Excelで販売管理をする方法|管理する際の課題や管理表の作成方法を解説!

最終更新日時:2024/01/15

販売管理システム

Excelで販売管理をする方法

企業にとって必要不可欠な販売業務をサポートする販売管理システムは多数存在しますが、身近なツールであるExcelを活用しようと考えている方も多いのではないでしょうか。本記事では、Excelを用いた販売管理を検討している方向けに、管理表の作成方法や課題について解説します。

Excelで販売管理をする方法は?

販売管理とは、商品やお金の流れといった販売に関する情報を管理することです。「見積・受注・出荷・納品・売上計上・請求・入金確認」の一連の流れに沿って行います。また、仕入れ状況・在庫・顧客情報・販売履歴などの管理も必要です。

販売管理で商品やお金の動きを可視化することで、納期遅れ・重複発注といったミスを防げます。商品ごとの売上や収支状況なども把握できることから、効果的な販売戦略の立案や無駄なコストのカットも可能になるでしょう。

さらに、販売に関わる各部署の連携がスムーズになり、業務の効率化も期待できます。その結果、取引先からの信頼や利益の向上が期待できます。

Excelで販売管理をするには、売上管理表・顧客管理表・在庫管理表の3つが必要です。ここでは、それぞれの表を用いた販売管理の方法について解説します。

売上管理表

売上管理表とは、日々の売上に関する情報を管理する表です。売上・売上目標・達成率・原価・予算・経費などを記録します。売上は部門・商品・担当者・顧客別でも管理し、月次・半期・年次といった一定の期間ごとに達成率を集計することが大切です。

売上管理表を作成することで、売上目標に対する進捗率が可視化されます。売上状況に応じた販売施策を立てられるため、売上アップが期待できるでしょう。さらに、得られたデータは売上目標が適切かどうかを判断する基準にもなります。

顧客管理表

顧客管理表とは、顧客に関する情報を管理するための表です。企業番号・顧客名・連絡先・住所などの基本情報や担当者名、売上情報、販売履歴、営業履歴などを記録します。企業ごとに必要な情報は異なるため、自社に合ったフォーマットを作成することが大切です。

顧客管理表は過去の取引に関するデータを蓄積できるため、データを分析して顧客の特徴に合わせた営業・販売戦略を立てられるようになります。また、NG事項も記録すれば、トラブルの防止にも役立つでしょう。さらに、見込み顧客リストとしても活用できます。

在庫管理表

在庫管理表とは、商品や原材料の在庫に関する情報を管理するための表です。商品や原材料ごとに毎日の出庫数・入庫数・在庫数を記録します。

在庫管理表を作成することで、企業が保有している資産の量を正確に把握できます。その結果、仕入れ量を適切に調節できるため、過剰在庫や在庫切れを防げる点がメリットです。

また、棚卸し業務や在庫管理・発注業務の負担も軽減できるでしょう。

【図解あり】販売管理とは?業務フローや目的・メリットについてわかりやすく解説!

Excelを用いて販売管理表を作成する方法

Excelで販売管理表を作成するには、どのようにすればよいのでしょうか。ここでは、Excelを用いて販売管理表を作成する方法を詳しく解説します。

マスターデータを作成する

まず、商品情報や顧客情報などの基本データをまとめて管理するマスターデータを作成します。

マスターデータは販売管理表を管理・更新する際の元データとなるため、自社に必要なデータを洗い出し、正確に入力することが重要です。

表のレイアウトを考える

マスターデータを作成したら、販売管理表のレイアウトを考えます。必要項目を洗い出し、それぞれどのような配置で入力するか決めましょう。

また、項目ごとにセルの幅や高さを設定したり、項目名をラベル設定をしたりして視認性を高めることも大切です。例えば、商品名や顧客名などはスクロールしても見やすいように、固定しておくことをおすすめします。

数字を入力する

レイアウトが完成したら、実際の数字を入力します。このとき、表の見づらい部分はセルの大きさを調節して改善しましょう。

また、数字は右寄せ表示にし、数字をカンマで区切ったり、金額の数字の先頭に「¥」が表示されるように設定したりすると見やすくなります。

関数を利用する

合計値や平均値などの項目には関数を利用しましょう。あらかじめ関数を入力しておくことで、データを入力するだけで自動で更新できるようになります。販売管理表に役立つ関数は以下の通りです。

