。
グループウェアのスケジュール管理機能は、多様な立場のスタッフがいる医療機関において欠かせない役目を担います。
病院内の重要な文書・資料管理機能
グループウェアの文書・資料管理機能を使えば、機密情報を厳重に管理可能です。医療機関では多種多様な文書や資料が日常的に取り扱われます。治療方針や患者情報などを迅速かつ適切に管理することは、患者の安全と質の高い医療の提供に直結する要件です。
各種文書や資料を一元的なデータベースに格納し、スタッフ間での共有や参照を容易にすることができます。また、バージョン管理や権限設定などの細かい機能を用いることで、文書の最新性の確保や機密情報の安全な取り扱いも実現するのです。
グループウェアの文書・資料管理機能では、検索を簡便化するタグの付与なども行えます。データのデジタル化で利便性を高めるほか、ペーパーレスを推進することでコスト削減・効率化にも寄与するでしょう。
スタッフの状況を共有できる掲示板機能
医療機関の日常業務において、スタッフ間の情報共有は非常に重要です。グループウェアに搭載される掲示板機能を使えば、社員や院内の状況を速やかに共有できます。多職種が連携して業務を遂行する病院において、迅速かつ効率的なコミュニケーション手段は欠かせません。
掲示板機能を利用すると、各スタッフが業務上の報告、連絡、相談、情報共有などを行うことができます。例えば、急なスケジュール変更や病院内のイベント情報、重要な通知など、リアルタイムで知らせるべき情報を即時にスタッフ全員へ伝達可能です。
緊急時にミーティングができるテレビ会議機能
テレビ会議機能を備えるグループウェアであれば、即時的なコミュニケーションが可能です。関係者間で迅速に意見交換や情報共有を行い、患者のニーズに応えることができます。
院内の異なる部署や場所にいるスタッフ同士、あるいは外部の関係者とも、瞬時に顔を合わせられるのがテレビ会議機能の強みです。緊急手術前のコンサルテーションや事故・災害時における対応策の検討、遠隔地にいる専門家との意見交換など、多岐にわたるシチュエーションでの利用が考えられます。
また、画像や資料の共有、画面記述機能といった付属機能の活用も効果的です。グループウェアのテレビ会議機能は、医療機関でみられる多彩なシーンで有意義な活用が期待できます。
▷グループウェアの運用ルールを策定するコツ|社内へ浸透させる秘訣も解説
病院・医療機関向けのグループウェアの選び方
ここからは病院向けのグループウェアの選び方について解説していきます。医療機関で使うという視点を持ったとき、重視したいポイントをまとめました。
病院・医療機関に特化した製品を選ぶ
医療機関は、患者情報の管理や多職種の連携といった独自の要件を有します。一般企業向けのグループウェアでは対応し切れないこともあるため、医療現場のニーズに合致した製品の選択が必須です。病院や医療機関専用に設計されたグループウェアは、業務フローやセキュリティ要件など、特有の課題に効果的に応えることが期待できます。
特化型グループウェアは医療業界の課題にスポットを当てて開発しているため、ただ利便性を高めるだけでなく的確な課題解決が望めるでしょう。
費用で選ぶ
グループウェアの選択時には、初期導入費用はもちろん、維持・更新費用や追加機能のコストも総合的に評価する必要があります。高い機能性を持つ製品であってもコストがの予算を超えるケースもあるため、機能とコストのバランスを適切に取ることが大切です。
一般的には導入費用が高額なオンプレミス型、導入が安価な一方でランニングコストがかかるクラウド型に分けられます。費用の試算が甘ければ、病院・医療機関の運営にも関わるため慎重に検討しましょう。
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搭載されている機能で選ぶ
グループウェアを選択する際、必要とする機能が搭載されているかの確認が重要です。例えば、電子カルテ連携やスケジュール共有、患者情報のセキュアな取り扱いに対応しているかが挙げられます。また、不要な機能を省くことでコストを削減でき、費用対効果も高く期待できるでしょう。
搭載機能が現場に必要であるかどうかは、病院や医療機関ごとの課題を明確にすることで見えてきます。違う科目同士での連携が取れていない、緊急時の対応に不備があるなど、抱えている課題を突き止めておきましょう。グループウェアの機能が課題解決に十分だと判断できれば、導入の決め手とすることができます。
操作性・使用感で選ぶ
医療機関では多様なスタッフが働いており、技術的背景や知識もことなるため、グループウェアには直感的でわかりやすい操作性や使用感が求められます。
シンプルな操作性のグループウェアは、操作のレクチャーや学習における手間を省き、迅速な導入を図ることができます。
サポート体制の充実度で選ぶ
迅速かつ適切にサポートを受けられるかは、グループウェア選びにおいて欠くことのできない要素です。多忙な医療現場でも安心して使えるよう、サポートの可用性や対応時間、内容を確認しておきましょう。
対応がメールのみ場合、緊急を要する医療シーンにおいて不十分な恐れがあるため、チャットや電話のほか、訪問サービスで具体的な支援を受けられるのが理想です。
セキュリティ性で選ぶ
医療機関における情報は、患者のプライバシーなどの機密性が高いものが多いため、強固なセキュリティ性が求められます。データの暗号化や不正アクセスの防止、バックアップ体制などのセキュリティ性を比較しましょう。
保全性の高さでいえば、一般的にはオンプレミス型が優秀です。職場内でサーバーを構築するため、外部に情報が漏れる心配が限りなく少なくなります。
安全性が確保されている製品を選ぶことで、医療機関としての信頼性や法的リスクからの保護も図ることができます。
▷グループウェアのセキュリティリスク|対策やセキュリティ対策に優れたツールを紹介
病院・医療機関向けのグループウェアおすすめ7選
ここからは病院向けのおすすめグループウェアを紹介していきます。医療機関で活用しやすい機能があるか、コストとのバランスは良いかなどを比べておきましょう。
1.CoMedix
CoMedixは、医療機関専門のグループウェアとして設計されています。病院の日常業務や情報共有、スケジュール管理に必要な機能が豊富に盛り込まれており、目的に応じたカスタマイズも可能です。
施設予約機能では、院内設備の予約状況を色分けして一覧できます。予約時間は5分単位で設定できるため、細やかな状況対応を実現できるでしょう。給与に関する申請機能のほか、承認の必要な申請・決済の書類もシステムで運用を行えます。
提供元 | 株式会社メディシステムソリューション |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
2.MyWeb Medical
