RPAでできること・できないことまとめ|活用事例や導入メリットも紹介
ロボットによって、業務の自動化を行うことができるRPA。近年では人手不足などを背景にますます需要が高まっているRPAですが、RPAでできることとは一体何なのでしょうか。本記事では、RPAでできること・できないことをまとめて、具体例や適した業務など詳しく解説します。
目次
RPAでできることまとめ
RPAを活用すると、作業内容や手順が決まっている定型業務や、大量のデータを扱う業務などを自動化できます。ここからは、RPAでできることの具体例10選を紹介します。
データ入力
RPAは、時間や手間がかかりがちなデータ入力業務を自動化できます。
通常、人の手でデータ入力を行うにはある程度の時間が必要です。また、単純作業の繰り返しになるため従業員のストレスも溜まりやすく、長時間の作業になるとヒューマンエラーも生じやすくなるでしょう。
しかし、RPAを活用すれば膨大な量のデータでも迅速に入力可能です。また、元のデータをそのまま転記するため入力ミスが発生することもありません。人のようにこなせる量に個人差が生じることもなく、データ入力業務を大幅に効率化できます。
データ収集・分析
RPAは、データ収集・分析業務などを任せられます。
商品・サービスの売上を上げるためには、サイト・SNS・広告運用といった施策の継続的なデータ分析が欠かせません。データ分析によって、施策のパフォーマンスを確認し改善することが可能であるからです。
しかし、データ分析を行う前には解析の元となるデータをダウンロードする必要があります。データ取得から分析までの時間がかかる作業をRPAで自動化をすると、従業員は資料作成から作業をスタートできるため、業務効率を大幅にアップできます。
勤怠管理
勤怠管理は作業量が多いですが、基本的な手順は決まっているためRPAで自動化することで業務の効率化が可能です。
毎月行う勤怠管理の作業は、従業員数が多いと必要なデータ数も膨大になり担当者の負担が大きくなるので、RPAで一元化することをおすすめします。
日々の稼働時間から月間の稼働時間や残業時間の算出まで設定を行うと、集計した勤怠管理データから給与計算もしてくれるため、計算ミスの防止につながります。また、事前に従業員の振り込み口座を指定しておくと、振り込みを行ったり明細書を作成したりすることも可能です。
在庫管理
WebサイトやECモールなどで売上を上げるためにも、無駄なコストや売れ行きが好調な商品の在庫数確認は、利益損失を防ぐために重要です。
特に、ECモール内でお得なイベントの開催や、ポイント付与・クーポン発行といった施策が行われた際には、予想以上に売れて在庫がないという事態も考えられます。そのため、在庫数や出荷予定数といった情報管理が欠かせません。
しかし、従業員が長時間パソコンで確認することは現実的ではないため、RPAであらかじめ在庫数が少なくなった際に通知が来るように設定しておくと、いつでも担当者に連絡が届くようになります。
場所や時間を選ばずに在庫数をチェック・管理できるため、在庫の取り寄せなどをスムーズに行うことも可能です。
入金消込
入金消込とは、取引先への請求情報と取引先からの入金情報を確認して、問題なければ消し込む作業のことです。毎日のように入金消込が発生する企業では、データの照合に手間がかかり、従業員のリソースが割かれるケースが多いでしょう。
しかし、入金消込は定型作業であるため、RPAによる自動化が可能です。銀行システムから自動で入金情報を収集し、自社の会計システムから請求情報を取得します。その後照合を行うことで、RPAによる入金消込は完了です。
たとえ取引先が多い場合でも、労力を割かれることなくRPAに任せられるのは大きなメリットです。
請求書発行
請求書発行が一定の手順になっている場合は、RPAで自動発行することが可能です。
例えば、従業員から売上伝票を会計担当者へ提出し、販売管理システムに入力するといった一連の流れが決まっていれば、RPAで代替できるため会計業務の負担につながります。
事前に作成した売上伝票のファイルを従業員が共有フォルダに格納するだけで、RPAが自動的に販売管理システムに売上伝票の共有ができ、指定した日時に請求書をメールで受け取ることも可能です。設定によっては、契約書や見積書など、さまざまな文書にも対応します。
問い合わせ対応
