RPAとOCRの組み合わせでできることとは?それぞれの機能や用途を解説!

最終更新日時:2023/08/07

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RPAとOCRの組み合わせ

人手不足などを背景に企業では急務の課題となっている生産性向上。その課題解決に向けRPAやOCRが導入されていますが、今注目されているのがこの2つを組み合わせた方法です。そこで本記事では、そんなRPAとOCRを組み合わせてできることについて徹底解説していきます。

RPAとOCRそれぞれの特徴とは?

RPAやOCRはどちらもITツールの一種で、企業に導入することで従業員の業務効率化が見込めるため注目を集めています。業務の効率化が実現すれば企業の生産性向上効果も期待できるため、人材不足や新規雇用できない企業にとって必須のITツールです。

ここでは、RPAとOCRの概要について解説します。基礎知識を深め、自社の課題解決にどのように活用できるか確認してください。

RPAとは?

RPAとは「Robotic Process Automation」の略称で、普段人間が手動で行っている定型業務をロボットが代行してくれるシステムです。ここでは、具体的な機能や用途・メリットを紹介します。

RPAの機能・用途

RPAは、作業工程を手順化できるような単純作業や、ルーティンワークに導入できます。たとえば、以下のような業務でPRAの活用が可能です。

  • データの抽出
  • データ入力
  • メール送信
  • 電話対応
  • 情報収集
  • 会計作業 など

RPAは、あらかじめ設定した内容に従ってロボットが自動的に作業を行います。たとえば、請求書に書かれた情報を他のアプリケーションに入力する作業や、電話での接客時に依頼内容に応じて適切なオペレーターまで繋ぐ作業などでRPAを活用可能です。

またRPAには3段階のレベルがあるとされ、レベルが上がると対応できる業務が増えます。

  • クラス1:RPA(定型業務を自動化するもの)
  • クラス2:EPA(AIと連携することで、一部の非定型業務を自動化するもの)
  • クラス3:CA(高度知能を持つAIと連携することで定型作業の実行から意思決定までの全てを自動化するもの)

クラス1に該当する一般的なRPAは、設定された内容以外の業務は遂行できません。OCRやAIといった別のシステムと連携することで業務の幅が広がります。

RPAとは?意味や導入する手順・メリットをわかりやすく解説!

RPAのメリット

RPAを導入するメリットは、単純作業にかかる業務時間の削減です。誰でもできるような単純作業をロボットに任せることで、従業員がコア業務に充てる時間を増やせます。

また、RPAで作業を自動化することは、従業員の入力ミスや確認漏れといったヒューマンエラーの削減にも繋がります。請求書や契約書の発行など取引先に対して行う業務は、ミスをすると会社の信用に関わるため注意が必要です。RPAを用いて正確に作業することで、大きなトラブルの発生を未然に防ぐ効果も期待できます。

RPAのメリット・デメリット|有効性や他のシステムとの差を理解しよう

OCRとは?

OCRとは、「Optical Character Recognition/Reader(光学的文字認識)」の略称です。画像や文書の取り込みをする際に使用される技術を指します。ここでは、OCRの機能や用途・メリットを詳しく解説します。

OCRの機能・用途

OCRは、紙文書のテキスト部分を取り込み文字データとしてデジタル化する技術です。機械の場合、画像として取り込んだデータの文字部分を文書として認識することはできません。そのため、従来は人間が文字を入力してデータ化する必要がありました。

しかし、OCRの技術を導入すれば、人間がデータ入力をせずともロボットが自動的に文字を読み込みデータとして認識できるようになります。

たとえば、伝票入力や請求書の内容確認・名刺の保存・アンケート集計など、OCRの使用用途はさまざまです。人間が行っていた簡単な事務作業の多くを、OCRに任せることで業務の効率化が可能となります。

OCRのメリット

OCRを使用するメリットは、作業にかかる業務の効率化と、ペーパーレス化を促進できる点です。2022年1月に電子帳簿保存法が改正されるなど、日本社会のペーパーレス化は進んでいます。

また、法案が改正されたことで、データをすぐに取り出せるような形式で保存しておかなければならないという義務が発生しました。

OCRを利用すれば、画像形式ではなく文字データとして保存できるため、名前・キーワード・日付などから保存データを簡単に検索できるようになります。また文字データは画像よりも使用するデータ量が少ないため、メモリ容量の圧縮も可能です。

さらに、人間が手動で行っていたデータ入力や確認・書類の探し出しといった作業をロボットに代行させることで、業務の効率化も実現できるでしょう。

RPAとOCRの違いとは?連携できる?活用例を参考に入力業務を効率化

AI-OCRとは?

AI-OCRとは、AIとOCRを融合させた技術です。AIは自主的に学習を深めるため、定型業務だけでなく情報分析や意思決定といった、従来のロボットにはできなかった作業もできるようになりました。

このようなAIの特性とOCRの技術を合わせることで、使用する度にOCRの精度が向上し、より複雑な業務も代行できるようになります。たとえば、読み取った文書と関連性のある文書を探しデータ化したり、データを種類別に出力したりすることもできます。

PRAとAI-OCRの連携で業務効率化!組み合わせでできることとは?

