【2024年最新】SFAの市場規模・シェアを解説|伸び続ける理由や今後について
SFAの市場規模は、年々伸び続けています。今後も利用率が高まることが予測されていますが、なぜSFAのシェアは伸び続けているのでしょうか。本記事では、SFAのシェア・市場規模や導入する企業が増えている理由、国内で高シェアを誇る人気のSFAを紹介します。
目次
SFAのシェア・市場規模
SFAのシェア・市場規模は、世界的に拡大を続けています。ここからは、国内に絞ってSFAの市場規模や利用率を詳しく紹介します。
SFAの国内市場規模
株式会社xenodata lab.のレポートによると、SFAが属するセールステック業界の国内市場規模は、2024年現在では3,220億円と推計されています。
2029年には7.46%の成長を遂げて3,460億円に達する見込みとなっており、さらなる拡大が予測されているのです。DX化が進んでいることが市場の成長に影響を与えていると考えられていて、特にクラウド型システムの需要が増加している傾向があります。
[出典:xenoBrain「セールステック業界の国内市場規模は2029年に3,460億円に達する見込み」]
SFAの利用率
次に、SFAの利用率を見ていきましょう。
株式会社矢野経済研究所が民間企業を対象に行った調査によると、2016年のCRM・SFAの利用状況は9.5%であるのに対して、2022年には32.1%と大幅に伸びていることが分かります。
DX化の進展により、データ活用や事業強化を目的として導入する企業が多く、今後もさらに利用率が高まることが予測されています。
[出典:株式会社矢野経済研究所「ERP及びCRM・SFAにおけるクラウド基盤利用状況の法人アンケート調査を実施(2022年)」]
SFAを導入する企業・市場規模が増えている理由
SFAを導入する企業が増えたり市場規模が拡大していたりする理由として、企業間の競争の激化やスマホの普及などが考えられます。ここからは、導入数増加や市場規模拡大の4つの理由を詳しく解説します。
企業間競争の激化
近年では、少子高齢化に伴う経済規模縮小などによって、企業間の競争が激化しています。これにより、今まで以上に戦略的に営業活動を行うことが求められているため、SFAの導入数が増加していると考えられます。
例えば、今後は見込み顧客を効率よく育成したり、優先順位をつけて営業したりするなどの戦略的な営業活動が求められるでしょう。SFAを活用すれば、データ分析や営業ノウハウの共有などにより、企業間競争が激化している中でも新規顧客の開拓や受注数の増加などが期待できます。
スマホやインターネットの普及
SFAを導入する企業が増えた理由の一つは、スマホやインターネットの普及が進んでいる点です。
スマホの登場によって消費者の購買行動が変化し、興味を持った商品やサービスの情報を簡単に収集できるようになりました。
商品によっては情報収集から購入まで、スマホ上で完結できます。検索エンジンを活用した情報収集の習慣はBtoCだけでなく、BtoBでも定着しています。
情報収集のハードルが低下し、購買担当者は取引先の営業担当者と必ずしも商談する必要性が無くなりました。これにより、企業は一方的な営業ではなく顧客ニーズに合わせた商品の提案、対応が求められます。
SFAを活用して過去のデータなどから分析を行い、最適なタイミングで顧客ごとに適した商品・サービスを提案する必要があるといえるでしょう。
働き方改革・長時間労働問題の影響
労働時間の削減や営業活動の効率化に向け、SFAを導入する企業も増えています。2019年の働き方改革関連法の施行に伴い、残業時間の上限が明確化されました。
特別条項を締結しない限り、36協定の上限である月45時間・年360時間の遵守が、基本的なルールとなります。
また、2023年4月から中小企業にも残業代の割増率引き上げが適用されます。1か月で時間外労働が60時間を超えた場合、基礎賃金×50%以上の割増賃金を支払わなければなりません。
今までと同じように残業を命じていた場合、多くの人件費を支払うことになり、企業経営の圧迫を招きます。SFAの導入によって隙間時間を有効に活用し、残業時間を削減するのが目的です。
活動内容の記録・見積書作成・日報報告など、外出先で事務処理を進められれば、帰社する必要はありません。コスト削減やワークライフバランス改善につなげられます。
▷【簡単】働き方改革とは?目的・取り組み背景・内容をわかりやすく解説
営業ノウハウの蓄積の必要性