問い合わせフォームからの顧客対応をすべて人の手で行うと、手間や時間がかかり効率が悪くなります。
しかし、RPAを活用して対象となる問い合わせの内容やメール返信設定を行えば、自動返信と担当者への通知を同時に行うことができます。<問い合わせ内容への返信やシステムへの情報登録なども自動で行うことで、作業効率の改善が可能です。
SNSなどの口コミ収集
口コミは自社の商品・サービスに対する顧客のリアルな意見がわかり、商品の品質向上や次回の開発に活かすことができます。
特にSNSは、自社の認知度や興味・関心の有無について、データ分析をすると顧客の反応がわかりやすいです。しかし、複数のSNSを運用している場合には、データ収集に時間がかかるため従業員の負担が大きいでしょう。
通常は、各媒体ごとに期間を決めてデータ分析をする必要がありますが、RPAを活用するとデータ取得の設定期間や日時を指定し、集計する設定をしておくだけでデータ分析の事前準備が可能です。
また、RPAは良い口コミと悪い口コミを分けたり、悪い評価が投稿されたらアラート通知したりすることもできます。
レポートの作成
RPAを活用すると、日々の売上データや顧客訪問の記録、広告への投資対効果などの情報を収集して、自動的にレポートを作成できます。これにより、分析や改善などを迅速に行うことが可能です。
次のアクションをすぐに行えるようになり、生産性の向上につながるでしょう。また、作成したレポートは上司や経営層などへの報告時にも活用できます。
メール配信
RPAは、従業員が手作業で行っていた文書作成・メール配信の業務を代替することが可能です。
会社のイベントの情報や採用募集の内容、メルマガなど、メール配信を行う内容は、ある程度事前に決まっています。定型文を作成し、自動で配信される設定にしておくと、メール配信を手作業で行う必要はありません。手作業で行う際に起こりがちな、配信先の誤送信やお知らせの未配信といったヒューマンエラーの防止にもなるため安心です。
メール配信に対応するRPAツールはさまざまありますが、中でも「RoboTANGO」はテキストだけのメール送信だけではなく、ファイルを添付しての自動送信や人事部門におけるスカウトメール配信などにも対応しています。
導入時にはRPA作成支援が受けられ、導入後はRPAの操作講習やWEBセミナーが受けられるなど、サポート体制も充実している点が魅力です。
600社以上への導入実績があり、業種・業界を問わずさまざまな業務の自動化に対応しています。
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さまざまなことができるRPAですが、できないこともいくつかあります。ここからは、RPAでできないことを3つ紹介します。
ルーティン化できない複雑な業務
RPAの得意分野は、業務プロセスや手順が決まっている定型業務なので、ルーティン化できない複雑な業務は苦手です。
例えば、顧客情報の電話番号を半角数字で入力するルールがある場合、名前などの漢字が用いられた情報を誤って入力すると、RPAはエラーと判断して作動しなくなってしまいます。
手作業であれば入力ミスをすぐに修正できますが、RPAは対応が難しい場合がほとんどで、状況によっては手作業で対応できる環境が必要です。エラーが発生する状況を想定し、エラーが起きた場合にはRPA担当者にメールで連絡がいくよう設定しておくことをおすすめします。
イレギュラー対応が発生する業務
RPAは、事前に設定したルールやプロセス以外のことが発生すると対応できません。
また、連携するアプリのバージョンアップなどのイレギュラーなことが起きると、RPAは動作しなくなり業務の生産性が悪化することも考えられます。
定期的にルールが変更されるような業務は、RPAでの自動化に向かないといえます。
手書きの文字や画像の解析
RPAは、メールの文章からテキスト内容を抽出することは可能です。しかし、画像や手書きのテキストは読み込むことができません。
手書きの文字や画像の解析が必要な場合は、画像認識ソフトを併用してRPAの苦手分野を補えるようにしておくことが大切です。
RPAができることを活かした活用事例
ここでは、RPAを実際に導入して業務の効率化に繋がった事例を紹介します。
自社に導入することで、どのようなメリットが生まれるのか状況を考えながら参考にしてみてください。
【人事部門】膨大な勤怠管理の効率化
