RPAの導入費用はいくらかかる?費用相場や抑える秘訣・失敗しない選び方

最終更新日時:2023/03/01

RPA

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RPAの導入費用

生産性向上のために多くの企業で導入が進められているRPA。しかし、RPAを導入する際には、導入効果だけでなく導入費用にも注意しなければなりません。本記事では、そんなRPAの導入費用について、費用相場や費用を抑えるための秘訣などを徹底解説していきます。

RPAの導入費用がどれくらいか重視する人は多い

スターティアレイズ株式会社が2021年12月に行った「RPAツール導入に関するアンケート 調査結果レポート」によると、有料RPAツールを導入している人の41.8%が価格を重視して導入したと回答しました。また、RPA導入の際に重視したポイントとして全項目の中で一番多い回答となっています。

よって、RPAツールを選ぶ上で導入費用は重要なポイントといえるでしょう。

[出典:スターティアレイズ株式会社「RPAの導入コストはどのくらい?費用の相場や目安をご紹介」]

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RPAの導入に必要なコスト|種類と費用相場

RPAの導入には、具体的にどのようなコストがどれくらいかかるのでしょうか。主なコストの種類は以下の7つです。ここでは、RPA導入に必要なコストの種類と費用相場について解説します。

  • ツールのライセンス費用
  • ツールの利用費用
  • 運用環境の整備費用
  • 導入支援のための費用
  • 保守費用
  • 開発の外部委託費用
  • 従業員への研修費用

ツールのライセンス費用

RPAの導入時にかかる初期費用として、ツールのライセンス費用があげられます。RPAには大きく分けてクラウド型・デスクトップ型・サーバー型の3種類があり、それぞれライセンス費用の相場は異なります。具体的には、以下のような費用相場です。

  • クラウド型:30~50万円程度
  • デスクトップ型:0~20万円程度
  • サーバー型:100万円~

このように、初期費用は無料のものから100万円以上のものまで幅広くあります。また、使いたい機能や導入規模によっても大きく変わるでしょう。

ツールの利用費用

RPAは導入後も月額または年額で一定の利用費用がかかります。継続して活用するツールのため、長期的に発生するコストとして想定しておきましょう。具体的には、以下のような費用相場です。

  • クラウド型:10万円/月~
  • デスクトップ型:5万円/月~
  • サーバー型:30万円/月~

運用環境の整備費用

RPA運用のために必要な環境を整備するには、ある程度の費用がかかります。RPAが安定して稼働できるようにRPA専用のパソコンを導入したり、サーバー型のRPAを導入する際の専用サーバーを導入したりするための費用が必要です。

なお、RPA専用のパソコンや専用サーバーなどは、必須ではない場合もあります。RPA導入前に、詳細を確認しておきましょう。

導入支援のための費用

初めてRPAを導入する場合や、社内に技術者がいない場合はベンダーによる導入支援が必要です。具体的には、チャットや電話によるサポート、導入にあたってのコンサルティングや研修といったサポートがあげられます。

しかし、これらのベンダーによるサポートは通常料金に含まれておらず、オプション料金が必要になる場合があります。導入時にはこれらのサポートにかかる費用とサポート内容についても確認することが大切です。

保守費用

RPAを運用する上では、エラーが起きたときの修理や業務フローの変更に伴うシステムの変更、定期的なメンテナンスが必要です。これらの作業を外部に委託する場合は、利用費用とは別に保守費用が発生します。

月額の利用費用の範囲で対応できる場合もありますが、エンジニアを常駐させたい場合など、委託内容によっては月額数十万円かかることもあるでしょう。

開発の外部委託費用

RPA導入後に、自社でソフトウェアロボットの開発がうまく進まないこともあるでしょう。そのような場合、ソフトウェアロボットの開発を外部に委託するために、外部委託費用がかかります。

