RPAで建設業界の業務効率化!手順や期待できる効果

2023/08/22 2023/08/23

RPA

RPA

建設業界におけるRPA

近年、RPAは建設業界のDXを推進する重要なツールの一つとされていますが、結果として、実際に業務改善や効率化などの効果は得られているのでしょうか。今回は、働き方改革にもつながる建設業界におけるRPA導入について、導入メリットや手順などを徹底解説していきます。

RPAとは?

RPA(Robotic Process Automation)とは、ロボティック・プロセス・オートメーションの略で、業務プロセスを自動化する技術の一つを指します。具体的には、データ入力やファイル間の転記、定期的なレポート作成やデータ分析など、これまで人が行ってきた定型的なパソコン作業をソフトウェアロボットが代わりに実行することで、効率化やミスの削減を図るものです。

手作業による工程が削減され、人的リソースをより付加価値の高い業務に集中させることが可能となることから、業務効率化はもちろん、生産性や品質の向上も期待されています。そのため近年は、人手不足の解消やデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環として、多くの企業がRPAの導入を検討・実施しています。

RPAとは?意味や導入する手順・メリットをわかりやすく解説!

RPAツールの種類

RPAツールは、現在いくつか形態によって提供されています。3つの型について詳しくみていきましょう。

クラウド型

クラウド型RPAツールは、ベンダーが提供するインターネット上のクラウドサービスにアクセスしてツールの機能を使用するものです。

クラウド型RPAツールの最大の特徴は、サーバーの構築や周辺機器の購入が不要となるため、初期投資を大幅に抑えられる点にあります。また、クラウドサービスの特性上、システムの拡張やアップデートが容易であり、最新の機能やセキュリティ対策を迅速に取り入れるのも大きなメリットといえるでしょう。

在宅ワークやノマドワークといったオフィス以外でのリモート勤務が増える現代においては、アクセス方法の柔軟性も大きな利点となります。ただし、データを外部のクラウド上に保存するため、情報管理やセキュリティに関するポリシーを十分に検討する必要があります。

クラウド型RPAとは?オンプレ型RPAとの違いやメリット・デメリット

デスクトップ型

デスクトップ型RPAツールは、パソコンのデスクトップにソフトウェアをインストールし、RPAの機能を使用するものです。クラウド型同様、システムを構築することなく使用できるため、長い準備期間を要することなく利用できます。

デスクトップ型の主な特徴は、特定のパソコンでのみRPAツールを稼働させるため、データの管理やセキュリティ対策を自社で完全にコントロールできる点にあります。そのため、機密性が高い情報を扱う企業においても安心して運用することができ、特定の規制や法律に従う必要がある業界での導入にも適していると言えるでしょう。

ただし、その点はソフトウェアをインストールしたパソコンのみでしか使用できず、複数のPC作業を横断的に自動化することはできないというデメリットにもなります。そのほか、インターネット接続ができない環境でも運用できる特徴は、BCP対策としても有効です。

サーバー型

サーバー型RPAツールは、自社サーバー上にRPAのシステムを設置・運用するものです。

サーバー上でRPAのプロセスを一元的に管理・実行するため、大量のデータや複数のパソコンでの業務プロセスを横断的に自動化することも可能です。

また、一元管理の特性上、アップデートやメンテナンスが一括で行えるため、システムの安定性や保守性が向上するとともに、情報の漏洩などのセキュリティリスク低減も期待されるでしょう。ただし、サーバーへの依存度が高まる分、サーバー障害の発生を想定した予備システムの確保やバックアップ体制の整備が不可欠となります。

システムを構築するため、相応の準備期間が必要となり、さらに初期投資はクラウド型に比べて高くなる傾向がありますが、長期的なランニングコストを考慮した場合、初期投資については必ずしもクラウド型のコストを上回るとは限りません。