RPAとOCRの組み合わせでできること

RPAはデータの抽出や入力を、OCRはスキャンした画像からの文字データの読み取りを得意とするIT技術です。この2つをかけ合わせることで、画像から文字を抽出するだけでなくそのままデータとして入力もできます。

RPAとOCRを組み合わせることで、これまで人間が行っていた定型作業をロボットに任せられる点が最大のメリットです。単純作業に費やす時間を削減できるだけでなく、ヒューマンエラーによって起こり得るリスクも回避できます。

PRAやOCRを単体で使用するよりも対応できる作業の幅が広がるため、業務の効率化が進むでしょう。

RPAとOCRを組み合わせた具体的事例

RPAとOCRを組み合わせた技術は、実際の現場でどのように使用されているのでしょうか。ここでは、使用方法に関する具体的な事例を5つ紹介します。

請求書発行の自動化

RPAとOCRを組み合わせることで、請求書の発行にかかる手続きを自動化できます。たとえば、請求書をOCRがスキャンし抽出した文字データをRPAが入力します。すると作業を行う従業員は、入力されたデータを基に経理業務を行うだけで一連の作業が完了するため作業の効率化が可能です。

請求書の作成は毎月発生する業務です。またお金に関わる作業なので、ヒューマンエラーが許されず精神的に負担を感じる方も少なくありません。RPAとOCRを組み合わせた技術を導入することで、数字の入力間違いや記入欄のズレといった人為的なミスを削減できるため従業員の負担も軽減されるでしょう。

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勤怠管理の自動化

RPAとOCRを勤怠管理に導入するのも、方法のひとつです。たとえば、勤怠管理表をOCRでスキャンし、RPAでデータ入力・データの転記を行えば、自動的に従業員の勤怠管理ができます。

勤怠管理で必要なのは、労働時間の確認だけではありません。出退勤の時間や有給休暇取得日数などを記録し、管理する必要もあります。また、アルバイトやパートなど複数の業務形態の従業員がいると、給与の計算方法が違うためそれぞれで勤怠管理を行わなければなりません。ITツールを導入することで、作業の効率化が実現できます。

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名刺管理の自動化

取引先の多い企業・業種は、名刺が多くなり管理できない状況になることも少なくありません。しかしOCRで名刺をスキャンしRPAでデータ入力すれば、取引先の企業名や顧客名・取引開始時期などを条件ごとにデータでまとめられます。

検索機能で名刺を簡単に探せるため、商談前の顧客情報確認や取引先に連絡を入れる場合にも便利です。また、顧客情報を取り込んだ後のメール送信も自動化できるため、営業に関する業務の効率化にも最適です。

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データ入力業務の自動化

RPAとOCRは、日常的に発生する事務作業や経理業務のデータ入力を自動化できます。手書きの申込書や契約書・FAXで送付された文書などがある場合、今までは文書を確認して手入力しなければなりませんでした。

しかし、RPAとOCRの技術を使うことで、データの入力業務が自動化され業務時間と手間が削減されます。また従業員は別の業務を行えるので、人件費の軽減も期待できるでしょう。また、大量の単純作業による従業員のモチベーション低下リスクも減らせます。

納品データと販管システムの自動照会

RPAとOCRの技術を活用すれば、食品や衣料品・日用品など多くの商品を取り扱う場合に発生する納品処理の作業も効率化できます。OCRで物品受領書や納品書をスキャンし、RPAで販管データや伝票との照合作業を実施すれば、どの商品が納品されているかを自動的に確認が可能です。

納品時に足りない商品をすぐに確認でき、取引先に連絡できるのは大きなメリットです。「発送してから時間が経っているため再送できない」「納品時のチェックミスではないか」といったトラブルの発生を防げます。

また、取引先から「予定よりも多く納品してしまったかもしれない」などと問い合わせが来たときにも、RPAのデータを検索すればスムーズに対応できるでしょう。

RPAの費用対効果は良い?悪い?測定方法や効率化を進める秘訣

RPAとOCRを組み合わせる際に考えるべきこと

RPAとOCRは、組み合わせることで対応できる業務の幅が広がるというメリットがあるものの、全ての業務を完全に自動化するのは難しいという点には注意が必要です。

たとえば、スキャンする画像が不明瞭であったり原稿が斜めになっていたりすると、文字を正確に読み込めなくなる可能性があります。そのため、最終的には人の目で作業内容を確認するようにしましょう。

また、RPAやOCRとして活用するツールの選定も必要です。さまざまなツールがあるため、自社の解決したい課題内容に合ったものを選ぶ必要があります。

もし、「ITツールに詳しい従業員がいない」「ツールを導入しても使いこなせないのでは」といった不安がある場合は、サポート体制の整ったツールを利用するのも方法のひとつです。初期設定やアップデートを代行してくれるものや、サポートデスクを設けているサービスもあります。ツールを運営する企業によってサポート内容は大きく異なるため、事前によく比較しておくことが大切です。

RPAを活用してデータ入力を効率化!方法や他サービスとの連携

RPAとOCRを組み合わせてさらに生産性を高めよう

RPAやOCRの技術は、業務効率化を実現する手段として注目を集めています。これまで人の手で行っていた定型業務をロボットに代行させることで、従業員がコア業務に費やす時間を確保しやすくなります。また、従業員のモチベーション向上といった効果も期待できるでしょう。

ただし、完全に自動化はできないという点は注意してください。エラーやミスが発生する可能性もあるため、最終的には人間の目で業務内容を確認しなければなりません。ITツールの特徴やメリットを比較しながら、自社にあったツールを選択しましょう。

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