総務アウトソーシングとは?メリット・デメリットや料金相場を解説

最終更新日時:2023/09/29

アウトソーシング

経理アウトソーシングとは

近年企業からの注目も高まっている総務アウトソーシング。しかし、総務アウトソーシングとは具体的にどのようなサービスなのかまだ分からない方も多いでしょう。そこで本記事では、そんな総務アウトソーシングについて、メリットやデメリット、注意点などを徹底解説していきます。

総務アウトソーシングとは?

総務アウトソーシングとは、企業が総務業務を外部業者に委託することです。具体的には「備品管理」「施設管理」「社内・社外広報の発行」「来客応対」「郵便物の仕分け・発送」などの業務をアウトソーシングすることが挙げられます。

ただし、総務は、上記以外にも、どの部署にも属さない業務を担当することも多いほか、人事や経理、広報などの業務の一部を総務部門が担うケースもあります。そのため、非常に広範囲、かつ組織形態によっても業務範囲が異なることから、総務として、アウトソーシングする内容は、企業によりさまざまです。

総務アウトソーシングの種類

総務アウトソーシングには下記2つの種類があります。

  • オンサイト(常駐)
  • オフサイト(遠隔)

オンサイトの場合は、受託先のスタッフが社内に常駐して業務を実施するのに対し、オフサイトは発注元のオフィスなどの自社とは離れた地で総務業務にあたります。

それぞれの形態で一長一短があるので、自社ではどちらが適しているのか考えた上でアウトソーシング先を選ぶようにしましょう。

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総務アウトソーシングが注目されている理由・背景

総務アウトソーシングが数多くの企業から注目されている理由や背景は、大きく2つあります。

人材不足に対応するため

現在、日本では高齢化や労働人口の減少により、人材不足が社会全体の深刻な課題となっています。

そのようななかで総務業務は、マニュアルの作成などにより標準化できる業務も多いことから、アウトソーシングが活用しやすい業務でもあります。ルーティン作業や仕組み化が可能な業務を積極的に外部へと委託することで、組織全体の人的リソースの最適化を図ることができるでしょう。

また、働き方改革やBCPなどの推進は、総務が関わることも多いプロジェクトである一方、日々の業務に追われて先延ばしにしてしまう企業は少なくありません。このような重要な業務も、アウトソーシングによって、これまでの総務業務の負担を軽減することにより、スムーズに実行できるようになります。

生産性向上を実現するため

総務アウトソーシングを導入する際には、まず委託したい業務を棚卸し、業務プロセスを整理しなければならないため、その過程で非効率な作業の問題点や不要な作業が可視化されることがあります。

また、アウトソーシング業者は、総務業務のプロフェッショナルであることから、業務プロセス構築の段階で、業務改善の提案が受けられることもあるでしょう。その結果、アウトソーシングによる人手不足の解消、業務の大幅な見直しによって生産性を高めることができます。

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総務アウトソーシングに依頼できる業務

総務アウトソーシングで依頼可能な業務は幅広く、多岐にわたります。可能な業務としては下記のとおりです。

  • 受付業務
  • 問い合わせへの対応
  • メール対応
  • 在庫・発注管理
  • 庶務業務
  • 安全衛生管理

上記であげた業務はあくまでも一例であり、サービス先によっても異なりますが、総務に関連する幅広い業務に対応してくれます。

自社でアウトソースしたい業務は何かを明確にし、依頼先が対応可能であるかチェックしておきましょう。

総務業務をアウトソーシングするメリット

多くの企業が注目する総務アウトソーシングですが、活用するメリットは主に3つあります。

  • 社内リソースをコア業務に集中できる
  • 業務効率や業務品質の向上につながる
  • 人件費などのコストを削減できる

各メリットについて、詳しく見ていきましょう。

社内リソースをコア業務に集中できる

総務業務をアウトソーシングすることで、人的リソースをコア業務に集中することができます。

総務業務は、業務範囲が幅広いだけでなく、郵便物や文書の管理、備品発注、電話の取次など、迅速な処理が求められるルーティン業務も多く含まれています。企業規模によっては、そのような業務だけでも膨大な業務量となり、人手が追いつかなくなってしまうこともあるでしょう。

