エクセルでマニュアル作成を行う手順とポイント!注意点も解説!

業務の効率を高めるために欠かせない「マニュアル」。この記事では、エクセルでマニュアル作成を行う際の手順やポイントを紹介しています。注意点や、何に気を付ければわかりやすいマニュアルが作成できるのか、そしてエクセルでマニュアルを作るメリットやデメリットなど詳しく解説しています。無料で使えるテンプレートも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
マニュアルをエクセルで作成する7つの手順
マニュアルを作成するときは、その手順が重要です。さらに、エクセルで作成することを考えて、その流れやポイントを説明していきます。以下の7つの手順で進めると、スムーズにマニュアル作成ができるでしょう。
- ファイル名をつける
- 目次を作成
- 必要なタブを作成する
- 内容を入力
- 画像/図形の追加
- デザインの統一
- ファイルの共有
1.ファイル名をつける
時間をかけて作成したファイルを、保存せずに終了してしまったという経験を持つ人は少なくないでしょう。マニュアルを作るときもまず、ファイル名を先に付けることを習慣にしましょう。
また、チームでマニュアルを作成する場合、作成途中のファイルを共有し、その過程も記録として残しておくことがあります。
例えば「〇〇ver.1」とされたファイルを作成して内容を更新する場合、この過程を残すには「〇〇ver.2」とファイル名を変更しておかないと、入力した情報が上書き保存され、ver.1の内容が残りません。先に、ファイル名を付けることを忘れてはいけません。
2.目次を作成
マニュアルを作成する際、闇雲に思い付きで作成すると抜け漏れが発生してしまいます。抜け漏れがなく、正しい順序で説明されたマニュアルにするためにも最初に目次を作成することが大切です。
目次を作成する際は以下のことを意識しましょう。
- 見出しを見ただけでも内容の大枠がわかるようになっているか
- 情報の抜け漏れがないか
- 見出しの順序が適切か
- 必要のない情報が入っていないか
目次はマニュアルの骨子となり、マニュアルの良し悪しを左右しますので、時間をかけて丁寧に作りましょう。
3.必要なタブを作成する
目次作成後、タブが分かれている方が見やすい場合は先に必要なタブを作成します。
必要な情報に瞬時にアクセスできるようにするには、タブを分けておくことが有効です。作成の途中でタブを分けると、場合によっては作業を後戻りする必要性が生じるため、始めにタブを作成しておきましょう。
4.内容を入力
目次やタブなどのマニュアルの骨子が出来上がったら内容を入力していきます。マニュアルの内容は社員の行動や業務姿勢/業務への取り組み方 に大きく影響します。また、抜け漏れがある場合は周囲の人たちに迷惑をかけてしまうかもしれません。
抜け漏れのないマニュアルを作成するために、「これくらいはわかるだろう」などと思うような基本的な情報を記載しておくことも、場合によっては大切です。新入社員や育休・産休明けの社員、他部署から異動してきた従業員などはその情報を把握していない可能性があります。
また、マニュアルのチェックは複数人で行うことが大切です。マニュアルを網羅性のある内容に仕上げられるようにチェックと修正を繰り返すことは重要です。
5.画像/図形の追加
文字が羅列しているだけのマニュアルは見づらく、場合によっては読んでもらえない可能性もあります。よりわかりやすいマニュアルを作成するためには、画像や図形をレイアウトすることが大切です。
例えば、業務内容を記載するのであれば、実際に作業を担っている画像や図を、文字と併せて掲載すると、より理解度が増して読みやすいマニュアルになるでしょう。
ただし、画像や図形が多すぎても情報過多となり、要点が伝わりづらくなる可能性があります。画像や図形は文字とのバランスを意識して配置しましょう。
6.デザインの統一
内容が完成したらデザインを統一します。デザインの統一をすることはあくまでも視覚的に一貫性を持たせて読みやすくするためです。従って、カラフルにしたり個性を出したりする必要はありません。
わかりやすいマニュアルを作成するためには、デザインに関するルールを決めておくと統一感があり、読み進めやすいマニュアルに仕上がります。
「フォントの種類」「見出しと本文の文字サイズ」「文字の色は3色まで」などと独自のルール、または共通のルールに従って作成し、マニュアルのデザインを統一しましょう。
7.ファイルの共有
業務マニュアルの情報共有は、セキュリティ対策を行ったうえで、チャットツールやクラウドストレージなどで行うとよいでしょう。
また、何らかの操作ミスでファイルを削除してしまうなど、予期せぬアクシデントにも対応できるよう、ストレージや外付けのハードディスクなど、マニュアルファイルを複数箇所に保存するようにしましょう。
