SFA導入がもたらす効果とは?メリット・デメリットを徹底解説!

最終更新日時:2022/04/12

SFA(営業支援システム)

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SFAの利用によって、業務効率化や情報の一元管理などが期待できますが、安易に導入してしまうと、結果的に使いこなせなかったりデータを活用できないこともあります。まずはSFAを利用するメリット・デメリットについて知った上で、導入を決めるべきでしょう。この記事では、営業担当者と経営者、それぞれの視点からSFAの効果などを解説し、導入のコツも紹介します。

SFAを導入することで得られる効果

SFA(営業支援システム)は、営業活動における業務プロセスを自動化・可視化し、データを蓄積・分析することで営業活動を効率化するシステムです。

SFAを導入することで、営業活動の効率化やプロセスの可視化が期待でき、企業業績の向上を図ることができます。

ここでは、営業担当者と経営者の両方の目線から、SFAを導入することで得られる効果を紹介します。まずは、営業担当者から見るSFAの導入効果を確認していきましょう。

(1)営業担当者目線での効果

SFAを導入することで、営業担当者目線では以下の効果が得られます。

  • 営業活動を効率化できる
  • 外出先でも作業が可能になる
  • マネージャーとの情報共有が活発化する

#1: 営業活動を効率化できる

SFAを導入することで営業活動を効率化できます。多くのSFAツールには、顧客管理や案件管理、行動管理、予実管理、レポート管理など、さまざまな機能が搭載されています。

SFAを導入していない場合、これらの管理を表計算ソフトや業務システムを使って、各担当者が手作業で行う必要があります。手作業でのデータ入力は手間がかかり非効率です。さらに、複数のサービスを使っている場合には、営業部門内で情報を共有するために別途ミーティングを設定する必要があり、時間と手間がかかり営業効率が下がる一因になります。

一方で、SFAを導入することで顧客情報や営業情報などを一元管理・共有が可能になります。営業部門の担当者は、多くの場合、定型的なフォームに情報を入力するだけの作業となるので、営業活動を効率化できます。

#2: 外出先でも作業が可能になる

SFAはスマホやタブレットでも操作ができるため、外出先からでも作業が可能になります。

SFAを導入せずExcelやPowerPointなどで管理している場合、スマホやタブレットからの操作は難しく、外出先から帰社し、会社で日報や営業報告書を記入する必要があります。その結果、営業担当者の残業時間が長くなるなどの弊害も出てきます。

SFAを活用すれば、営業先やコワーキングスペースなど場所を選ばず、いつでもどこからでも、モバイル端末から操作が可能になるので、残業時間の削減効果が期待できます。

#3: マネージャーとの情報共有が活性化する

SFAの利活用で、マネージャーとの情報共有を活性化することができます。

ExcelやPowerPointなどで営業活動を管理する場合、マネージャー側がExcelなどのデータをダウンロードする必要があったり、メンバー間で共有ミーティングの場を設ける必要があります。

一方、SFAの強みはオンライン上で、いつでも情報の確認やコミュニケーションが図れる点にあります。営業担当者がSFAに情報を入力すると、マネージャーもその情報を逐一確認して、スマホやタブレットからもコメントできます。案件の進捗確認はもちろん、課題へのアドバイスなどもリアルタイムで行えます。

(2)経営者目線での効果

SFAを導入することで、経営者目線では以下の効果が得られます。

  • 売上が向上する
  • 営業部門の課題発見と組織の強化

#1: 売上が向上する

SFAを使うことで、会社全体の売上向上につながります。

SFAによって、顧客情報や営業部門の行動を蓄積・分析することが可能になります。また、トップ営業マンの行動やナレッジを共有して、営業部門全体の質を高めることもできます。

いままで分散していた情報やノウハウを一元管理し、共有することで営業組織全体の強化につながります。その結果、成約率や継続率が上がり、売上の向上が期待できます。

#2: 営業部門の課題発見と組織の強化

SFAには、営業部門の非効率な業務や改善点などを発見しやすくなるという導入効果もあります。

経営者は、SFAに蓄積された情報や営業担当者の週報、日報、営業報告書など営業部門が入力した情報を簡単に確認できるため、営業部門が抱えている非効率な部分や問題点、課題などを簡単に発見できるようになります。

経営者はこれらの情報を分析し、問題点を改善することで組織の強化を図ることができます。

SFAが営業部門にもたらす4つのメリット

SFAが営業部門にもたらすメリットは以下の4点です。

  • 属人化しがちなノウハウを共有できる
  • 移動時間などを効率的に活用できる
  • マネージャーが営業担当者の行動を把握できる
  • 情報の一元管理ができる

