RPAコンサルタントの仕事内容とは?求められるスキルや将来性
「コンサルタント」は、契約企業の課題解決や相談役を担う仕事です。DX化に伴い注目されているRPAにもコンサルタントが存在します。RPAコンサルタントは、どのような仕事内容なのでしょうか。求められるスキルや将来性などを解説します。
目次
RPAコンサルタントについて
RPAコンサルタントは、RPAソフトウェア導入のための提案・最適化支援を行う仕事です。RPAコンサルタントについて詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
- RPAコンサルタントの年収の相場
- RPAコンサルタントの将来性
- 求人の状況
- キャリアプラン例
RPAコンサルタントの年収の相場
RPAコンサルタントの年収相場は500~1,200万円ほどで、年収500万円を超える募集が多いため、比較的安定したニーズのある職種といえます。RPAコンサルタントとして経験を積むと、年収1,000万円超えを実現することも可能です。
なお、RPAコンサルタントは正社員だけでなく業務委託としての募集も少なくありません。RPAコンサルタントとして副業でも活躍でき、場合によっては複数の企業と契約して高い報酬を得ることもできます。
RPAコンサルタントの将来性
RPAコンサルタントの将来性は明るいといわれています。まずRPAの市場規模を見ると、2019年度は事業者売上高ベースで529億7,000万円でした(矢野経済研究所調べ)。2018年度と比べると56.7%も増加しており、市場は拡大しています。
一方で矢野経済研究所によると、RPAはすでに大手企業に行き渡った状態であるものの、使いこなせず導入効果を十分に得られていないと指摘されています。このような状況からすると、RPAコンサルタントは今後も高いニーズが期待されるため、将来性は明るいといえるでしょう。
求人の状況
RPAコンサルタントの求人数は現在もなお増加中で、RPAコンサルタントの募集が新着として表示されている案件も少なくありません。RPAコンサルタントの将来性は明るいと紹介したとおり、安定した人材ニーズがうかがえます。
ただし、RPAコンサルタントは専門知識が必要な職種のため、求人内容を見るとIT業界のコンサルティング営業経験5年以上など、一定以上の経験が求められている案件もあります。もしIT業界の経験がない場合は、まずはIT業界で経験を積むことから検討するとよいでしょう。
キャリアプラン例
先述したとおり、RPAコンサルタントになりたい人でまだIT業界の経験がない場合は、IT業界で経験を積むことから検討しましょう。まずは、プログラミングスクールなどでITに関する知識を身に付けてから、IT業界での就職を目指します。
RPAコンサルタントには、ツールにもよりますがVBScriptやVB.NET、VBA、PythonなどRPAに関連するプログラミング言語を習得することが望まれます。そのため、IT業界で3~5年ほど経験を積むことでそれらの知識も深められれば、RPAコンサルタントとして活躍するキャリアの道も開けるでしょう。
RPAコンサルタントの次のキャリアは、RPAだけでなくIT全体のコンサルティング業務を行うITコンサルタントとしても活躍できます。RPAの開発に特化したいなら、RPAエンジニアとして活躍してもよいでしょう。適性に合わせてキャリアアップしやすい職種といえます。
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RPAコンサルタントの具体的な仕事内容
先述したとおり、RPAコンサルタントの業務は主にRPAツールの導入や活用を支援することです。RPAコンサルタントの具体的な仕事内容を紹介します。
- 導入する業務の見極め
- 導入による費用対効果を算出
- 導入計画の立案
- 導入時のフォロー
- 導入後の効果測定
- 運用維持の支援
導入する業務の見極め
RPAコンサルタントは、クライアント企業のニーズや業務内容をヒアリングによって把握し、自動化の対象となる業務を見極めます。また、業務プロセスを整理し、どのようにロボットを活用するのかといった検討も重要な仕事の一部です。
クライアント企業によっては既存業務を整理できていない場合や、業務にかかっている時間を把握できていないことがあります。そういった状態ではRPA導入による効果測定もできないため、綿密にコミュニケーションを取りながら業務を整理していく必要があります。
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導入による費用対効果を算出
