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RPAとERPの違いとは?連携・組み合わせるコツと事例を紹介

2023/05/10 2023/05/12

RPA

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RPAとERPの違い

企業をサポートする技術にRPAやERPがあります。それぞれ特徴や役割が異なり、組み合わせて活用することも可能です。導入する前にRPAとERPの違いを把握しておきましょう。連携による効果や組み合わせる場合のコツについても解説します。

RPAとERPについて

RPAとERPは、ビジネスプロセスを自動化するためのテクノロジーであり、異なる目的を持ちますが、RPAは単一のタスクを自動化し、ERPはより広範な業務を統合的に管理するなど、どちらもビジネスプロセスの自動化に役立ちます。

両方のテクノロジーを活用することで、企業はよりスムーズなビジネスプロセスを実現し、生産性と利益の向上ができるでしょう。

RPAは作業を自動化するシステム

RPA’Robotic Process Automation)は、ソフトウェアロボットを使用してビジネスプロセスを自動化するテクノロジーです。具体的には、ルールベースのタスクを自動化が可能であり、「データ入力」「情報処理」「書類管理」「電子メールの自動処理」「データ抽出」などが含まれます。

RPAは、人間が手作業でおこなう作業や継続的な監視が必要な作業を自動化することで生産性を向上させ、精度を高められるでしょう。たとえば銀行業務において、会計業務やデータ処理業務を自動化すると、人的エラーを減らし、処理速度を高めることができます。

一方で、RPAは単純作業に最適化されているため、プロセスの実行中に必要である複雑な業務や判断が必要な業務には適していません。しかし、これらのタスクの前処理やデータの抽出、処理などを自動化することは可能であるため、RPAと人間の役割を適切に組み合わせれば、より効率的なビジネスプロセスを実現できるでしょう。

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ERPは業務の管理に用いるシステム

ERP(Enterprise Resource Planning)は、企業の業務プロセス全体を統合的に管理するためのシステムです。企業の各部門や機能が持つデータを一元化し、それらを統合的に管理することで、生産性の向上やコスト削減などのビジネス上の効果を狙えるでしょう。

また、ERPの導入により、企業は業務プロセスの見える化が実現し、業務フローの効率化や情報共有による情報格差の解消にもつながります。そのほかにも、取引先との連携やデータの共有が容易になることで、ビジネス上のシームレスなやり取りが可能になるでしょう。

ただし、システムを構築する際に、ビジネスプロセスの再設計や、システムとの親和性を確保するための教育・トレーニングなどが必要になるため、多大なコストや時間がかかる場合があることに注意しなければなりません。

このことから、企業はERP導入の前に、十分な計画や準備をおこない、将来的なビジネスニーズに対応できるシステムを導入することが重要です。

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RPAとERPの違いは役割

RPAとERPは、どちらも企業の業務プロセスを改善するための技術ですが、それぞれの役割は異なります。

RPAは、主にルーチン業務の自動化に利用されます。つまり、データ入力や書類の整理・保存、ファイルの転送など、人手でおこなわれていた単純かつ反復的な業務を自動化することができるのです。

一方ERPは、企業全体の業務プロセスを統合的に管理するためのシステムです。企業の各機能に関する情報を一元化し、共有することが可能になります。

このように、RPAは業務プロセスの自動化に特化した技術であり、ERPは業務プロセスの統合・最適化に特化したシステムであるという点で、役割に違いがあります。

ただし、ERPによって統合された業務プロセスに対してRPAを活用することで、より高度な自動化を実現することができるため、両者は相補的な関係にあるといえるでしょう。

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RPAとERPは連携可能

RPAとERPは連携できることも把握しておきましょう。以下にて、詳しく説明します。

RPA管理の効率化

ERPによって統合された業務プロセスの情報を利用することで、RPAを管理業務を効率化できます。

たとえば、ERPによって統合された情報を利用して、RPAの実行頻度や業務内容を自動的に調整・分析したり、システム監視機能を利用して、RPAが正しく動作しているかどうかをリアルタイムに監視したりすることも可能です。

