RPAの導入で得られる6つの効果!効果測定方法や主な導入事例

最終更新日時:2023/03/01

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RPAで得られる6つの効果

働き方改革の実現を目的に近年では導入する企業も増加しているRPA。RPAを導入することで生産性向上などを期待できますが、果たして他にはどのような導入効果があるのでしょうか。本記事では、RPAの導入によって得られる効果について徹底解説していきます。

RPAとは?

RPAとは「Robotic Process Automation」の略で、ロボットが事務作業をはじめとする定型業務を自動化してくれる仕組みやツールを指します。RPAにおけるロボットは、人型ロボットのようなものではなく、システムに組み込まれたソフトウェアです。

定型業務のプロセスをシナリオ化しRPAに記憶させれば、あとはRPAが自動で実行してくれるため、手作業の手間や負担を削減できます。さらに、RPAは手作業より高速かつ正確に業務を進められ、働き方改革や業務効率化に役立つことで注目を集めています。

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RPAにおける3つの区分

RPAは、自動化できる業務範囲や業務レベルの違いによって、3つに分類されています。RPAにおけるクラスは以下の通りです。

  1. RPA
  2. EPA
  3. CA

1.RPA

クラス1のRPAは最も基本的なRPAで、情報の取得・入力などの単純な定型業務の自動化が可能です。例えば、Excelにあるデータを抽出・コピーし、社内データベースの指定箇所にデータを登録するといった業務が挙げられます。

RPAはExcelのマクロ機能と似ていますが、Excelのマクロ機能はExcel内の作業のみを自動化できる一方で、RPAは複数のシステムやアプリを横断した業務の自動化ができるという違いがあります。

2.EPA

EPAは「Enhanced Process Automation」の略で、クラス1のRPAとAIを組み合わせて業務の自動化を行う仕組みやツールのことです。定型業務のみを自動化できるRPAより1つ上のクラスで、情報解析など、非定型業務の自動化にも対応できます。

例えば、EPAは請求書を画像解析することで、取引先の名前・金額・口座情報などの必要な情報を読み取り、指定のシステムに登録することが可能です。また、会議の音声データをEPAに読み取らせることで、議事録の作成も自動化できます。

このように、EPAはRPAに比べ自動化できる業務範囲・業務レベルが広がり、活用方法もさまざまある点が特徴です。

3.CA

CAは「Cognitive Automation」の略で、情報の収集・分析・意思決定までを自動化できる仕組みやツールのことです。RPAの最終形態と呼ばれており、CAに組み込まれたAIは学習を繰り返しながら、自ら考える能力を持っています。

例えば、在庫調整をする際、CAでは季節・天気・在庫減少のペースなどを分析します。そして、過去のデータに基づいた最適な発注数を導き出し、発注するまでの自動化が可能です。

このように、CAは高度な業務処理を可能とし、学習を繰り返すことで徐々に精度が高まるという特徴があります。現時点でCAの実用化は進んでいませんが、将来的には多くの企業で活用されると考えられています。

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RPAの導入で得られる6つの効果

RPAを導入することで、さまざまな効果が期待できます。RPAの導入で得られる効果は、以下の6つです。

  1. 業務の生産性向上
  2. 業務内容の可視化
  3. 人材不足の解消
  4. 働き方改革の推進
  5. ヒューマンエラーの防止
  6. コア業務のためのリソース創出

1.業務の生産性向上

情報の取得・入力をすべて手作業で行うには、多大なる時間と労力が割かれていました。しかし、RPAを導入すれば手間のかかる業務を自動化し、業務時間を大幅に削減できます。削減できた業務時間は、営業・マーケティング活動や戦略立案などのコア業務にあてられるでしょう。

また、定型業務は手作業で行うより、RPAに任せたほうがより高速な業務処理が可能です。このように、RPA導入によってコア業務に割ける時間が増えたり、業務スピードが改善したりすることで、生産性の向上が期待できます。

2.業務内容の可視化

RPAを導入するにあたって、どの業務を自動化するのかを決めるため、業務プロセスの洗い出しを行います。業務プロセスの洗い出しでは、大まかな業務プロセスをはじめ、各プロセスがどのような流れで処理されていたのかという点まで、詳細に洗い出す必要があります。

その際に、不要なプロセスや負担の偏りを発見することもあるでしょう。また、この時点で業務プロセスに効率化できる部分が見つかれば、RPAの導入以前に業務効率化を実現できるかもしれません。

このように、RPA導入にあたって業務プロセスの洗い出しを行うため、業務内容が可視化され、業務プロセスの改善やRPAの最適化につながるでしょう。

3.人材不足の解消

現在、少子高齢化に伴う労働人口の減少により、人材不足に悩まされる企業は少なくありません。しかし、RPA導入によってあらゆる業務の自動化が実現すれば、その業務に割かれていた時間や人材をコア業務にあてられるため、人材不足の解消につながります。

