給与計算に必要なダブルチェックのポイントとミスをなくす防止策とは?

最終更新日時:2022/11/22

給与計算システム

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給与の計算方法を実際の事例をもとにダブルチェックの方法と重要性について解説します。また、給与計算時のミスをなくし、簡単に給与計算が行えるコツやポイント、リモートワークや業務の効率化を実現するために企業として取り組んだ方が良い手法などおすすめ情報を詳しく記載しているため、ぜひチェックしてください。

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給与計算業務は複雑で大変

給与計算業務とひとくちで言っても、その業務内容はとても手間がかかります。

従業員の立場からすれば毎月決まった日に振り込まれて当然の給与ですが、給与計算担当者は振り込みを行うまでに複雑な計算を経て、非常に多くのステップを踏む必要があります。

さらにシステム化されていればまだしも、いまだに手作業で紙やエクセルなどを利用したデータの作成や各種チェックを行う必要があるなど完全な自動化が難しい領域であるのが給与計算です。

そしてもうひとつの理由は、給与の支払い業務における「金額ミスを防ぐ」「期日に間に合わせる」という前提があることです。

給与計算には、正確性が必要とされ、期日を必ず守り、ミスがないよう迅速に処理することが求められます。ここからは給与計算が複雑なものとなり、自動化を阻害する要因をひも解いて解説していきます。

給与計算には従業員情報の更新が必要

給与計算に複雑な計算が多い要因として、従業員の入退社・異動・昇格などの個別情報や扶養家族の情報、勤怠情報、社会保険の情報などが必要であるということがあります。

たとえば、従業員の引っ越しに伴う住所変更であっても、変更内容の確認後に人事マスタを修正する必要があります。さらに、通勤手当(交通費)の変更や住宅手当の算出が必要になり、計算のもととなる人事情報の変更は定期的に行われるものではないため、イレギュラー対応として適切なタイミングで更新する必要があります。

自動化されたシステムを利用していた場合であっても、人事情報を更新するだけでは給与計算に反映できない細かな事情が多い点も、完全な自動化を難しくしている一因と考えられています。

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複雑な計算が多い

多くの企業では、会社の賃金規定に基づいて基本給のほかにも多数の手当という形で多くの給与項目が設定されている場合がほとんどです。

たとえば、毎月の固定的な支給であれば役職手当、通勤手当、家族手当、住宅手当、また企業によっては個人の保有資格に応じて払われる資格手当などが考えられます。これが毎月定められている金額ではなく、変動支給であればその都度計算が必要です。

さらに時間外手当や休日・深夜手当など勤怠データに基づく手当の他、その日の勤務内容に応じて支払われる危険手当といった特別手当がある場合も考えられます。

他にも、福利厚生にかかわる制度や社内制度に応じた支給・控除や生命保険、財形、持株会、持株奨励金、共済会、経費精算、社内販売等に伴う支給・控除などその項目は非常に多くあります。

現在の日本企業では給与で経費的な内容も含めて計算するのが一般的なため、給与計算業務は複雑な業務と言えます。

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雇用形態の違う従業員への支払い

昨今の働き方改革が進められていることよって、その働き方はさまざまです。さらに、正社員とパートやアルバイトなどの雇用形態によっては、締め日や支払日が異なる場合も多々あります。

ひとつの例としては、正社員は当月末締め当月25日払いですが、パートやアルバイトは前月末締め翌月10日払い、というようなサイクルがある場合には、それぞれのスケジュールに沿った計算が必要です。

大きな企業になると、グループ会社や子会社など複数の会社の給与計算をそれぞれ制度の異なる仕組みで給与計算を行う場合もあるため、給与担当者の負担は相当なものとなります。

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給与計算する上でチェックしておきたいポイント

給与計算をする上ではあらかじめ確認しておかなかればならないポイントが多数あります。

  • 新入社員・中途社員はいないのか
  • 昇給・降格した社員はいないか
  • 退職した社員はいないのか
  • 引っ越しによって交通費の金額が変わった社員はいないのか
  • 扶養が変わった社員はいないのか
  • 社会保険料の変更はないか

これら6つのポイントに当てはまる場合には、給与額が変わる可能性が高いので、しっかりと把握して対応しなければなりません。

ダブルチェックの体制が整っているとしても、第三者が把握していないと確認作業が思うように進まないことも考えられます。

給与計算業務に関わる人の全員が把握できるようなチェックシートを作成しておくことをおすすめします。

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給与計算のチェック漏れを防ぐにはジンジャー給与がおすすめ