  • COUNTIF関数
  • SUMIF関数
  • AVERAGE関数

COUNTIF関数は、特定の条件を満たすセルの数をカウントする関数です。特定の商品・顧客・期間での販売個数を数えたり、一定の客単価を超えている顧客数などを数えたりする際に使用します。

SUMIF関数は、特定の条件を満たすセルに入力された数字の合計値を算出できる関数です。商品・顧客・期間別の売上合計額を計算する際などに使用します。

AVERAGE関数は、指定したセルの平均値を算出する関数です。月別の平均売上や顧客の平均単価などを計算する際に使用します。

Excelで販売管理を行うメリット

Excelを販売管理に活用すると、さまざまなメリットを享受できます。

ここでは、Excelで販売管理を行う3つのメリットを解説します。

費用がかからない

Excelは、多くのパソコンに標準搭載されています。そのため、追加の導入費用やランニングコストをかけずに導入できる点がメリットです。

また、インターネット上には無料で使える販売管理表のテンプレートが豊富に展開されています。Excelでの販売管理表の運用を、コストをかけずに行いたい企業におすすめです。

Excelを使える人が多く導入ハードルが低い

Excelは広く普及しているツールで、多くの人が使用できます。関数の知識さえあれば高度な知識やスキルがなくても扱えるため、導入ハードルが低い点がメリットです。

また、インターネットを使えば複雑な関数の使い方も調べられます。多くの人がすぐに使えるツールであるため、手軽に販売管理表を作成できるでしょう。

柔軟にカスタマイズできる

自社の業態や規模に合わせて、柔軟にカスタマイズできる点も大きなメリットです。システムを利用する場合とは異なり、Excelには決まったフォーマットがないため、自社のニーズや仕様に合わせて自由に作成できます。

既存のテンプレートを使用する場合も、自社独自の項目を追加したり、関数を駆使したりすることで、必要な情報を集約できるでしょう。

Excelで販売管理をする際の課題

Excelでの販売管理には、メリットだけではなくさまざまな課題もあります。

ここでは、Excelで販売管理をする際の課題について解説します。

複数人で同時に作業できない

基本的に、Excelは1つのファイルを複数人で同時に編集することはできません。リアルタイムで更新データを共有できないため、データの重複や不一致が発生する恐れがあります。

特に、データを管理するパソコンが複数ある場合は、情報共有にミスが起きないように注意が必要です。

関数に関するスキル・知見が必要になる

Excelで販売管理を行うには、関数に関するスキル・知見が必要となります。たった1つのミスが販売管理表全体に影響を及ぼしてしまうこともあるので、関数は正確に使用しなければなりません。

関数の数式や指定するセルの範囲など、Excelの使用にはさまざまな知識が求められます。また、複数の管理表を紐付ける場合は、より高度なスキルが必要となるでしょう。

管理業務が属人化してしまう

Excelでの販売管理は、属人化しやすい点もデメリットです。Excelはカスタマイズ性が高いことから、担当者が自身の知見・スキルを用いて設計しています。よって、他の従業員には操作しにくかったり、関数やマクロの知識が足りずに更新ができなかったりすることもあるでしょう。

管理業務が属人化してしまうと、担当者の異動・退職・休職による引き継ぎがうまくできなかったり、組織内での情報共有が停滞してしまったりします。

他のツールとの連携ができない

基本的に、Excelは会計ソフトや受発注システムといった他のツールとの連携ができません。データの転記・入力作業はすべて手作業で行う必要があるため、入力の手間がかかるだけではなく、ミスも発生しやすいでしょう。

また、データの不一致が起きた場合、原因やミスした箇所の発見に時間がかかります。その結果、作業効率の低下を招いてしまうのです。

販売管理システムとは?機能やできること・メリット、選び方について詳しく解説

Excel管理による課題の解決には販売管理システムがおすすめ

Excelでの販売管理にはさまざまなメリットがある一方で、課題も生じることを解説しました。Excel管理による課題は、販売管理システムを導入することで解決できることもあります。

