RPAできることとは?具体例やできないこと・適した業務を解説!
ロボットによって業務の自動化を行うことができるRPA。近年では人手不足などを背景にますます需要が高まっているRPAですが、RPAでできることとは一体何なのでしょうか。本記事では、そんなRPAでできることについて、具体例や適した業務など詳しく解説していきます。
目次
RPAでできる具体的な作業
RPAが得意とする領域は業務プロセスや手順が決まっている作業で、事前に作成されたレギュレーションがあれば、自動的に作業を進めることが可能です。
実際には、どのような作業をRPAで代替できるのか紹介します。
データ収集や分析業務
RPAは事前に手順が定まっている作業が得意なので、データ収集・分析業務などを任せることができます。
商品・サービスの売上を上げるためには、サイト・SNS・広告運用といった施策の継続的なデータ分析が欠かせません。データ分析をすることで、施策のパフォーマンスを確認し改善することが可能だからです。
しかし、データ分析を行う前には解析の元となるデータをダウンロードする必要があります。データ取得から分析まで時間がかかる作業をRPAで自動化をすると、社員は資料作成から作業をスタートできるので業務の効率が大幅にアップします。
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メールの配信業務
社員がメール配信ツールを立ちあげ、手作業でおこなっていた文書作成・配信の業務をRPAで代替することが可能です。
会社のイベント・説明会や就職・転職者の採用募集といった内容、ホワイトペーパーやメルマガ登録後に送信されるメールの内容はある程度決まっています。定型文を作成し、自動で配信される設定にしておくと同じ工程を手作業で行う必要がありません。
RPAは、メールの配信先や日時を指定すると、顧客の元に自動でメールを配信することができます。
年に1度しかない年末調整などは、手順に迷ってしまい時間がかかってしまうこともあるでしょう。しかしRPAは、一度行った作業は時間が経っても対応できるので、配信先の誤送信やお知らせの未配信といったヒューマンエラーの防止になるので安心です。
従業員の勤怠管理
会計処理は作業量が多いですが、手順が決まっているのでRPAで自動化することで業務の効率化に最適です。
毎月行う勤怠管理の作業は、社員数が多いと必要なデータ数も膨大になり会計担当の社員の負担が大きくなるので、RPAで一元化することをおすすめします。
日々の稼働時間から月間の稼働時間や残業時間の算出まで設定を行うと、集計した勤怠管理データから給与計算もしてくれるので、計算ミスを防止につながります。
また事前に社員の振り込み口座を指定すると振込みをおこなったり、未入金の社員をリスト化したりすることも可能です。
在庫管理
WebサイトやECモールなどで売上を上げるためにも、無駄なコストや売れ行きが好調な商品の在庫数確認は、利益損失を防ぐために重要です。
とくに、ECモール内でお得なイベントの開催や、ポイント付与・クーポン発行といった施策が行われた際には、予想以上に売れて在庫がないということも考えられるので、在庫数や出荷予定数といった情報管理が欠かせません。
しかし、社員が長時間パソコンで確認することは現実的ではないので、RPAであらかじめ在庫数より少なくなった際に、アラート通知がくるように設定しておくと、いつでも営業担当者に連絡がいくようになります。
場所や時間を選ばずに在庫数をチェックができるので、在庫の取り寄せなどスムーズに対応することも可能です。
問い合わせの対応
問い合わせの対応を全て手作業でおこなうと、時間がかかり効率が悪くなります。しかし、RPAを活用し問い合わせ内容やメール返信設定を行えば、自動返信と担当者への通知を同時におこなうことができます。
問い合わせ内容の返信や情報登録なども自動でおこなうことで、作業効率の改善が可能です。
SNSなどの口コミ収集
口コミは自社の商品・サービスに対する顧客のリアルな意見がわかり、商品の品質向上や次回の開発に活かすことができます。
とくにSNSは、自社の認知度や興味・関心の有無について、データ分析すると顧客の反応がわかりやすいです。しかし、複数のSNSを運用している場合にはデータ収集に時間がかかるので社員の負担が大きいです。
通常は各媒体ごとに期間を決めてデータ分析する必要がありますが、RPAを活用すると、データ取得の設定期間や日時を指定し、集計する設定をしておくだけでデータ分析の事前準備が可能です。
RPAは、良い口コミと悪い口コミを分けたり、悪い評価が投稿されたらアラート通知したりもできます。
請求書の発行
会計担当者の請求書発行が一定の手順になっている場合は、RPAで自動発行することが可能です。例えば、社員から売上伝票を会計担当者へ提出し、販売管理システムに入力するといった一連の流れが決まっていれば、RPAで代替できるので会計業務の負担につながります。
事前に作成した売上伝票のファイルを社員が共有フォルダに格納するだけで、RPAが自動的に販売管理システムに売上伝票の共有ができ、指定した日時に請求書をメールで受け取ることも可能です。設定によっては、契約書や見積書など、さまざまな文書にも対応します。
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RPAでできない具体的な作業
RPAでできる作業は多くありますが、できない作業もあります。RPAを導入したものの活用できないという事態を防ぐために、確認しておきましょう。
ルーティン系ではない複雑な業務
前述した通り、RPAの得意分野は業務プロセスや手順が決まっている作業なのでクリエイティブな作業は苦手です。
例えば、顧客情報の電話番号を半角数字で入力するルールがある場合、名前などの漢字が用いられた情報を入力すると、RPAはエラーと判断し作動しなくなってしまいます。