このようにERPとRPAの連携によって、RPAの運用・管理の効率化が図れると同時に、自動化された業務プロセスの品質や精度の向上も期待できるでしょう。

ERPが抱える課題の解決

RPAとERPを連携することで、ERPが抱える課題の解決ができる場合があります。

ERPは複数のシステムを統合して情報を管理するため、システム間での情報連携やデータの整合性の確保が課題となっています。しかしRPAを利用すれば、ERPによって統合された業務プロセスを自動化でき、人の手による情報連携やデータの整合性確保が不要となり、課題の解決につながるでしょう。

また、ERPには膨大な量のデータが蓄積されており、データ分析によってビジネス上の洞察を得ることが求められるでしょう。データ分析は時間とコストがかかりますが、ERPに蓄積されたデータを自動的に抽出・分析することによって、この問題を解決し迅速かつ正確な意思決定をおこなえます。

効率の良いERP管理が可能

RPAとERPが連携することで、ERPの管理効率が向上することがあります。

ERPでは膨大な量のデータが扱われますが、その入力作業は手動でおこなわれる場合が多く、エラーの発生や作業時間のかかり方によっては生産性が低下することがあるでしょう。しかし、RPAを利用すれば、ERPのデータ入力や処理を自動化できるため、作業の精度が向上して作業時間やコストの削減につながります。

またRPAは定型業務の自動化に適しているので、ERPでおこなわれる繰り返しの作業や、ルーチンワークなどを自動化できます。そのため、ERP利用者はより効率的に業務を進められ、さらに高度な作業に集中できるでしょう。

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RPAとERPを組み合わせるコツ

RPAとERPを組み合わせるコツは、4つ挙げられます。

  • 連携前に目的を明確にする
  • スモールスタートから始める
  • 会社全体で共有する
  • 実際の事例を参考にする

それぞれのコツについて、詳しく見ていきましょう。

連携前に目的を明確にする

RPAとERPを組み合わせる際に重要なのは、連携前に目的を明確にすることです。

まず、どの業務プロセスにRPAを適用し、ERPとの連携をおこなうのかを決定する必要があります。

たとえば、ERPでの注文書の作成や請求書の発行といった定型業務は、RPAで自動化すれば、ERPと連携している在庫管理や会計処理といった業務も最適化することができます。

RPAとERPの連携のためには、APIやデータベースなどのインターフェースを設計する必要があり、データの入出力フォーマットや、ERPで扱うデータの種類などを考慮しなければなりません。

なお、RPAとERPの連携にはセキュリティや権限管理の課題もあるため、これらも加味したシステム設計が必要です。

このことから、RPAとERPを組み合わせるためには、まずは連携する目的を明確にし、その目的に沿ったシステム設計をおこなう必要があるといえます。

スモールスタートから始める

RPAとERPを組み合わせる場合、大規模なプロジェクトになりがちであり、実際の業務プロセスへの影響が心配されます。そのため、RPAとERPを組み合わせる際には「スモールスタートから始める」という考え方が重要となります。

はじめに注文書の作成などの定型業務を対象としてRPAを適用し、その効果を確認します。その後、必要に応じて業務プロセスの他の部分にもRPAを導入していくのが望ましいです。

このようにスモールスタートから始めることで、RPAとERPの連携が業務プロセスに与える影響を最小限に抑えられます。また、小さな成功体験を積み重ねていくと、システムに対する信頼性が高まり、次の段階に進むための準備が整いやすいでしょう。

会社全体で共有する

RPAとERPを組み合わせる際には、その目的や効果を会社全体で共有することが重要です。

経営層や部門責任者、現場スタッフなど、関係するすべての人にその必要性やメリットを説明することが必要となるため、システム導入によって生じる変化や課題にも言及し、その対応策や期待できる効果・改善策についても明確に伝えましょう。

