中小企業は総務をアウトソーシングすべき!必要な理由やメリット・デメリット

最終更新日時:2023/06/12

アウトソーシング

中小企業の総務アウトソーシング

企業活動を縁の下で支える総務業務。昨今、人手不足や費用の問題から、総務アウトソーシングの普及が進んでいますが、じつは中小企業こそ総務アウトソーシングを活用すべきです。本記事では、中小企業において総務アウトソーシングが役立つ理由、活用するメリットやデメリットについて解説します。

なぜ中小企業において総務アウトソーシングが必要なのか?

アウトソーシングは「外部委託」という意味で、総務アウトソーシングは、社内の総務業務を外部の専門業者に委託することです。

中小企業で総務業務をアウトソーシングすべき理由は、少子高齢化にともなう労働人口の減少により、社会全体が慢性的な人手不足が起きているためです。特に中小企業の場合、大手企業に比べると人材が集まりにくく、1人の従業員が本来の業務と総務業務を兼任するケースも少なくありません。

このような背景から、限られたリソースがコア業務に専念できる環境を整備するために、総務をアウトソーシングする必要があるのです。

総務アウトソーシングとは?メリット・デメリットや料金相場を解説

中小企業が抱える総務業務の課題

ここからは総務業務における中小企業が抱える課題について紹介していきます。

  • 社長が総務業務を担当している
  • 業務量に対してリソースが足りていない
  • 業務の効率化が進んでいない

社長が総務業務を担当している

人的リソースの少ない中小企業では、社長自らが総務業務を担当するケースが多く見受けられます。

しかし、社長本来の務めは、経営計画の立案、資金調達など、企業を成長に導くことです。

社長の総務業務兼任は、単に業務量が増加するだけでなく、企業の成長を阻害する要因にもなりかねません。これでは、会社を経営する意味がないともいえるでしょう。

業務量に対してリソースが足りていない

総務の業務内容は企業によって異なりますが、リソースが少ない中小企業では業務の細分化がされず、人事、経理、労務のほか、来客対応など雑多な業務を任される傾向にあります。

業務量の多さは、リソースとって大きな負担です。いわゆる「何でも屋」のような状況も、「雑用ばかり」という不満、仕事への意欲低下にもつながるでしょう。少ないリソースを生かすためには、ノンコア業務に対処しなければなりません。

業務の効率化が進んでいない

IT技術の導入など、多くの企業で業務のデジタル化が進んでいます。

しかし、中小企業では経費的な問題もあり、総務部門にまで手が回りません。業務は人頼み、データ化できるファイルもアナログで保存されている状態で、検索や更新にも時間がかかります。

このような非効率な業務を社内リソースに担当させていたのでは、生産性の向上は望めません。だからこそ、総務アウトソーシングを活用するべきなのです。

中小企業における総務アウトソーシング活用のメリット

中小企業が総務アウトソーシングを活用する意義が見えてきました。ここで、具体的なメリットについてもう少し掘り下げてみましょう。

  • 社内リソースがコア業務に専念できる
  • 専門知識を活用できる
  • 総務業務にかかる費用や手間が削減できる
  • 総務業務の品質向上に期待できる
  • 総務業務のブラックボックス化を防止できる

社内リソースがコア業務に専念できる

備品管理や来客対応などの総務業務は、企業を運営するうえで必要不可欠ですが、直接利益につながるわけではありません。中小企業のように総務業務とコア業務を兼任するケースでは、コア業務を後回しにせざるを得ないこともあります。社長が兼任するに至っては、企業にとって大きな痛手でしかありません。

しかし、総務業務のアウトソーシングは、社長や社内リソースが本来の業務に専念できる環境を生み出します。その結果、生産性や売上の向上、従業員のモチベーションがアップすれば、企業にとってこれ以上のメリットはないでしょう。

専門知識を活用できる

総務アウトソーシングのスタッフは、総務業務に精通しています。質の高い仕事が期待できることはもちろん、毎年のように実施される法改正や制度変更にも、迅速な対応が可能です。

仕組みや背景をしっかり理解して取り組まねばならない法改正や制度変更への対応は、不慣れな従業員にとって、精神的な負担も大きくなります。

専門的な知識な知識を持つ総務アウトソーシング業者への依頼は、リソースの負担を軽減できるだけでなく、自社の制度整備もスムーズに進められるでしょう。

総務業務にかかる費用や手間が削減できる

総務アウトソーシングを活用すれば、自社で総務担当者を採用したり、育成したりする必要がなく、人件費が削減できます。総務業務のために導入していたITツールが不要になれば、その費用も必要ありません。

