労働基準法とは?内容や遵守すべき事項をわかりやすく解説
人材の雇用や人事を担当する方は、労働基準法の理解が必要です。労働基準法について正しく理解することで、社員が安心して働くことや、社内で起こりうるトラブルの回避にも役立つでしょう。本記事では、労働基準法とはどのような法律なのか、具体的な内容や遵守すべき事項を解説します。
目次
労働基準法とは?わかりやすく解説
労働基準法とは、賃金や労働時間などの労働条件に関する最低基準のことです。労働者の健全な働き方を担保することを目的として、1947年に制定されました。
また、労働基準法で定められている基準は、使用者が守るべき最低限のルールです。そのため、基準以上の労働条件を設けても問題ありません。ただし、一度設定した労働条件は、基本的に低下させないという規定も含まれている点に注意が必要です。
ここからは、労働基準法についてさらに詳しくみていきましょう。
[出典:厚生労働省「労働基準に関する法制度」]
労働基準法は労働三法の内のひとつ
労働基準法は、労働者を守るために定められた労働三法の内のひとつです。ここでは、労働三法それぞれの役割をみていきましょう。
- 労働基準法:労働条件の基準を定めるもの・労働組合法:組合を作ることで、企業との話し合いができることを保障するもの
- 労働関係調整法:使用者と労働者間のトラブルの際に、外部の組織が解決を目指すもの
上記3つの法律は、第二次世界大戦後に制定されてから現在まで残り続けていて、労働に関する法律の根幹・基盤といえます。
労働基準法の対象範囲
労働基準法は、原則日本国内で労働者として働いている人全員に適用されます。勤務している企業や就業形態は問われません。
ここでいう「労働者」は、企業や他人から雇われて働いている人を指します。そのため、個人事業主は、労働基準法の適用外です。また、同居している親族のみで事業を行っている場合や、家政婦も労働基準法の適用外となり、「労働者」にも例外が存在します。
労働基準法には罰則が付いている
労働基準法に違反した場合、罰金や懲役などの罰則が科せられます。
罰則の重さは、違反した内容によって異なります。最も重い罰則は、労働基準法第13章117条の「1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金」です。これは、労働基準法第5条「強制労働の禁止」に違反した際に科せられます。
ほかにも、違反の内容に合わせてそれぞれの罰則が定められています。「知らないうちに労働基準法に違反し罰則が科せられた」といった事態を招かないように労働基準法を把握・理解することが大切です。
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労働基準法が誕生した理由
そもそも労働基準法はどのような目的で制定されたのでしょうか。労働基準法ができた理由について詳しくみていきましょう。
労働基準法の基礎「労働権」
労働基準法の基礎となったのが、基本的人権のひとつでもある「労働権」です。労働権は、日本国憲法第27条によって「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ」と定められていて、すべての国民に労働する権利と義務が与えられていることを意味します。
また、労働権(日本国憲法第27条)の2項では以下のように述べています。
2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
[引用:衆議院「日本国憲法」より
上記から分かる通り、賃金・就業時間・休息などの勤労条件に関する基準は、また別の法律で定めることが明記されています。そのため労働基準法は、労働権を具体化するために制定された法律といえるでしょう。
国民に対して労働する権利と義務を与えると同時に、労働者が「無理な働き方を強いられないか」「生存権が保障されるか」という観点から、労働条件の最低基準を定める必要があると考えられたのです。
労働基準法が制定された目的
労働基準法が制定された目的について、さらに詳しくみていきましょう。労働基準法第1章第1条では、以下のように述べています。
労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。
[引用:e-Gov 労働基準法 第一条より]
「労働者が人たるに値する生活」とは、「人間らしい生活」という意味があります。つまり、労働者が人として標準的な生活を送ることを保障するという目的で労働基準法が制定されました。
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働き方の変化に合わせて改正される労働基準法
労働基準法の制定から現在まで、働き方の変化に合わせるよう改正が行われています。労働基準法が制定された1947年から2020年までを3つの期間に分け、主な改正内容をみていきましょう。
1987年~1998年の改正
制定当初に規定されていた主な内容は、以下の通りです。
▼1947年制定当初の規定内容
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[出典:厚生労働省「労働時間法制の主な改正経緯について」]
