【基本】見やすいマニュアルの作り方!失敗しないコツやポイントも解説

最終更新日時:2022/12/07

マニュアル作成ツール

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社内でも活用するマニュアルを作成するには、いくつかのコツやポイントを押さえておくことが必要です。本記事では、マニュアルの作り方や失敗しないコツ、ポイントなど詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

見やすいマニュアルを作る重要性とは?

マニュアルは、組織内の情報共有や業務の標準化において欠かせないツールです。また、その重要性はテレワークの普及が拡大したことにより、さらに高まっているともいわれています。

ただし、マニュアルは単に業務の流れを「書き連ねる」だけでは意味がありません。

マニュアルを利用する人の視点に立って、見やすく・わかりやすい内容にすることが大切です。また、該当する作業の説明だけでなく、一連の業務といった全体像を盛り込んでおくことで、その作業の効率が上がることもあるでしょう。

そのためマニュアルは、ちょっとした工夫が作業の効率や利便性に影響することを考慮しつつ作る必要があるのです。

マニュアルの作り方を押さえる前に確認したい4つのメリット

マニュアル作りについて詳しく解説する前に、なぜマニュアルを作る必要があるのか、マニュアル作成の4つのメリットについて、さらに詳しく解説していきます。

1.業務時間の短縮

初めての業務であれば、手順や進め方が分からないのは当然です。その場合、業務に慣れた社員による指導が必要となりますが、作業が複雑であればあるほど、1度で覚えるのは困難です。

完全に慣れるまでは、相応の時間を要することになり、その間は「業務の効率化」や「作業のスピードアップ」は難しくなります。しかしながら、マニュアルが整備されていれば、1度のレクチャーで全体と概要を把握しつつ、その後は、一人で作業を行うことも可能です。

迷った時の「確認」も自身でマニュアルと照らし合わせながら行えるため、作業スピードも速まるでしょう。

2.品質の均一化

マニュアルを作成することで、業務手順が明確になり、誰もが同じように業務を行えることも大きなメリットです。

業務の品質を均一にするだけでなく、パフォーマンスの高い社員の作業方法や業務フローをマニュアルに盛り込むことで、業務全体の品質を「底上げ」することも可能です。

人を選ばずとも業務の品質が確保できるようになれば、包括的な業務効率の向上が見込めるのはもちろんのこと、安定的なサービス・製品の提供にもつながるでしょう。

3.属人化によるリスク防止

特定の人のみが業務の内容を把握している状態である属人化は、当該社員の退職によって業務が滞ってしまう、ミスに気づけない、適切な品質管理ができないといった、さまざまなリスクを発生させます。

マニュアル作成は、こういった業務のブラックボックス化によるリスクの防止にも役立ちます。

4.教育コストの削減

マニュアルがない状況では、業務の方法を教育する度に、教育する人材の確保やレクチャーを行う時間などのコストが発生します。

業務内容がわかるマニュアルを作成していれば、1から教育する時間がなくなり、教育する側・教育される側の時間や人件費のコストが削減できるでしょう。

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マニュアルの作り方・全手順

ここからはマニュアルの作成手順について説明していきます。以下の手順に則って作成することで、誰でも活用しやすいマニュアルが作成できるでしょう。

マニュアル完成までのスケジュール確認

マニュアル作成を行う前に、まずは全体のスケジュールを確認しましょう。

たとえば、業務の引き継ぎなどでマニュアルが必要なのであれば、その時期に併せて、1日に作成に充てられる時間などを考慮しつつスケジュールを組むことになります。

マニュアル作成は、多くの場合、日々の業務をこなしつつ作成していくものです。丁寧でわかりやすいマニュアルを作るためにも、スケジュールは計画的に考えるようにしましょう。

情報収集と整理

業務の手順書としてのマニュアルであれば、まず、その業務内容を正確に把握することが重要です。

また、機械やシステムなどの操作マニュアルを作成する場合は、業務についてのリテラシーの差にも配慮し、「無意識的に行っている判断」や「一部の社員にしか伝わらない単語」についても、注意しながら情報を整理していく必要があります。

テーマ・構成を設計

業務フローのなかの「1作業」に対するマニュアルを作成する場合は、構成に業務フローの全体像を盛り込むことで、作業の理解度が上がることもあります。

また、マニュアルに記載された作業が、そのほかの業務でどのように活用されるのかを知ることで、新たな業務改善が生まれることも考えられます。構成や追加すべき要素などは、業務や使用される場面などを考慮して、柔軟に工夫しましょう。