例えば、事務作業を行うために本来は10名の従業員が必要であっても、RPAで一部の業務を自動化し、5名の従業員だけでも回せるようになれば、業務が滞ることはありません。このように、RPAにより手作業で行う業務を削減することで、人材不足をカバーできるでしょう。

4.働き方改革の推進

RPAによる業務の自動化で、従業員一人ひとりの負担が軽減されます。業務時間が短縮されれば長時間労働や残業が減少し、プライベートとの両立もしやすくなるでしょう。

また、RPAは労働時間に制限がなく、いつでも業務を処理できます。そのため、どうしても休日や夜間に処理しなければならないような業務でも、RPAに任せれば従業員が出社する必要がありません。

このように、RPAの導入は労働時間の短縮や出勤日数の削減に効果的で、労働環境の改善・ワークライフバランスの実現といった働き方改革の推進につながります。

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5.ヒューマンエラーの防止

定型業務では、同じ作業を繰り返すことから、疲れや集中力の低下により入力ミスなどのヒューマンエラーが起こってしまいます。例えば、請求書の金額を一桁間違えて入力してしまえば、売上額に大幅な差異が発生するという問題につながりかねません。

しかし、RPAではロボットがシナリオに従って処理を行うため、ミスが起こることはありません。ヒューマンエラーの防止につながるうえ、ダブルチェックの必要もなくなるのです。

このように、RPA導入はヒューマンエラーを防止するとともに、さらなる業務効率化も期待できるでしょう。

6.コア業務のためのリソース創出

コア業務は、売上や利益を生み出すための直接的な業務を指し、具体的には営業・マーケティング活動や戦略立案などが挙げられます。

RPA導入により情報の取得・入力といった定型業務を自動化できれば、定型業務に割いていた人材や時間を削減でき、その人材や時間をコア業務にあてられます。

また、定型業務のような繰り返し作業は、「同じ作業ばかりしている」と従業員のモチベーションを低下させるかもしれません。しかし、RPA導入により創造的な仕事がメインとなるコア業務に集中できるようになれば、従業員のモチベーション維持・向上にもつながるでしょう。

このように、RPA導入はコア業務のためのリソース創出につながり、コア業務に集中できることによる従業員のモチベーション維持・向上も期待できるのです。

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RPAの効果を検証するための効果測定方法

RPA導入にあたって気になるのが、効果を得られるかどうかです。RPAの効果を検証するための効果測定には、以下の2つの方法が挙げられます。

  • 定量的な測定方法
  • 定性的な測定方法

定量的な測定方法

定量的な測定は、数値を用いて効果を測定する方法です。具体的には、RPA導入によって削減できた労働時間や人件費などが挙げられます。

例えば、RPAの効果を作業時間の変化によって測定する場合、「1件あたりの作業時間×年間あたりの対応件数」という式を用いてRPA導入前後の「年間作業時間」を算出します。そして、RPA導入前後でどの程度の作業時間が削減できたかを比較することで、RPAの効果を測定可能です。

ただ、定量的な測定方法でRPAの効果を測定する際は、RPA導入以前の数値データが必要となるため、作業時間や人件費などを事前に記録しておくことが大切です。

定性的な測定方法

定性的な測定は、数値で表せないような効果を測定する方法です。例えば、「従業員のモチベーションの変化」「労働環境の変化」「成果物の精度の変化」などが挙げられます。

ただ、効果を具体的な数値で表せないことから、定量的な測定に比べ効果を把握しにくい点が特徴です。そのため、RPAの導入効果を測定する際、定量的な測定のみで完結してしまうことも少なくありません。

しかし、RPAの導入効果を正確に測定するには、定量的な効果と定性的な効果の2つの視点から総合的に判断することが大切です。したがって、アンケートやインタビューを実施するなどして、導入前後の定性的な効果を比較できるよう準備しておきましょう。

RPAの導入効果が高い業務の特徴

RPAでの自動化には、向いている業務もあれば、不向きな業務もあります。RPAの導入効果が高い業務の特徴として、以下の4つが挙げられます。

  • ルール化されている定型業務
  • 膨大なデータを扱う業務
  • データの収集・分析業務
  • 複数のシステムをまたぐ業務

ルール化されている定型業務

請求書の処理や日報の作成など、作業工程がルール化されているような定型業務の自動化は、RPAの得意分野です。定型業務を手作業で行うには時間や手間がかかり、ヒューマンエラーの発生による損失が生まれる可能性もあります。

しかし、RPAは手作業で行うより正確かつ高速に処理できるため、ヒューマンエラーの発生防止や作業時間の削減につながります。よって、作業工程が一定である定型業務にはRPAの導入が向いているでしょう。

膨大なデータを扱う業務

膨大なデータを扱う業務を手作業で行うとなると、莫大な時間がかかり、担当者の負担も大きくなってしまいます。しかし、RPAは高速で処理することが可能なため、手作業で行うよりはるかに業務スピードを向上できます。

