AI搭載したSFA(営業支援システム)とは?おすすめサービスも紹介!
AI機能があるSFAは営業活動をアシストし、様々な業務をより効率的にしてくれます。本記事では、AIを搭載したSFAができることや導入のメリット・デメリット、活用ポイントを解説します。AIを搭載したSFAツールも紹介するので参考にしてください。
目次
AIを搭載したSFAが可能にすること
様々な業界や業種において人工知能(AI)の活用が進む中、営業支援ツールのSFAにもAI搭載型のモデルが台頭してきています。
従来のSFAとの違いは、簡単に言えば「AIが営業活動をサポート・バックアップしてくれる」という点になります。
ここではまず、AI搭載型SFAを導入することで可能になる4つの点について解説していきましょう。
(1)次に取るべき行動の提案
AI搭載型SFAはその時々において、適切な営業活動を様々なデータの分析結果から割り出し提案してくれます。
複数の顧客を抱える営業担当者は、それぞれの顧客との案件進捗やアプローチのタイミングなどを勘案しながら日々の営業活動のスケジュールを決めています。
この作業は営業担当者の経験と勘に頼ることが大きく、新人担当者であればなかなか的確な行動計画を立てられずに機会ロスや対応漏れなどが発生するリスクが高まります。
AI搭載型SFAでは、顧客ごとの訪問頻度や前回の商談記録、案件進捗などのデータから、アプローチをかけるべきタイミングにある顧客を抽出し、次の行動を提案してくれるのです。
(2)大切な情報の確認
営業担当者のスケジュールには、抜け漏れの許されないような重要な予定が次々と入ってきます。
顧客からの見積書や資料の送付依頼を失念するようなことがあれば、最悪の場合、顧客が競合他社と契約してしまい、甚大な機会ロスに発展することも考えられます。
AI搭載型SFAでは、AIがそれぞれの顧客との関係を常にチェックし、進捗を確認しているため、重要事項の対応を失念するといった人為的なミスを軽減できるのです。
「長期間訪問していない」「前回の商談からあまりにも時間が経過している」といった放置案件についても、AIが速やかに察知し担当者にリマインドするため、ここでも機会ロスの抑止力として効果を発揮します。
(3)新たな顧客探し
営業担当者の中には新規顧客開拓のノルマが課されている場合もありますが、既存顧客の対応と並行して行うことは、大変な業務負荷がかかります。
扱う商材と親和性の高い顧客属性を割り出すためには、その時々の市場動向や競合他社の動きなど多角的に収集した情報を分析しなければならないためです。
AI搭載型SFAはAIがすでにある顧客リストとそれに紐づけられた案件情報などを元に、成約に至りやすい顧客属性を分析して担当者に提案してくれます。
加えて、成約に至りやすい顧客属性が明確になることで、見込み客リストの中から優先的にアプローチをかけるべき対象を抽出してくれるため、優良顧客への育成も効率よく行えるのです。
▷SFA導入後のルート営業と新規営業での活用手法!成果を上げるコツは?
(4)音声認識
非AI搭載型SFAには音声認識機能がついていないため、データを入力する作業が必ず発生します。
AI搭載型SFAであれば、外出先や移動中であっても、音声で必要事項のデータ入力が完了します。
音声を認識したAIがその情報を必要なリストや報告書へ自動的に反映するため、担当者は、営業活動後にまとめて日報やスケジュール、案件進捗などのデータ入力を行う必要がなくなるのです。
また、「次のアポは?」「〇〇社との商談は何時から?」など、スケジュール確認もAIに問いかければ答えてくれるため、いちいちスケジュール帳やアプリを開く手間が省けます。
音声認識機能は、AIを営業アシスタントのように活用することにより、担当者が営業活動に専念できるという点で、AI搭載型SFAの大きな強みと言えます。
▷SFAの機能一覧!営業支援システム導入によってできることとは?