ここでは、販売管理システムを導入するメリットを詳しく解説します。

業務の効率化につながる

販売管理システムを導入すれば、複雑な販売管理業務を正確・スムーズに進められるようになります。また、必要な情報を一元管理できるようになるので、業務の大幅な効率化が期待できるでしょう。

さらに、情報共有も円滑に進められるため、迅速な経営判断も可能にします。

業務の属人化を防げる

販売管理システムは特定のフォーマットを用いて販売管理を行うので、システムの操作方法を覚えれば誰でも操作できます。また、複数のパソコンからアクセスできることから、情報共有もスムーズに行えるでしょう。

その結果、業務の属人化を防ぎ、担当者の異動・退職・休職などが起きた際に業務が停止してしまうリスクも減らせます。

データを一元管理できる

販売管理システムでは、販売に関するデータの一元管理が可能です。これまでバラバラに管理していた顧客情報・在庫情報・売上情報などを集約できるため、必要な情報にすぐにたどり着けます。

また、販売に関するモノとカネの全体の流れを俯瞰して把握することも可能です。データはリアルタイムで更新されるので、最新の情報をもとに迅速な経営判断を下せるようになります。

【2024年最新】おすすめの販売管理システム16選比較|メリットや機能・選び方を解説

導入する販売管理システムの選定方法

最後に、販売管理システムの選定方法を4つ紹介します。

業務に適した機能があるか

販売管理システムを選ぶ際は、自社の業務・業態に適した機能があるかをチェックしましょう。

例えば、小売業の場合は在庫管理やPOSシステム、製造業なら生産計画や工程管理といった機能が必要になるでしょう。また、特定の業種に特化したパッケージが展開されている販売管理システムもあります。

そして、カバーできる業務範囲を確認することも重要です。お金の管理のみで十分なのか、商品の流れも管理したいのかなどによって、適切なシステムは異なります。必要な機能を洗い出してから自社に合った製品を選びましょう。

コストが自社の予算に適しているか

コストも販売管理システム選びの重要なポイントです。販売管理システムには、オンプレミス型やクラウド型、パッケージ型など、さまざまな商品形態があります。

製品によって初期費用やランニングコストは異なり、同じ製品でもカスタマイズを依頼する場合は価格が高くなるでしょう。そのため、導入前に見積もりを依頼し、自社の予算に適した製品を選ぶことが大切です。

また、価格の高い高機能な製品でも、自社にとって必要な機能を備えていなければ導入コストが無駄になってしまいます。価格面だけではなく、自社の課題解決につながる機能を備えているかをチェックしましょう。

クラウド型のおすすめ販売管理システムを比較!メリットや選ぶ際のポイント

サポートやセキュリティ内容は万全か

販売元のサポート内容も確認が必要です。導入時だけではなく、運用開始後もサポートを受けられるシステムなら、万が一のトラブルにもすぐに対応できます。

また、サポートの受付時間もチェックしましょう。例えば、自社が土日・祝日や夜間も営業している場合は、該当の時間でもサポート対応してもらえるサービスを選ぶのがおすすめです。

さらに、セキュリティ対策が万全かどうかも確認する必要があります。通信の暗号化やアクセス権限の設定、バックアップの有無など、どのような対策がされているのかを確認しましょう。

操作が簡単にできるか

製品によって操作方法やUIは大きく異なるため、操作性も確認することが大切です。シンプルで操作しやすいシステムなら、初めてシステムを利用する従業員やシステムの操作が苦手な従業員でも安心して利用できます。

無料トライアルを実施している製品もあるため、一度試してみてから本格導入を決めるのもおすすめです。現場の担当者にとって、使いやすい製品を選びましょう。

中小企業向けのおすすめ販売管理システム!選び方や導入するメリットについて

販売管理の効率化はシステムを活用しよう

企業経営を円滑に進めるうえで、販売管理は欠かせません。身近なツールであるExcelを用いた販売管理にはさまざまなメリット・デメリットがあります。

より効率的に販売管理を行いたい方は、販売管理システムの利用がおすすめです。本記事を参考に、自社に合った方法で販売管理を行いましょう。

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