SFAの導入によって、部署全体のパフォーマンス向上も望めます。営業担当者の成功事例を共有でき、他の営業担当者が今後の営業活動に活かせるため、結果として、顧客ニーズを正確に反映した提案につながり、受注率向上が期待できるでしょう。
また、成功事例を簡単に共有できる環境を整備できると、コミュニケーションの活性化にもつながります。マーケティングや商品企画部など、他の部署との連携作業もスムーズに進められます。
▷営業DXにはSFAが欠かせない?業務効率化を進めるために最重要な理由
SFA導入の際の注意点
SFAは、効果を最大化するためにも導入時にいくつかの注意点に気を付けましょう。ここからは、SFA導入の際の注意点を3つ紹介します。
自社が解決する課題を明確にする
SFA導入によってどのような課題を解決したいか、明確化することが重要です。課題の内容によってSFAの選び方も変わってきます。
例えば、営業担当者の残業時間削減を実現するため、SFA導入を検討しているとしましょう。見積書作成・日報作成・名刺OCR機能などを搭載していると、外出先でも事務作業を処理できます。
事務作業やマネージャーへの報告をするためだけに帰社する必要はありません。商談の合間や移動時間を有効に活用でき、業務効率を改善できます。
上記のように自社がどのような課題を抱えているかによって、SFAに求める機能も変わります。導入前に、自社が抱える課題を正確に把握しましょう。
従業員にSFA導入の理解を得る
SFAの効果を最大化するためには、まずは従業員からSFA導入の理解を得ることが大切です。
SFAの導入直後は、顧客情報や案件情報などのデータをシステムに入力する必要があります。そのため一時的に業務負担が増えてしまい、業務への不満につながる恐れもあるでしょう。その際に何の対策も講じなければ、従業員の理解を得られず社内でSFAの利用が浸透しません。
そのため、SFAの導入時には従業員に対してどのようなメリットや効果があるのかを明確に伝えることが重要です。解決が見込める課題も伝えると、より理解を得やすくなるでしょう。
SFAの運用にはコストがかかる
SFAを導入・運用するにはコストがかかる点に注意が必要です。まず、導入時には初期費用が発生し、導入後は、安定した運用を続けるために月額費用を支払い続けるのが一般的です。
月額費用はユーザー数によって変動する場合が多いので、自社でどれくらいの人数が利用するかを検討して予算を算出し、費用対効果が十分に得られるSFAを選ぶ必要があります。
また、導入後はデータ入力が必要になるほか操作に慣れていないと作業工数がかかるなど、時間的なコストがかかる点にも注意しなければなりません。
>▷無料で使えるSFA(営業支援システム)12選比較!有料版との違いや選び方
SFAの選び方
ここからは、SFAの選び方を6つ紹介します。選び方のポイントを押さえておくことで、自社に合ったSFAを選べるようになります。
自社に必要な機能があるか
まず、自社の課題解決につながる機能を搭載しているかを確認してください。
例えば、受注率向上を目的としている場合、行動管理とデータ分析機能が必要です。行動管理は商談件数・訪問件数・受注率などを算出し、営業担当者の日頃の活動内容を可視化します。
商談件数が多い一方で受注率が低い場合、顧客ニーズを正確に把握できていない可能性が高いです。顧客と一定の信頼関係は築けているものの、課題解決につながる商品やサービスを提案できていません。
顧客がどのような点に悩んでいるか、普段の商談から引き出す姿勢が求められます。状況によってはマネージャーが同行訪問し、営業活動の様子を確認するのも一つの選択肢でしょう。
▷SFAに搭載されている機能一覧|SFAでできることや導入メリットを解説
コストが適切か
機能とコストのバランスを見極めるのも重要なポイントです。
SFAに搭載している機能が多いほど、一般的に料金は高くなります。搭載している機能を使いこなせるかどうか、慎重に判断する姿勢が求められます。
不要な機能が多数搭載しているSFAを導入しても使いこなせず、費用に見合った効果は得られません。必要な機能のリストアップや優先順位付けをしておくと、ミスマッチのリスクを避けられます。
また、初期費用や月額費用がどの程度かかるかも確認が必要です。初期費用を無料にしているかどうかは、ベンダーによって異なります。そして、月額費用もベンダーによっては5〜10人分の料金があらかじめ基本料金に含まれている場合があります。
各ベンダーのホームページを閲覧し、初期費用や月額費用がどの程度かかるかを正確に把握しましょう。
▷SFAの平均費用はどれぐらい?主な営業支援システムの価格を徹底比較!