必要な機能や導入規模によって金額は変動しますが、ソフトウェアロボット1体あたりの外部委託費用の相場は15~30万円程度です。

従業員への研修費用

従業員が問題なくRPAを使いこなせるようにするため、研修でツールの操作や運用体制などについて教育する必要があります。

また、外部委託費用を減らし、なるべく自社で保守・運用やロボット開発を進めていきたい場合にも、研修で従業員のRPAに対する理解を深めることが重要です。したがって、これらの研修を行うための費用が必要となるでしょう。

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RPAの導入費用を安く抑えるためのポイント・秘訣

RPAの導入にはさまざまな費用がかかります。できる限り導入費用を安く抑えるには、どのようなポイントに気を付ければ良いのでしょうか。

ここでは、RPAの導入費用を安く抑えるためのポイントや秘訣について解説します。

  • 費用対効果を算出する
  • 助金制度を活用する

費用対効果を算出する

RPA導入の費用を安く抑えるために、まずは費用対効果を算出しましょう。費用を計算する際は、単純な初期費用や月額費用だけではなく、運用にかかる社内の人件費などについても考慮することが大切です。

また、中長期的な視点で、どのくらいの期間で導入・運用にかけたコストを回収できるかについても考える必要があります。必要な機能が揃っているツールの中から、費用対効果の高いものを選ぶことが重要です。

補助金制度を活用する

RPAの導入にあたって、費用がネックになっている企業もあるでしょう。費用面に不安がある場合は、以下のような補助金制度を利用するのがおすすめです。

IT導入補助金

中小企業・小規模事業者などのITツール導入をサポートするための補助金制度です。導入するITツールによって枠が異なり、RPAは通常枠に該当します。

補助額は30~450万円、補助率は1/2以内で補助を受けられます。また、ツールを導入する業務プロセスの数によって補助額の上限が異なるので注意が必要です。

[出典:一般社団法人 サービスデザイン推進協議会「IT導入補助金」]

ものづくり補助金

中小企業や小規模事業者が、さまざまな制度変更に対応するために生産プロセスの改善を行う際の、設備投資や試作品開発にかかる費用を支援する補助金制度です。

RPAの導入はデジタル枠に該当します。補助率は2/3、補助額は100〜1,250万円で従業員数に応じて上限が異なります。

[出典:全国中小企業団体中央会「ものづくり補助金総合サイト」]

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者の販路開拓や、業務効率化に向けた取り組みを支援するための補助金制度です。一般的な商業・サービス業は従業員数5名以下、サービス業の中でも宿泊業・娯楽業に該当する場合や製造業は従業員数20名以下の場合のみ申請できます。

RPAの導入で使える枠は通常枠に該当し、補助金の上限は50万円です。

[出典:全国商工会連合会「小規模事業者持続化補助金」]

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RPAツールの失敗しない選び方・選定ポイント

RPAツールは高額なものが多く、導入する際は慎重に検討する必要があります。ここでは、RPAツールの失敗しない選び方や選定のポイントについて解説します。

  • 自社に合った機能が搭載されているか
  • サポート体制は充実しているか
  • 無料トライアルは実施しているか
  • 予算の範囲内に収まるか
  • ツールの提供元は信頼できるか

自社に合った機能が搭載されているか

RPAツールを選ぶ上で最も重要なのが、自社に必要な機能が搭載されているかどうかです。導入目的や効率化したい業務を洗い出し、それに合ったツールを選びましょう。

機能だけではなく、RPAツールのタイプ別にも適性があります。部門・個人単位で管理したい場合や、パソコンのアプリケーション間を行き来する業務を効率化したい場合はデスクトップ型がおすすめです。

また、Web上で使用しているサービスを連携させたい場合や、他の作業と並行して活用したい場合はクラウド型が適しています。社内の専用システムまで絡め、大量のデータを一括管理したい場合はサーバー型を選ぶと良いでしょう。