複数人で情報を共有するときは、セキュリティ対策や複数箇所での保存を行い、デジタルツールなどで行いましょう。
マニュアルをエクセルで作成するメリット
昨今ではマニュアルを作成するためのデジタルツールも販売されていますが、エクセルで作成することにもメリットがあります。マニュアルをエクセルで作成することのメリットは以下の3つです。
- シートに際限なく情報を入力できる
- 作業用のシートも作れる
- 別ファイルのリンクを設定できる
ここではそれぞれのメリットについて解説します。
シートに際限なく情報を入力できる
マニュアルは網羅的に情報を記載する必要があるため、全体量が大きくなりがちです。マニュアルを構成する際に使うマニュアル作成ツールは、掲載できる情報量に制限がありますが、一方、エクセルは、際限なくシートに情報を入力することが可能です。
また、エクセルを使えば文字・画像・図形などのレイアウトを自由に設計することができます。エクセルでマニュアルを作成すると、多くの情報を自由なレイアウトで入力することができるのです。
作業用のシートも作れる
マニュアルを作成する際に、メモや下書きを書いたり、表を作成するための作業用シートを作ることが可能です。シートを作成しておくことで、作業した内容をそのままコピー&ペーストしてマニュアルに掲載することもできます。
また、エクセルには「ブック」と呼ばれる機能があり、複数のワークシートを一元管理することができます。マニュアルと作業用シートをブックにまとめておくことで、マニュアル内のチェック項目をテンプレート化したり、マニュアルの更新時に手順を確認するなど有効に活用することができるのです。
別ファイルのリンクを設定できる
エクセルは、セルにハイパーリンクを設定できます。マニュアルから別のファイルや外部のWebページへのアクセスを誘導したいときに、このハイパーリンクをクリックするだけで目的の情報にアクセスすることを可能とします。
その際、同じシートもしくは他のシートのセルにアクセスすることもできるため、迅速に情報の閲覧に導けるのです。
マニュアルをエクセルで作成するデメリット
マニュアルをエクセルで作成することにはデメリットもあります。ここでは以下の3点について説明します。
- 印刷に手間やコストがかかる
- 小さいデバイスだと確認しにくい
- 更新がリアルタイムでできない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
印刷に手間やコストがかかる
エクセルを印刷する際は手間やコストが生じます。エクセルをそのまま印刷すると、レイアウトが崩れるケースが少なくありません。レイアウトが整った状態で印刷するためには、印刷範囲や余白を変更するなど、設定の必要性が生じるでしょう。
エクセルはそもそも表計算に特化したソフトで、印刷を前提とした仕様にはなっていないため、シートが分かれてしまったり小さくなってしまうことがあります。
印刷時のトラブルを回避するために、場合によっては印刷範囲や余白設定、レイアウトの変更などの設定を行う必要があります。また、情報量が大きい場合は用紙も多く必要になり、用紙の費用やインク代などの印刷コストも発生します。
小さいデバイスだと確認しにくい
エクセルで作成したファイルは、スマホをはじめとする画面の小さなデバイスで確認しづらいといったデメリットがあります。デバイスによっては文字が小さく、読むことが難しかったり、拡大すると部分的にしか読むことができなくなるなど、全体を把握しづらいケースが少なくありません。
エクセルはパソコンで利用されることを前提に作られています。そのため、パソコンを持たない現場の従業員が、エクセルで作成したマニュアルを共有することは不向きといえるでしょう。
複数人での同時編集が容易でない
エクセルを更新する場合、ドライブやチャットツールなどにアップロードする必要があり、リアルタイムで簡単に更新することが難しい仕様になっています。そのため、エクセルでの作業を複数人で行う場合は、最新のデータが共有されている状態にすることが重要となります。
リアルタイムでの情報共有は、タイムラグによる情報の行き違いやコミュニケーション・ロスを減らします。また、複数人でマニュアルを作成する場合など、リアルタイムで情報を共有できる環境は作業効率をアップさせます。
そのため、場合によってはリアルタイムで円滑な情報共有ができるツールが必要とされるでしょう。
エクセルでマニュアルを作成する際のポイント
エクセルでマニュアルを作成する際は以下の3つのポイントを意識しましょう。
- ターゲットを明確にする
- デザインに注力しすぎない
- 誰でも理解しやすい内容にする
ここからは、それぞれのポイントについて解説していきます。
ターゲットを明確にする
