RPAとExcelマクロ(VBA)の違いとは?特徴や使い方を徹底比較!
業務の効率化をかなえるRPAとExcelマクロ(VBA)。どちらも業務を自動化できますが、厳密な違いについて疑問に感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、RPAとExcelマクロ(VBA)の違いとは何か?それぞれの特徴や利用されるシーンを徹底比較します。
目次
RPA・Excelマクロ(VBA)の違い
RPAとExcelマクロ(VBA)は、どちらもルーティンワークを自動化することが可能です。しかしそれぞれの適用範囲や開発の難易度、セキュリティなどに違いがあります。
適用範囲
ExcelマクロはExcelファイル内での操作に特化しています。Excel内でのデータ処理やグラフ作成などのタスクを自動化できる一方、その範囲は限定的です。
RPAはExcelファイル内だけでなく、Webアプリケーション・データベース・SAPなど、他のアプリケーションやシステムにもアクセスできます。さらに、複数のアプリケーションやシステムをまたいで、ビジネスプロセス全体を自動化することが可能です。
開発の難易度
Excelマクロは、VBAというプログラミング言語を使って開発します。そのため、VBAの知識が必須となり、難易度はRPAと比較して高いといえるでしょう。
それに対してRPAは、プログラミングの知識を有していなくても開発できるツールが多数あります。ただし、複雑な業務の自動化を行う場合にはプログラミングの知識やスキルが必要です。
セキュリティ
Excelマクロは操作範囲がExcelファイル内に限定されるため、セキュリティ上の問題が少なく信頼性が高いといえます。
一方RPAは、システムやアプリケーション全体にアクセスするため、Excelマクロと比較してセキュリティ上の懸念は考慮しなければなりません。
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RPAとは?
RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)の略称です。ソフトウェアロボットを用いて、ビジネスプロセスを自動化する技術のことを指します。
RPAは人間が行う手作業やルーティンワークを自動化できるツールで、膨大な量のデータや作業を処理できるため、業務の効率化や品質向上などの効果が期待できるでしょう。システムの改修や導入などに比べて、低コストで導入可能です。さらに、精度の高い処理を行えて人為的なミスを減らせるため、結果的にコスト削減にもつながります。
RPAは、あくまでもルーティンワークや繰り返し作業などに適しているツールです。複雑な判断や創造的な業務には向いていない点に注意しましょう。
また、RPAはプロセスの自動化に向いているため、自動化するプロセスが確立されていることが前提となります。ロボットの設計やプログラミングには、一定の知識と技術が必要となる場合があるため注意が必要です。
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RPAが利用されるシーン
RPAは、さまざまな業種や部門で導入されています。RPAの主な活用シーンは以下の通りです。
- 経理部の請求書作成・発行
- 人事部の勤怠・労務管理
- 総務部の在庫管理、従業員や株主へのメール送信
- 営業部の顧客情報・ステータス管理、書類作成
- マーケティング部のアンケート結果や競合商品情報の集計
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Excelマクロ(VBA)とは?
Excelマクロ(VBA)とは、Microsoft Excelに組み込まれたVisual Basic for Applications(VBA)と呼ばれるプログラミング言語を用いて、Excel上でマクロを作成できる機能です。
Excelの操作や処理を自動化でき、膨大な量のデータ処理に適しています。例えば、繰り返し行う処理、特定の条件に基づく自動的な処理が可能です。VBAは、Excel上での作業の効率化や、複雑な計算や処理を自動化するために役立ちます。
Excelマクロを作成するには、VBA言語の文法やExcelオブジェクトモデルについて理解する必要があります。VBAを使用すれば、Excelのさまざまな機能や操作を自在にプログラム可能です。
Excelマクロを使うことで手作業に比べて作業時間を短縮し、ミスを減らすことができます。その結果、業務プロセスの効率化やコスト削減に役立てられるでしょう。
Excelマクロ(VBA)が利用されるシーン
Excelマクロは(VBA)の適用範囲は、Microsoft製品内で完結する業務に限られます。しかし、簡単な操作から複雑な処理まで、あらゆる場面で活用できます。主な活用シーンは以下の通りです。
- データの入力や加工、集計などの自動化
- セルの値の変更、書式設定、削除、コピー・貼り付けなどの操作