(1)属人化しがちなノウハウを共有できる

SFAを導入することで、属人化しがちなノウハウを共有できるようになります。

SFAを導入していない場合、顧客情報は各営業担当者が独自に保有しているため、必要なときにすぐに確認できないこともあります。またトップ営業マンやベテランの営業マンが独自のノウハウによって成果を出している場合にも、共有手段がないと営業部門全体での活用が難しくなります。

一方、SFAを導入することで、自身の営業記録を蓄積できるだけでなく、他のメンバーの営業情報やノウハウも確認し活用できるようになります。そうすることで、組織全体の質の平準化が図れるので、営業効率の向上にも寄与します。その結果、成約率や継続率を上げられ、売上アップにもつながります。

(2)移動時間などを効率的に活用できる

SFAを使いこなせば、移動時間などの隙間時間を効率的に活用できるようになります。

クラウド型のSFAツールなどを使えば営業に関するさまざまな記録や情報をモバイルから入力可能です。これまでは帰社後にPCから入力する必要があった日報や週報などの作業を、電車やタクシーなどの移動時間にもできるようになります。

移動時間の有効活用によって、残業時間の軽減はもちろん、コア業務への注力によって生産性の向上も期待できます。

(3)マネージャーが営業担当者の行動を把握できる

マネージャーが営業担当者の外出先での行動を把握する上でも、SFAは役立ちます。

SFAは営業部門のスケジュール管理ができるので、マネージャーは外出先からスマホやタブレットを使って営業担当者の営業計画や顧客情報などを把握できます。また営業担当者が抱えている課題に対して、SFAのチャット機能などを使ってアドバイスを送ることもできます。

SFAを導入することで、メンバーの管理を容易にし、多忙なマネージャーの時間を有効活用することができます。

(4)情報の一元管理ができる

SFAを導入することで、一つのシステムで顧客や案件、営業部門の行動、予実などの営業に関する情報の一元管理が可能になります。

紙の書類やExcelなどを使ってそれぞれ個別に管理した場合、必要なときに必要な情報を取り出すのが難しく、さらに、情報同士を連携させるのも難しいため、営業効率を著しく下げているケースもあります。

SFAはさまざまな情報を効率的に一元管理でき、検索性にも優れているため、必要な情報に簡単にアクセスできます。

SFAが経営者にもたらす3つのメリット

SFAが経営者にもたらすメリットには以下の3つがあります。

(1)営業部門の課題の発見とコストカット

SFAを導入することで、営業部門の課題の発見とコストカットが期待できます。

SFAを導入すると、これまでブラックボックス化されていた営業プロセスが可視化され、課題の発見につながります。可視化することで、営業担当者が独自の方法で行っていたことによる非効率性や間違いなどを、マネージャーが指摘できるようになります。

さらに、トップ営業マンのノウハウも共有されるようになり、成果が出ていない営業マンと比較することで、どこに問題があるのかということも明確になります。

また、SFAの導入によってナレッジが蓄積・共有されるため、育成コストの削減にもつながります。自社特有のノウハウを使った研修によって、一般的な研修と比べて、効果的かつ低予算で教育できるようになります。

(2)マネージャーの適切な評価

SFAの導入は、経営層がマネージャーを適切に評価する際にも役立ちます。

SFAを導入していない場合、営業プロセスや業務内容がブラックボックス化されることがあり、評価の対象が売上のみになってしまうこともあります。その場合、営業担当者は売上実績や成約件数などの数値をもとに公平に評価されるのに対して、マネージャーなどの管理職を評価する際の基準は不明確になりがちです。

SFAを活用することで、売上だけでなく、これまで見えづらかった営業プロセスや業務内容も明確になり、マネージャーがどのようにメンバーとコミュニケーションを図り、マネジメントを行ったのかも可視化されます

経営層はマネージャーの具体的な行動や意思決定プロセスなどをチェックすることで、適切な評価を下せるようになります。

(3)全社的なデータの共有と活用

営業部門がSFAに入力したデータは全社に共有され、権限があれば誰でも閲覧可能な状態になります。これにより、部署をまたいだデータの共有や活用が可能になります。

例えば、新規事業開発の担当者や販売・マーケティング部門の担当者なども自由に情報にアクセスできます。営業部門と他部署との連携によって、新規事業の創出や既存サービスの改善などにつなげることもできるでしょう。