会社全体でRPAとERPを組み合わせたシステムの導入や運用を共有すると、業務プロセスの改善や効率化につながります。従業員のモチベーションや協力意識も高まり、システムの導入による効果を最大限に引き出すことができるでしょう。

実際の事例を参考にする

RPAとERPを組み合わせる際には、実際の事例を参考にすることが有効です。

市場には、RPAとERPを組み合わせたシステム導入事例が数多くあり、これらの事例を参考にすることで、導入時の課題や効果、改善策などを学ぶことができるでしょう。

また、同業種や同規模の企業での事例を参考にすれば、自社での導入に向けたアイデアやノウハウを得られたり、導入先の企業に直接問い合わせをすることで、システム導入についての相談も可能です。

ただし他社の事例を参考にする際には、自社の業務や課題との違いを十分に考慮しなければなりません。またシステム導入後の運用方法や改善策は、各企業の状況に合わせた個別のものであるため、必ずしも他社の成功事例がそのまま自社に適用できるとは限らない点に注意が必要です。

実際の事例を参考にする際には、自社の課題や目的に合わせて選択し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けましょう。

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RPAとERPを組み合わせた活用事例

RPAとERPを組み合わせた活用事例を3つ紹介します。具体的な活用事例を把握しておくことで、自社での導入にも役立つでしょう。

RPA導入によりERPコストを削減した事例

RPAとERPを組み合わせることで、ERPコストを削減できます。ERPのカスタマイズには多大なコストがかかることがありますが、RPAをERPに合わせたカスタマイズをすることにより、比較的低いコストで導入が可能になるのです。

また、RPAはERPとの連携が容易であるため、ERPの機能と合わせて、自動化可能な業務を効率的に実行できるでしょう。ERPにカバーできない業務領域でも自動化でき、全体の流れを変えずに理想的な作業フローを実現できる可能性があります。

このように、自動化ができる業務領域が拡大することにより、コスト削減効果が高まることが期待できるでしょう。

Excelファイルのデータを収集した事例

RPAとERPを組み合わせることで、Excelファイルのデータを収集できます。たとえば、売上管理にExcelファイルを使用している場合、RPAツールを使用してExcelファイルから必要なデータを取得し、ERPシステムに自動的に入力することが可能です。

この場合RPAツールは、Excelファイルを開いて必要な情報を抽出し、ERPシステムに転送する作業を自動化します。

このようにRPAとERPを組み合わせることで、従業員が手作業でデータを入力する必要がなくなり、エラーや重複の防止に役立つでしょう。

受領したメールの情報を自動入力した事例

RPAとERPを組み合わせることで、受領したメールの情報を自動入力できます。

具体的にはメールの差出人や件名、本文などを自動的に読み取り、それぞれの情報をERPシステムに自動入力することが可能です。

また、受信したメールの情報をリアルタイムで処理できるため、業務のスピードアップにもつながるでしょう。このような自動化は、顧客からの問い合わせや注文など、多量のメールを扱う業務に対して特に有効です。

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代表的なRPAとERPのツール

代表的なRPAとERPのツールについて、紹介します。

RPAのツール

代表的なRPAのツールは、3つあります。

  • RoboTANGO
  • WinActor
  • BizRobo!

各RPAツールについて、詳しく見ていきましょう。

RoboTANGO

「RoboTANGO」は日本発のRPAツールで、企業の業務効率化や作業の自動化を実現するための機能を提供しています。非開発者でも簡単に操作できるUIや、Excel・Webサイト、データベースなど、多様なシステムとの連携が可能です。

提供元スターティアレイズ株式会社
初期費用
  • 基本プラン:11万円(税込)
  • リモレクライト:16万5000円(税込)
  • リモレクスタンダード:16万5000円(税込)
  • リモレクアドバンス:22万円(税込)
料金プラン
  • 基本プラン:55,000円(税込)/月
  • リモレクライト:88,000円(税込)/月(ロボ作成のサポートを受けたい方)
  • リモレクスタンダード:11万円(税込)/月(作成したいロボがたくさんある方)
  • リモレクアドバンス:16万5000円(税込)/月(早急に業務にRPAを定着させたい方)
機能・特徴給与計算、文書ダウンロード、ネットバンク入出金データのCSV抽出+会計システムへのインポートなど
URL公式サイト