また、総務アウトソーシングは、必要な期間に必要な業務だけ依頼することができます。

例えば経理業務なら、決算の時期は人手が欲しいものの、ほかの時期は1人で十分ということもあるでしょう。この場合、人件費を固定して担当者を配置するよりも、繁忙期だけアウトソーシングして変動費化したほうが、費用対効果が期待できます。結果的に、経費削減につながるということです。

総務業務の品質向上に期待できる

定型作業の多い総務業務は、注意力や集中力の低下による人的ミスが発生しがちです。しかし、業務に長けたスタッフに依頼できる総務アウトソーシングなら、人的ミスも起こりにくくなるでしょう。

さらに、アウトソーシングスタッフとして蓄積してきたノウハウやナレッジも保有しているので、業務全体の品質向上にも期待できます。

総務業務のブラックボックス化を防止できる

リソースの少ない中小企業では、ノンコア業務の総務を特定の従業員が長く担当し、ブラックボックス化しやすい傾向にあります。

ブラックボックス化は、担当者が欠勤したり退職したりした際、業務の停滞を招く恐れがあり、注意が必要です。

しかし、総務アウトソーシングを活用すれば、業務担当者が不在ということはありません。これも、総務業務をアウトソーシングするメリットのひとつといってよいでしょう。

アウトソーシングと人材派遣の違いとは?特徴やメリット・デメリットを解説

中小企業における総務アウトソーシング活用のデメリット

中小企業の総務アウトソーシング活用にはメリットがありますが、デメリットがないわけではありません。主なデメリットを確認しておきましょう。

  • 総務業務のノウハウが社内に蓄積されない
  • 情報漏洩の危険がある
  • 業務に対する融通がききにくい
  • 業務内容のチェックが難しい

総務業務のノウハウが社内に蓄積されない

総務アウトソーシングは、業務を外部委託するという性質上、ノウハウが社内に蓄積されません。ノウハウが蓄積されていないと、業務を社内に戻そうとしたとき、あるいは委託先が倒産したりサービスを終了したりしたときに、スムーズに対処できない可能性があります。

自社に不利にならないよう、委託先との定期的なコミュニケーションをとる、必要に応じて報告書を提出してもらうなどの対策を講じることが大切です。

情報漏洩の危険がある

人事や経理処理では、従業員の個人情報や取引先情報も含めた機密情報を委託先に渡すことがあります。

情報のやり取りに関しては、委託先のセキュリティ体制が万全であっても、漏洩リスクがゼロとは言い切れません。たとえ委託先のミスで情報が流出したとしても、社会的に責任を負うのは自社です。

情報漏洩のリスクに対処するためにも、プライバシーマークの有無など委託先のセキュリティ体制を確認しながら、慎重に業者の選定を進めていきましょう。

業務に対する融通がききにくい

社内で総務業務を行えば、自社独自の工程を取り入れることも、業務内容の急な変更への対応も可能です。

しかし、総務アウトソーシングの場合、委託先のノウハウや手順があります。「自社の方法を反映してくれない」「自社の事情をくんでもらえない」など、融通がきかない点はデメリットです。

また、対応できる業務範囲は総務アウトソーシング事業者によって異なるため、人事を依頼した業者に経理を追加しようとしても、受けてもらえるとは限りません。

総務アウトソーシングを活用する際は、自社が委託したい業務内容と委託先の対応内容がマッチしているか、自社の事情や指示に対する柔軟性はあるかなど、細かく確認して契約することが大切です。

業務内容のチェックが難しい

総務アウトソーシングでは、業務工程や進捗状況のチェックが難しいというデメリットもあります。チェックできずに成果物を見た段階で、業務品質の低さに気づくこともあるでしょう。

このようなデメリットには、委託先の業務品質を見極めて対処する必要があります。委託先の得意業務、実績や口コミ、業務状況のチェック方法を確認しながら、自社に不都合のない委託先に依頼するようにしましょう。

アウトソーシングをするメリット・デメリット|導入を判断する方法

中小企業におすすめの総務アウトソーシング5選

総務アウトソーシングの活用には、中小企業の課題解決につながるさまざまなメリットがあります。中でもおすすめの総務アウトソーシングを紹介するので、検討の参考にしてください。

1.Chatworkアシスタント

Chatworkアシスタントは、必要なタイミングで必要な作業だけを、月10時間から依頼できる総務アウトソーシングです。最短で即日開始ができ、急な人手不足にも対応できます。