SFAを導入する場合の3つのデメリット

SFAにはさまざまなメリットがある一方で、デメリットもあります。

SFAを導入するデメリットは以下の3つです。

  • 操作方法等の研修が必要
  • 導入費用・ランニングコストがかかる
  • システム連携に専門的な知見が必要

(1)操作方法等の研修が必要

SFAの導入直後は使用方法や活用方法などがわからず、担当者が困惑してしまうこともあります。SFAは便利である一方で、使いこなすまでに時間がかかります。

SFAの機能を最大限に発揮するためにも、導入までのサポートだけでなく、導入後のフォローや研修が必要になります。ベンダーを選ぶ際は研修を実施しているところを選ぶようにしましょう。

(2)導入費用・ランニングコストがかかる

新しいシステムを入れることになるので、導入費用と月額利用料やサポート費用などのランニングコストがかかります。

SFAを選ぶ際に機能の豊富さだけで選んでしまうと、自社では利用しない機能があるなど、余計な費用がかかってしまうことがあります。そのため、SFAを選ぶ際は、必要な機能を洗い出し、無駄がないシステムを選ぶことが大切です。

また、費用対効果も考え、導入するべきかどうかをしっかり検討してから判断するようにしましょう。

(3)システム連携に専門的な知見が必要

SFAを導入すると、システム連携に専門的な知見が必要になります。

SFAは他のツールやシステムと連携することが鍵になります。MA(マーケティングオートメーション)ツールの場合、連携することでマーケティング活動で獲得した顧客情報も活用できます。また、チャットなどのコミュニケーションツールと連携することで、営業に必要なデータの共有も可能になります。

これらのシステムを連携させるには専門的な知見が必要です。現在社内に対応できるIT人材がいない場合は、中途採用や業務委託、外注を利用する必要があります。その場合、コストが増加する可能性がある点には留意が必要です。

SFA導入を成功させる4つのコツ

SFAを活用し、業務の効率化や業績の向上などの目的を果たすためには、導入のコツを押さえておく必要があります。

SFA導入を成功させるコツは以下の4つです。

  • 現場に操作感を試してもらう
  • 自社に必要な機能を洗い出しておく
  • 導入目的を明確にしておく
  • 短期的な効果を求めない

(1)現場に操作感を試してもらう

SFAの導入を成功させるには、営業現場の担当者に操作感を試してもらうことが大切です。機能が豊富であったり、評判が高かったりしても、自社に合わない場合、導入に失敗する可能性が高くなります。

SFAの導入を主導するのは、実際に利用する営業部門ではなく、情報システム部門や管理部門です。これらの部門は営業現場を深く理解しているわけではないので、導入したSFAが自社に合わないこともあります。

導入後の失敗を防ぐためにも、まずは現場に操作感を試してもらってから本格導入するようにしましょう。また、無料トライアルを実施しているサービスもあるため活用することをおすすめします。

(2)自社に必要な機能を洗い出しておく

SFAには便利な機能が豊富に揃っているものもあります。しかし、営業部門の人が「使いやすい」「役に立つ」と思える機能が搭載されているものでなければ意味がありません。

導入後に誰も利用しなくなったり、活用できないという事態にならないためにも、SFA導入の担当者は事前に営業部門にヒアリングして、必要な機能を把握しておくことが重要です。

(3)導入目的を明確にしておく

SFAを何のために導入するのか、目的を明確にしておく必要があります。目的が不明確な場合、実際に使用する営業部門もSFAを使用する意味を感じられなくなり、失敗に終わることもあり得ます。

例えば、「売上の向上」「営業活動の管理」「ノウハウの蓄積・共有」などの目的を明確にし、部門内で共有しておく必要があります。SFAの導入自体が目的化すると、導入後に活用されないということも起こりえるので注意しましょう。

(4)短期的な効果を求めない

SFAを導入したからといってすぐに効果が出るものではありません。従業員が使い慣れるまで、ノウハウが蓄積されるまで、実際に活用されるまでは時間がかかるものです。短期的に効果を求めないことが大切です。

効果が出るまで、数カ月から数年単位の長い目で見ておくことが重要です。

SFAの平均費用はどれぐらい?主な営業支援システムの価格を徹底比較!

SFAのメリットとデメリットを把握した上で導入の検討を

SFAを導入することで、営業担当者と経営者双方でメリットを享受できる可能性があります。また他部門との連携によって全社的に導入効果が得られることもあるでしょう。

例えば、SFAの導入で部署内での情報やノウハウの共有、業務効率化、全社的な情報の一元管理などが期待でき、企業業績の向上にもつながります。

一方で、導入コストやランニングコストなどを事前に把握し、費用対効果についてもシミュレーションしておくべきでしょう。また、SFAの導入自体を目的化するのではなく、導入後の目的を従業員間で共有することが、利活用の成功の鍵を握ります。

メリット・デメリットやSFAの特性などを把握した上で、自社に合うサービスを導入しましょう。

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