給与計算業務のチェック漏れや確認ミスを防ぐ上では、クラウド型給与計算ツールのジンジャー勤怠がおすすめです。

ジンジャー給与では、シンプルな見た目と使い勝手の良い操作性が備わっているので、初めての人でも抵抗なく利用できます。

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給与計算業務でダブルチェックが必要な理由

給与計算業務はとても複雑で専門性の高い業務であることにくわえて、定期的に行われる法改正によりさらに正確な計算が求められます。

そのため、一度の確認のみで済ませるのではなく、ダブルチェックで徹底的にミスを防ぐことが大切です。

まずは、給与計算におけるダブルチェックの重要性について、ひとつずつ項目別にみていきましょう。

  • 働き方改革で勤怠管理が複雑化している
  • ヒューマンエラーを完全に防ぐことは不可能
  • 給与計算はミスが許されない

働き方改革で勤怠管理が複雑化している

近年の日本では、働き方改革でさまざまな雇用形態が存在します。例えばフレックスタイム制度やリモートワークを導入している企業が増えているのも現状です。

さらに多様な働き方を受け入れている企業自体も増加傾向にあるため、働き方の多様化で勤怠管理が複雑化しており給与計算業務も複雑になっています。

また、昇給や扶養家族の変更など従業員の環境が変化することもあり、担当者はそれらの事象も考慮して給与を計算をする必要があります。

これらの変更はその都度行う必要があるため大変見逃しやすく、仮に給与計算を一人で行う場合にはミスが生じてしまう可能性が高まります。

そのため、企業や給与計算担当者はダブルチェックを徹底することにより、精度の高い給与計算を行う必要があると言えます。

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ヒューマンエラーを完全に防ぐことは不可能

いくら自動化されたシステムを導入している企業でも、給与計算は少なからず人の手が介入する業務です。

勤怠集計時の記載ミスや申請漏れ、休日出勤や残業の集計ミスなど、勤怠管理や給与計算は特にヒューマンエラーが起きやすい業務です。

人間の脳には限界があり、自分にとって関心がある情報だけに注意を絞り込んでしまう働きがあります。さらに企業によっては、給与計算担当者が複数人いるとは限りません。

このように、本人のチェックだけで給与計算すべての情報を正しくチェックすることは非常に難しいため、ダブルチェックを怠らずにすべての情報をまんべんなく確認して、ミスをなくす努力が必要です。

給与計算はミスが許されない

上記でもお伝えしたように、給与は従業員の生活の支えとなるものであるため、非常に重要で決してミスが許されるものではありません。

給与計算のミスが発生してしまうと、従業員の不満や不信感を募らせることにもつながりかねません。

最悪の場合には思わぬトラブルにつながってしまう可能性があるので十分に注意しておきましょう。

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給与計算のダブルチェックポイント

給与計算には、その方法にいくつかのポイントがあります。

  • 前月と当月の差をチェックする
  • 前年のイベントをチェックする
  • チェックは必ずエビデンス(証拠)を見て確かめる
  • 第3者目線になった気持ちでもう一度チェックする

これらの項目別に、一つずつ解説していきます。

前月と当月の差をチェックする

前月と当月に変更事項はないか、給与計算業務は基本的に前月との変化を反映させる仕事です。

前月と当月の差を比較して「なぜこの項目に差が出ているのか」という項目をまずチェックすれば、未然にミスを防げる可能性が高まります。

前年のイベントをチェックする

次は「前年」に注目してみましょう。給与計算では、年に1回のみの支給や年に1回のみ控除をする処理があります。

例えば「永年勤続」「表彰金課税」「業績報奨金」など、その項目は企業によってさまざまなものがあります。

年に1回のイベントで給与処理をしている場合は、その項目のチェックを失念する場合があるため、給与担当者は年間でもスケジュールを立てて必ず前年の給与をチェックし、特殊な処理をしていないか確認するように努めましょう。

チェックは必ずエビデンス(証拠)を見て確かめる

給与計算のチェックを行う際には、必ずエビデンス(証拠)を確認することに留意しましょう。なんらかの事由で変更するには必ず「エビデンス(証拠資料)」が必要不可欠です。

変更事由によっては、印鑑や電子承認がある場合や稟議、就業規則など「なぜこの処理をしたか」という証拠と給与処理結果が結びついていることが、正しい給与計算といえます。

これを怠り、口頭確認のみで処理を進めてしまうと、ミスが起こる可能性が高くなります。修正や再確認に時間を取られることもあるため、変更事由においては必ずエビデンスをもとに変更を行うように注意しましょう。

第3者目線になった気持ちでもう一度チェックする

給与計算の実務を行っていると、担当者は「あっているだろう」という思い込みで考えてしまう場合もあります。そこで重要なポイントは、「第3者になった気持ちでもう一度チェックする」ということです。

考え方としては「部下が行った給与計算をチェックする」という気持ちで、面倒がらずに最初からチェックしていく作業をイメージするといいでしょう。

このように細かなチェックを行うと、意外なミスに気づいたり思い込みや勘違いを正せる場合が多いです。

給与計算のチェックミス防止の具体策

これまで上記にてご紹介した給与計算のよくあるミスですが、では具体的にこのようなミスをどのように改善すれば良いのでしょうか。ここからは、その具体的な解決策をひとつずつ見ていきましょう。

  • 従業員の生活環境変化を迅速に把握する
  • 従業員の働き方を把握する
  • 企業全体の支給額を把握する
  • 複数人で給与計算業務を行う

従業員の生活環境変化を迅速に把握する

よくあるミスとして何度も取り上げてきましたが、従業員個人の生活環境の変化で起こるミスを回避しましょう。給与担当者は従業員の生活環境変化を迅速かつ正確に把握する必要があります。