AIを搭載したSFAを導入するメリット
従来のSFAが、営業活動に関わるデータの一元管理という役割を担っていたのに対し、AI搭載型SFAは集積したデータを分析・活用し、担当者に通知したり提案したりする機能も持ち合わせています。
そのようなAI搭載型SFAを導入することにより、具体的にはどのようなメリットが得られるのでしょうか。
(1)データドリブンな営業ができる
AIは集積されていくデータから学習することで、担当者にとっての最適解を提案するように成長していきます。
優良顧客の抽出や売り上げ予測、アプローチのタイミングまで、実際のデータに基づいた提案を行うため、担当者はより実効性の高い営業計画や戦略を策定することが可能となるのです。
データに基づく最適解をAIが導き出すことで、ベテラン担当者と新人担当者との間にある経験値によるパフォーマンスの差や属人性が排除され、組織全体の営業パフォーマンス向上も期待できます。
(2)コア業務に専念できる
営業業務では、営業日報から案件ごとの見積書や提案書、売買契約書、請求書などの書類作成に加え、データ集計や進捗管理など多岐にわたる事務作業が発生します。
日中のほとんどを顧客とのアポイントメントに費やす営業担当者にとって、事務作業が業務負荷となっていることも多く、定時後にわざわざ帰社して事務作業を行うケースも少なくありません。
このような事務作業に対し「営業事務」という専任者を設け、営業担当者のサポートにつかせる体制を設けている企業もあるでしょう。
しかし、AI搭載型SFAであれば、営業事務と同様の働きを担うことができます。
煩雑な事務作業をAIが自動化してスピーディーに処理していくことで、営業担当者はコア業務である営業活動に専念することが可能となるのです。
(3)労働力不足の解消につながる
企業の人材不足は、業界・業種にかかわらず年々深刻化しています。
限られた人材を自社で確保するためには、それなりの高待遇な条件を提示する必要がありますが、多くの企業にとっては、営業事務要員にそこまでのコストはかけられないのが現状です。
AI搭載型SFAであれば、導入コストこそ発生するものの、一つのシステムで営業部内の担当者全員の事務処理を一手に担うことができます。
加えて、手作業の数倍〜数十倍のスピードの処理能力を持っていることを勘案すると、AI搭載型SFAのコストパフォーマンスの良さと労働力不足の解消への貢献度が高いことは一目瞭然でしょう。
▷SFA導入がもたらす効果とは?メリット・デメリットを徹底解説!
AIを搭載したSFAを導入するデメリット
限られた人員でパフォーマンスを最大化するためにAI搭載型SFAが有効に働く一方で、導入に際しては考慮すべきデメリットも存在します。
ここでは、AI搭載型SFAの導入で考えられる3つのデメリットについて解説していきますので、参考にしてください。
(1)トラブルが発生した際、対処が難しい
ディープラーニングと呼ばれる学習機能を持ったAIの判断による結果に対する責任の所在に関しては、まだまだ不透明な状態にあります。
技術の進化に法整備が追いついていないことが原因として考えられるものの、現状では何らかのトラブルが発生した際、誰が法的責任を負うのかが定まっていません。
加えて、AIによる判断に任せて重大なトラブルが発生した際、AIがどのような理由でその判断結果を導き出したかのプロセスを解明することはほぼ不可能です。
そのため、企業側としての対処方法に正解がなく、トラブルの後始末が複雑化することが考えられます。
(2)コストがかかる
AI搭載型SFAは、従来のSFAと比較してやや割高となるケースが多いことに加えて、上手く使いこなすまでには相応の時間がかかる可能性があります。
AIが学習しながら運用していくシステムに関して、ある程度精通している人材が部内にいなければ、なかなかAIを使いこなして営業活動を効率化できるレベルまで達することができないためです。
システムの提供企業によっては、導入支援サービスを行っているところもありますが、外部コンサルタントに依頼すれば、導入・運用コストとは別に新たなコストが追加されることになります。
▷SFAの平均費用はどれぐらい?主な営業支援システムの価格を徹底比較!