外出先でも使用できるか
外出先でも使用できるように、マルチデバイス対応のSFAを選択しましょう。外出先からスマホやタブレット、ノートパソコンでSFAにアクセスできると、隙間時間に事務作業を処理できます。
時間を有効活用でき、見積書の作成や活動内容を記録するためだけに帰社する必要がなくなるため、長時間労働の是正につながるでしょう。
さらにワークライフバランス改善・コスト削減・従業員のモチベーションアップなど、さまざまなメリットをもたらします。また、スマートフォンのGPSと連携できると、顧客情報の更新や報告業務を簡素化できます。
無料トライアルがあるか
検討しているSFAに、無料トライアルがあるかを確認しましょう。
無料トライアルを利用できれば、コストをかけずに操作性や機能性を確認できます。仮に自社と相性が合わなかったとしても、経済的なダメージは発生しません。ミスマッチや無駄な費用の発生を避けるためにも、無料トライアルを積極的に活用しましょう。
▷SFAの導入に失敗する理由とは?原因や失敗事例・成功させるポイントを解説
既存システムと連携できるか
自社の既存システムと連携できるかどうかも、重要なチェックポイントです。
SFAは単体でも営業業務を大幅に効率化できるツールですが、CRMやMAなどのツールと連携すると、顧客情報の共有や顧客ニーズに合わせた提案、アプローチが行えるようになります。
このように、SFAと既存システムの連携により、成約率や顧客満足度の向上が期待できるでしょう。スムーズで適切な営業活動を行うためにも、既存システムとの連携の可否は確認が必須です。
導入実績は豊富か
導入実績の豊富さも、SFAを選ぶうえでの重要な判断基準の一つです。
導入実績が多ければ、機能性やサポート体制が優れていると判断できます。運用後に不明点があった場合も、Web上などから情報を集めやすいというメリットもあります。
一方、導入実績が少ない場合、使い勝手やコストパフォーマンスが悪い可能性があります。導入実績が多く、市場シェアの高いベンダーを選択した方が安心して利用できるでしょう。
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国内で高シェアを誇る人気のSFA
ここからは、国内で高シェアを誇る人気のSFAを4つ紹介します。特徴や料金などを比較しながら、自社に合ったSFAを選んでみてください。
Account Engagement
Account Engagementは、CRMと一体化したSFAで、CRMとSFAの機能を活用しながら、顧客情報を管理して営業活動を効率化できます。
見込み顧客の獲得に優れた機能が備わっており、エンゲージメントデータから意思決定者を特定し、適切なアプローチが行えます。また、見込み顧客の関心が高まっているタイミングをSlackなどで営業担当者に知らせる機能もあり、アプローチのタイミングを逃しません。分析機能も優れていて、どのような要因がCV率を高めて成約につなげているかを予測することが可能です。
提供元 | 株式会社セールスフォース・ジャパン |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | 自動化とスムーズな営業連携、見込み獲得から商談成立まで 一気通貫、AI機能 Einstein(アインシュタイン)でマーケティング活動の効率化・成果をさらに向上など |
URL | 公式サイト |
Mazrica Sales
Mazrica Salesは、「誰でも使えること、 誰でも成果を出せること」を理念に開発されたSFAです。自社の状況に合わせて誰でも簡単にカスタマイズ可能で、ITツールの操作に慣れていない方でもすぐに使いこなせるようになるでしょう。
蓄積されたデータを基に、見込み顧客や未開拓顧客の獲得、営業推進までを効率的に行うことが可能です。外部システムとの連携機能も備えており、自社の既存システムと連携すればさらにSFAの導入効果を最大化できます。導入後の利用継続率は平均98%、導入後の売上成長率は平均139%と高い実績を誇っています。
提供元 | 株式会社マツリカ |
初期費用 | 無料 |
料金プラン |
|
機能・特徴 | 顧客管理、案件管理、行動管理、レポート機能、AI機能、名刺管理、モバイルアプリ、外部連携など |
URL | 公式サイト |
eセールスマネジャー Remix Cloud
eセールスマネジャー Remix Cloudは、ソフトブレーン株式会社が提供する国産SFAです。ユーザーからの評価が高く、導入企業数は5,500社を突破しています。
特徴は、優れたユーザーインターフェースです。情報が整理されたシンプルな画面設計によって、直感的な操作を実現できます。各案件の進捗状況や受注見込み額も一目で把握できるため、マネージャーはマネジメント強化を図れます。
提供元 | ソフトブレーン株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | Remix MS(30名以下・月額費用)
Remix Cloud(〜31名以上・月額費用)
|
導入実績 | 5,500社以上 |
機能・特徴 | 顧客管理・案件管理・日報管理・スケジュール管理・名刺OCR/デジタル化・地図機能など |
URL | 公式サイト |
kintone
kintoneは、サイボウズ株式会社が提供する業務用アプリ作成ツールです。純粋なSFAシステムではなく、パッケージアプリの活用や必要な機能を組み合わせてSFAシステムを構成できます。
パッケージアプリを活用した場合、顧客管理や案件管理を基本機能として搭載しています。必要に応じて、ワークフロー・見積書・契約書管理など、必要な機能を追加しましょう。テンプレート化されたアプリを選択すれば、簡単に機能を追加できます。
また、配送依頼・広告契約管理・福祉施設入居希望者管理など、業界別のアプリも多数用意されています。調達・総務・マーケティングなど用途別アプリの選択肢も多く、組織全体の生産性向上も実現可能です。
提供元 | サイボウズ株式会社 |
初期費用 | 無料 |
料金プラン |
|
導入実績 | 30,000社以上 |
機能・特徴 | 日報、案件管理、問い合わせ管理、採用面接管理、タスク管理、交通費申請、データの入力、編集、レポート機能、アプリ同士の連携、プロセス管理など |
URL | 公式サイト |
SFAの市場規模は年々拡大している傾向
SFAの国内市場は、ここ数年で急速に伸びています。2022年には、市場規模が4年前の倍以上に達する見込みです。
営業活動の効率化・顧客との関係維持・部署全体のパフォーマンスアップなど、企業によってSFAの導入目的は異なります。自社がどのような課題を解決したいかは、SFAの選び方にも関わってくるため、事前に明確化しておくことが重要です。
SFAの選定時には、今回紹介した選び方のポイントやおすすめのSFAも参考にしてみてください。
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