RPAの対象となる業務を見極めたら、実際に導入した場合にかかる費用と効果を算出します。RPA導入は、コピーと貼付け(ペースト)を繰り返す作業であれば比較的簡単です。一方、システムを跨ぐ作業の自動化などは、独自の設計が必要になる場合もあります。
費用対効果を算出する際は、できる限り根拠にもとづいた実現可能な数値を提示するようにしましょう。
導入計画の立案
続いて導入計画の立案に進みます。まずはテスト的に対象範囲と期間を定めるなど、慎重に検証することがポイントです。
とくにRPAを初めて導入する場合には、RPAで作業を自動化することにより成果をあげやすい業務から徐々に導入を進めるよう計画しましょう。クライアント企業とコミュニケーションを取りながら、ニーズに合う導入計画を立案することが大切です。
導入時のフォロー
RPA導入時には、クライアント企業がRPAを活用して成果を最大化できるようにフォローすることも、RPAコンサルタントの重要な仕事です。
「RPAの処理に時間がかかって不安」「途中で処理が止まってしまう」などのフィードバックがあればすぐに対応し、クライアント企業がRPAを活用して成果を出すために伴走することが望まれます。
導入後の効果測定
クライアント企業がRPAを安定して利用できるようになった導入後は、効果測定の実施が欠かせません。業務に要していた時間がどれだけ短縮できたのか、人件費などのコストがどれだけ削減できたかを把握します。
時間やコストといった数値で表せる効果だけでなく、現場担当者の意見を聞くほか、可能であれば経営者の反応もヒアリングしておくとよいでしょう。他のクライアント企業の導入支援に役立つ意見を聞き出せる可能性もあるからです。
また、状況に応じてRPAで自動化する対象範囲の拡大を提案します。
運用維持の支援
RPAコンサルタントは、運用維持の支援も仕事内容に含まれます。RPAコンサルタントとクライアント企業のやり取りはシステム部門の担当者や経営者が対象となる場合が多いですが、新人やRPAの知識がない現場担当者であっても円滑にRPAを運用できるよう、体制をサポートすることが理想的です。
具体的には、RPAに関するマニュアル・研修の提供または提案をします。
RPAコンサルタントに求められるスキル
RPAコンサルタントに求められる5つのスキルを紹介します。RPAコンサルタントとして活躍し、キャリアアップを実現したい人はぜひ参考にしてください。
- プログラミングに関する知識
- RPAに関する経理や財務業務の知識
- プロジェクト管理能力
- 論理的思考法
- コミュニケーション能力
プログラミングに関する知識
RPAコンサルタントには、プログラミングに関する知識が求められます。エンジニアほどの知識は必要ないものの、RPAコンサルタントはロボットが理解できるよう業務フローを解釈しなおしたり、プログラム設計書を作成したりするからです。
RPAを提供する企業は、その立場からプログラミング不要またはローコードで業務自動化を実現できることを謳っていますが、比較的高度な自動化を実現するにはプログラミング知識が欠かせません。
少なくともExcelのマクロ機能を使いこなすために必要なVBA、UiPathなどRPAツールに利用されているVB.NETに関する知識は必要といえます。RPAでできることを増やすためにRPAとAIの組み合わせも注目されているため、AIと関わりが深いPythonも習得できると理想的です。
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RPAに関する経理や財務業務の知識
RPAコンサルタントとして活躍するには、RPA導入にあたり対象業務を選定するため、ユーザー部署の業務知識を有していることが必要です。現在、経理や財務に関する業務はRPAツールの導入が進んでいます。したがって、経理・財務業務はどのような業務なのかを把握することで、業務実態に合った適切なRPA導入の提案や計画ができるようになるのです。
たとえば簿記の知識があれば、経理業務の担当者にヒアリングをしたときに共感を示しながら適切な対応をとれるでしょう。
プロジェクト管理能力
RPAコンサルタントはRPA導入プロジェクトの要となる立場にあるため、プロジェクト管理能力も求められます。プロジェクト管理能力とは、時間や人、資金などのリソースを有効活用して、効率的かつスムーズに目的を達成するための総合的な能力のことです。
RPAコンサルタントは、クライアント企業が置かれた状況やニーズ、予算・日程などを丁寧にヒアリングし、クライアントの課題を解決に導けるよう、プロジェクトを管理しながら滞りなく進めていかなければなりません。