上記で挙げた変形労働時間制とは、1日や1週間ではない単位で労働時間を調整することで、所定労働時間を超えても時間外労働として扱われないという制度です。
たとえば、閑散期である月初の労働時間を減らしておくことで、月末の繁忙期に労働時間が増え所定労働時間を超過した場合も時間外労働として扱わずに済みます。
そして、1987年に労働基準法がはじめて改正されました。改正内容は以下の通りです。
▼1987年の改正内容
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[出典:厚生労働省「労働時間法制の主な改正経緯について」]
1987年頃、日本では「労働者の生活の質の向上を目指した労働時間の短縮」や「長期的な雇用機会の確保」が課題として挙げられていました。このような課題から、労働時間に関する規定の柔軟性を高める必要があったのです。
また、1993年には以下のような改正が行われています。
▼1993年の改正内容
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[出典:厚生労働省「労働時間法制の主な改正経緯について」]
1987年の改正では、法定労働時間を週48時間から週40時間へと段階的に短縮するとしていましたが、1993年の改正では週40時間の法定労働時間を定着させるという目的がありました。
さらに、1998年にも以下のような改正が行われています。
▼1998年の改正内容
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[出典:厚生労働省「労働時間法制の主な改正経緯について」]
裁量労働制とは、実際の労働時間にかかわらず、契約した労働時間分働いたとされる制度です。例えば、契約した労働時間が7時間であれば、実際の労働時間が3時間であろうと10時間であろうと、7時間働いたとみなされます。
裁量労働制は、研究開発・取材・編集・公認会計士・弁護士などの業務が対象でした。しかし、1998年の改正で企画立案等の業務を行う労働者も対象に追加されています。
この背景には、グローバル化や情報化社会への突入をはじめ、終身雇用制や年功序列制といった雇用形態における変革などが挙げられます。
2003年~2008年の改正
2003年頃には、少子高齢化にともなう労働人口の減少が課題として挙げられる一方、グローバル化や情報化は進展しつつありました。このような時代の変化に合わせて、2003年には以下のような改正が行われています。
▼2003年の改正内容
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[出典:厚生労働省「労働時間法制の主な改正経緯について」]
労働人口の減少にともない、専門業務型裁量労働制が適用された労働者は契約条件以上の労働が強いられ、健康に影響を及ぼすという事態が発生していました。そのため、専門業務型裁量労働制が適用されている労働者を守るための改正が行われたのです。
また、2008年には以下のような改正が行われました。
▼2008年の改正内容
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[出典:厚生労働省「労働時間法制の主な改正経緯について」]
労働人口の減少により、子育て世代の男性が長時間労働をしている傾向があったようです。そのため、労働者のワークライフバランスを確保することを目的に、割増賃金の引き上げや代替休暇についての改正が行われています。
2018年~2020年の改正
働き方の多様化が進んだ2018年には、労働者が事情に応じた働き方を選択できるよう、以下の改正が行われました。
▼2018年の改正内容
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[出典:厚生労働省「労働時間法制の主な改正経緯について」]
上記の改正のきっかけとなったのは、働き方改革です。これにより、長時間労働についての見直しが行われ、時間外労働に上限が設けられるようになりました。
そして、2020年には以下のような改正が行われています。
▼2020年の改正内容
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[出典:厚生労働省「労働者の皆さま未払賃金が請求できる期間などが延長されています」]
上記改正の背景には、民法改正が挙げられます。2017年に行われた民法改正によって、短期消滅時効が廃止されるなど、労働基準法により守られてきた労働者の保護が弱まる事態となりました。そのため、労働基準法で改めて労働者の保護を強める必要が生じたのです。
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労働基準法の守るべき内容
労働基準法のなかでも、とくに守るべき内容をみていきましょう。
労基法15条:労働条件の明示
労働基準法第15条では、使用者は労働者に対して労働条件を明示することが定められています。労働条件としては、賃金や労働時間などが挙げられます。仮に使用者が明示している労働条件と事実が異なった場合、労働者は即時に労働契約を解除することが可能です。
労基法16条:賠償予定の禁止
労働基準法第16条では、労働契約の不履行があった際の違約金や、損害賠償額を事前に定めることを禁止しています。たとえば、「労働者が無断欠勤した場合は罰金10,000円を使用者に支払う」といった契約をすることは認められません。
