人事・総務のRPA活用方法!活用例や業務効率UPの秘訣

最終更新日時:2023/05/18

RPA

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人事・総務のRPA

幅広い業務の効率化で役立つRPAは、人事や総務で行う業務にも活用されています。昨今の労働環境の状況から導入を検討している企業も多いでしょう。本記事では、人事や総務でのRPA活用方法について解説します。ポイントや活用例を紹介しているので参考にしてください。

RPAとは?

RPAとは、「Robotic Process Automation」の略称で、ビジネスプロセスの自動化技術の一つです。具体的には、これまで人間がおこなっていた単純な反復作業をコンピューターソフトウェアによって自動化することで、業務の効率化や品質向上を図ります。

RPAは、従来のプログラミングに比べてかんたんに導入することができ、高速で処理をおこなったり、手作業によるヒューマンエラーを排除したりできるため、業務の品質向上につながるでしょう。

さらに、RPAは業務プロセスの可視化や改善点の特定、顧客対応の改善などにも役立ちます。ビジネスの効率化や品質向上を目指す際には、RPAの導入を検討してみると良いでしょう。

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RPAが注目されている理由

RPAは、今後ますます普及していくことが予想されていますが注目されている主な理由としては大きく2つあげられます。

労働人口が減っているため

まず、RPAが注目されている理由として挙げられるのが、国内の労働人口が不足している点です。

日本国内では少子高齢化が進み、年々労働人口が減っています。総務省の公式ホームページによると、国内の生産年齢人口(15~64歳)は1995年をピークに減少しており、2021年の7,450万人から2050年には5,275万人までに減少する見込みだと公表しています。

[出典:総務省「令和4年版情報通信白書第1部 特集 情報通信白書刊行から50年~ICTとデジタル経済の変遷~」]

このような社会情勢の中で、企業は人手不足に直面し、業務の効率化や生産性の向上を図る必要があるため、RPAが注目されるようになりました。RPAはこれまでの反復業務を自動化することで、人手不足の解消として期待されています。

働き方改革による影響のため

働き方改革の影響によっても、RPAが注目されるようになった要因の一つです。

近年では、働き方改革が進む中で、ワーク・ライフ・バランスの確保が求められるようになりました。そのため、残業時間の削減や週休2日制の導入など、労働環境の改善が進められています。しかし、このような取り組みが進む一方で、業務の増加によるストレスや、生産性を向上させなければならないといった課題がありました。

RPAを活用することで、反復業務の自動化が可能になり、作業の効率化やミスの削減などにつながるとされています。また、反復業務が自動化されたことによって、より生産性の向上につながるコア業務に対して人員を割けるようにもなったのです。これにより、労働時間の短縮や負荷軽減が図られ、ワーク・ライフ・バランスの改善にも期待できるでしょう。

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RPAを人事や総務の業務に導入するメリット

RPAを人事や総務の業務に導入するメリットは下記の5つです。

  • ヒューマンエラーの防止につながる
  • 業務を自動化できて作業効率の向上が見込める
  • 業務の品質を向上させられる
  • コストを削減できる
  • 人材不足を解消できる

ヒューマンエラーの防止につながる

RPAによる自動化によって、人事や総務の業務におけるヒューマンエラーの防止につながります。

人事や総務の業務には、書類作成やデータの入力作業などの反復作業が多く、作業者によってヒューマンエラーが発生しやすい業務でもあります。たとえば、給与計算の際に、手打ちで入力する際に誤入力してしまうことが考えられるでしょう。

RPAを導入することで、このような手打ちでの入力ミスがなくなるため、ヒューマンエラーの防止にもつながります。その結果、いままで手作業でおこなっていた分の時間を削減でき、担当者はより高度な業務に集中することで生産性の向上が期待できるでしょう。

業務を自動化できて作業効率の向上が見込める

RPAを活用し人事や総務の業務を自動化することで、書類作成やデータ入力、メールの返信などの単純な作業作業効率の向上が見込めます。

ルーティン的な要素の強い業務をRPAで自動化することができれば、従業員はコア業務に専念できるようになり、生産性の向上ややりがいを感じやすくなります。

業務の品質を向上させられる

RPAを人事や総務の業務に導入するメリットの一つは、業務品質の向上が期待できることです。

人間による手作業では、長時間の作業で集中力が低下し、ヒューマンエラーが発生しやすく、品質低下の原因につながりかねません。しかし、RPAを活用することで、業務プロセスの自動化が実現できます。処理された書類や請求書は、常に一定の品質を保ち、正確であるため、業務品質の向上につながるでしょう。

コストを削減できる

RPAを人事や総務の業務に導入することで、求人票の作成や採用活動などの業務を自動化でき、人件費の削減が実現できるでしょう。

また、RPAによって業務プロセスが効率化されるため、作業時間の短縮が期待できます。作業時間の短縮が可能になることで、会社全体の残業時間が減り、残業代のコスト削減にもつながるでしょう。