しかし、これらのルーティン業務にアウトソーシングを活用することで、企業活動をより円滑にする「土台」として、組織全体の生産性向上のための取り組みなど、本質的な業務に集中できるようになるのです。

業務効率や業務品質の向上につながる

総務業務をアウトソーシングすることにより、業務効率や業務品質を向上させられるのも大きなメリットです。

アウトソーシングの業者は、いわば総務業務のプロフェッショナルです。業者によっては、委託するにあたっての業務プロセス構築の段階から、サポートを受けられることもあります。専門知識やノウハウを豊富に備えているため、効率的な作業が見込めるだけでなく、高い品質も期待できるでしょう。

人件費などのコストを削減できる

利用するアウトソーシングサービスの内容にもりますが、業務に関連したシステムへの投資や運用管理といった費用を自社で一切負担する必要のないサービスを選ぶことで、大幅なコストダウンも実現可能です。

また、アウトソーシングでは、業務量が変動する繁閑に合わせて、委託する業務量を柔軟に調整できるため、余剰人員の発生が防げるなど、人件費を始めとしたコスト削減につなげることもできます。

アウトソーシングをするメリット・デメリット|導入を判断する方法

総務業務をアウトソーシングするデメリット

総務アウトソーシングのサービスには、多くのメリットがありますが、その一方で、デメリットが全くないわけではありません。アウトソーシングを活用する際は、主なデメリットについても把握した上で検討するようにしましょう。

  • 自社にノウハウが蓄積されにくい
  • 情報漏えいのリスクがある

自社にノウハウが蓄積されにくい

外部に委託した業務のノウハウは、当然ながら自社には蓄積させません。また、委託業務については、詳細な業務手順までを常時把握することが難しくなります。

多くの場合、定期的なミーティングや日々のコミュニケーションなどで、情報の透明化が図られますが、例えば、人手不足のため急場しのぎ的にアウトソーシングを活用し、後々は内製化を見据えている、ということであれば、アウトソーシングの運用や管理などは、より気をつける必要があるでしょう。

情報漏えいのリスクがある

総務業務には、従業員の個人情報や給与情報などの機密情報が多く含まれています。

もちろん、アウトソーシング業者には、自社の情報を厳重に管理する義務がありますが、業者によっては、セキュリティや管理の体制が不十分、あるいは、社員教育が行き届いていないケースも考えられます。

自社のみで情報を扱う場合と比べると、どうしても情報漏えいのリスクが高まってしまう点は認識しておかなければなりません。

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総務アウトソーシングの料金相場

総務アウトソーシングの料金体系は、主に「時間単位」と「業務単位」の2つのパターンがあります。

アウトソーシング業者によって異なりますが、時間単位の場合は一般的には時給2,000~4,000円程度が相場といえるでしょう。「時間単位」の料金体系は、主にスタッフ常駐型の業務委託などで適用されており、密なコミュニケーションが取りやすく、業務状況がより把握しやすいというメリットがあります。

一方で「業務単位」の場合は、業務内容・業者・委託元の企業規模によって、料金が大きく異なります。郵便物の発送や書類の整理など、日常的に一定した業務量が発生し、かつ、完全な仕組み化が可能な業務などに設定されることの多い料金体系です。

総務アウトソーシングのおすすめ大手企業8選!費用や導入までの流れ

総務アウトソーシングを活用する際のポイント

ここからは、実際に総務アウトソーシングを活用する際に気をつけたいポイントについて紹介します。

導入目的や依頼する業務範囲を明確にする

総務アウトソーシングを活用する際には、目的と委託する業務範囲、そして、それによりどのような課題を解決するのかをイメージした上で業者選定に着手しましょう。

具体的には、まず、アウトソーシングによって効率化や負担軽減を図りたい業務を明確にします。次に、その業務を完了するために必要なタスクを洗い出し、業務委託する作業と社内で行う作業の線引きをしながら、大まかなフローを設計します。

