プロジェクト管理でのCCBの役割とは?重要な理由と運用上の注意点
プロジェクト管理において重要な役割を担うCCB。しかし、CCBが具体的に何をする組織なのかわからないという方も多いのではないでしょうか。本記事では、CCBについて、プロジェクト管理における役割や重要とされている理由を徹底解説していきます。
目次
プロジェクト管理におけるCCBとは?
CCB(Change Control Board)は、日本語で「変更管理委員会」という意味の言葉です。プロジェクト計画に変更が必要な際に変更の可否を判断する組織であり、予算やスケジュール、品質などにどう影響するかを考慮して客観的に判断します。
最終的なプロジェクトの目的に合致するかどうかや、効率的なプロジェクト運営につながるかどうかも判断材料です。CCBは、プロジェクトの変更を適切に判断することで、予定通りの進行と品質を維持するための組織と言えます。
CCBが重要な理由
CCBが設置されていない場合、プロジェクト全体への影響が十分に考慮されることなく、メンバーそれぞれの判断で変更が承認されてしまうリスクが生じます。
また、個人の判断で変更を実施すると、予算の超過やスケジュールの遅延、品質の低下といった問題を引き起こす可能性も考えられます。
一方、CCBを設置することで第三者による客観的な視点が入るため、プロジェクトに必要な変更であるかを適切に判断しやすくなります。メンバーによる議論の負担も減るので業務効率が上がり、リスク管理および目標達成の可能性を高めることにつながるでしょう。
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プロジェクト管理でCCBを運用するメリット
プロジェクトの変更を適切に管理するCCBの運用は、企業に多くのメリットをもたらします。
CCBを運用する3つの主なメリットを知ることで、プロジェクトにおける重要性も理解できるはずです。
プロジェクトの変更に柔軟に対応できる
プロジェクトの変更をCCBが担うことで、迅速かつ柔軟な対応が可能となります。プロジェクトメンバーだけに変更の可否を任せると、当事者の目線でしか判断できず、最良の選択をとることが困難です。タスクと同時進行であれば負担も増大し、臨機応変に考えることが難しくなるでしょう。
CCBはプロジェクトの変更を判断する専門機関であるため、知見を活かした意思決定が期待できます。予期せぬ事態や外部からの要求による変更など、柔軟性が求められる判断にも対応しやすくなるのです。CCBの運用により、プロジェクトに与える影響を正確に理解し、適切な対応をとることができます。
変更した内容が正しいか客観的に判断できる
CCBはプロジェクトに関係のない第三者機関であるため、変更要求に対して客観的な判断が可能です。一人の個人や特定のグループに偏ることなく、プロジェクトの最善の利益になるような決定を行うことができます。
仮にプロジェクト関係者が変更の判断を行うと、プロジェクトの成功ではなく、クライアントや上司に配慮した内容になる可能性は否めません。意思決定に他の要因が絡むことで、正確な判断に支障をきたす恐れがあるのです。
CCBの客観的な評価プロセスにより、個々人の主観や偏見に左右されることなく、よりバランスの取れた正確な変更管理が可能となります。
プロジェクトの成功率向上が見込める
CCBを設置することで、変更における意思決定や検討プロセスが効率化され、判断の妥当性が上がります。より良い変更によって計画が円滑に進み、プロジェクトの成功率を高められるでしょう。
プロジェクトの変更プロセスが適切に管理されるため、予算や計画範囲に合致しない変更が承認されてしまうリスクを防止します。また、変更の議論が不要になることでメンバーへの負担が減少し、業務に集中可能です。
的確な変更管理の実現と、意思決定の負担を分散することで、全体としてプロジェクトの成功率が向上します。
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CCBを運用する際の変更プロセス
CCBの運用には、変更申請の受理と評価・回答という2つの主要なプロセスがあります。
それぞれを詳しくみていきましょう。
変更申請の受理
変更申請の受理は、CCBが行う最初のステップです。一般的な変更申請は、特定のフォームを使用して文書化され、文書には変更の理由、影響、新たな技術や取引先などが含まれます。変更内容によって文書の項目も異なりますが、わずかな変更であっても詳細に記すことが重要です。
受け付けられた変更申請は、CCBによって初期レビューが行われ、評価段階へと進みます。
評価・回答
変更申請が受理された後、CCBは提案された変更の評価を行います。これには影響分析、コストと利益の考慮、リスク評価などが含まれることが一般的です。複数の要素から、変更がプロジェクトの全体目標にとってプラスになるかどうかを判断します。1つの変更申請にすべてのCCBメンバーが対応するのではなく、個別に担当者を配置するのが通常です。
さまざまな分析の後、CCB内の組織で結果が共有され、その情報をもとに決定を下します。申請者は決定した内容を文書にまとめ、マネージャーを中心にプロジェクトへと反映しましょう。
実施した変更をBBCに報告することもポイントです。CCB側は報告をもとに、変更が正しく行われたかを確認したうえで、変更管理を終えることとなります。
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CCBを運用する上での注意点
プロジェクトを進行するうえで、変更が必要になる状況は避けられないこともあります。そのため、どのように変更をコントロールするかは、プロジェクトの成否に大きく影響するのです。
CCBを運用する際の特に重要な2つの注意点を、あらかじめ確認しておきましょう。
変更申請は文書化する
変更申請は、口頭やメールだけでなく、必ず文書化することが重要です。文書化することで、変更の内容や理由、影響範囲、必要なリソースなどが明確になります。共有も容易になり、変更申請が迅速かつ効率的に行えるでしょう。
変更申請の文書化は、内容の確認のためだけでなく、どのような変更があったかを記録する意味も持ちます。詳細な記録が残ることで誤解や混乱を防ぐほか、プロジェクトを振り返る際の参考資料にもなるのです。
プロジェクトマネージャーは参加させない
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの進行に直結する立場であるため、CCBに参加させないことが基本です。プロジェクトマネージャーがCCBに参加すると、客観的な判断ができない可能性があります。日頃からプロジェクトに関わっているので、現場の視点や感情が入り、全体としての公正を欠きやすいのです。
そのため、CCBはプロジェクトマネージャー以外のメンバーで構成し、公平な判断ができるようにすることが重要です。
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プロジェクト管理におけるCCBの役割を押さえておこう
プロジェクト中の変更を管理するCCBは、計画の逸脱を防ぎつつ、プロジェクトを成功へと導きます。客観性のある効果的な調整と評価を通じ、プロジェクトを目標に沿った軌道に保つ重要な役割を果たすのです。
CCBを運用する際は、メリットや注意点を理解しておくのがポイントとなります。CCBの役割を正しく理解し、高い品質を維持したままプロジェクトを成功させましょう。
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