従業員の勤怠管理は、人数が多いと扱うデータが膨大になってしまい、会計担当者の負担が大きくなります。
全従業員の勤怠データを一度に取り扱うため算出に時間がかかりますが、勤怠管理の手順は決まっているためRPAには最適な業務といえるでしょう。
例えば、RPAを活用することで勤怠時間の集計から給与明細の作成、振込まですべての業務を自動化できます。
月末の勤怠締めは会計担当者が残業するケースもありますが、RPAで勤怠管理と給与払いが自動化できたことで、負担を減らして人件費削減につながり、会社の生産性が向上した事例があります。
【経理部門】入金消込業務の効率化
入金消込業務は、請求データと入金データの照合や未入金リストの作成など、細かな作業を人の手と目視で行うのが一般的です。
しかし、取引数が多くなるほど処理しなければならない入金消込業務も増えて、担当者の負担が大きくなります。また、負担が増えることでヒューマンエラーも生じやすくなるでしょう。
そこで、RPAを導入することで顧客との取引データの整理を正確に行えるようになります。すべてロボットが対応するため、数十件〜数百件の作業があっても疲れることがなく、ヒューマンエラーが発生することもありません。
担当者は、より重要となるコア業務に専念できるようになり、全体の生産性を高められるでしょう。
▷RPAでバックオフィス業務を効率化!成功事例や取り組むべき内容
【営業部門】テンプレートを活用したメール送信
営業部門が担当する顧客へのメール返信も、RPAを活用できます。
顧客情報やメールの内容をテンプレートに一度登録するだけで自動送信できるため、同じ情報を何度も登録する必要がありません。
例えば、多くの顧客に新製品の情報やメルマガなどを送信する際は、テンプレートを活用すれば一斉に自動送信が可能です。これにより、メール送信の手間と時間を削減できます。
▷営業部門の業務をRPA導入で効率化する方法!失敗しない秘訣と活用事例
【企画部門】インターネットからの情報収集
RPAは、インターネットからの情報収集も行えます。例えば、競合他社の価格情報やSNSでの口コミ収集などを自動化することが可能です。
人の手で情報収集をすると、誤った情報を集めたり入力ミスが発生したりする場合もあるでしょう。自動化によってこうしたヒューマンエラーは起こらないため、業務を大幅に効率化できます。収集した正確な情報から、競合他社や口コミの分析が適切に行えるでしょう。
【販売部門】24時間の在庫管理
ネットショップやECサイトの運営は、商品の売れ行きをチェックしながら在庫管理や価格の更新作業を続ける必要があります。しかし、商品数が増えると手作業で管理するのが難しくなる場合もあるでしょう。
膨大な商品データを常に管理できるRPAを活用すると、夜間や休日にも自動で在庫管理ができるため、業務の大幅な効率化が可能です。これにより、人件費の削減にもつながる点がメリットです。
また、商品情報の入力漏れや価格ミスも発生しないため、効率的に収益化することにもつながるでしょう。
【顧客管理部門】顧客からの問い合わせ対応
顧客からの問い合わせには、迅速に対応する必要があります。しかし、夜間や休日などは担当者が不在のため対応できず、問い合わせが溜まってしまい翌営業日の負担が大きくなる場合もあるでしょう。
RPAを活用すると、簡単な問い合わせであれば定型文で自動返答が可能です。これにより、24時間365日いつでも顧客からの問い合わせに迅速に対応できるようになります。
また、多くの問い合わせをRPAで対応できるようになるため、人件費や従業員の教育費も削減できます。
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RPAを導入するメリット
RPAの導入は、業務の効率化や生産性の向上など、さまざまなメリットが得られます。ここからは、RPAを導入するメリットを4つ紹介します。
業務が効率化する
「単純作業の量が多く、効率的に業務を進められない」と悩む企業も多いでしょう。しかし、RPAの導入によって多くの単純作業を自動化できるようになり、業務を大幅に効率化することが可能です。
また、AIと連携可能なRPAを導入すれば、より高度な技術を用いて自動化できる業務の範囲が広がります。
例えば、RPAツールの「RoboTANGO」は、一部のAI-OCRと連携が可能です。これにより、紙媒体やPDFなどの文字列を読み取って、自動的にシステムへ入力できます。