RPAツールは全3種類!それぞれの特徴や違い・選ぶ際のポイントを徹底比較

RPAを建設業界に導入するメリット

建設業界は、多くの業務プロセスや情報管理が必要とされる分野であり、RPAの導入により多くのメリットが期待されます。建設業界におけるRPAの導入メリットを見ていきましょう。

定型作業を自動化できる

建設業は、建設業法によりさまざまな書類・帳簿・図面などの膨大な書類の作成や保管が義務付けられています。

また、1つのプロジェクトが自社だけで完結することは少なく、施主や複数の取引先企業とのやり取りも発生します。そのため多くの契約書のほか、見積書・発注書・請求書といった帳票書類も発生するでしょう。しかし、RPAを導入することで、これらの書類作成におけるデータ入力などの定型的な作業を自動化することができます。

そのほか、資材の発注作業などもロボットによる自動化が可能なため、人の手による作業そのものを削減したり、負担を軽減したりすることができるのです。

現場の状況を管理できる

建設現場は、多くの作業員や機材が動いており、リアルタイムでの状況把握が非常に重要です。

RPAを活用することで、各作業現場の状況を自動的に収集・分析し、必要な情報をタイムリーに可視化することができます。これにより、プロジェクトの進捗管理やリスクの早期発見、対応が可能となります。

ヒューマンエラーを防止できる

人が手作業で行う業務には、ミスや属人化のリスクが常に伴います。

特に建設業では、小さなミスや情報の共有もれが、取り返しのつかない問題や事故を引き起こす可能性もあるでしょう。

RPAの導入による定型業務の自動化は、“ついうっかり”のヒューマンエラーや、疲労による業務品質・生産性の低下を招くことなく、常に安定したアウトプットにより作業品質と安全性の確保が期待できるのです。

RPA導入で失敗する原因とは?事例からわかる絶対に失敗しないコツ

建設業界でRPAを導入する際の手順や注意点

建設業界におけるRPAの導入は、他の業界と同様に計画的かつ段階的に進めることが求められます。具体的な手順を見ていきましょう。

自動化する業務の洗い出し

RPA導入の第一歩は、自動化の対象となる業務の洗い出しです。

まずは、日常的に行われている定型的な業務、手作業により多くの時間を要する業務を中心に検討します。

例えば、材料の発注、進捗報告、コスト管理、書類作成などが該当します。この際、業務の流れや関連する業務を明確にし、自動化によって、そのほかの業務フローに与える影響はないか、についても十分に考慮することが重要です。

RPAツールの選定〜導入

次に、自動化する業務に適したRPAツールを選定します。ツールの選定には、業務内容や規模、導入予算、将来的な拡張性などを考慮します。

選定したツールを基に、システムの設計や開発を進め、導入に向けた準備を行います。

一部の部署・業務での試験的に導入

業務のRPA化は、全社的に一気に全業務へと適用するのではなく、一部の部署や業務を対象とした試験的な運用から着手されることをおすすめします。

入念に導入準備を進めても、実際の業務環境での動作確認時には、想定していなかった問題が発生することは多々あります。トラブルに対応できる体制を整えつつ、スモールスタートから徐々に範囲を広げ、全社的な本格導入を進めましょう。

本格的な導入〜運用・保守

試験導入の結果を基に、本格的な導入を進めます。導入後は、定期的な運用・保守を行いながら、業務改善や必要に応じたツールのアップデートをすることになります。

また、RPAの効果を最大限に引き出すため、関連する業務の見直しや新たな自動化の対象業務の検討も行います。

RPAに向いている業務・向いていない業務|選別方法や理由を解説!