フォーマットの統一

マニュアルのフォーマットを統一することは、マニュアルを使用する側の「視認性」や「理解度」の向上につながります。

また、フォーマットを統一することで作成する際の時間短縮や作成効率の向上も期待できるでしょう。

仮運用・フィードバック

新たに作成したマニュアルは、必ず利用者からフィードバックをもらうようにしましょう。

実際に現場で使用してもらい、記載の手順に不足がないか、わかりにくかった表現がないかなどを確認し、アップデートするようにします。

マニュアルの作り方で押さえておきたい6つのポイント

さらにマニュアルを作る際には、以下の6つのポイントを意識しておくことも重要です。

1.わかりやすい表現を意識する

システムの操作説明などでは、「右から2番目のボタン」などのテキストによる表現ではなく、画面のキャプチャ画像などを多用しつつ、視覚的に手順を説明するようにしましょう。

マニュアルでは、文字量が多くなればなるほど、理解度や活用される頻度が下がる傾向にあるといわれてます。もちろんマニュアルの内容にもよりますが、なるべく文字量は最小限に抑え、「視認性」の高いデザインを心がけるようにしてください。

2.利用者に合った言葉を選ぶ

マニュアル作成には利用者をあらかじめ想定することが大切です。

読み手が、ビジネス経験や業務についての知識が浅い新入社員の場合は、特に簡単な言葉で説明する必要があります。利用者の視点が欠けたマニュアルは、せっかく時間をかけて作成しても活用されなくなってしまうでしょう。

3.階層構造にする

業務と作業の階層構造を整理しておくことも重要です。

業務においては、1つの目的を達成するために、A→B→Cという作業の段階、つまり「階層」があり、それぞれの作業を別の担当者が行うケースも少なくありません。また業務が複雑になればなるほど、この階層が増えていくことになります。

そのため、マニュアルも階層によって区別しておき、作業のパートごとに目次などをつけて整理しておく必要があります。階層構造になっていることで、閲覧する際も「必要なマニュアル」がすぐに見つかるでしょう。

4.視覚的要素を用いる

画像のほか、イラスト、挿絵、図、表などを効果的に使用するのも良いでしょう。文章だけの内容では、手順の中の重要なポイントが読み飛ばされてしまう場合もあります。

視覚的な要素を取り入れたマニュアルは、理解度が高まるだけでなく、ミスの発生を防ぐための「注意書き」としても役立つのです。

5.マニュアル内の情報の検索性を高くする

マニュアルを探すために、多くの時間を要するようでは、業務効率化の取り組みとして本末転倒です。そのため、マニュアルは、検索性を高めておくことも重要です。

マニュアルに目次を作成するだけでなく、目次に使用する言葉も必要とされるシーンを考慮した「見出し」にすると良いでしょう。

6.具体的な判断基準を記載する

業務には、「経験値による無意識的な判断」が含まれている場合も珍しくありません。

しかし、マニュアルに記載された判断基準が不明瞭であると、マニュアル運用のメリットである「業務の標準化」や「業務品質の向上」は期待できなくなってしまいます。

これまで無意識的に行っていた判断も、一定の「基準」は存在するはずです。それらの基準は必ず言語化し、明確に記載するようにしましょう。

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マニュアルの作り方で失敗しない3つのコツ

マニュアルを作成しても実際に使われていないというケースは少なくありません。ここでは活用されるマニュアルを作るためのつのコツについて説明していきます。

1.テーマや要点を明確にする

マニュアルは、「必要なことのみを簡潔に見やすく」が基本です。長々と書いても読まれなくなってしまうことを認識しておきましょう。

また、特に注意すべき点などは、文字のカラーや大きさを変える・イラストを活用して目を引くようにする工夫をすることも活用されるマニュアルにするために必要です。

2.完璧を目指さない

マニュアルは、最初から完璧である必要はありません。作成したマニュアルを、実際に運用しながら、フィードバックをもらい修正を行いましょう。

マニュアルの内容は常に更新されるもの、と考え完璧なマニュアルではなく、使われ続けるマニュアルを目指しましょう。

3.情報共有を重視する

マニュアルには、常に最新情報が記載されている状態を保つことも「マニュアル運用」を組織に定着させるためには重要です。

そのためマニュアル作成は、変更点を迅速に把握することのできる社員が行うことが理想であり、また、利用者や作成者だけでなく関係各所にも「マニュアル」の意義と目的を共有しておく必要があるでしょう。

