受注確度とは?管理するメリットや判断基準・ランクの付け方を解説
受注確度は、戦略的な意思決定の精度にも関係する重要な要素です。また、管理にあたっては受注確度の高い案件を的確に見極められるよう、組織としての判断基準の設定が求められます。そこで今回は、受注確度とは何か、管理するメリットや判断基準、受注確度のランク付けの方法を解説します。
・受注角度とは、商談や案件が実際に受注につながった確率のこと
・受注角度を管理することによって、売上予測精度や営業効率の向上が見込める
目次
受注確度とは?
受注確度とは、企業が提案や見積もりを出した案件や商談が、実際に受注へとつながる確率を示した指標のことを指します。
取引が実際に成立する確率を示すものであり、企業の売上予測やビジネスプランの策定において重要な指標となります。例えば、受注確度が高いと見込まれる案件には積極的にリソースを投入し、低いと見込まれる案件には慎重になるなど、戦略的な意思決定に役立てられるのです。
受注確度を管理するメリットとは?
受注確度を管理するメリットについて、3つのポイントを具体的に解説します。
営業活動を効率的に行える
受注確度の管理によって、営業活動のプライオリティを明確にすることが可能となります。
例えば、受注確度の高い商談にはリソースを集中的に投下することで、一気にクロージングを目指し、一方で低い受注確度の商談については、アプローチを再検討して次の機会を待つといった意思決定ができます。
受注確度をもとにした優先順位の明確な営業活動は、無駄な労力を削減し、営業効率を高める重要な要因となるのです。
売上予測精度が向上する
受注確度の正確な管理により、商談の最新状況に基づいた予測ができることから、企業の売上予測の精度も大きく向上します。
また、売上確度の高い商談を優先的に進めることで、売上を確実に確保しやすくなるでしょう。
例えば、5つの商談があり、それぞれの受注確度が80%、50%、30%、20%、10%と評価されたとします。この場合、受注確度の高い商談から着手することで、着実に受注実績を積み上げることができ、受注確度の高さに比例して、売上予測もより精度の高い予測が可能になるという好循環が生まれるのです。
最適な営業手法を選択できる
受注確度の詳細な分析を通じて、成約率の高いアプローチと、効果が見込めないアプローチを明確に把握することができます。
分析結果は、営業戦略の見直しや手法の最適化にも役立てられるでしょう。また、常に高い受注確度を獲得できているセールスパーソンをロールモデルにして、コミュニケーション方法やアプローチの手順などのノウハウを共有することで、チーム全体の営業力の底上げを図ることもできます。
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受注確度の判断基準
では、実際に受注確度を判定する際の判断基準を確認していきましょう。
Budget(予算)
顧客が商談に関するプロジェクトや商品購入のための予算を持っているかどうかは、その商談の成立確率を大きく左右します。
具体的には、予算が既に確定している場合、受注確度は高まり、予算が未確定、あるいは、不明瞭であれば、その商談の受注確度は低く評価されることが一般的です。したがって、営業活動においては、顧客の予算状況の把握が必須となります。
Authority(決裁権)
商談相手が直接的な決裁権を持っている場合、その人が契約を結ぶかどうかの最終的な決定を下すことになるため、提案が相手のニーズに合っていれば、成約に向けたスピード感は大幅に上がることが期待できます。逆に、商談相手に決裁権がない場合、その人が提案にどれだけ賛同していても、最終的には決裁権を持つ他の人の判断によって商談の成否が決まります。
商談相手の決裁権の有無は、商談の進行速度や成約の可能性に大きな影響を与えるため、受注確度を判断する際にも重要な要素となります。
Need(必要性)
受注確度を判断する際のもう一つの重要な要因は、顧客の「必要性」の度合いです。
例えば、顧客がその商品やサービスを絶対的に必要としている場合、自ずと受注確度は高まることになり、一方で、欲しいと感じてはいるものの緊急性が低い場合は、他の選択肢を検討する時間も生じるなど、決断までの時間が長くなる傾向にあります。
Timeframe(導入時期)
Timeframe(導入時期)は、顧客の購買意欲やプロジェクトの進行度を推しはかる指標となります。
まず、導入時期が明確に設定されている場合は、製品やサービスの導入を前提に選定を進めている段階であり、真剣に購入を検討している時期であると判断できます。
対して、導入時期が未定または曖昧な場合は、導入自体を検討している段階であり、直近の受注確度は低い状態であると受け取れるでしょう。また、導入時期が近いほど、プロジェクトの終盤を迎えている状況であり、受注の可能性が高いと判断することができるのです。
受注確度のランクの付け方
受注確度は、具体的なランクや数値で示すことが理想です。
ランクの付け方は、商談の進行状況、顧客との関係深度、そして、受注確度の判断基準で解説した、「Budget」「Authority」「Need」「Timeframe」の4つの要因を加味して、総合的に判断しパーセンテージやランクで評価します。
例えば、初めての商談においては、商談の進行状況、顧客との関係深度では低ランクとなりますが、商談相手が決裁権者であり、必要性が高く、予算や導入時期も決まっている相手であれば、実際の見積もり提出や最終的な調整段階では、総合的な受注確度は高いと評価することができるでしょう。
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受注確度の管理におすすめのツール
受注確度は、顧客の関連情報と合わせたツールを活用した管理がおすすめです。
最後に、受注確度管理ができるツールを紹介いたします。
CRMツール
顧客関係管理が効率化できるCRMツールは、受注確度の管理にも活用可能です。
顧客情報や商談の履歴、進捗状況を一元的に管理でき、さらに多くのCRMツールは、受注確度を数値やランクで可視化する機能も搭載しています。
顧客とのコミュニケーション履歴や商談のステージなど、リアルタイムで集約したデータをもとに受注確度を自動更新することもできるため、精度の高い受注確度を把握したうえで、営業活動が効率化できます。
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MAツール
MA(マーケティングオートメーション)ツールは、マーケティング活動を自動化し、効果的なリード獲得や顧客育成をサポートするものです。
受注確度の管理にMAツールを用いることで、潜在顧客の行動履歴や関心度をデータベースとして取得し、その情報をもとに受注確度を算出・更新することができます。
特に、リードスコアリング機能を活用することで、各リードの購入意欲や商談への適合度を数値で示し、営業チームのアプローチを最適化するサポートが期待できます。
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SFAツール
営業活動を自動化し、効率化するためのSFA(Sales Force Automation)ツールも、受注確度の管理に使うことができます。
具体的には、商談のステージや進捗状況をリアルタイムで追跡し、受注確度のアップデートを自動的に行う機能を持つものが多いです。また、商談の情報共有や報告業務の効率化、さらには予測分析に基づく営業戦略の策定など、受注確度を中心とした営業活動の最適化をサポートする機能が充実しているのも特徴といえるでしょう。
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受注確度を管理し営業活動に役立てよう
受注確度と、管理することで得られるメリットを解説しました。
受注確度を適切に管理・評価することで、リソースの最適化をしながら商談の成功確率を高め、組織全体の売上向上に貢献することができます。
さらに最適なツールを駆使して受注確度の管理を徹底することで、営業活動を次のレベルへと引き上げることも可能です。事業目標の効率的な達成に向け、受注確度の適切な管理とその活用を心がけましょう。
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