オープンソースのグループウェア7選を比較|特徴やメリットを紹介
社内の情報共有を効率よく行うために利用される「グループウェア」。オープンソースのソフトを活用すれば、自社に合わせた調整が可能です。当記事では、おすすめのオープンソースのグループウェアを7つ紹介します。導入時のポイントやメリットも解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
オープンソース型のグループウェアとは?
オープンソース型のグループウェアとは、ソースコードが公開されているグループウェアを指します。グループウェアは、複数のユーザーが共同作業を効率よく行うためのツールです。メールやカレンダー、ファイル共有、タスク管理など、日々の業務をサポートするさまざまな機能を有しています。
オープンソース型のグループウェアは、カスタマイズ性に優れているのが特徴で、必要な機能を自由に追加・修正できるのが利点です。また、無料で利用できるものも多く、低コストで導入できるのも魅力のひとつです。
▷グループウェアとは?種類や搭載されている機能・メリットを解説
オープンソースのグループウェア7選を比較
オープンソースのグループウェアは数多く存在します。ここでは、おすすめのオープンソース型グループウェアを7つ紹介します。
1. SHIRASAGI
日本国内で開発されたオープンソースのグループウェアです。中・大規模の組織向けに作られていて、企業だけでなく自治体や教育機関でも利用されています。他システムとの連携やカスタマイズにより、自社に最適なシステムを構築できます。
メールやスケジュール管理、ファイル共有といった基本的な機能はすべて無料で利用可能です。
提供元 | 株式会社ウェブチップス |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 無料 |
機能・特徴 | モデルアドオン設計、拡張プラグイン、数千人規模の組織に対応、他システムとの連携ほか |
URL | 公式サイト |
2. GROUP SESSION
業界を問わず幅広いビジネスニーズに対応するオープンソースのグループウェアです。直感的な操作が行えるため、はじめてグループウェアを利用する方でも問題なく利用できるでしょう。
基本機能として、メールやカレンダー、タスク管理など、一般的なオフィス業務を効率化するための多くのツールを備えています。有償のサポートも用意されているため、導入・運用に関する不安がある場合も安心して利用できるでしょう。
提供元 | 日本トータルシステム株式会社 |
初期費用 | 無料版:無料 byCloud
ZION:初年度価格(年額)に含む |
料金プラン | 無料版:無料 byCloud
ZION
|
機能・特徴 | メイン・ポータル、スケジュール、ショートメール、稟議(ワークフロー)、施設予約、WEBメール、ファイル管理、チャット、在席管理、回覧板、アンケート、掲示板ほか |
URL | 公式サイト |
3. Zimbra
全世界で広く利用されているオープンソースのグループウェアです。メール・カレンダー・タスク管理・ファイル共有などの機能を利用できます。クラウド型・オンプレミス型から選択でき、その柔軟性から多くの企業や組織で採用されています。
また、他のビジネスアプリケーションやクラウドサービスとの統合が容易です。これにより、業務プロセスをより一層効率化できるでしょう。
提供元 | Zimbra Japan合同会社 |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 無料 |
機能・特徴 | メール、カレンダー、モバイル対応、アドレス帳、コミュニケーションほか |
URL | 公式サイト |
4. Joruri Gw
日本国内で開発されたオープンソースのグループウェアです。主に地方自治体向けとして提供されていますが、民間企業も利用できます。文書管理・スケジュール管理・掲示板といった基本的な機能を備えています。無料の問い合わせにも対応しているため、不具合などが起きた際に問題の原因を調査してもらうことも可能です。
提供元 | サイトブリッジ株式会社 |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | Joruri Gw Ver.4配布費用:27万5,000円(税込) ※Ver.3以前のJoruri Gwのサポート契約を行っている場合、13万7,500円(税込) |
機能・特徴 | リマインダー表示、個人予定管理、ToDo管理、回覧板管理、承認機能設定ほか |
URL | 公式サイト |
5. Group Office
オランダのIntermesh BV社が開発したオープンソースのグループウェアです。CRM(顧客関係管理)とプロジェクト管理機能のほかに、メールやカレンダー管理、タスク管理といった基本的な機能も備えています。