案件によってRPA導入の過程は異なるため、その都度対応できるプロジェクト管理能力が必要です。なお、後述する論理的思考法やコミュニケーション能力もプロジェクト管理能力の一部といえます。
論理的思考法
RPAコンサルタントは論理的思考法ができることも必要です。クライアント企業が置かれている状況やニーズをヒアリングした結果、RPAを導入すべきかどうかや費用対効果などについて、主観的な意見ではなく論理的にクライアント企業へ提案と説明を行わなければなりません。
同じ提案であっても、論理的思考法ができるかどうかによってクライアント企業に与えられる納得感や信頼度は異なります。
コミュニケーション能力
RPAコンサルタントには、コミュニケーション能力が欠かせません。クライアント企業のニーズを把握することはもちろん、課題解決に導く具体的な提案を伝える必要があります。
RPAのスキルを持っていても、コミュニケーション能力がなければRPAコンサルタントとして活躍することは難しいといえます。
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RPAコンサルタントに役立つ資格
RPAコンサルタントに役立つ資格を紹介します。資格取得に励んでRPAコンサルタントとしてのスキルを磨き、信頼されるコンサルタントになりましょう。
UiPath RPA アソシエイト資格試験
UiPath RPA アソシエイト資格試験(UiRPA)は、RPAのキャリア向上のために設計された認定資格プログラムです。UiRPAを取得することによって、RPAに関する専門知識を証明できます。
試験では実際にUiPath StudioやUiPath RobotsなどのUiPath製品を使用し、問題解決や業務分析、シンプルな自動化ソリューション構築に関する知識などが評価されます。
試験時間は90分です。受験料として、日本語版は16,000円、英語版は$150(ともに税別)がかかります。
RPA技術者検定 アソシエイト
RPA技術者検定 アソシエイトは、株式会社エヌ・ティ・ティ・データなどが提供する検定試験です。エヌ・ティ・ティ・データが提供するRPAツール「WinActor」の概要や機能、シナリオに関する知識が出題されます。試験時間は60分、受験料は会場受験とリモート受験のどちらも7,150円(税込)です。
UiPathやWinActorはいずれも導入する企業が少なくないため、双方の資格を取得しておくとクライアント企業から一定の信頼を得られるでしょう。
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RPAコンサルタントになる方法
RPAコンサルタントになるためにはどうすればよいのかについて、具体的な方法を2つ紹介します。
人材派遣業者に登録する
RPAコンサルタントになるためには、専門の人材派遣業者に登録しておくとよいでしょう。一部の人材派遣業者はRPAコンサルタントを求めている企業とつながりがあるため、RPAコンサルタントとして紹介してくれる可能性があります。
転職のプロに相談する
人材派遣業者のほか、転職のプロに相談してみるのもおすすめです。転職のプロである転職エージェントなら、転職のノウハウも教えてくれます。キャリアや希望条件などにもとづいて自分に合った求人を紹介してくれるので、よりよい条件での転職も期待できるでしょう。
ただし、RPAやIT業界未経験の場合は、まずはIT業界への転職も検討しましょう。
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RPAコンサルタントは今後も需要が高くなる職種
RPAコンサルタントは、RPAソフトウェア導入のための提案・最適化支援を行う仕事です。RPAはすでに大手企業に行き渡った状態ですが、使いこなせず導入効果を十分に得られていないという声もあります。そのため、RPAコンサルタントの需要は今後も高くなると考えられます。
RPAコンサルタントとして活躍するには、プログラミングに関する知識や論理的思考力、コミュニケーション能力、プロジェクト管理能力などが必要です。RPA認定資格なども提供されているため、あわせて資格取得に励むのもおすすめです。
今はRPA未経験でも、IT業界への転職を通じてRPAコンサルタントとして活躍することを検討してもよいでしょう。RPAコンサルタントになるためには、業界に精通している人材派遣業者に登録したり、転職のプロである転職エージェントに相談したりするのがおすすめです。
RPAコンサルタントになりたいと考えている人は、ぜひこの記事を参考に自分がやるべきことを見つけて実践してみてください。
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