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人材不足を解消できる

RPAを人事や総務の業務に導入することで、人材不足による業務遅延や停滞を回避し、限られた人材でより多くの業務の処理が可能です。

具体的には、人事業務において、従業員の勤怠管理や給与計算などの業務をRPAによって自動化することで、限られた人材でより多くの業務を処理できます。

また、RPAの活用によって、内容の確認、漏れのチェックなどの作業は、人間がおこなう必要がなくなるでしょう。このように、RPAは人間よりも多くの作業を処理することが可能なため、人材不足の解消にもつながります。

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RPAが導入できる人事・総務の業務一覧

ここからはRPAが導入できる人事・総務の業務について紹介していきます。

人事情報の管理

人事・総務の業務にRPAを導入することで、社員の人事情報の管理を自動化することができます。

たとえば、社員の入社・退社手続きなどの人事処理においても、RPAの活用によって業務効率化が図られています。毎年の入社時期には、契約書類の作成や保険の手続きなど入社に必要な書類や手続きを管理しなければなりません。

この点においてRPAは、システムを自動的に連携させ、入力が必要な項目を自動入力が可能になります。また、情報の更新が迅速かつ正確におこなえるため、より安全な人事情報の管理体制が構築できるでしょう。

勤怠の管理

人事・総務の業務として挙げられる勤怠の管理は、社員の出退勤時間を毎日記録して管理します。

この業務は社内の全員の勤怠を管理しなければならないため、人事・総務担当者の負担が大きく、大変な作業です。勤怠管理にRPAを活用することによって、出勤簿やタイムカードなどから出退勤時間を自動的に読み取り、勤怠管理システムに反映させることが可能になります。

給与計算

給与計算は複雑な人事・総務の業務ですが、RPAの活用により、社員の給与明細書の作成や社会保険料や税金の計算などを自動化することができます。

たとえば、自動的に給与計算システムと連携して自動的に計算処理をおこない、給与・賞与明細データを作成してくれます。また、RPAのシステムによっては、残有休数の自動更新をおこなうことも可能です。

交通費精算

交通費精算の流れをRPAに指示することにより、自動的に経路情報を抽出して交通費を計算してくれます。また、RPAが正確な照合やチェックをおこなうことで、手作業でのデータ入力のミスを防ぎ、スムーズな処理が可能です。

RPAが異常値を発見した場合は、入力した社員へ自動的に確認メールで照会をするなど業務の効率化を実現します。

人事評価

人事・総務の業務である人事評価をおこなうにあたって、評価表の作成や運用体制の整備などさまざまな業務をこなさなければなりません。

そこでRPAを活用することにより、人事評価に必要な事務作業を迅速におこなってくれるため、大幅な時間削減を可能にします。また、人事評価にかける時間が増えることで社員へのフィードバックの質も向上が期待できるでしょう。

採用活動

人事・総務の業務である採用活動では、書類選考や面接の日程調整、選考者へのメールの作成・送信など面接以外にも多くの事務作業が発生します。

これらの業務にRPAを活用することで、自動応募書類のスクリーニングをおこない、採用基準に合致しない応募者を自動的に除外ができます。また、面接スケジュールの調整や自動返信メールの送信などの反復業務も自動化も可能です。

このように、人事・総務における採用活動に必要な事務作業を自動化できれば、採用担当の作業工数を大幅に削減することができるでしょう。

株主情報の収集

株主情報の収集においては、株主総会の招待メールを送る業務や決算報告書・IR資料の作成が発生します。

RPAを活用することで、株主リストからメール送信対象者の選別からメール作成・送信まで自動化できます。また、決算報告書・IR資料の作成などの人事・総務に関する事務作業も自動化によりサポートが可能なため、作業のスピードアップにも役立つでしょう。

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RPAを人事や総務の業務に導入するコツ

様々な業務を自動化してくれるRPAですが、人事や総務業務に明確な意図を持たずに導入しても良い効果が得られないリスクがあります。そこでここからは、RPAを導入する際のコツについて紹介していきます。

導入時に目的を明確にする

RPAを人事や総務の業務に効率よく導入するコツとして、導入時に目的を明確にすることが大切です。たとえば、「どのような業務にRPAを導入するか」「RPAの機能やスキルセットをどのように設計すればよいか」「導入後の評価指標をどのように設定すればよいか」などが挙げられます。

RPAを導入する際に目的を明確にすることで、RPAの設計や実装をスムーズに進めることができ、業務の効率化や生産性の向上などが実現できるでしょう。

スモールスタートで導入する

人事や総務におけるRPAの導入にあたって、スモールスタートで始めることが重要です。一度に多くの業務を自動化しようとすると、全体像が見えにくくなり、失敗のリスクが高まってしまうことにもつながりかねません。

また、スモールスタートを成功させるためには、最も効果が期待できる業務からRPAの導入を始めて導入する業務の優先順位を定めるのが重要です。このように徐々にRPAを導入していく範囲を広げることで、全体の業務改善につなげることができるでしょう。