労基法20条:解雇の予告
労働基準法第20条では、使用者が労働者を解雇する場合、少なくとも30日前には対象者に予告しなければなりません。もし予告なしに労働者を解雇する場合には、30日以上分の平均賃金を対象者に支払う必要があります。
一方、日数分の平均賃金を支払えば、予告日数を短縮することは可能です。たとえば、解雇10日前に予告した場合は、20日分の平均賃金を支払う必要があります。
ただし、天災などのやむを得ない事情で事業の継続が不可能となった場合や、解雇の原因・責任が対象者にある場合は適用されません。
労基法24条:賃金の支払い
労働基準法第24条では、賃金の支払に関する規定が定められています。詳しい内容は以下の通りです。
- 賃金は通貨で支払うこと
- 労働者に直接支払うこと
- 全額支払うこと
- 毎月1回以上支払うこと
- 一定の期日を定めて支払うこと
上記5つの規定は、まとめて「賃金支払の5原則」と呼ばれます。たとえば、アルバイトをしている未成年労働者の賃金を親に支払うことは、「労働者に直接支払うこと」に反するため、労働基準法違反となります。
ただし、法令や労働協約などで別に定めがあり、一定の条件を満たしている場合は、通貨以外のもので支払ったり賃金の一部を控除して支払ったりすることが可能です。
労基法26条:休業手当
労働基準法第26条では、使用者の責任や原因で休業する場合、労働者に対して休業期間中も平均賃金の60%以上の休業手当を支払わなければならないと定めています。
たとえば、原材料の不足によって業務遂行不可となり休業する場合に、平均賃金が月20万円であれば、月12万円以上の賃金を労働者に対して支払わなければなりません。
ただし、休業手当が発生するのはあくまでも「使用者に責任・原因がある場合」のみとなっています。そのため、天災などを原因とする休業では適用されません。
労基法28条:最低賃金
労働基準法第28条では、賃金の最低基準は「最低賃金法」に従うと明記されています。
最低賃金法では、労働者に支払うべき最低賃金の決定方法や、罰則などが定められています。ここでいう最低賃金は、正社員からアルバイト・パートまで、すべての労働者が対象です。
労基法32条:労働時間の原則
労働基準法第32条では、労働時間に関する規定が明記されています。主な内容は以下の通りです。
- 週40時間(休憩時間を除く)を超えて労働させてはならない
- 1日8時間(休憩時間を除く)を超えて労働させてはならない
ただし、「変形労働時間制」「裁量労働制」「フレックスタイム制」については、この原則は適用されません。
労基法34条:休憩
労働基準法第34条では、休憩時間についての規定が明記されています。主な内容は以下の通りです。
- 労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない
- 上記の休憩時間は一斉に与えなければならない(書面による協定がある場合は例外)
- 休憩時間は労働者の自由に利用させなければならない
休憩時間は、労働者が業務から離れ自由に過ごせる時間です。そのため、ちょっとした電話対応などであっても休憩中にお願いすることはできません。もし休憩時間に業務をお願いした場合は、別途休憩を与える必要があります。
また、労働時間が8時間を超える場合、1時間の休憩を分割して与えることもできないため注意が必要です。
労基法35条:休日
労働基準法第35条では、休日に関して以下のように定められています。
- 使用者は労働者に対して毎週少なくとも1日以上の休日を与えること
- 4週間を通じて4日以上の休日を与える労働者は上記に限らない
使用者は労働者に対して週1日もしくは4週間に4日以上の休日を与えていれば、労働基準法に遵守していることになります。しかし、労働者の健康に被害が生じたり過労死を起こすことはあってはなりません。そのため、労働者の健康を考慮し、適切な休日管理を行うことが大切です。
労基法36条:時間外および休日の労働
労働基準法第36条では、使用者が労働者に時間外労働や休日労働をさせる場合、以下2つの条件を満たす必要があると定めています。
- 36協定と呼ばれる労使協定を締結すること
- 労使協定を行政官庁に届け出ること
労使協定では、主に以下の内容を具体的に定める必要があります。
- 対象となる労働者の範囲
- 対象期間
- 時間外労働・休日労働が発生する条件
- 1日・1か月・1年それぞれの期間で延長できる労働時間・労働させることができる休日の日数
もし労使協定を締結・提出しないまま時間外労働や休日労働をさせた場合、労働基準法違反となるので注意しましょう。
労基法37条:時間外、休日および深夜労働の割増賃金
労働基準法第37条では、時間外労働・休日労働・深夜労働の割増賃金について定められています。具体的な割増賃金率は以下の通りです。
- 時間外労働:25%以上
- 休日労働:35%以上
- 深夜労働:25%以上
- 時間外かつ深夜労働:50%以上
- 休日かつ深夜労働:60%以上
また、1か月の時間外労働時間が60時間を超える場合、超過分の割増賃金率は50%以上となります。
労基法39条:年次有給休暇