また、依頼できる業務内容が、総務のほか、経理、労務、営業、Web制作、採用など幅広いことも特徴です。自社の必要に応じて業務を組み合わせられるため効率がよく、高い費用対効果が期待できます。

提供元Chatwork株式会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン
  • 1ヶ月プラン:47,000円~/月
  • 3ヶ月プラン:45,000円~/月
  • 6ヶ月プラン:40,000円~/月
  • 年間プラン:35,000円~/月
  • カスタムプラン:要問い合わせ
機能・特徴
  • 事務や提携作業だけでなく、秘書、経理、労務、人事、営業、Web制作などの専門領域にも幅広く対応
  • 契約時間内で、複数の業務を組み合わせた依頼が可能
URL公式サイト

2.フジ子さん

フジ子さんは、さまざまなバックオフィス業務を遠隔でサポートしてくれる総務アウトソーシングです。パソコンで行う業務であれば、一般的なアシスタント業務から専門性の高い業務まで、幅広く依頼できます。

また、最新のセキュリティ技術を応用し、徹底したセキュリティ対策が講じられている点も、同サービスの魅力です。

提供元BPOテクノロジー株式会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン
  • トライアル:無料
  • PLAN20(20時間/月):51,700円(税込)/月
  • PLAN30(30時間/月):75,900円(税込)/月
  • PLAN50(50時間/月):10万8900円(税込)/月
導入実績累計1,000ユーザー以上
機能・特徴経理、秘書・総務、人事のほか、Webページの編集、SNSの運用代行などWebサイト運用の依頼も可能
URL公式サイト

3.HELP YOU

HELP YOUは、バックオフィス業務に特化したオンラインでの総務アウトソーシングサービスです。厳しい採用基準をクリアしたスタッフが在籍しており、1人では対応できない業務でも、同サービスはチームで対応してくれます。

また、必ず専属ディレクターがつくため、ノウハウの蓄積や円滑なコミュニケーションが可能です。

提供元株式会社ニット
初期費用要問い合わせ
料金プラン
  • チームプラン(実働30時間):10万円/月
  • 1名専属プラン(実働60時間):15万円/月
  • ロボットプラン:30,000円~/月
導入実績600社以上
機能・特徴
  • 総務、経理、人事・採用、営業サポート、ECサイト、マーケティングなどに幅広く対応し、組み合わせ依頼が可能
  • オンラインによる簡単導入を実現
URL公式サイト

4.Web特命係

Web特命係は、必要なときに必要なだけの労働力を追加するためのアウトソーシングです。日常的なバックオフィス業務を依頼することで、コア業務に集中しやすい環境を構築できます。

また、同サービスでは「何を依頼すればよいか分からない」といった企業向けに、対応可能な範囲内で総合的なサポートを受けられる総合サービス・コンサルティングが提供されている点も魅力です。

提供元株式会社米岡
初期費用要問い合わせ
料金プラン
  • 特命係mini(5時間/月):17,600円(税込)/月
  • 特命係Standard(20時間/月):62,700円(税込)/月
  • 特命係Plus(50時間/月):14万8500円(税込)/月

都度見積もり:要問い合わせ※最低利用可能金額3,300円(税込)~

機能・特徴
  • 経理、採用、Web制作・運用、総務・事務アシスタントなど幅広くサポート
  • 総合サービス・コンサルティングでゼロベースでの相談も可能
URL公式サイト

5.NOC総務アウトソーシング

NOC総務アウトソーシングは、業務改善と業務効率化を推進し、コア業務に専念できる環境構築に役立つ総務アウトソーシングです。庶務業務や労務管理に対応しており、コスト削減にもつながります。

また、同サービスの導入によって社内リソースをより効果的に活用できるようになるため、働き方改革、DX推進、ペーパーレス化の実現にも期待できます。

提供元NOCアウトソーシング&コンサルティング株式会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
導入実績1,000社以上
機能・特徴
  • 庶務業務、労務管理、コスト削減、ファシリティマネジメント、ITなどに対応し、複数の業務を組み合わせた依頼も可能
  • 徹底したヒアリングを実施しての業務設計
URL公式サイト

総務アウトソーシングを活用し中小企業が抱える課題を解決しよう

人的リソースが少ない中小企業には、コア業務と総務業務を従業員が兼任する、社長が総務業務を担当するなどの課題が生じています。本来の業務に専念できなければ、企業の生産性は上がりません。その課題を解決してくれるのが総務アウトソーシングです。総務アウトソーシングを活用し、社内リソースがコア業務に専念できる環境を作りましょう。それが、企業のさらなる向上につながります。

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