手作業であれば、入力ミスをすぐに修正ができますが、RPAは修正が困難な場合があるので、状況によっては手作業で対応できる環境が必要です。
エラーが発生する状況を想定し、エラーが起きた場合にはRPA担当者にメールで連絡がいくよう設定しておくことをおすすめします。
イレギュラーが発生する業務
RPAは事前に設定したルールやプロセス以外のことがおこると対応ができません。またアプリのバージョンアップといったイレギュラーなことが起きると、RPAは作動しなくなり業務の生産性が悪化することも考えられます。
他にも、メールの文章からテキスト内容を抽出することは可能ですが、画像や手書きのテキストは読み込むことはできません。画像認識ソフトを併用してRPAの苦手分野を補えるようにしておくことが大切です。
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RPAができることを活かした活用事例
ここでは、RPAを実際に導入して業務の効率化に繋がった事例を紹介します。自社が導入することで、どのようなメリットが生まれるのか状況を考えながら参考にしてください。
膨大な勤怠管理業務の効率化
社員の勤怠管理などは、人数が多いと扱うデータが膨大になってしまい、会計担当者の負担が大きくなるので、業務を工夫する必要があります。
全社員の勤怠データを一度に取り扱うので算出に時間がかかりますが、手順は決まっているのでRPAには最適な業務と言えるでしょう。
月末の勤怠締めは会計担当者が残業するケースもありますが、RPAで勤怠管理と給与払いが自動化できたことで、社員の負担を減らし人件費削減につながり会社の生産性が上がった事例があります。
顧客からの問い合わせへの対応
顧客から電話やメールでのお問い合わせの返信にRPAを活用して作業効率が改善した事例があります。顧客情報を入力フォームに一度登録するだけで、他のシステムにも共有してくれるので、同じ情報を登録する必要がなく業務の短縮につながります。
様々なデータの収集業務
社会労務法人など法律に関わる職種は、公文書をダウンロードする業務があります。しかしWebサイトから該当の公文書を探しダウンロードする作業には、多くの時間がかかってしまいます。
そこでRPAを導入したところ、業務開始前に公文書をダウンロードできる仕組みが構築され、処理業務の短縮につながり、本来の社会労務法人の業務に注力することができました。
経理部門の請求書発行業務の効率化
毎月の請求書発行は経理部門の負担ですが、手順は毎月同じなのでRPAを導入すると、業務の効率化ができます。
システム上のデータ取得から算出し、請求書を作成するまでの流れを自動化できるので、RPAで作成された請求書の確認・押印・郵送の業務を経理担当者はおこないます。請求書発行の業務を夜間に実行する設定にしておくと、出社してすぐ業務に取りかかることも可能です。
テンプレートを活用したメール送信
カスタマーサクセス部門や営業部門が担当する顧客の電話やメール返信もRPAを活用できます。
顧客情報を入力フォームに一度登録するだけで、他のシステムにも共有してくれるので、同じ情報を何度も登録する必要がありません。1日かかっていたお問い合わせ業務を半日に短縮することも可能です。
在庫データの管理
ネットショップやECサイトの運営は、商品の売れ行きをチェックしながら在庫管理や価格の更新作業を続ける必要があります。しかし、手作業でできる商品数には限界があります。
膨大な商品データを常に調整できるRPAを活用すると、夜間や休日にも自動で対応できるので業務の効率化が可能です。商品情報の入力漏れや価格ミスも発生しないので、効率的に収益化することにもつながるでしょう。
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RPAを導入するメリット
RPAは対応できる業務の幅が広く、作業が自動化できることが大きなメリットです。単純作業や定型業務などをRPAに置き換えると、社員の負担を軽減できるだけでなく、人件費などの経費削減にもつながります。
単純な繰り返し作業を手作業でおこなうとミスが発生する可能性がありますが、RPAで自動化できるとミスの防止やスムーズに業務を進めることが可能なので、社員のモチベーションアップにもつながるでしょう。
RPAを活用して空いた社員のリソースを、商品開発や企画といったクリエイティブな作業時間に充てることで、顧客の利便性やロイヤリティー向上にも期待ができます。
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RPAを導入するデメリット
RPAは自分で考える作業が苦手なので、内容によっては導入効果がない場合も考えられます。
手順が複雑な業務の場合でも、RPAで自動化できるケースもありますが、プロセスを細かく設定する必要があるので、導入に多くの労力と時間が必要です。
費用をかけてRPAを導入しても効果がないという問題がおこらないためにも、RPAのデメリットや必要性の有無を見極め、導入を検討していくことが大切です。
RPAでできることを押さえておこう
本記事では、RPAの導入やできること・できないことを紹介しました。
これまでは、手作業で行っていた仕事をRPAに置き換えることで、業務効率が上がり、社員のリソースを別の施策に活用することが可能です。
しかし、RPAは自分で考える作業が苦手なので複雑な業務になると、スムーズな対応ができなかったり、エラーが生じたりと業務が上手く稼働しなくなってしまいます。
RPAの導入を成功に導くためにも、まずは社内の業務プロセスを見直し、RPAでできること・できないことを見極めて検討していきましょう。
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