労働基準法第39条では、雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し、かつ全労働日の8割以上を出勤したときは、その対象者に10日分の年次有給休暇を与えなければなりません。
また、勤続年数が1年6ヶ月を超えると、期間に応じて年次有給休暇を加算する必要があります。具体的な期間と日数は、以下の通りです。
勤続年数 | 加算される有給休暇 | 年次有給休暇 |
1年6か月 | 1労働日 | 11労働日 |
2年6か月 | 2労働日 | 12労働日 |
3年6か月 | 4労働日 | 14労働日 |
4年6か月 | 6労働日 | 16労働日 |
5年6か月 | 8労働日 | 18労働日 |
6年6か月以上 | 10労働日 | 20労働日 |
労基法41条:適用除外
労働基準法第41条では、労働基準法が適用されない労働者を明記しています。労働基準法の適用除外となるのは、以下の労働者です。
- 農業従事者
- 水産業従事者
- 管理監督者
- 機密事務取扱者
- 監視労働従事者
- 断続的労働従事者(監督官庁の許可を受けた場合に限る)
上記で挙げた労働者に関しては、労働基準法で定められた労働時間・休憩・休日・割増賃金などの規制が適用されません。
労基法89条:就業規則
労働基準法第89条では、常時10人以上の労働者を使用する使用者に対して、就業規則の作成と行政官庁への提出が定められています。これは、労働者の雇用形態や勤務時間は問いません。また、就業規則に変更があった場合も、再作成・再提出が必要となります。
労基法91条:制裁規定の制限
労働基準法第91条では、使用者が労働者に対して減給の制裁を行う場合の制限について明記しています。具体的な内容は以下の通りです。
- 1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えてはならない
- 減給の総額が一賃金支払期における賃金の総額の10%を超えてはならない
仮に労働者に対して減給処分を行う場合は、上記の金額を遵守しなければなりません。
労基法106条:周知義務
労働基準法第106条では、使用者は労働者に対して労働基準法や就業規則を周知する義務があると定めています。周知する具体的な方法としては、以下が挙げられます。
- 常時、各作業場の見やすい場所に提示するまたは備え付ける
- 書面を労働者に交付する
- 磁気テープや磁気ディスクなどに記録し、労働者が各作業場で常時確認できる機器を設置する
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労働基準法の違反による罰則
労働基準法に違反した場合、違反内容に応じた罰則が科せられます。労働基準法違反による罰則は、以下の4段階に分かれています。
- 30万円以下の罰金:比較的軽微な労働条件違反や手続き違反
- 6か月以下の懲役または30万円以下の罰金:労働時間・休憩・休日・割増賃金などの違反
- 1年以下の懲役または50万円以下の罰金:最低年齢、中間搾取の排除、坑内労働の禁止、坑内業務の就業制限などの違反
- 1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金:強制労働の禁止に違反
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労働基準法の違反となる具体事例
ここからは、労働基準法の違反となる具体事例をみていきましょう。
労働時間に関する事例
業務中に制服を着用するように義務付けられている場合、制服に着替える時間も労働時間に含まれます。そのため、制服に着替えたあとに出勤時の打刻をしたり、私服に着替える前に退勤時の打刻をすると、着替えの時間が労働時間に含まれないことになってしまいます。
この場合、本来含まれるはずの労働時間が適正に管理されていないことになり、労働基準法違反です。労働時間については企業の指揮命令下にあるかどうかを判断基準に、適切な管理を実施しましょう
休憩に関する事例
使用者は労働者に休憩時間を自由に利用させなければなりません。しかし、休憩時間にも来客や電話対応をさせるために事務所に残っているとなれば、労働者は休憩を自由に利用できていないことになります。
この場合、休憩時間を自由に利用させていないとして、労働基準法違反と判断されます。もし休憩時間中に労働させた場合は、規定の休憩時間とは別に労働させた分の休憩時間を与えなければなりません。
割増賃金に関する事例
正社員で月給制の場合、時間外労働や休日労働の割増賃金を支払っていないケースがあります。しかし、月給制だからといって割増賃金を支払わなくてよい理由にはなりません。
そのため、時間外労働の時間や休日労働の日数に応じた割増賃金を正確に支払う必要があります。
労働基準法とは何かを正しく理解しトラブルを避けよう
労働基準法は、労働者を守るために使用者が守るべき法律のひとつです。労働基準法に違反した場合、罰則が科せられるだけでなく、社会的信用や労働者からの信頼を失いかねません。
また、時代の流れに合わせて常に変化していくため、最新の情報をキャッチアップしていく必要もあります。職場でのトラブルを未然に防ぐためにも、労働基準法について正しく理解し、適切な労務管理を心がけましょう。
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