- シートの追加・削除、移動、コピー・貼り付けなどの操作
- テキストファイルやCSVファイルの読み込みや書き出し
- グラフの自動生成や更新
- ユーザーフォームの作成
RPA・Excelマクロ(VBA)の特徴を比較
RPA・Excelマクロ(VBA)の主な特徴を比較してみましょう。
RPA | Excelマクロ(VBA) | |
データ集計 | 〇 | 〇 |
グラフ作成 | 〇 | 〇 |
グラフ・表の印刷 | 〇 | 〇 |
文章の作成 | 〇 | 〇 |
フォルダ作成 | 〇 | 〇 |
ファイルの保存 | 〇 | 〇 |
メール送信 | 〇 | 〇 |
WEBページの情報取得 | 〇 | 〇 |
他システムとの連携 | 〇 | ✕ |
対応範囲 | 広範囲 | 限定的 |
定型業務以外の対応 | 〇 | 〇 |
データ処理速度 | 高速 | 低速 |
専門知識の必要性 | 必要 | 必要 |
RPAとExcelマクロ(VBA)は多くの点で共通していますが、他システムとの連携や対応範囲、データ処理速度などに違いがあります。
Excelマクロ(VBA)で作業を自動化するためには、VBAというプログラミング言語を扱う知識やスキルが必須です。RPAを扱うためにも一定の知識やスキルは要するものの、Excelマクロに比べるとハードルは低いといえるでしょう。
対応範囲については、ExcelマクロはRPAに比べて狭く、特定のアプリケーションに依存してしまうため、そのアプリケーションに慣れなければなりません。RPAはさまざまなアプリケーションに対応できるので、より幅広い用途に利用可能です。専門知識が必要な業務にも適用できるでしょう。
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RPA・Excelマクロ(VBA)導入時の比較ポイント
RPA・Excelマクロ(VBA)導入時の主な比較ポイントは、以下の7つです。
- 導入の形態
- 操作・管理は容易か
- 業務内容に適しているか
- 費用は妥当か
- 学習コストはどのくらいか
- サポート体制は十分か
- 安全性は確保できるか
各ポイントについて、詳しく見ていきましょう。
導入の形態
1つ目のポイントは、RPAとExcelマクロ(VBA)は導入形態が異なることです。
RPAの導入形態には、PCにRPAツールをインストールすることで使用でき、ユーザーのデスクトップ上で実行される「デスクトップ型」、企業内のサーバー上で動作し、複数ユーザーが利用できる「サーバー型」、クラウド上で提供され、ブラウザを介してアクセスできる「クラウド型」があります。使用するためには、ツールを改めて導入しなければなりません。
一方、Excelマクロ(VBA)はMicrosoft Excelに標準で搭載されていれば、別途導入する必要はありません。
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操作・管理は容易か
2つ目のポイントは、操作・管理が容易かどうかです。RPAとExcelマクロ(VBA)は、操作・管理について異なる特徴を持っています。
Excelマクロ(VBA)は、マクロを組むためにVBAというプログラミング言語の習得が必要です。よって、Excelマクロを操作・管理するための難易度は高いといえます。
一方RPAは、プログラミングの知識やスキルがなくても操作・管理が可能です。複雑な操作を行う場合にはプログラミング知識が必要ですが、定型業務や繰り返し業務などの単純操作を自動化する場合であれば、高度なスキルは必要ありません。
業務内容に適しているか
3つ目のポイントは、業務内容に適しているかどうかです。
Excelマクロは、Excelを使用した作業の自動化に向いています。例えば「データの入力」「集計」「グラフの作成」など、同じ作業を何度も繰り返す必要がある場合や、多数のファイルを扱うときに有効です。
一方RPAは、さまざまなアプリケーションを自動化できます。業務によっては、他のアプリケーションとの連携や、複雑な作業の自動化が必要でしょう。例えば、複数のシステムからデータを収集して集計し、結果を別のアプリケーションに送信することなどが考えられます。
作業工程が明確でない場合や業務全体が複雑な場合など、業務内容によってはRPAの方が適していることもあるでしょう。導入前に自動化したい業務内容や業務量を明確にし、その業務がExcelマクロとRPAのどちらに適しているかを事前に判断しておくことが大切です。
費用は妥当か
4つ目のポイントは、費用が妥当かどうかです。RPAとExcelマクロ(VBA)の導入には、専門的な知識を有する人材の雇用や、外部の専門企業に依頼する費用が発生します。
RPAは、高度な技術や専門的なノウハウを持つ外部の専門企業に依頼することが一般的です。また、RPA導入形態にはデスクトップ型、サーバー型、クラウド型などの種類があり、それぞれ初期費用やライセンス費用、月額費用がかかるため、コストは高くなる傾向にあります。