マニュアルを作成する前に「誰がこのマニュアルを読むのか」といったターゲットを明確にしておくことは大切です。
マニュアルの内容に関して理解の深い人に向けた作成の際は、専門用語を使用しても問題ありませんが、新入社員や外部の人に向けて作成する場合は、誰でもわかるような言葉や内容にする必要があります。
そもそも誰に向けてマニュアルを作成するかといったターゲットが明確でないと、表記や内容にブレが生じてしまいます。ターゲットの設定は必ず、マニュアルを作成する前に行いましょう。
デザインに注力しすぎない
マニュアルの目的は業務内容や社内ルールを人的リソースを使わずに共有することです。そして、マニュアルのデザインは、あくまでもマニュアルを読みやすくするためのものと理解しておきましょう。
画像や図形などを挿入することは重要ですが、これはあくまでも、マニュアルを分かりやすくするためのものです。凝ったデザインでマニュアルを作ろうとすれば、作成に時間がかかる上に、マニュアル作りが面倒な作業の一つとなってしまいかねません。
マニュアルには、内容をシンプルにわかりやすく伝えることが求められているため、シンプルで伝わりやすいマニュアル作成を意識しましょう。
誰でも理解しやすい内容にする
マニュアルは、多くの人がさまざまな目的を持って活用します。業務内容やルールを理解するために読む人や、すでに把握しているが確認のために読む人などがいます。そのため、誰が読んでも理解できるような内容で作る必要があります。
マニュアルを作成する人が「これくらいは記述しなくてもわかるだろう」と思っても、読む人によってはその情報が初見という場合もあります。何もわからない人に説明するといったような意識で、誰もが理解できるマニュアルを作成しましょう。
エクセルでマニュアル作成を行う際の注意点
エクセルでマニュアルを作成する際は以下の2つに注意しなければいけません。
- 説明文を入力する場所
- シートの分割数
ここからは、エクセルでのマニュアル作りの際に注意すべき点について説明していきます。
説明文を入力する場所
エクセルでマニュアルを作成する場合、以下の3つの形で説明文を入力できます。
- セルに入力する
- 図形内に入力する
- 説明文が記入されている図形・画像を使用する
上記3つの入力方法では「セルに入力する」がおすすめです。マニュアルは共有した後も修正する場合があるからです。また、セル内に記入した文字は検索から探すことも可能です。エクセルでマニュアルを作成するときは、出来るだけセル内に情報を入力するようにしましょう。
シートの分割数
エクセルでマニュアルを作成する際、シートの分割数は多すぎない方がよいでしょう。シートの分割数が多すぎると管理が難しくなるからです。情報量が多くなる場合は、エクセルの機能のひとつである「アウトライン」を使うこともひとつの方法です。
アウトラインを使うと、ワークシートの左側に「+」が表示され、クリックすると折りたたむことができるため、マニュアルの内容ごとに整理するなどシンプルに管理することができます。
エクセルでマニュアルを作成する際に使えるテンプレート
エクセルでマニュアルを作成する際に、あらかじめフォーマットが整っているテンプレートを使うと容易に作ることが可能です。ここでは無料で使えるマニュアルが掲載された下記の3つのサイトを紹介します。
- Office テンプレート
- Excelフリーソフト館
- テンプレートの無料ダウンロード
このサイトで紹介しているOffice テンプレートは、マイクロソフト社が提供している無料のテンプレートです。どれも簡単な操作方法で利用することができ、さまざまな種類とデザインのテンプレートが 2,000点以上公開されています。
ビジネスシーンで使えるテンプレートも多種、用意されているので、マニュアル作成に応用できるテンプレートを探してみましょう。
Excelフリーソフト館は、エクセルで作成できるマニュアルのテンプレートを公開したサイトです。
無料版のテンプレートには表紙、目次、本文があらかじめ設定され、業務マニュアルの作成に向いています。なお、Excelや互換性のあるソフトがインストールされていることが動作条件とされています。
テンプレートを無料でダウンロードできるこのサイトでは、作業マニュアルや営業トークマニュアル、危機管理マニュアルなど、さまざまな場面で使えるテンプレートが提供されています。
作り方や例文の雛形も添付され、利用のための登録は不要です。無料でダウンロードし、利用することが可能となっています。
おすすめのマニュアル作成ツール3選
最後におすすめのマニュアル作成ツールを3つ紹介します。エクセル以外のツールでマニュアルを作成したい人はぜひ参考にしてください。
1.tebiki