WinActor

「WinActor」は、RPA国内シェアNo.1を誇る、事務作業やデータ処理などのルーティン業務を自動化するためのRPAツールです。ユーザーがGUIの操作をおこない、WinActorがそれを学習して自動化することができます。また、スクリプトを書く必要がないため、初心者でも使いやすい点が特徴です。

提供元株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
機能・特徴プログラミング無しで自動化、多用なアプリケーション操作が可能、NTTデータ・全国のパートナー企業が導入・運用をサポート、無料トライアルあり、など
URL公式サイト

BizRobo!

「BizRobo!」は、株式会社RPAテクノロジーズが提供するRPAツールです。ビジネスプロセスを自動化するための豊富な機能を備えており、ビジネスに関する課題を迅速かつ効率的に解決することができます。

提供元RPAテクノロジーズ株式会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
導入実績導入実績2,300社(2022年5月末時点)
機能・特徴導入から拡大まで専任体制で支援、ノウハウを提供、コミュニティが豊富など
URL公式サイト

ERPのツール

代表的なERPのツールは、3つあります。

  • SAP ERP
  • ZAC
  • OBIC7

各ERPツールについて、詳しく見ていきましょう。

SAP ERP

「SAP ERP」は、SAP Japan Co., Ltd.が提供するERPシステムです。企業のさまざまな業務プロセスを統合管理し、生産性の向上やコスト削減を実現します。経理や財務、購買や生産管理など、幅広い業務領域に対応し、ビジネスプロセスの最適化を目指すことが可能です。

提供元SAP Japan Co., Ltd.
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
機能・特徴設備資産管理、経理・財務、研究開発・エンジニアリング、セールス、製造業、サービス、仕入先選定と購買、サプライチェーンなど
URL公式サイト

ZAC

ZACは、株式会社oroが提供するERPツールです。主な機能として、コンタクト管理や文書管理、販売・在庫管理、工程管理などが挙げられます。外部システムとの連携にも対応しており、自社の状況に合わせた導入が実現できるでしょう。

提供元株式会社 オロ
初期費用
  • ZAC初期設定費用:10万円
  • 導入支援費用:要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
導入実績導入社数900社突破
機能・特徴自社に合わせて選択可能、予定表、コンタクト管理、勤怠・工数管理、在庫管理、経営モニタリングなど
URL公式サイト

OBIC7

OBIC7は、株式会社オービックが提供するERPクラウドサービスです。コンサルからサポートまで一気通貫で対応してくれる点が特徴として挙げられます。また、全国どこからでもアクセスが可能で、いつでも業務ができるため、柔軟な働き方を支援してくれるでしょう。

提供元株式会社 オービック
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
導入実績要問い合わせ
機能・特徴コンサルティングからサポートまで一気通貫で対応、システムの柔軟性、強固なセキュリティと運用管理、システム利用環境を全て提供、など
URL公式サイト

RPAとERPの違いを理解して上手に連携しよう

RPAとERPは、それぞれ独自の特徴を持っており、異なる役割を担っています。RPAは人間がおこなっていたルーティンワークを自動化することに長けていて、ERPは業務プロセスの統合や情報の一元管理に秀でているでしょう。

RPAとERPを連携させることで、ERPが扱うデータの自動入力や、ERPと連携していない業務プロセスの自動化など、より効率的かつ正確な業務処理が可能になります。またRPAによってERPが抱える課題の解決や、ERPを導入する際に必要なカスタマイズの最小化も実現できます。

RPAとERPを連携させるためには目的を明確にし、スモールスタートから始めて会社全体で共有することが重要です。実際の事例を参考にしながら、RPAとERPを上手に組み合わせることで、よりスムーズかつ効率的な業務処理を実現できるでしょう。

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