サポート体制は充実しているか

RPAを導入する企業が増えている昨今、ベンダーのサポート体制も充実してきています。RPAを長期的に活用するためにも、サポート体制についてしっかりと確認しましょう。サポートが有料かどうかや、サポート内容もチェックする必要があります。

サポート内容は、チャットや電話によるサポートをはじめ、もしもの場合に担当者を派遣してもらえたり、開発者向けの研修やセミナーを実施していたりと、ベンダーによってさまざまです。よりサポート体制が充実したRPAツールを選ぶと安心できます。

無料トライアルは実施しているか

無料トライアルの有無についても確認しましょう。無料トライアルを利用すれば、実際に使用感を確かめてから導入を検討できます。利用期間や機能に制限がある場合が多いですが、RPAツールを選ぶ上で重要な判断材料となるでしょう。

実際に無料トライアルを行う際は、社内ですでに利用しているツールと連携可能か、担当者にとって使いやすいか、業務を効率化できそうかなどを確認することが大切です。

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予算の範囲内に収まるか

RPAシステムの導入にあたって、予算の範囲内に収まるかどうかも重要な要素です。特に、初めてRPAを導入する場合は社内での予算が明確でないこともあるでしょう。最初から高額なツールを選ぶのではなく、自社内で導入を進めやすい金額のツールを選ぶのがおすすめです。

また、スモールスタートし、実績を作ってから全社に広く導入するといった手法もおすすめです。全社に導入すると数十万〜数百万円かかってしまうツールでも、部署単位などのスモールスタートなら月額10万円程度で始められる場合もあります。

ツールの提供元は信頼できるか

ツールの提供元は確かな実績と知見を持ち、信頼できる会社なのかどうかも確認しましょう。提供元のホームページに掲載されている導入実績や導入事例などを見れば判断できます。

また、場合によっては口コミサイトの利用もおすすめです。実際に使用したユーザーの声をもとに、ツールの提供元が信頼できるかどうか確認できます。

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RPAを導入するメリット

RPAを導入すると具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、RPAを導入するメリットについて解説します。

生産性の向上

RPAは膨大な作業量を、人間よりも遥かに速いスピードでこなすため、作業工数の削減が可能です。また、入力ミスや誤発注などのヒューマンエラーも防げるので、業務の手戻りもなくなります。その結果、生産性を大幅に向上させられるのです。

さらに、RPAの導入にあたっては業務プロセスを見直す必要があります。よって、無駄な工程をなくしたり、より効率的な業務フローを構築できたりするでしょう。このように、RPA導入による副次的な効果も期待できます。

業務負担の軽減

RPA導入によって、これまで手作業で行っていた単純作業を自動化できるため、業務負担の軽減が可能です。

また、ロボットであるRPAは疲労することなく24時間365日いつでも稼働させられるため、従業員の労働時間の短縮にも役立ちます。夜間や土日などの時間外労働も減らせるため、働き方改革の推進にもつながるでしょう。

コア業務への専念

RPAを導入すると、これまでデータ入力などの定型業務に奪われていた時間が解放されます。よって、より時間をかけたいコア業務に専念できるようになるでしょう。その結果、業務の質の向上や新たなビジネスチャンスの創出にもつながります。

RPA開発の方法・費用相場|失敗しないための注意点と開発手順

RPAを導入して生産性向上を目指そう

RPAを導入すると大幅な業務効率化が可能です。また、生産性向上や業務負担の軽減にもつながり、従業員が働きやすい環境を整えられます。

しかし、RPAの導入費用は高額になる場合もあり、導入を検討している多くの人が重視するポイントです。主なコストの種類には、ツールのライセンス費用や利用費用をはじめ、運用環境の整備、導入支援、保守、開発の外部委託、従業員への研修費用などの7つがあげられます。

それぞれの費用相場を理解し、導入目的や効率化したい業務を明らかにした上で比較・検討することが大切です。本記事で紹介した、RPAの導入費用を安く抑えるためのポイントや秘訣も参考に、自社に最適なRPAツールを選びましょう。

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