SFAの適切な使い方とは?営業担当者必見のポイントを解説

最終更新日時:2023/01/09

SFA(営業支援システム)

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SFAを適切に使えば営業の効率化が進み、成約率や売上の向上につながります。本記事では、SFAの適切な使い方や便利な機能、SFAを使うメリットを紹介します。SFAを活用するときのポイントも解説しているので参考にしてください。

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【確認】SFAの便利な機能

SFAには、営業活動や関連業務の効率化とパフォーマンス向上を支援するための様々な機能が搭載されています。

各種機能をうまく活用し、実際にポジティブな効果を得るためには、それぞれの機能の特徴や活用方法を理解しておく必要があります。

ここではまず、SFAに搭載されている基本的な機能について解説していきましょう。

(1)案件管理

案件管理機能は、SFAに搭載されている最も基本的な機能で、進行中の案件の状況を可視化する機能です。

SFAでは、営業先の企業名、担当者名、提案商品、受注見込み、受注予定日、受注見込み額など複数項目にわたって当該案件に関する情報を管理します。

案件管理機能は、営業担当者が顧客ごとの案件進捗状況を確認する際はもちろん、営業マネージャーがメンバーの営業活動の進捗状況や売上計画に対する達成状況を確認する際にも有効な機能となります。

(2)顧客管理

顧客管理機能により、顧客へのケアやフォローに加え、営業活動の内容が一元管理され、営業メンバー全員で共有できるため、属人性を排除した顧客管理が可能となります。

従来、各営業担当者がどのような顧客を抱えており、それぞれの顧客とどのような話が進んでいるのかという点は、担当者のみが把握している情報としてブラックボックス化しがちでした。

SFAで顧客情報が一元管理されることで、担当者の異動や退職に際しても、サービス品質を低下させることなく、顧客と良好な関係性を維持することができるのです。

(3)商談管理

商談管理機能は、商談の進捗状況を可視化する機能です。

SFAでは、顧客先への訪問目的から、過去の商談内容、現在の商談の進捗状況や次にやるべきことなど、商談に関する様々な情報を管理できます。

営業部内全メンバーの商談内容が一元管理できることで、商談成約率の高い担当者の行動傾向を割り出すことができ、「必勝パターン」をナレッジ化することが可能です。

反対に受注に至らなかった商談についても、蓄積されたデータを分析することで、失注の原因や課題が可視化されるため、結果として営業部全体のパフォーマンス向上につながります。

(4)売上予測

売上予測機能とは、担当者と営業部のそれぞれに課される売上目標に対して、リアルタイムで達成状況を更新しながら最終的な着地額を予測する機能です。

個人単位、組織単位の双方において、売上予測がリアルタイムに確認できることから、着地額を随時確認し、柔軟かつ早期に営業計画を修正できます。

マネージャーの視点からは、売上推移に応じた人員の最適配置や成績の芳しくないメンバーのフォローなど、売上達成に限らず営業部全体の収益性向上のための施策の立案においても役立つ機能です。

(5)日報・週報などの報告

日報や週報などの各種報告機能は、営業担当者が営業活動に専念するために役立つ機能です。

営業では、顧客先訪問や商談などの営業活動以外にも様々な事務作業が発生し、時として営業担当者に多大な工数負荷としてのしかかっています。

入力にかかる作業工数を最小限におさえることで、外出先や移動中に手早く報告書を作成できます。加えて、システム上で共有することで、わざわざ帰社してマネージャーに提出する手間も省けます。

入力されたデータは、案件管理や顧客管理などに適宜必要なデータを自動反映させるため、管理帳票やシステムごとに重複するデータを何度も入力する必要もありません。

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(6)見積書の作成

訪問先で見積額が知りたいと言われた時、その場でスピーディーに見積書を提示できた方が成約率は高まります。

SFAの見積書作成機能を使えば、外出先でも少ない工数で見積書を作成できるうえに、承認プロセスもオンライン上で完結するため、商談後に迅速に見積書が提示できます。

担当者の事務作業工数の削減に加え、見積書の作成から承認に時間がかかったことが理由で機会損失につながるリスクを最小化できるでしょう。

(7)分析・集計

売上額やクローズした案件数など、営業活動に不可欠な多岐にわたる数値管理は、SFAの分析・集計機能を活用することで、手作業で行うよりも格段に素早く行えます。

日々集積されていくデータは、集計レポートとして随時確認ができるだけでなく、分析機能を使うことで、今後の課題改善や来期の営業計画策定など様々な用途に分析結果を活用できるのです。

(8)モバイル・タブレット対応

外出の多い営業担当者にとって利便性の高いSFAの条件として、「マルチデバイス対応」は欠かせない項目です。

スマートフォンやタブレット、ノートPCなどのマルチデバイスに対応しているSFAであれば、外出先での隙間時間や移動時間を使ってデータ入力や報告書作成が可能になります。