マニュアルが「常に最新の業務フローを確認できる資料」となることで、マニュアルの活用がさらに活性化されるようになるはずです。

マニュアルの作り方が上手い人のテクニック

では、利用者が読みやすい、使いやすいと感じるのは、具体的にどのようなマニュアルなのでしょうか。

ここでは、マニュアル作りが上手い人に共通するテクニックを紹介していきます。

5W1Hを明確にする

5W1Hを明確にすると、伝えたい情報が整理されたマニュアルが作成できます。

5W1Hとは「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」の英単語の頭文字をとったものです。

これらの要素を業務内容に応じて盛り込むことで、情報に過不足のないマニュアルが完成します。

曖昧な表現は避ける

複数の解釈ができるような曖昧な表現は、ミスの引き金となります。

また、曖昧な表現ばかりで、判断ができず「聞いた方が早い」「読んでもよく分からない」ようなマニュアルであれば、そもそも作る意味がありません。

マニュアルは、(見ただけで)誰もが理解でき、同じ作業が可能になるものであることを改めて認識した上で作成するようにしてください。

一文一義でシンプルな表現を使う

一文一義とは、「一つの文章に一つの情報だけ」を記載することです。

一文にたくさんの情報を記載すると、利用者の読解力や理解度が低下します。このような利用者の混乱を防ぐために、余計な情報を削ぎ、シンプルな表現を心がけましょう。

見出しのフォントにもこだわりを持つ

マニュアルの読みやすさ向上のために、見出しは、文字の大きさやフォントにもこだわりましょう。

見出しに限らず、重要なポイントの文字を大きくしたり、太字にしたりするだけでも視覚的な変化をもたらします。読みやすいマニュアル作成において「視覚的な要素」は、非常に重要な要素です。

画像やイラストを適度に活用する

直感的な理解を促すために効果的な画像やイラストも適切に活用しましょう。

機械やシステムの操作説明などは画像を利用するほか、注意してほしい点には同じイラストを使用し、同じ位置にまとめるといった工夫をすることで、視認性を高め、読み飛ばしを防ぐことも可能です。

チェックリストをつける

マニュアルに工程の漏れや、手順の確認を視覚的に行うことができるチェックリストを記載するのも良いでしょう。

チェックリストは、ミスを未然に防ぐだけでなく、業務にある程度慣れた段階においても「最終確認」としてマニュアルが運用されるようになるため、マニュアルの定着化にも貢献するでしょう。

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マニュアル運用時の注意点

マニュアルを運用する際にも、いくつか気をつけたいポイントがあります。

ここからは、マニュアル運用時の注意点について説明していきます。気をつけたいポイントを事前に理解しておくことによって、より効果的なマニュアル運用ができるはずです。

完成後は必ず共有する

マニュアルが完成したら、必ず共有するようにしましょう。よりよいマニュアルを作成するためには、実際の利用者からのフィードバックが必要です。

また、マニュアルの組織全体への共有は、第三者による新たな改善点の発見にもつながります。

役職の高い人が率先して使用する

作成されたマニュアルは、リーダーなどチームを率いるポジションの人から率先して活用するようにしましょう。

マニュアルは、運用と改善というサイクルを繰り返し行うことが重要です。つまり、マニュアルは、運用しなければ意味のない取り組みになってしまうのです。

運用を定着させるためにも、役職者自身が積極的にマニュアルを活用するようにしてください。

クラウドで管理する

マニュアルは、「情報共有」や「バージョン管理の簡略化」、「情報更新の容易さ」などの面から、紙ではなくデータ化し、クラウドで管理するのがおすすめです。

クラウド管理であれば、複数人でのマニュアルの編集も一つの画面上で行えるため、内容を更新するためにデータをやり取りするといった手間が発生することもありません。

定期的に更新する

内容が古いマニュアルは、活用されないだけでなく、ミスやトラブルの原因にもなりかねません。

マニュアルのリリース後は、3ヶ月に一度、半年に一度といった期間を決めて確認・更新するルールを設けましょう。

マニュアルの作り方で重要なコツやポイントを押さえておこう

マニュアルは、企業規模や業界を問わず、一般的に運用されている業務効率化や標準化の取り組みです。しかし、適切に運用されているか、活用されているか、といった視点で見てみると、必ずしもそうでない場合も多いでしょう。

マニュアルは、適切に運用することで、単なる手順書以上の「品質向上」を目指すこともできる仕組みです。

ここで紹介したマニュアル作成のポイントや書き方などを参考に、ぜひ、活用される効果的なマニュアルを作成しましょう。

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