進捗管理表とは?エクセルでの作り方やプロジェクト管理のコツ

最終更新日時:2023/02/13

プロジェクト管理ツール

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プロジェクトの進行に欠かせない進捗管理表。業務の属人化解消にも役立ち、チームで取り組むプロジェクトには不可欠ですが、簡単に作成する方法はないか模索している人も多いのではないでしょうか。本記事では、進捗管理表について、必要とされる理由やエクセルでの作り方、活用のコツなどを詳しく解説します。

進捗管理表とは?

進捗管理表とはプロジェクトを進めるためのタスクを洗い出し、タスクごとにいつ・だれがやるのか計画を立てて、実績を登録して進捗状況をメンバー間で共有できるように見える化した表のことです。

進捗管理表は組織によってさまざまな呼ばれ方をします。

  • ガントチャート
  • スケジュール表
  • 工程表
  • 線表

いずれにしても、タスクを軸にいつ・だれがやるのかを決めていきます。

ガントチャートとは何?意味やプロジェクト管理におけるメリット・デメリット

そもそも進捗管理とは?

そもそも進捗管理とは、プロジェクトの進行が予定よりも遅れていないか、問題はないかを確認し、全体の状況を把握して管理することです。

プロジェクトを滞りなく進められるなら進捗管理は必要ありませんが、多くの場合、さまざまな問題が発生し、スケジュールが遅れます。問題に対処してできるだけ遅れないようにプロジェクトを進めていくためにも、進捗管理は欠かせないのです。

進捗管理には次のメリットがあります。

  • 作業状況が一目で把握できる
  • 作業の抜け漏れが防げる
  • 作業の遅延が減らせる

進捗管理とは?どうやるべき?プロジェクト管理のコツと失敗例

進捗管理表が必要とされる理由

今では多くの企業で進捗管理表が導入されていますが、なぜ必要なのかを理解することが大切です。

進捗管理表が必要とされる理由を解説します。

プロジェクトの遅延防止

進捗管理表があることで、プロジェクトの遅延を防止できます。

プロジェクトはさまざまな問題が発生することで進行が遅れる可能性があり、その都度、何らかの対応が必要です。進捗管理表があれば遅延やトラブルに早めに対処でき、プロジェクトを予定どおりに戻すことができます。

進捗状況の把握・共有

進捗状況をメンバー全員で把握、共有できるのも進捗管理表のメリットです。

少数の管理者だけでなく、メンバー全員がプロジェクトの進捗を把握できていれば、メンバー間で連携するなど、状況に応じて業務を進めることができます。

進捗管理表でプロジェクト全体を見渡し、メンバーのだれもが業務の流れや現状を把握しておくと、業務の重複を防止でき情報共有もスムーズです。

結果として業務の生産性がアップします。

ボトルネックの抽出

進捗管理表があると、プロジェクトのボトルネックを抽出できます。ボトルネックとは業務の停滞や生産性低下を招いている要因のことです。

進捗管理表で業務全体が見える化されていることにより、ボトルネックを抽出して早めに対応することができます。

業務の均一化

進捗管理表を活用すると業務を均一化できます。

タスクごとに人員を割り振る際に全体が把握できていないと、特定の人にタスクが偏ってしまうかもしれません。

進捗管理表があれば、だれがどのタスクをおこなうのか明確なため、特定の人に負荷がかかりすぎないよう、適切に人員を割り振ることが可能です。業務の均一化により、効率的、生産的にプロジェクトを進めることができるでしょう。

ノウハウの蓄積・共有

進捗管理表でノウハウの蓄積と共有が可能です。

ノウハウの蓄積と共有ができていれば、メンバーの異動や退職があったとしてもスムーズに引き継ぎできるため、メンバー間で協力して穴を埋められます。また、新しいメンバーが入ってきたときも進捗管理表があることで、いつ何をしたら良いのかが明確です。