しかし、現実には生活環境に関する申請漏れがあったりする場合がほとんどです。

給与計算担当者は、社会保険料の計算方法や労働条件をすべて把握している必要がありますが、環境の変化にもすぐに対応できるように、常にアンテナを張っていることも重要なポイントと言えます。

手作業で給与計算を行っている企業の場合は、システム化により人事担当者の依存度を減らすことができ、給与計算ミスの低減につながるので、給与計算ソフトの導入を検討してみるのもよいでしょう。

従業員の働き方を把握する

近年の働き方改革により、従業員の働くことへの価値観も多様化しました。企業側も多様な働き方を支援するために、リモートワークなど柔軟性の高い給与体系を導入するようにもなりました。

しかしこれらは、今までの給与計算をより煩雑にすることにもつながっていると考えられます。

このため、給与計算システムにも従来の方法とは異なる設定の柔軟性が求められています。

例えば給与計算ソフト導入を検討するなど、あらかじめ給与計算システムに設定をしておくことで、変更があった場合にも自動で計算に反映させることができます。

細かな点に着目することで、ミスのない給与計算につなげることができるでしょう。

企業全体の支給額を把握する

給与計算のチェック業務をミスなく効率的に行うためには、まずは企業全体の支給額の差異を把握したうえで確認することが重要です。最初からいきなり個人レベルで詳細の確認をしているとチェック業務は膨大になり、計算ミスをする可能性が高くなります。

給与計算システムによっては、前月度との支給額の差異がある部分を可視化できるものもあります。変更があった箇所を確認できればチェック業務は格段にはかどるため、効率化のためには担当者が確認しやすい仕組みを作ることも重要なポイントになります。

同時に、給与計算システムにはさまざまな条件により照合表を出力できるため、前月比較や従業員ごとの条件を指定して、条件に合致した従業員のみを抽出することも可能です。給与計算ソフトを使うと、チェック業務の確実性と効率性を向上させることができます。

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複数人で給与計算業務を行う

ここまでお伝えしてきたとおり、給与計算には複数のチェック項目があり、処理も煩雑になりがちです。たとえば一人の担当者のみで業務に取り組むのではなく、複数の担当者がいればダブルチェックもスムーズに行え、ミスも軽減されると考えられます。

給与計算業務には計算という文字が含まれることからも、今まではエクセルが使われてきたケースがほとんどでしょう。

今後給与計算ソフトの導入を検討されるのであれば、こういったエクセルベースのフォーマットになっているものを選ぶと直感的に操作が行え、少人数での給与計算にも大いに役立ちます。

そのことが給与計算業務において、各担当者の混乱を避け、給与計算ミスを回避することができると考えていいでしょう。

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正確な給与計算をするには給与計算ツールの活用がおすすめ

給与計算は毎月発生する業務であり、月毎に従業員のステータスも変化していくので、支給額や控除額などが変動していきます。

そのため、いくらチェック体制を強化したとしても、ミスが発生するリスクは避けられません。

時間・手間もかかってしまうので、少しでもミスのリスクを減らしたい・負担を軽減したいと考えている場合には給与計算ツールの導入がおすすめです。

給与計算ツールは、従業員情報や勤怠情報に紐ついてミスなくスピーディーに給与を算出してくれます。

おすすめのツールはジンジャー給与

クラウド型の給与計算ツールであるジンジャー給与では、ステップごとに情報を入力していくことによって簡単に給与を算出することができます。

面倒な入力もなく、簡単に使えるので、初めて利用する方でも安心して利用可能です。

また、給与に関わる書類は全てクラウド上で管理できるので、ペーパーレス化にも役立ちます。

資料請求は完全無料でできるので、気になる方はぜひ資料をチェックしてみてください。

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給与計算のチェックミスが発生した場合は?

これまでお伝えしてきたとおり、給与計算業務には、どれほどチェックを重ねていても少なからず人の手が介入するため、注意して作業を行っても時にはどうしてもミスをすることがあります。

このような場合は、迅速に修正対応をすることはもちろん、チェックリストなどを用い、今後はチェックミスがないように徹底することも有効手段と言えます。

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チェック体制を整えて給与計算業務をおこなおう

これまで、給与計算とそのチェック方法、またその重要性とチェックミスをなるべく軽減する対処法についてお伝えしてきました。それでもミスが減らない場合は、組織のシステムを変えるだけで、格段に業務の効率がアップすることもあります。

現在の日本の雇用情勢では、リモートワークやさまざまな働き方が求められるようになりました。そのために給与計算ソフトの導入は、企業が取り入れるべき仕組みと考えます。

給与計算ソフトを導入すると単に作業の効率化ができるだけではなく、そこにかかる担当者負担の悩みを解決し、人材の育成や働き方のサポートにもなります。

これからの企業のあり方として、給与計算ソフトの導入も検討してみてはいかがでしょうか。

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