MacOS・Windows・iOS・Androidのデバイスとの同期が可能で、利便性に優れたグループウェアといえるでしょう。
提供元 | Intermesh BV |
初期費用 | 無料 |
料金プラン |
|
機能・特徴 | CRM、財務管理、プロジェクト管理、ファイル管理、プライバシーとセキュリティほか |
URL | 公式サイト |
6. Feng Office
プロジェクト管理に特化したオープンソースのグループウェアです。進捗管理や文書管理、コミュニケーションの効率化など、プロジェクトを成功に導くための機能が豊富に揃っています。
ダッシュボード機能によって全体の進捗を一覧できる点や、柔軟なアクセス権限管理が行えるのが特徴です。ブラウザから簡単にアクセスできるため、リモートワークでの作業にも対応しています。
提供元 | Feng Corp. |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 無料 |
機能・特徴 | ノート、メール、連絡先、カレンダー、ドキュメント、タスク、ウェブリンク、ワークスペース、アカウント管理ほか |
URL | 公式サイト |
7. TWAKE
TWAKEは、とくにコラボレーションとコミュニケーションの強化に焦点を当てたオープンソースのグループウェアです。チャット機能やファイル共有、リアルタイムのドキュメント編集など、一つのプラットフォームで多くの業務を効率的にこなすことができます。
数行のコードを追加するだけで、普段使用しているOffice製品との統合が可能です。無料版はクラウド型での提供となっているため、複数の拠点で働く組織にも適しています。
提供元 | LINAGORA |
初期費用 | 無料 |
料金プラン |
|
機能・特徴 | カレンダー、タスク、ワークスペース、メッセンジャー、ディスクと共有ソリューション、ビデオ会議ほか |
URL | 公式サイト |
オープンソース型グループウェアを利用するメリット
ここでは、オープンソース型グループウェアを利用するメリットについて詳しく解説していきます。
柔軟にカスタマイズができる
オープンソース型のグループウェアを利用するメリットの一つとして、柔軟なカスタマイズができる点が挙げられます。ソースコードが公開されているため、企業や組織特有の業務フローに合わせて機能を追加、あるいは修正することが可能です。
これにより、一般的な製品では満たせない特定のニーズや要件にも対応できるでしょう。また、グループウェアを導入するために既存環境を大きく変える必要がないのもメリットです。
導入〜運用のコストを抑えられる
オープンソース型グループウェアを利用するもう一つのメリットは、導入や運用にかかるコストを抑えられる点です。ライセンス料が無料または非常に低いため、初期投資を大幅に削減できます。
また、カスタマイズの自由度が高いため、外部の開発者やコンサルタントに依存することなく、内部リソースだけでシステムを運用・管理することが可能です。これにより、長期的な運用コストも抑えられるでしょう。
オープンソース型グループウェアを利用するデメリット
オープンソース型グループウェアには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、オープンソース型グループウェアを利用するデメリットを見ていきましょう。
運用に専門的な知識を要する
オープンソース型グループウェアのデメリットとして、運用に専門的な知識が必要になる点が挙げられます。カスタマイズや機能追加は柔軟に行えますが、そのためにはプログラミングスキルやシステム管理の知識が求められるでしょう。
また、セキュリティ対策やデータバックアップ、システムのアップデートに関する知識を持った社員も必要です。これらの作業を行える社員がいない場合、専門のスタッフの採用や外部のサポートが必要となり、結果として運用コストが高くなる可能性もあります。
利用開始まで時間がかかる
導入から利用開始までに時間がかかるのもデメリットの一つです。オープンソースソフトウェアはカスタマイズを前提に提供されているため、導入の際に多くの設定や調整が必要となることが考えられます。
独自の業務フローやシステムとの連携を実現するためには、詳細な設計とテストが必要となり、多くの時間を要します。また、スタッフのトレーニング期間も考慮しなければなりません。導入計画を立てる際には、十分な時間を確保できるかについても検討しましょう。
トラブルに対するサポートが少ない
オープンソース型のグループウェアは、何かトラブルが起きた際にサポートが受けられないことが多いです。有料で提供されているソフトウェアと異なり、不具合が生じた際は自社で対応する必要があります。
なかには、サポートを行っているものもありますが、ほとんどが有料です。そのため、自社内に対応できる社員を確保する必要があるでしょう。