MyWeb Medicalは、医療機関特有の業務をサポートするためのグループウェアです。設備予約、患者情報の管理、文書の共有など、日常的な業務を円滑にする機能が搭載されています。
あらゆる操作をWebアプリ上で完結でき、簡単な文字入力ができれば誰でも使いこなすことが可能です。クライアントライセンスフリーの製品であるため、ユーザー数が多い病院でもお得に利用できます。大規模な医療機関でコストに不安がある場合でも、導入候補に入るでしょう。
提供元 | 株式会社ソフテック |
初期費用 | MyWeb Medical 4:55万円(税込) |
料金プラン | MyWeb Medical サポートサービス:16万5,000円(税込)/年 |
導入実績 | 377社(2022年12月現在) |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
3.desknet's NEO
組織全般に広く利用されるグループウェアの一つであるdesknet's NEOは、医療・福祉機関でも採用されています。業種や規模を選ばない機能設計で、現場の業務からバックオフィスまでをサポートするツールです。
高度なスケジュール管理機能や文書共有機能など、27の基本機能が用意されています。iOS・AndroidOSに対応するアプリもあるため、活動量の多い医療現場でもスマホから手軽に利用可能です。クラウド型・パッケージ型の双方を提供しているので、ニーズに合わせて選択してください。
提供元 | 株式会社ネオジャパン |
初期費用 |
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料金プラン |
※最低利用人数:5ユーザー |
導入実績 | 500万ユーザー以上(2023年8月現在) |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
4.Garoon
Garoonは、サイボウズが提供する先進的なグループウェアであり、数多くの企業や組織に採用されています。病院や医療機関における情報共有の課題にアプローチし、素早い承認や情報通知に対応するのが特徴です。
医師や看護師の勤務スケジュールはもちろん、検査機器といった設備の利用スケジュールも制御できます。不在相手に伝言を残せる機能もあり、多忙な医師との連携強化を叶えるでしょう。他社のグループウェアからの移行支援も行っているため、乗り換えを検討している医療機関にもおすすめです。
提供元 | サイボウズ株式会社 |
初期費用 |
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料金プラン | クラウド版 ■〜300ユーザー
■301〜1,000ユーザー
■1,001〜3,000ユーザー:要問い合わせ ■3,001〜ユーザー:要問い合わせ |
導入実績 | 7,000社 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
5.GroupSession
予算やニーズに応じてタイプが選べるGroupSessionは、独自性や柔軟性を備えるグループウェアとして知られます。初期費用やライセンス費用が不要な無料版をはじめ、医療機関ごとに最適なツールを選択可能です。
無料版でも、スケジュール管理や施設予約といった基本機能を網羅しています。有料版はセキュリティの優位性が担保されるほか、サーバー拡張機能やサポート制度が充実しているタイプです。
提供元 | 日本トータルシステム株式会社 |
初期費用 | GroupSession無料版:無料 GroupSession byCloud:要問い合わせ GroupSession ZION:要問い合わせ |
料金プラン |
■GroupSession byCloud
■byCloud専用サーバプラン
■GroupSession ZION
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機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
6.iQube
iQubeは、医療機関の組織開発をサポートするクラウド型グループウェアです。期間の指定や配信予約ができるニュース機能を使えば、院内の掲示板として速やかな情報伝達が実施できます。
視認性に優れた一覧表示設計の社内Wikiも便利です。重要な情報にはマークを付与することで、スタッフへの共有をより促すことができます。閲覧や編集の権限も設定でき、セキュアな情報管理にもつながるでしょう。
提供元 | 株式会社ガイアックス |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | ■月間契約
■年間契約
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導入実績 | 9,000社 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
7.サイボウズOffice
サイボウズOfficeは、中小企業向けのグループウェアとして提供されているツールです。手ごろなコストで利用を開始できることから、規模の小さな病院において候補に挙がりやすいでしょう。
スケジュール管理、掲示板、文書管理などの業務を効率化する機能をはじめ、アプリのカスタマイズや外部ツールとの連携も可能です。ITスキルがなくても簡単にシステム管理ができるため、経営層や統括層の負担を軽減します。多機能設計で医療機関の業務をカバーし、院内のコミュニケーション円滑化にも貢献するでしょう。
提供元 | サイボウズ株式会社 |
初期費用 | 無料 |
料金プラン |
※最低利用人数:5ユーザー |
導入実績 | 累計70,000社以上 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
グループウェアを利用し病院経営を改善しよう
現代の病院経営は、医療技術の進化だけでなく、情報管理とコミュニケーションの最適化が不可欠となっています。グループウェアの導入は、院内の情報共有や業務効率化、スタッフ間のコミュニケーションの活性化など、経営の多方面でメリットをもたらします。
医療現場では瞬時の意思決定が欠かせません。設備予約やスケジュール管理ができるグループウェアなら、素早い判断を支援してくれるでしょう。機能や価格などを比較し、最適なグループウェアを導入することが大切です。病院経営の持続的な成功のために、グループウェアを有効活用してください。
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