外出先やリモートワークであっても、アカウントにログインするだけでどの端末からもSFAを利用できる環境を整えることで、営業担当者の生産性向上にもつながるでしょう。

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SFAを導入するメリット

実際にSFAを導入すると、営業活動にはどのようなメリットが生まれるのでしょうか。ここからは、SFAを使うことによって得られる、代表的な5つのメリットについて解説していきます。

(1)部門を超えて情報共有ができる

SFAに集積されていく顧客や売上に関するデータは、営業部メンバーだけでなく、マーケティング部門や事業担当部門などの関連部門とも共有できます。

案件の進捗や売上状況がリアルタイムで確認できるため、他部門で戦略や計画を策定する際に有効に働くのです。

属人化、ブラックボックス化しやすい営業活動において、個々の営業担当者や営業部全体の動きが可視化されることで、それらの問題点の解消につながります。

(2)売上予測が手軽にできる

SFAが有する高いデータ分析能力を使えば、現実的な数値の売上予測をリアルタイムで確認できるようになります。

案件や商談の進捗状況データを元に予測することで、正確な着地額を導き出せるので、より精度の高い営業戦略や活動計画を策定できるでしょう。

リアルタイムに正確な売上予測ができる点は、営業担当者のみならず、上層部への売上報告を行うマネージャーにとっても心強い機能なのです。

(3)営業活動の可視化ができる

これまで解説してきたように、SFAが顧客や案件、商談の情報からメンバーの行動、スケジュールまで、営業活動に関わるすべてのデータを一元管理することで、営業活動全体が可視化されます。

従来の営業活動は、顧客対応から案件・商談管理まで、担当者に依るところが多分にあり、具体的な活動内容や顧客情報が不透明なことが少なくありませんでした。

SFAによって営業活動が可視化されることで属人性が解消され、営業手法の標準化を進めることができます。その結果、営業部全体で収益性を高めていく取り組みにコミットできるようになるでしょう。

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(4)優秀なメンバーのノウハウをメンバーに反映できる

SFAに集積されたデータを用いた分析結果は、メンバーの教育に役立てられます。全ての担当者の案件・商談進捗や売上額などのデータを抽出し分析することで、成約に至りやすい行動傾向、いわゆる「勝ちパターン」を導き出すことができるためです。

これまでは、営業パフォーマンスの向上にはある程度の経験を積むことが必要とされてきました。

しかし、優秀なベテラン担当者のノウハウをナレッジ化することで、より効率的に営業部全体のパフォーマンスを高めることができるでしょう。

(5)経営判断ができる

個々の営業担当者が抱えている顧客情報や案件・商談進捗が、SFAにより部内全体で共有されることで、正確でスピーディーな経営判断を下せるようになります。

例えば、リアルタイムで正確な売上予測が確認できれば、売上達成のための計画変更や目標修正を迅速に行えます。また、フォローが必要な担当者のもとへサポート人員を送るなど、効率的で適切な人員配置も可能となります。

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SFAの適切な使い方

様々な機能を持つSFAですが、実際の現場の担当者たちに活用されなければ導入する意味がありません。

ここでは、SFAの持つ機能や特徴をふまえながら、適切な使い方を5つの具体例をあげながら解説していきます。

(1)外出先で使う

営業担当者の多くは、1日のほとんどを外出先で過ごします。そのため、営業活動の支援ツールであるSFAは、「外出先であってもオフィスでの業務と同じように使えるシステム」という一つの大きな目的を軸に設計されているのです。

外出先でのSFAの代表的な活用方法は以下の3つがあげられます。

#1: 情報を確認する

同時進行している複数の案件に対応する営業担当者にとって最も重要なことの一つが、スケジュール管理です。

アポ予定や商談予定だけにとどまらず、資料や見積書の送付期日などのスケジュールを、外出先であってもすぐに確認できます。そのため、訪問日程や時間、送付期日などを間違えるといった人為的ミスを防ぐことができるのです。

#2: 情報を入力する

上司への承認依頼や日報提出などに必要なデータ入力を、外出先での隙間時間に行えるため、事務作業を効率的にこなすことができます。

また、営業部内のコミュニケーションをSFA上でまとめて行えるので、メンバー全員とほぼリアルタイムで更新された最新情報を共有可能です。

#3: 書類を作る

日報や見積書などの営業活動に必要な書類作成においては、SFAの基本機能として登録されているフォーマットを活用することで、書類作成のためにオフィスに戻る必要がなくなります。