建設業界におけるRPAの活用事例

最後に、実際にRPAを活用して、業務改善や業務効率化を実現した2社の事例を紹介します。

清水建設株式会社

ICTツールの積極的な活用による業務改善や人手不足の解消を進める清水建設株式会社では、数年前からRPAの導入にも着手しています。

資料作成の業務をRPAにより自動化することで、1週間かかっていた作成作業が3日に短縮され、よりタイムリーな情報を資料に反映することができているといいます。

そのほか、約11つの業務を自動化したことで、1か月あたり約25時間、年間約300時間の削減にも成功。それまで課題となっていた労働時間やキャパシティを超えた業務負担が正常化されたことで、ある程度のゆとりが生まれたほか、工事現場の閉所日を増やすといった働き方改革にもつなげています。

フジ住宅株式会社

フジ住宅株式会社は、RPAによる業務の自動化で平均70%を超える作業時間の削減に成功した企業です。

RPA化した業務の一例としては、銀行関連情報の照会とExcelへの転記、不動産データベースからの各種ファイルやソフトへの入力・転記作業などが挙げられます。一つ一つは単純作業であるものの、日々数多くの件数をこなしていたため、これらを自動化することで大幅な作業時間の削減を実現しました。

同社は、RPAの導入を成功させるコツとして、複数の作業がつながった複雑な業務プロセスは、そのままRPA化してしまうとトラブルや不具合が発生しやすいため、まず業務自体を整理し、簡素化できる業務・作業だけにRPAを適用するのがポイントであると話しています。

RPAのメリット・デメリット|有効性や他のシステムとの差を理解しよう

建設業界にもRPAを導入して業務を効率化していこう

建設業界は、部署を横断した多岐にわたる業務と膨大な情報量のやり取りが発生する分野であり、近年は深刻な人手不足を抱える企業も多いことから、業務の効率化による生産性の向上が求められています。

RPAの導入は、定型的な業務の自動化やデータ管理の効率化を実現し、業務のスピードアップと品質向上をもたらします。RPAの導入を積極的に進め、業務効率化はもちろん、人的リソースの最適化や働き方改革を実現してみてはいかがでしょうか。

おすすめのお役立ち資料

RPAの記事をもっと読む

RPAの記事一覧

ビズクロ編集部
「ビズクロ」は、経営改善を実現する総合支援メディアです。ユーザーの皆さまにとって有意義なビジネスの情報やコンテンツの発信を継続的におこなっていきます。

おすすめ関連記事

BIツールの導入事例を解説!事例からわかる導入・運用方法や製品を選ぶコツ

最終更新日時:2024/06/18

BIツール

最終更新日時:2024/06/18

BIツール

起業・開業時の資金調達方法!それぞれのメリット・デメリットや選び方について

最終更新日時:2024/06/18

ファクタリング・資金調達

最終更新日時:2024/06/18

ファクタリング・資金調達

ランディングページ(LP)のボタンデザインについて|デザインや色・改善のポイント

最終更新日時:2024/06/18

LPOツール

最終更新日時:2024/06/18

LPOツール

ランディングページ(LP)のコーディング方法について|流れや必須スキル・依頼時の費用相場

最終更新日時:2024/06/18

LPOツール

最終更新日時:2024/06/18

LPOツール

飲食店開業の資金調達方法について|費用の内訳や目安・融資の必要性について

最終更新日時:2024/06/17

ファクタリング・資金調達

最終更新日時:2024/06/17

ファクタリング・資金調達

ベンチャー企業における資金調達方法!選択肢や注意点・事例を解説

最終更新日時:2024/06/17

ファクタリング・資金調達

最終更新日時:2024/06/17

ファクタリング・資金調達

返済不要な資金調達の方法!特徴やメリット・デメリットについて解説

最終更新日時:2024/06/17

ファクタリング・資金調達

最終更新日時:2024/06/17

ファクタリング・資金調達

ランディングページ(LP)のワイヤーフレームの作り方|作成手順やテンプレート

最終更新日時:2024/06/17

LPOツール

最終更新日時:2024/06/17

LPOツール

CMSとHTMLの違いとは?使い分けるポイントや用途・サイト構築の秘訣について

最終更新日時:2024/06/14

CMS

最終更新日時:2024/06/14

CMS

資金調達とは?調達方法や種類、メリット・デメリットをわかりやすく解説

最終更新日時:2024/06/14

ファクタリング・資金調達

最終更新日時:2024/06/14

ファクタリング・資金調達