「現場の教育を、動画でもっとかんたんに」といったスローガンのもと、動画でマニュアル作成することを強みとする「tebiki」。tebikiの基本情報はこちらです。
提供元 | Tebiki株式会社 |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
tebikiは、スマホで業務シーンを撮影することでマニュアルを作成できるツールです。自動で字幕も付けられるため、聴覚と視覚で伝えることが可能です。また、自動翻訳機能も搭載されているため、外国人労働者を雇用する会社での活用も期待されます。
さらに、tebikiは導入を成功させるためのサポート支援も実施。導入計画の策定や定着支援、トラブルの対応などを迅速に行ってくれるため、マニュアルの浸透に課題がある企業でも安心して利用できるでしょう。
このツールはこれまで、製造業や介護、接客業、営業職など、さまざまな業界・職種の企業に導入され、2021年12月時点での継続率は99.5%。動画でのマニュアル作成を考えている企業はtebikiの利用がおすすめです。
2.ココミテ
ココミテはオンライン上でマニュアルの作成から管理までをできるマニュアル作成ツールです。
提供元 | コニカミノルタ株式会社 |
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初期費用 | 71,500円(税込、初期登録料)
※30日無料トライアルあり |
料金プラン | ・エントリープラン(編集者3人、閲覧者0人) 月額:24,200円(税込) 年額:242,000円(税込)・スタンダードプラン(編集者20人、閲覧者100人) 月額:66,000円(税込) 年額:660,000円(税込) ・エンタープライズプラン(編集者100人、閲覧者500人) ※大規模以上のプランは要問い合わせ |
導入実績 | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
ココミテのマニュアルには基本的なレイアウトが設定されており、この配置に沿って内容を入力するだけで、簡単かつスピーディに見やすいマニュアルを作成。PCやスマートフォン、タブレットなどのマルチデバイスに対応しています。
マニュアルは印刷することも可能なので、研修など紙面での配布しか出来ない場面でもマニュアル提供が容易です。また、管理機能も優れており、フォルダごとにアクセス権限を設定し、担当者を分けてマニュアルを管理することもできます。
また、リンクへのアクセス以外にQRコードの生成もできるため、スマホでも閲覧が可能です。ココミテは30日間の無料トライアルを実施しているため、導入のハードルも低いといえるでしょう。マニュアル作成ツールの導入を検討している企業は、ココミテのトライアルを検討してみましょう。
3.Teachme Biz
Teachme Bizは画像と動画の両方でマニュアルを作成できるツールです。Teachme Bizの基本情報はこちらです。
提供元 | 株式会社スタディスト |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
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導入実績 | 製造業やIT・情報通信業・公務など 詳細は要問い合わせ |
機能・特徴 | ステップ構造、PC画面、動画キャプチャ、動画・画像編集、PDFエクスポート |
URL | 公式サイト |
Teachme Bizの特徴は分析機能にあります。一般的なマニュアルツールは作成から管理までが主な利用用途ですが、Teachme Bizは閲覧や検索ログなどを分析することができます。どのようなキーワードで検索されたか、マニュアルが根づいているかをアクセスログなどで、確認する事ができます。
また、よく検索される単語をマニュアル化するなど、従業員が本当に求めている情報を分析し、提供するための効率的な運用を目指せることが特徴です。アクセス傾向の分析は業務の効率化にもつながります。
Teachme Bizはさまざまな業種の多様な課題を持った企業に導入されており、無料トライアルで利用することも可能です。
ポイントを押さえてエクセルで使いやすいマニュアルを
本記事では、エクセルでマニュアル作成を行う手順とポイントを紹介してきました。簡単にマニュアルを作成したい場合はマニュアル作成ツールを利用するとよいでしょうが、ポイントさえ押さえれば、市販のツールを利用せずエクセルでマニュアルを作成することができます。
費用をかけず、簡単にマニュアルを作成したいときは、無料で使えるエクセルのテンプレートなどを利用し、本記事を参考にマニュアル作成にトライしてみましょう。
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