発生するリスクを洗い出す

人事や総務に関するRPAの導入には、システム障害や人為的ミス、情報漏洩などのリスクが伴います。そこで、リスクを事前に洗い出しておくことで、適切な対策を講じることができ、RPA導入後のトラブルを未然に防げます。

具体的には、人事・総務部門でRPAを導入する場合、社員の個人情報を扱うことが多いため、情報漏洩や不正アクセスのリスクが高いといえるでしょう。また、RPAの導入によって自社で活用しているソフトウェアのシステム障害が起きないとは限りません。

導入リスクを最小限にするために、事前にRPA導入に伴うリスク分析を実施し、問題点を洗い出すことが必要です。また、RPA導入後もリスク管理を徹底することで、セキュリティ対策や業務フローの見直しをおこない、リスクの発生を防止が可能です。

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RPAのマニュアルを整備する

RPAを導入する際には、RPAを適用する業務プロセスの流れやRPAの使用方法、エラーが発生した場合の対処方法などをまとめたマニュアルの整備が必要です。RPAの操作を特定の社員に任せっきりにしてしまうと、その担当者が退職や異動になった場合、引き継ぎに時間がかかるなど、トラブルになりかねません。

マニュアルが整備されていることで新しい担当者が業務を引き継いだ際にもスムーズに業務を継続することができ、安定的なRPAの運用ができます。また、RPAマニュアルには、運用にあたってのルールやガイドラインを設けることで、業務プロセスの標準化や品質管理にも役立つこともできます。

RPAを運用できる人材を育成する

RPAを導入・運用する上では率先してRPAを活用できる人材が必要となります。そのため、社内でRPAへの知見・理解がある従業員を育成するようにしましょう。

責任者を決めておくことにより、トラブルやイレギュラーが発生した際に迅速な対応が可能となります。なお、社内で担当できる人材が不足している場合には採用や外注するなどで対応するようにしましょう。

RPAが中小企業で進まない理由|事例からわかる取り組むべき理由

RPAを人事や総務の業務に導入した事例

ここでは、下記のようなRPAを人事や総務の業務に導入した事例を紹介します。

採用業務に導入した事例

ある企業では、採用業務においてRPAを導入し、企業説明会やイベント案内の送付や書類選考の処理を自動化することで、業務効率化を図っています。また、採用試験の採点作業や面接官との日程調整、面接の合否の連絡などさまざまな事務作業の効率化につなげています。

RPA導入により、人手不足に悩まされていた採用業務の処理時間を大幅に削減でき、人的ミスも少なくなりました。さらに、採用担当者が適性面接や評価の業務に専念できるようになり、採用品質の向上にもつながっています。採用活動の繁忙期においてもRPAが稼働するため、採用業務のスピードアップに貢献しています。

労務管理に導入した事例

ある企業では、従業員の勤怠管理や出退勤時間の管理、休暇の申請・承認などの労務管理において、RPAを自動化しました。従業員が勤怠情報を入力すると、RPAがデータを自動的に処理して給与計算に反映されるため、人的ミスを防ぐことができ、また作業時間も大幅に短縮されるといったメリットも得られます。

また、休暇申請についても、従業員が入力した情報が自動的に承認フローに送信され、上司の承認や代休の付与なども自動で処理されるので、申請から承認までの時間が短縮されました。

備品管理に導入した事例

備品管理の業務をRPAで自動化した企業もあります。以前は、備品の入出庫管理や定期的な点検、修理などを担当者が手動でおこなっていましたが、RPAを活用することでこれらの業務を自動化します。

具体的には、備品の入出庫管理をスキャンデータをもとに自動化し、定期点検や修理依頼も、定期的に自動で通知するようにしました。これにより、従業員が手動で管理する時間を削減し、業務の効率化と精度の向上が図られるうえ、備品の不足やトラブルの早期発見も可能となり、業務全体の改善につながっています。

株主情報の収集に導入した事例

ある企業では、RPAを活用して株主総会前に招集通知対象者にメールを送信することで、効率的な招集通知が可能になりました。RPAによって株主リストから株主総会の対象者のメールアドレスを自動的に取得し、通知内容を自動的に生成して送信することで、作業時間を大幅に短縮できて人的ミスのリスクも低減されました。

このように、RPAを活用することで、株主総会前の招集通知作業を効率化し、より迅速・正確な業務処理を実現することが可能です。

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RPAを理解して人事や総務の業務に活用しよう

今回は、人事・総務のRPA活用方法について解説しました。

RPAは人事・総務の業務において、業務の効率化や精度向上に役立つツールです。しかし、RPAを導入する際に目的が不明瞭だと、業務にうまく活用されずコストだけがかかってしまうといった事態になりかねません。そのため、RPAの導入時には目的を明確にし、スモールスタートで始めることが重要です。また、導入に際してのリスクを洗い出し、マニュアルを整備し、運用できる人材を育成しなければなりません。

RPAを理解して、まずは人事や総務の業務効率化を目指してみましょう。

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