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オープンソース型グループウェアの導入が向いている企業
オープンソース型グループウェアは、どのような企業に適しているのでしょうか。オープンソース型のグループウェアの導入に向いている企業の特徴を紹介します。
運用に必要となる知識を持った社員が在籍している企業
運用に必要な専門知識を持った社員が在籍している場合は、オープンソース型のグループウェアの導入に向いているといえるでしょう。このような企業では、専門的なスキルを持つ社員が内部でシステムのカスタマイズやトラブルシューティングを行うことが可能です。
これにより、外部の開発者やサポートサービスに依存することなく、迅速かつ効率的にシステムを運用できます。
また、社内でこのようなスキルを持つ社員がいる場合、新しい機能の追加や改善もスムーズに行えます。それにより、自社の課題や目的に応じた柔軟な対応が可能となり、企業全体の競争力を高めることができるでしょう。
人材や運用などのコストを抑えたい企業
オープンソース型グループウェアは、導入や運用にかかるコストを抑えたい企業に向いています。オープンソース型の多くは、ライセンス費用が不要または低価格であるため、コストを抑えることが可能です。
また、専門知識を持った社員がいる場合、カスタマイズや拡張が容易であるため、外部の開発者やコンサルタントに依存せずに運用や改善が行えます。とくに、アプリの制作会社やクラウドサービスを提供するベンダーなどに適しているといえるでしょう。
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オープンソース型グループウェアの導入を成功させるためのポイント
オープンソース型グループウェアを導入するには、いくつかの手順を踏む必要があります。ここでは、導入を円滑に進めるためのポイントを紹介します。
導入するための目的を明確に決めておく
オープンソース型グループウェアを利用する前に、導入の目的を明確にしておきましょう。導入する目的が明確であれば、それに合わせて最適なソフトウェアを選定し、必要なカスタマイズや設定を計画的に行うことが可能です。目的が不明瞭なまま導入を進めると、後に必要な機能が出てきたり、不要な機能の設定に時間をかけてしまうことも考えられます。
たとえば、業務効率化を目的とする場合、タスク管理やスケジュール管理の機能に優れたものを選ぶ必要があります。一方、コミュニケーション強化が目的の場合、チャットやビデオ会議の機能が優れているものがよいでしょう。
目的を明確にすることで、自社に最適なツールを導入できるだけでなく、導入後の運用もスムーズに行えます。
専門的な知識を持った人材をスカウトする
オープンソース型グループウェアの導入と運用には、専門知識を持った社員が不可欠です。まずはじめに、自社にこのような社員がいるのか確認し、いない場合は人材確保を行いましょう。専門知識を持つ人材が在籍していれば、システムのカスタマイズやトラブルシューティング、セキュリティ対策などをスムーズに行えます。
人材確保の方法としては、内部で育成する方法と外部からスカウトする方法があります。内部育成には時間がかかりますが、企業文化や業務内容に精通しているため、より効率的な運用が期待できるでしょう。一方、外部からスカウトする場合は、即戦力として活躍してくれる可能性が高まります。
導入に合わせて社内の環境を整備する
オープンソース型グループウェアは、さまざまな機能が搭載されていて、多くの社員が日常的に利用することが考えられます。そのため、スムーズに運用できるよう社内環境の整備が必要です。これには、ネットワーク環境の安定化、セキュリティ対策、スタッフのトレーニングなども含まれます。
多機能なオープンソース型グループウェアを効果的に活用するためには、ユーザーがその機能を理解し、日常業務に活用できるようにすることが求められます。
また、共有するデータを整理して管理しやすいような体制を整備することも重要です。既存の業務フローに影響を与えることもあるため、変更に対応するための新しいガイドラインやマニュアルを作成する必要もあるでしょう。
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オープンソース型のグループウェアを上手に活用しよう
オープンソース型のグループウェアは、導入コストを押さえつつ柔軟にカスタマイズできる点が魅力です。ただし、導入には専門知識を持った人材を確保することが求められます。専門的な知識を有する社員が在籍していて、コストを抑えたい企業には最適な選択肢といえるでしょう。
導入を検討する際は、本記事で紹介したポイントを踏まえ、社内環境やニーズに合った最適なソリューションを選定してください。
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