また、承認や確認プロセスもすべてオンライン上で完結できるため、書類の作成から提出・送付までを一気通貫で場所を選ばず行えます。

(2)売上予測を行う

集積された様々なデータを分析し、正確な売上予測をスピーディーに導き出すことができる点は、SFAの大きな強みのひとつです。

個々の担当者の売上と売上目標を一元管理することで、営業部全体と担当者個人の売上予測をリアルタイムに更新していくことができるのです。

予実管理の精度が高まることで、適切な経営判断を迅速に下すことができるというメリットにもつながっていきます。

(3)資料作成の手間を減らす

SFAが得意とする集計・レポート機能を活用することで、様々な資料作成の工数負荷を削減できます。

週次・月次の報告会議や上層部への定例報告、顧客への提案資料など、使用頻度の高い資料に関してはある程度テンプレート化して活用できるためです。

個々の営業担当者の力量に頼った資料作成ではなく、使用する書式を統一することで効率的に資料作成作業を進められ、結果として営業活動に注力できるようになるでしょう。

(4)データ分析し対策を練る

SFAは集積された様々なデータの中から、使用者が指定した指標をもとにデータを集計・分析し、手作業で行うよりも何倍ものスピードで分析結果を提示してくれます。

SFAが得意とするデータ分析機能を活用すれば、これまで気づかなかったような相関関係を見出すことができ、新しい視点を用いた営業戦略の策定が可能となるのです。

(5)即座に見積書を作る

顧客からの見積書依頼を受け取ってから、短時間で見積書を提示することは、顧客との信頼関係構築に大きな影響を及ぼします。

SFAであれば、外出先であっても見積書作成フォーマットを利用して即座に作成し、そのまま上長に承認依頼を投げることができます。

先方からの依頼日同日に見積書を渡すことも可能なので、先方の気が変わらないうちに商談を進められるのです。

SFA導入の失敗を防ぐ対策

営業活動に様々なメリットをもたらすSFAですが、導入をスムーズに行い迅速に現場に定着させて活用されなければ、コストをかけた意味がなくなってしまいます。

ここでは、SFA導入を失敗に終わらせないための5つの対策について解説していきます。

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(1)現場にSFAの目的を共有する

システム導入が成功するか失敗するかは、実際に使用する営業担当者から理解と協力を得られるかにかかっています。

新しいシステムの導入には、少なからず業務手順の変更や追加が発生するため、現場からの理解と協力が得られないまま導入を進めれば、現場の不満を募らせるだけになってしまいます。

システム導入の目的やメリット、SFAをどのように活用し将来的にどのような成果を得たいのかといった具体的な導入目的に関しては、導入前にしっかりと説明する機会を設けましょう。

(2)入力項目を絞る

現場で使われないシステムとなってしまう原因の一つとして、システム導入によりかえって作業負荷が増大することがあげられます。

これは、より多くの機能が搭載され、より多様なデータが集積できるSFAの方が、データ分析やその後の活用により多くのメリットを得られると思って、導入するシステムを決めてしまうことが多いためです。

システムの選定時には、現場の営業担当者が、コア業務である営業活動により多くの時間と労力を費やせるよう、入力項目が必要最小限に抑えられたシステムを選ぶようにしましょう。

(3)MAツールと連携させる

マーケティング業務の自動化システムであるMAツールとSFAを連携させることで、見込み客の抽出から育成、そして営業アプローチから商談・成約までをノンストップで行えます。

MAが得意とする見込み客の抽出と優先順位に応じたアプローチの自動化機能により、見込み客を効率的に育成できるため、成約確度を見計らって効率的に営業アプローチをかけることができるのです。

(4)使い勝手の良いツールを選ぶ

自社に適したSFAとは、必ずしも高価格で多機能なシステムであるとは限りません。営業活動の内容や扱っている商材、顧客の属性などから、必要とされる機能は変わってきます。

そのため、あまりに多機能すぎるSFAを導入することで、「入力に手間がかかる」「作業手順が増える」といった業務負荷が増大してしまっては意味がありません。

導入前には必ず試用期間を設け、入力工数や操作性を実際に確認してから判断するようにしましょう。

(5)サポート体制が整っているSFAツールを導入する

データ分析やシステム運用に精通している人材がいなければ、導入後のトラブルや課題に迅速に対応できません。

社内にそのような人材がいない場合は、外部の専門コンサルタントによる導入支援サービスを活用することも検討しましょう。

導入後からシステムが組織に定着し成果が生まれるまでの期間、プロによるサポートが得られることで、様々な導入リスクが軽減されるため、導入が失敗に終わるリスクの最小化にもつながるのです。

SFA活用の成功事例5選を紹介!具体例から学ぶSFAの効果的な活用法

SFAの適切な使い方をマスターし、営業効率を高めよう

SFAは、営業活動の効率化と収益性向上に貢献します。うまく活用することで、担当者の力量や経験値、勘といった属人的な要素がパフォーマンスを決定づける大きな要因とされてきた営業活動から、属人性を排除し、業務効率を高めることができるのです。

今回解説したSFAの持つ強みや活用方法をぜひ現場でも取り入れて、営業担当者個人の成績だけでなく、営業部全体の業務効率や収益性向上を目指してください。

自社に合った最適なSFAの選び方は?7つのチェック項目を解説

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