チームの意識向上

進捗管理表があることでチームの意識が向上します。

だれがいつ何をしたら良いのかはっきりわかるため、メンバーは進捗管理表を見て自分が今やるべきことに集中することが可能です。

また、プロジェクトの進捗状況や問題点も浮き彫りとなるため、メンバー同士でフォローし合うことで課題を解決し、遅れを取り戻すこともできるでしょう。

進捗管理表の作成方法

進捗管理表の作成方法は主に以下3つあります。

作成方法特徴
エクセル
  • 操作が簡単でだれでも使いこなせる
  • 多くの企業で長年利用されており、抵抗感がない
Googleスプレッドシート
  • 操作性はエクセルと似ているため、慣れやすい
  • エクセルに次いで多くの企業で利用されている
  • データがクラウド上に保存されるため、インターネット接続が必要
進捗管理ツール
  • 進捗管理に特化されているため、作成・修正・管理がしやすい
  • 導入にはコストがかかる

このなかでも進捗管理表作成で特におすすめなのが、ビジネスシーンにおいて長い間活用されてきたエクセルです。

エクセルは多くの企業で広く使われており、これまでほとんどの人が使用した経験があるため操作に抵抗がなく、手軽に進捗管理表を導入しやすいことでしょう。

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エクセルで進捗管理表を作るメリット

エクセルで進捗管理表を作るメリットについて解説します。

インストールが不要(既に利用している場合)

エクセルを既に利用している場合は新たにツールをインストールする必要がありません。

進捗管理表をエクセルで作る場合、エクセルに元々搭載されている標準機能を使いますので、インストールの手間なくすぐに作成を開始できます。

操作に慣れている人が多くて作製しやすい

エクセルは多くの人が操作に慣れています。

長年、パソコンの表計算ソフトといえばエクセルというのが浸透していますので、学生時代を含めてエクセルをずっと使ってきたという人は多いはずです。

進捗管理表は初めてでも、操作に慣れたエクセルならスムーズに作成できることでしょう。

プロジェクトに合わせてカスタマイズしやすい

エクセルは進捗管理表のカスタマイズがしやすいのもメリットです。

専用ツールの場合、確かに進捗管理表は作りやすいものの、使用できる機能が決まっているため、やりたいことができない可能性があります。

その点、エクセルは進捗管理表作成に特化したツールでないため、プロジェクトに合わせて使いやすいように自由自在にカスタマイズできるのです。

エクセルで進捗管理表を作るデメリット

エクセルで進捗管理表を作るデメリットについても把握しておきましょう。

情報の随時共有ができない

エクセルで進捗管理表を作ると情報をリアルタイムで共有できません。

進捗管理では追記、修正などが頻繁に発生しますが、いつの時点のものが最新かわからなくなります。エクセルで作る進捗管理表はバージョン管理が困難だといえるでしょう。

機能が少ない

進捗管理表としては機能が少ない点もデメリットです。プロジェクトにはトラブルや遅延の発生が少なくありません。

進捗管理はプロジェクトを期限内で完了するために必要です。しかし、エクセルには進捗管理に必要なトラブルや期限を知らせる機能がないため、対応が遅れる可能性があります。

書き方がバラバラになる

エクセルで進捗管理表を作ると、書き方がバラバラで見にくくなってしまいがちです。

エクセルは自由にカスタマイズできるというメリットがある一方で、自由であるがゆえに統一感のない進捗管理表になってしまう可能性があります。見にくい、管理しにくい進捗管理表は作る意味がありませんので、書き方について事前にしっかりルールを決めておきましょう。