ほかにも幅広いクラウドサービスや基幹システム、会計システムなどとの連携も可能で、さまざまなシステムやアプリケーションで行っている業務の自動化が実現できる点が魅力です。
生産性が向上する
RPAで業務を自動化すれば、従業員のリソースに余裕が生まれます。空いたリソースを商品開発や企画などの付加価値の高い業務に充てることで、生産性やクリエイティブ性を高められます。
また、RPAは24時間365日休まず稼働することが可能であり、夜間や休日を問わず稼働できるため、生産性や顧客満足度の向上にもつながります。さらに、24時間の稼働によって作業スケジュールを大幅に短縮できる点もメリットです。
ヒューマンエラーを防げる
人の手で作業を行っていると、作業量が膨大になった時や長時間の労働が続いた際に、ヒューマンエラーが発生しがちです。作業の抜けや漏れが発生すると、業務が停滞するうえに場合によっては顧客の信頼を失う可能性もあるため注意しなければなりません。
しかし、RPAはあらかじめ決められたルールに則って正確に作業を行うため、作業漏れや抜けなどのヒューマンエラーが発生しない点がメリットです。
また、ヒューマンエラーを防止するためのチェック体制も不要になり、従業員の負担も軽減できます。
人件費を削減できる
RPAで業務を自動化できれば、多くの人員を割く必要がなくなるほか残業や休日出勤も不要になります。そのため、残業代や休日手当などの人件費を削減可能です。
RPAの導入や運用にも費用がかかりますが、一般的には人件費よりも安く済むといわれています。また、新たに従業員を増やさずとも業務を回せるようになるため、採用コストや教育コストなども削減できます。
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RPAを導入するデメリット
さまざまなメリットがあるRPAですが、一方でいくつかのデメリットもあります。ここからは、RPAを導入するデメリットを3つ紹介します。
導入には手間やコストがかかる
RPAを導入する場合、手間とコストがかかる点がデメリットです。
RPAには、主にオンプレミス型とクラウド型の2種類があり、特にオンプレミス型の場合は自社のサーバーにインストールする手間がかかります。また、導入環境を整備するための初期費用も高くなりがちです。
導入後は、運用や保守の費用が発生します。継続的に費用が発生するため、導入前に費用対効果が得られるかどうかを検証しておきましょう。
▷【無料あり】クラウド型RPAを比較|オンプレミス型との違いやメリット・デメリット
業務がブラックボックス化するリスクがある
RPAは人が作業を行わなくて済む点がメリットですが、担当者の異動や退職などによって業務がブラックボックス化するリスクがあります。
ブラックボックス化すると、万が一のシステムトラブル発生時に業務を遂行できなくなる可能性があるため注意が必要です。
そのため、必ずマニュアルを作成して誰でもRPAを操作できるようにしておきましょう。細かな内容でも資料として残して、あとから確認できるようにすることが大切です。
セキュリティリスクがある
特にクラウド型のRPAツールを利用する場合、インターネットを経由するため情報漏えいなどのリスクがゼロとは言い切れません。そのため、不正アクセスやサイバー攻撃などに備えて、自社でセキュリティ対策をしっかりと行う必要があります。
ベンダー側でもセキュリティ対策が行われているため、ツールのアップデートは欠かさずに行いましょう。また、IDやパスワードを暗号化したり定期的に変更したりするのも有効です。
▷RPAと内部統制の問題点|起こりうるリスクや対応策を詳しく解説
RPAでできることを押さえておこう
これまで手作業で行っていた業務をRPAに置き換えることで、業務効率が向上して従業員のリソースをコア業務に充てることが可能です。
しかし、RPAはルーティン化できない業務やイレギュラーが発生する業務は対応できないため、業務ごとにうまく使い分ける必要があります。
RPAの導入を成功に導くためにも、まずは社内の業務プロセスを見直して、RPAでできること・できないことを見極めて検討していきましょう。
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