一方Excelマクロ(VBA)はExcel上で動作するので、Excelが搭載されていれば利用できます。ゆえにRPAと比較して導入コストは低く抑えられるでしょう。
また、導入時のコストだけでなく、導入後に業務プロセスの改善などによって想定できる人件費の変化に着目することも重要です。
Excelマクロは作業範囲が限定的なうえ、複雑な処理を行う場合やデータ量が多い場合には時間がかかります。一方で、RPAは複数のアプリケーションやシステムをまたぎ、ビジネスプロセス全体を自動化することが可能です。また、大量のデータ処理にも対応しているため、人件費を大幅に削減できます。
費用を比較する際は、導入にかかる費用と導入後の人件費の変化も考慮して、どちらのツールが最適か判断しましょう。
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学習コストはどのくらいか
5つ目のポイントは、学習コストです。学習コストとは、ツールや技術を習得するために必要な時間・費用のことを指します。
Excelマクロ(VBA)で作業を自動化するためには、VBAというプログラミング言語の習得が必須であり、その学習には25〜75時間程度を要するとされています。費用面は、書籍や教材、サポートが多数存在しているため、比較的安価に抑えられるでしょう。
一方、RPAはプログラミングの知識やスキルは必要ありません。直感的に操作でき、専門知識を持たない従業員でも使いやすいツールも多いため、学習コストは低いといえます。
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サポート体制は十分か
6つ目のポイントは、十分なサポート体制があるかどうかです。
RPAツールは多くの場合、専門家によるサポート体制が整っているため、問題が発生した場合には助言を受けられます。またRPAツールに関するコミュニティやフォーラムなども存在しており、そのような場での情報収集や交流から問題を解決できる可能性もあるでしょう。
Excelマクロは、専門的なサポート体制が整っているわけではありません。ただし、Excelマクロに関する情報やノウハウはオンライン上に多数存在しています。インターネットを利用することで問題解決が可能でしょう。また、Excelに関するサポート体制は整っており、Excelのサポートセンターなどからアドバイスを受けられる点も役立ちます。
安全性は確保できるか
7つ目のポイントは、安全性が確保できるかという点でセキュリティに関する点もしっかり比較しましょう。
ExcelマクロはVBA言語で作成し、Excel内で動作するため、実行中の環境が安全であれば、特にセキュリティリスクはありません。ただし、マクロが保存されたExcelファイル自体が感染している場合や、不正なマクロが含まれたExcelファイルが送信される可能性があります。メールや不特定多数の外部からのExcelファイルの受け取りには注意が必要です。
一方RPAは、外部のツールを導入して使用するため、セキュリティに対する懸念が高くなります。ツールの導入前にはセキュリティポリシーを設定し、導入後はシステムの不正利用や情報漏えいのリスクを最小限に抑えるため、厳格な監視と管理が必要です。また、RPAの導入に際しては、権限管理やアクセス制限を適切に行うことも重要です。
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RPA・Excelマクロ(VBA)の違いを理解し業務を効率化しよう
RPAとExcelマクロ(VBA)は、共に業務の自動化や効率化に役立つツールです。しかしそれぞれ適用範囲や開発の難易度、セキュリティなどの特徴が異なるため、導入時の比較ポイントを押さえておく必要があります。
RPAは改めてツールを導入する必要があり、デスクトップ型、サーバー型、クラウド型などの導入形態の種類によって、それぞれ初期費用やライセンス費用、月額費用がかかるため、コストは高くなる傾向にあります。しかし、操作・管理は比較的容易で、導入費用や学習コストも安価に抑えられるでしょう。また、定型業務以外の対応や他システムとの連携など、幅広い業務に対応できます。
一方、Excelマクロ(VBA)は、Excelがすでに搭載されている場合には別途導入する必要がありません。そのため導入費用が抑えられ、業務内容に適している場合には優れているでしょう。ただし、プログラミング言語の知識やスキルを要するので、学習コストがかかり、操作・管理がやや煩雑です。また、Excelファイル内での操作に特化しており、業務範囲が限定的な点も特徴といえます。
どちらのツールを導入するにせよ、安全性を確保するためにはサポート体制を整えることが重要です。今後、業務の自動化や効率化を検討する際には、それぞれの特徴を踏まえた上で、最適なツールを選択しましょう。
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