(3)情報漏洩のリスクが高まる
AI技術が進化するに伴い、AIを狙ったサイバー攻撃においても発展と多様化が進んでいます。
AIは様々な情報処理をネットワークを通じて行うため、AI搭載型となるとハッキングのリスクも自ずと高まってしまうのです。
AIがハッキングされたことで、顧客や売上に関する機密情報が漏洩してしまうケースも増えています。また、内部の人間によって情報が漏洩してしまうことも考えられます。
導入システムの選定の際には、セキュリティ対策がしっかり取られている安全性の高いシステムを選ぶとともに、導入後には、社内においても情報資産の管理体制の強化をしましょう。
AIを搭載したSFA
ここからは、実際にAI搭載型SFAを紹介していきます。各社のサービス内容や特徴をふまえて、自社に適したシステムの選定を進めてください。
(1)Senses
営業支援ツールの開発や営業支援コンサルティングを行う株式会社マツリカが提供する「Senses」は、現場での利便性を徹底して追求したクラウド型SFA+CRM統合型システムです。
入力自動化とAI機能の搭載に加え、顧客管理、案件管理、担当者の行動管理の3つを一元管理することで、担当者にとって負荷となる業務の省力化と同時に営業パフォーマンスの向上を実現しています。
提供元 | 株式会社マツリカ |
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初期費用 | なし ※無料トライアルあり |
料金プラン | ライセンス費用
スタートアップ支援プラン:ライセンス費用50%OFF |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
(2)Sales Cloud
クラウド型のソフトウェア開発企業である株式会社セールスフォース・ジャパンが提供する「Sales Cloud」は、独自開発のAIにより、あらゆる角度から営業担当者を支援する機能が搭載されているクラウドベースのSFA+CRM統合型システムです。
提供元 | 株式会社セールスフォース・ジャパン |
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初期費用 | 要問い合わせ ※無料トライアルあり |
料金プラン | ■基本料金
■アドオン機能追加
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機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
(3)Sales Force Assistant
豊富な経営コンサルティングの実績を活かしてSFAやCRMの開発を行う株式会社NIコンサルティングでは、「AI秘書」と呼ばれるAIの営業アシスタントを組み込んだSFAを提供しています。
同社の提供するSFA、CRMは、業界や業種、営業スタイルなどによって6種類のバリエーションで展開しており、そのいずれにもAI秘書が搭載されています。
提供元 | 株式会社NIコンサルティング |
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初期費用 |
※30日間の無料トライアルあり |
料金プラン | ■クラウド型利用料
■オンプレミス型利用料
※ユーザーライセンス数に応じて、値段変動 |
導入実績 | 8,500社以上 |
機能・特徴 | AIアシスタント機能
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URL | 公式サイト |
(4)Zoho CRM
ソフトウェア開発企業のゾーホージャパン株式会社では、業務効率向上と並行して、商談化率を伸ばし解約率を下げるという効果も生み出している営業支援ツール「Zoho CRM」を提供しています。
自社開発AI型アシスタント「Zia(ジア)」を標準搭載し、あらゆる業務を自動化することで、担当者の営業パフォーマンスの最大化を支援しています。
提供元 | ゾーホージャパン株式会社 |
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初期費用 | 無料※15日間無料お試しあり |
料金プラン | 基本料金
※価格はすべて年間契約の場合 |
導入実績 | 全世界で8,000万ユーザー以上 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
(5)GeAlne
AI技術を活用したプロダクト開発を行うエッジテクノロジー株式会社では、企業のHPに設けられている問い合わせフォームに自動で営業メールを送る、toB向け新規営業開拓のためのツール「GeAlne(ジーン)」を提供しています。
AIが成約率の高いアタックリストを自動で分類することで、新規顧客獲得のためのアプローチの効率化を達成し、獲得率向上に貢献するシステムです。