また、RPAは休日や夜間における業務処理もできるため、業務時間外でも業務処理を進めることが可能です。このように、RPAは高速な処理が可能なうえ業務時間の制限がないことから、膨大なデータを扱う業務への導入が向いています。

データの収集・分析業務

RPAは、データの収集や分析業務の自動化にも対応しています。

例えば、インターネットに掲載されている競合商品の価格データや、為替相場の変動データなどを自動収集できます。また、RPAに組み込むシナリオによっては、競合商品における価格データの、収集から比較表作成までを自動化することも可能です。

このように、定期的に実施しなければならないデータの収集・分析をRPAで自動化することによって、業務効率化や労働負担の軽減につながるでしょう。

複数のシステムをまたぐ業務

RPAは複数のシステムをまたぐ業務であっても自動化することが可能です。

例えば、Excelのマクロ機能では、Excel内での業務しか自動化できません。しかし、RPAであればExcelのデータを社内データベースに転記するといった、複数のシステムを横断した業務の自動化が可能です。

1つのシステム内で完結するような業務は少なく、ほとんどの業務は複数のシステムを横断して処理されます。そのため、複数のシステムをまたぐ業務にRPAを導入すれば、大幅な業務効率化が期待できるでしょう。

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RPAの主な導入事例

RPAの主な導入事例を3つ紹介します。

  • 勤怠管理業務の自動化
  • バックオフィス業務の自動化
  • 競合商品の価格の自動集計

勤怠管理業務の自動化

勤怠管理は、本来従業員本人が出退勤を登録しますが、「休職中」「出向中」「海外勤務中」といった従業員の出退勤については、本社で出退勤の登録を行うことができません。そのため、毎月の出退勤情報をもとに、人事部の担当者が代行して登録を行っていました。

そこで、本社で出退勤の登録を行えない従業員をリストアップし、対象者の出退勤情報を勤怠管理システムに転記するという業務を、RPAによって自動化したのです。RPAを導入したことで、転記漏れや入力ミスがなくなり、作業時間の削減にもつながったといいます。

バックオフィス業務の自動化

実店舗の在庫をECサイトでも併売する際、実店舗での販売数をECサイトの在庫情報に反映する必要があります。しかし、ECサイトを複数運営している場合、すべてのECサイトに在庫情報を反映するには、毎朝1時間以上がかかっていたそうです。

そこで、実店舗の販売実績をExcelに集約し、販売実績の更新やECサイトの在庫情報への反映までをRPAによって自動化しました。その結果、作業時間の削減だけでなく、在庫情報を1時間ごとに更新することで、在庫情報のタイムラグも解消できたといいます。

競合商品の価格の自動集計

競合調査を行う際、競合商品の価格データをインターネットから調査し、表にまとめるといった作業は、競合サイトや商品数が多ければ多いほど莫大な時間と手間がかかります。そこで、複数の競合サイトにある価格データを自動集計できるよう、RPAを導入しました。

複数のWebサイトを確認する手間がなくなり、情報の抜け漏れも防げるようになったことで、競合調査にかかる時間の短縮や調査の精度向上につながったといいます。

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RPAの導入効果なし?効果を高めるためのポイントとは?

RPAを導入したにもかかわらず、効果が感じられない場合もあるでしょう。このような場合は、RPAの効果を高めるために以下のポイントを確認することが大切です。

  • 導入目的を明確にする
  • 定量的・定性的な2つの視点から目標を設定する
  • 導入後に効果測定を行う
  • 必要に応じて活用方法を改善する

RPA導入によって達成したい目的や目標が明確でなければ、効果が出ているのかどうかを把握することが困難です。また、導入後も定期的に効果測定を行い、効果が感じられない場合はRPAの活用方法を見直す必要があります。

したがって、上記のポイントを守れているかを確認しながらRPAを最適化し、効果を最大限発揮できるよう改善を繰り返すことが大切です。

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RPAの導入で得られる6つの効果を押さえておこう

RPAはあらゆる業務を自動化し、業務効率化を実現させるものです。具体的には以下の6つの効果が挙げられます。

  1. 業務の生産性向上
  2. 業務内容の可視化
  3. 人材不足の解消
  4. 働き方改革の推進
  5. ヒューマンエラーの防止
  6. コア業務のためのリソース創出

RPA導入によって上記の効果を得られているかを確認を正確に測定するため、定量的・定性的効果の視点で総合的に判断するようにしましょう。

また、RPAでの自動化には、向いている業務と向いていない業務があります。RPAの導入効果が高い業務の特徴を理解しておけば、自動化をスムーズに進められます。

自社が抱える課題やRPA導入の目的を明確にしたうえで、最適な活用方法を見極めることが大切です。RPAの導入で得られる6つの効果を押さえ、自社での活用方法を検討していきましょう。

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