その後、委託したい業務のアウトソーシングが可能な業者を選定し、実績や予算、コミュニケーション、サポート体制などを精査して業者を決定することで、導入後のミスマッチが発生するリスクを低減することができます。

コミュニケーションが密に取れる体制を構築する

アウトソーシングは、決して「丸投げ」することではありません。

「誰が手を動かすのか」の違いであって、アウトソーシングした業務は、あくまで自社の業務であり、業者や担当者とのコミュニケーションは必須であることを忘れないようにしましょう。

契約時には、定期的なミーティングによるフィードバックや、どの程度の頻度で日々の情報共有が行えるかなども確認し、「任せっきり」といった状況にならないようにすることが重要です。

マニュアルを作成して共有する

総務アウトソーシングを活用する際には、委託する業務のマニュアルを作成し、共有しておきましょう。マニュアルがあることによって、やってほしいことを齟齬なく伝えることができ、イレギュラーな事態が起きた時のトラブル防止もできます。

なお、業務マニュアルに記載すべき内容の一例として、業務の流れ・目的・手順・注意点などです。マニュアルは基準にもなるので、しっかりと作成して委託先の企業に連携して伝えるようにしましょう。

総務アウトソーシングの活用に成功した企業事例

活用が進んでいる総務アウトソーシングですが、実際に導入した企業ではどのような効果があったのでしょうか。総務アウトソーシングの活用に成功した企業事例を紹介します。

日本マクドナルド株式会社

「日本マクドナルド株式会社」は、メール室の業務を担うアルバイトスタッフの管理に課題を感じていました。

特に、急な休みや退職などにより、一定した人員の確保ができず、都度、その穴埋めを総務部門の社員が行っていたため、総務業務に支障をきたしていたのです。

この課題解決のため、メール室業務にアウトソーシングを導入。一定の成果が得られたことから、その後、社内のコミュニケーション活性化のための社内コンシェルジュのアウトソーシングも導入しています。

その結果、安定して「人手」の確保ができたことから、社内の負担が減り社員がコア業務に集中できただけでなく、社内のコミュニケーションの活性化にも成功しています。

キオクシア株式会社

「キオクシア株式会社」は、バックオフィス体制の構築に向けて、総務部門における人材不足が直近の課題でした。

そこで、総務アウトソーシングを導入。導入当初は、常駐派遣スタッフ1名、コンサルタント1名のスモールスタートから始め、その後、外注する業務の範囲を広げていくことで、スムーズな業務委託体制の構築に成功しています。

また、総務業務を委託する過程では、業務のマニュアル化など、仕組み化を並行して進めることで、効率化だけでなく標準化も実現しました。なお、アウトソーシング業者が中心となり立ち上げた「総務カウンター」を組織管理に活かすなど、業務の効率化を図るだけでなく、アウトソーシングをきっかけに職場環境も向上させています。

アウトソーシングの導入事例|成功・失敗からわかる導入のコツ

総務アウトソーシングを活用してコア業務を強化していこう

総務アウトソーシングでは、備品管理、施設管理、社内・社外広報の発行、来客応対、郵便物の仕分け・発送など、幅広い総務業務を外部に委託することが可能です。

総務アウトソーシングを活用すれば、人材不足の解消だけでなく、社員のリソースをコア業務へ集中できるうえに、業務の効率化、業務品質の向上も図ることができます。また、人件費などのコストも削減できるなど、多くのメリットを得られるでしょう。

本記事を参考に、自社にあった最適な総務アウトソーシング業者を選定してコア業務を強化し、より高い生産性を実現しましょう。

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