提供元 | エッジテクノロジー株式会社 |
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初期費用 | 要問い合わせ ※3日間無料お試しプランあり |
料金プラン | ■基本プラン
■営業リスト付きプラン
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機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
▷自社に合った最適なSFAの選び方は?7つのチェック項目を解説
AIを搭載したSFAの活用ポイント
AI搭載型SFAの利用によって効果を得るためには、いくつかのポイントをおさえたうえで導入を進める必要があります。
ここでは、実際にシステムを活用するための3つのポイントについて解説していきます。
(1)AIの知識がある人材を確保する
新しいシステムの導入時に、部内にそのシステムを使いこなせるスキルを持った人がいるか否かによって、導入から運用開始・定着までに要する時間が格段に変わってきます。
特にAI搭載型システムの導入においては、AIに関する知識だけでなくIT全般に関して精通した人物がいなければ、導入部署の抱える課題に対して最適なAIの活用方法を見出すことができません。
現状の課題を解決できるような最適なシステムを選択・導入することが、運用開始後の効果を左右する重要なポイントであるためです。
とはいえ、AIに精通した人材はまだまだ多くないことから、社内に情報システム部がある場合は、システムに精通した担当者に導入プロジェクトに参加してもらうことをおすすめします。
そのような人材がいない場合は、外部の専門コンサルタントに導入支援サービスを依頼するか、時間が許すようであれば社内でAI人材の育成を行うとよいでしょう。
(2)企業に合ったシステムを使用する
AI技術を搭載したSFAは年々増加しており、搭載機能も料金プランも多種多様なバリエーションの中から選ぶことができますが、多機能・高価格なシステムが最も良いというわけではありません。
営業活動の内容や扱っている商材、顧客属性など、様々な観点から総合的に自社の営業部に必要な機能や操作性を有したシステムでなければ、高い導入コストに見合わない無用の長物となってしまいます。
自社に適したシステムの選定には、課題の洗い出しと業務の可視化が不可欠であると同時に、技術面から機能性や操作性、コストなどの適正を検討する人材が必要です。
前項にも通じますが、実際に使用するメンバーがシステムを理解し、導入に前向きに関わることが、結果として最適なシステムの導入につながります。
外注の導入支援や一部の導入担当者に任せっきりではなく、営業部全体で適したシステムの選定と導入に取り組むことで成功につながっていくでしょう。
(3)導入の目的を定める
新しいシステムの導入時には、その導入目的を明確にしておくことは不可欠ですが、ここでは特に「なぜAIが必要なのか」という点をしっかりと定めておく必要があります。
AIの活用によってどのような効果を生み出したいのかがあいまいなまま導入してしまうと、蓋を開けて見てから「AI搭載型でなくてもよかった」という最悪のケースも考えられます。
営業業務の業務負荷削減や効率化、営業収益の最大化に大きく貢献するとして注目されるAI技術だけに、「導入」そのものが目的となってしまわないように注意しましょう。
▷SFAの導入目的って何?導入前に知っておくべき基本知識をおさらい!
AIを搭載したSFAを導入する時に注意すべきこと
営業部が抱えている課題や目標によっては、解決や達成のためにはAIではなく他の技術が必要な場合もあるため、慎重に検討を進める必要があります。
抱えている課題の解決によりどのような利益を得ることができるのかという点を、経営層と現場運用者の2つの視点で考えたうえで、AIが必要と判断されなければAI搭載型SFAを導入する必要はないでしょう。
AI搭載型SFAには様々な便利機能が搭載されているからこそ、営業担当者がシステムを使いこなしポジティブな効果が生まれなければ意味がないということを念頭において、検討作業を進めることが大切です。
AI搭載のSFAを活用して、業務を効率化しよう
AI搭載型SFAは、従来のSFAと比較しても、多くの点において営業担当者や営業部、ひいては企業全体に利益をもたらす可能性を多分に有しています。
AIにより、これまでよりもハイレベルな営業支援が可能となった一方で、新しい技術ならではの様々な課題や懸念事項も残っているのも現状です。
メリット・デメリットの双方をしっかりと理解したうえで適したシステムを導入・運用し、業務効率の向上と組織全体のパフォーマンスの底上げを目指していきましょう。
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