エクセルでの進捗管理表の作り方

エクセルでの進捗管理表の作り方について説明します。進捗管理表はWBSを基準にして作成するのが効率的かつ効果的です。

作り方をよく理解し、全体の把握と管理がしやすい進捗管理表を作りましょう。

1.タスクの分類・洗い出し

まずはプロジェクト達成に必要なタスクの分類と洗い出しをしていきましょう。

タスクはできるだけ細かい方が良く、抜け漏れがないように注意してください。細かいタスクまで洗い出すことで、進捗状況や計画修正、課題の発見がしやすくなります。

2.タスクの順番を設定

タスクを洗い出せたら順番を設定していきます。

タスクに取り組む順番を間違えるとプロジェクトの進行に影響が出ますので、順番を設定した後も問題ないかどうか、何度も見直しましょう。

3.タスクの階層化

タスクの順番を設定した後は、タスクをそれぞれ階層化していきましょう。

階層化により、進捗管理表を見たときにどこにどのタスクが属しているかがすぐわかるため、タスク完了にはいつ、何が必要になるのか状況を把握しやすくなります。

4.必要項目の振り分け

タスクの階層化が完了したら、必要項目を以下の5つに振り分けていきましょう。

項目内容・注意点
タスク名
  • 階層化したタスクをさらに大タスクと小タスクに分類する
担当者名
  • タスクごとに担当者を振り分ける
  • 同じメンバーの負担が大きくなりすぎないように注意する
進捗率/進捗状況
  • タスクごとにプロジェクト全体に対する比率を計算し、進捗率と進捗状況を振り分ける
開始日
  • それぞれのタスクの開始日を設定する
  • 前のタスクが完了しなくても始められるものと、前のタスクが完了しないと進められないものがあるため、タスク間の関連性も確認する
終了予定日
  • それぞれのタスクの終了予定日を設定する
  • 設定を誤るとプロジェクト全体の遅れにつながるため注意する

エクセル作成の進捗管理表活用のコツ

エクセルで作る進捗管理表には活用のコツがあります。活用の仕方を理解して、進捗管理表を効率よく使いこなしましょう。

誤編集への対策

進捗管理表でさわってはいけないところを誤って編集されないよう、対策をしておきましょう。

表全体をだれでも編集できるようにしておくと、誤編集のたびに管理者が作り直すことになったり、進捗状況の間違いに気づかないまま共有され続けるといったことが起こってしまいます。エクセルは「セルの保護」で編集できないようにすることが可能です。

セルの保護を有効に活用することで、簡単に編集可能な範囲を制限することができ、誤編集を防げます。

関数の活用

エクセルでは関数が使えますので関数を活用しましょう。

例えば作業できる期間を確認する場合、何も関数が入っていないと土日祝などの休日が考慮されず、実態より期間が長く見えてしまい、タスクの状況を正確に把握できません。

しかしセルに「NETWORKDAYS.INTL関数」でタスクの開始日と期限、休日パターンを選択して入力すれば、正確な作業期間が表示されます。

プルダウン設定の活用

入力内容があらかじめ決まっている項目は、プルダウン設定を活用して文字入力の手間を減らしましょう。

エクセルでは「データの入力制限」から簡単にプルダウン設定ができます。

手入力だと入力ミスのおそれがつきまといますが、プルダウン設定されているとワンクリックで選ぶだけなので、手間が省けるうえにミスも起こりません。

ルールの策定

エクセルで進捗管理表を作る場合、ルールの策定はとても重要です。

ルールがないとエクセルの場合、自由に追記、修正ができてしまうため、個人が自分のやりやすいように編集してしまう可能性があります。一目でプロジェクト全体を把握できるという本来の目的から外れ、とても見にくい進捗管理表となってしまうおそれがあるのです。

管理者はメンバーとしっかり話し合って、ルールを策定してから進捗管理表作成に取りかかりましょう。効率的に運用するため、保管場所やコピー制限などのルール策定も必要です。

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進捗管理表を作成しプロジェクト管理を強化しよう

進捗管理表はチーム全体でプロジェクトの進行状況を確認・共有できる非常に優れたツールです。

エクセルでの進捗管理表の作り方、メリットとデメリットを理解したうえで進捗管理表を作成し、プロジェクト管理を強化しましょう。

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