RPAの要件定義書(設計書)とは?意義や作り方を解説!

最終更新日時:2023/10/26

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RPAの要件定義書

RPAを活かすには、RPAに「どのように動いてもらうのか」を記述した要件定義書を作成しなければなりません。本記事では、RPAの要件定義書(設計書)の意義や作り方を詳しく解説します。

RPAにおける要件定義書(設計書)とは

RPA(Robotic Process Automation)の要件定義書(設計書)とは、RPAによって自動化する業務のプロセスや、実際にどのような動きをさせるのかを細かく定めたものです。

たとえば、手作業でおこなっていたエクセルへのデータ入力を自動化したい場合は、開くエクセルファイルや入力データの抽出先、入力先などを指定し、作業後はそれらのファイルを閉じるのかまで、動作を細かく記載します。また、すでにエクセルファイルが開いてあった場合どうするのか、抽出先のデータがなかった時の動作など、人間であれば状況で判断できる動作についても細かい指示出しが求められます。

そのため、いきなりRPAを開発するのではなく、細かな指示の抜け漏れがないように要件定義書を作成する必要があるのです。

また、要件定義書(設計書)は、RPA開発のためだけでなく、業務担当者や管理者など、関係者全員が、RPAによって自動化される業務について共通の理解を持つためのツールとしても活用されます。

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RPA開発に必要な要件定義書(設計書)の作り方

RPA開発の成功は、要件定義書(設計書)の出来にかかっているといっても過言ではありません。

ここからは、要件定義書の作り方を詳しく見ていきましょう。

目的を明確にする

まずはRPAを開発する目的を明確にしましょう。

どのような課題を解決するためにRPAを開発するのかを明確にすることで、目的から逸れることなく要件定義書を作成できます。また、目的が共有されていると最終的なビジョンも明確になっているため、開発途中で内容の修正や変更を行う場合も関係者の意見をまとめやすくなります。

目的の設定は、あらゆるビジネスシーンの基本的なステップはありますが、要件定義書の作成においても、このステップがしっかりと行われているかどうかが、RPA開発の成功を大きく左右することを認識しておきましょう。

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自動化したい業務プロセスを定める

次は、RPAによって自動化したい作業を洗い出し、必要な動作を一つひとつリストアップしましょう。

たとえば、請求書作成の自動化が目的であれば、「データ入力」「計算」「PDF生成」「取引先への送付」などが、自動化できる作業としてあげられます。

プロセスと作業を明確にすることで、後の要件定義書が、より具体的で漏れのない内容となり、後の仕様変更などのリスクを減らせます。また、自動化したい作業の優先度なども開発者へ伝えておくと、よりコミュニケーションがスムーズになります。

運用に関する情報をまとめる

RPAに必要な機能を定めたら、RPA開発における予算やメンバー構成、コミュニケーションの方法やスケジュールなど、運用に関する情報をまとめましょう。

まずは、開発メンバーの構成を考えるのがおすすめです。あらかじめメンバーを選出し、開発途中で「この人がチームに参加していないから作業が難しい」といった問題が起きないようにします。

そして、RPA開発の実現に必要なハードウェアの調達金額や人件費を算出し、具体的な開発スケジュールを設定しましょう。この段階では大枠のスケジュールだけを設定して、実際に要件定義書を作成する段階で詳細なスケジュールを決めるケースがほとんどです。

実際に要件定義書を作成する

以上のプロセスを経てはじめて要件定義書の作成に着手します。要件定義書は、搭載予定の機能や予算、スケジュールなど、さまざまな情報が盛り込まれます。

まずは、先に明確にした目的、必要な機能、運用に関する情報を、文書としてまとめ上げます。各項目には具体的な説明を加え、自動化する業務プロセスなどは、フローチャートを用いて視覚的に情報を整理するとよいでしょう。

その後、関連する部門やステークホルダーと要件定義書のレビューを行います。また、プロジェクトが進行する中で新たな要件や課題が明らかになった場合は、随時要件定義書の更新を行います。

最後に、すべての関係者が要件定義書の内容に合意することで開発フェーズへと進みます。

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RPAの要件定義書(設計書)作成時のポイント

RPAの要件定義書(設計書)作成方法を理解したところで、作成時に特に留意すべきポイントについても確認しておきましょう。

データフロー図を作成する

データフロー図は、システム内でのデータの流れを視覚的に表現する図です。これにより、どのようなデータがどのプロセスを経てどのように変換されるのかが一目瞭然となります。

たとえば、卸業の販売管理システムのデータフロー図を作成するケースで考えてみましょう。この場合、顧客から受注があった際に受注情報と顧客情報がどのように入力・出力され、どのような工程を経て最終的に出荷されるのかをデータフロー図で示すことが可能です。

データフロー図を作成することで、開発者だけではなく、業務関係者もシステムの動きを理解しやすくなります。

データフロー図を作成する際には、具体的なデータ項目、プロセス、データストア、外部実体などを明示し、それらの相関関係を線でつなぐ形で表現します。業務とデータの流れの全体像が把握できることから、要件定義や開発者がRPAを設計・開発する際の基礎となるのはもちろん、テスト時のチェックなど、RPA導入の各フェーズで重要な役割を果たしてくれます。

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RPA開発における要件定義書の意義や作り方を把握しよう

要件定義書は、RPA開発の骨子であり、実際の動作を設計・定義する重要な文書であることから、RPAの導入の成功可否を決める重要な文書となります。

社内に文書を作成できるリソースがなければ外注することも可能ですが、ここでご紹介した作り方の流れやポイントを理解しておくことで、外注先とのコミュニケーションもスムーズに行えるはずです。適切な要件定義書を作成し、RPA導入効果の最大化を実現しましょう。

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